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TSUTAYAの店舗
テレビもDVDもツタヤも、「終わり」始めている 定額動画サービスの脅威
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151122-00010003-bjournal-ent
Business Journal 11月22日(日)22時30分配信
次々にやって来た「黒船」は、テレビの何を変えるか――。
民放テレビ局5社は10月26日、テレビ番組を無料で見られるサービス「TVer(ティーバー)」をスタートさせました。インターネット上で各社が週に10番組程度の最新コンテンツを広告付きで配信するというものです。
背景には、各社が試みた有料のオンデマンド・サービスがいまひとつの状況であることに加え、「dTV」や「HULU」など国内の定額動画ストリーミング・サービスがスタートし、6500万人のユーザーを抱える同分野世界最大の「Netflix(ネットフリックス)」、さらにネット通販世界最大のアマゾンがプライム会員に無料見放題という破格のサービスで上陸してきたことへの危機感があるのではないでしょうか。
下手をすると、これらの定額ストリーミングにオンデマンド・サービスの主導権をとられ、番組を安く買い叩かれてしまいかねません。また、大化けする可能性をもったアップルの「Apple TV」の第4世代となる新モデルも発売されました。
●イノベーションのジレンマ
テレビ業界は3Dで無残に失敗し、4Kや8Kなど画質を向上させることで価値づくりと生き残りを図ろうとしていますが、それで新しい市場が広がってくるわけでも、またテレビから離れてしまった若い人たちが戻ってくるわけでもありません。4Kもあらゆる番組にその画質が求められるわけではなく、放送よりはストリーミングサービスなどで先行していく可能性が高いのです。興味深いのは、日中韓のテレビメーカーが3Dや4Kに関してまったく同じ路線の技術で競い合っていることです。赤信号もみんなで渡れば怖くないということでしょうか。
テレビ局が若者のテレビ離れに手をこまねき、テレビメーカーは市場の飽和とコモディティ化になすすべがないままに、テレビ周辺のビジネスも停滞してきました。
その大きな原因は、テレビと生活者のライフスタイルやメディア環境の多様化との間にギャップが生じてきたためです。決まった時間に限られた選択肢から選んで見なければならない、あるいはわざわざ事前に録画しておかなければならないシステムは、もう終わり始めています。インターネットやモバイルに若い世代が移っていくのも当然です。
しかし、テレビ局はそういった変化に対応するイノベーションを起こすと、これまで参入障壁となり自らのビジネスを成り立たせていた「電波」という強みを、自ら破壊することになりかないジレンマを前に、小さな改革しかできなかったのです。その結果、長期的な総世帯視聴率(HUT)の低下、つまりテレビを見る世帯の減少が起こってきました。
定額動画配信や見逃し番組のオンデマンドなどで、好きな時間に、好きなメディアで、好きな番組を見ることができる。そんなサービスが競い合う時代にいやがおうでも入っていきます。テレビ局も当然巻き込まれます。他局との視聴率競争だけでなく、映画や過去のヒット番組と競合してきます。時間を奪い合う競争です。そう考えると、テレビをめぐるイノベーションとしては、任天堂などのテレビゲームの登場以来の出来事が起ころうとしていることを予感させます。
●放送とネットの境界がさらになくなる
思い起こせば、2005年にライブドアによるニッポン放送への敵対的買収事件が起こった時に、「ネットと放送の融合はありえるのか?」という口角泡を飛ばす熱い論争がありました。いま振り返ると、まるでジョークなのかと思うような議論でした。
しかし、その2年後には見逃した番組をあとから見られる「アクトビラ」がスタートし、さらに5年後あたりから、NHKや民放各社が有料で見逃し番組を販売するオンデマンドサービスをスタートさせ、またNTTドコモのdビデオやHULUなどの定額動画配信などが次々に登場します。
さらに無料動画のユーチューブをスマートフォン(スマホ)で楽しむことも若い世代では当たり前になりました。動画を見るメディアが、スマホやタブレット、PCなど、テレビだけではなくなり、また動画コンテンツの多様化が起こってきたのです。
サイバーエージェントが15年6月に、全国47都道府県の15〜69歳で週に1回以上ネットに接触する男女3万人を対象として、動画メディアの利用状況調査を実施しています。10代はスマホで動画を視聴する割合が80%で、テレビとほぼ同水準。10〜40代は約半数がPCで動画を視聴し「若年層へネット動画が浸透している傾向が鮮明になった」としています。
さらにツイッターからの投稿で視聴者が参加する番組も当たり前のように生まれ、ネットと放送の境界感覚がなくなってきています。
そんな流れの中でネットフリックスやアマゾンなどのサービスがスタートし、また新世代Apple TVが発売されました。これらのサービスが浸透していくにつれ、ますますテレビとネットの境界が意味をなさなくなってきます。
●サブスクリプションが既存のビジネスモデルを破壊する
もはやコンテンツを買ったり、借りたりする時代が終わるのかもしれません。音楽も、アルバムや曲を買うことから、定額ストリーミングへ移行しようとしています。映画もテレビ番組も、番組をひとつずつ買ったり借りたりするペイ・パー・ビューから、定額で見放題のサービス利用へと移っていくものと思われます。いわゆるサブスクリプションといわれるものです。
あのアップルの成長を支えてきた楽曲ダウンロードサービス「iTunes」ですら、定額ストリーミングの「Spotyfi(スポティファイ)」が登場したことで顧客を奪われ、まったく売り上げが伸びなくなってしまっていました。そして、ついにアップルも定額聴き放題の「Apple Music」に軸足を移さざるを得なくなったのです。
定額聴き放題、定額見放題のサービスは、リアルな店舗でDVDやCDを貸し出すレンタル・ビジネスにとっては深刻な脅威となってきます。
米国では、ネットフリックスの定額制DVDレンタル、またその後にネットフリックスが始めた定額ストリーミングのあおりを受けて、かつては9000店以上の店舗を持ち、一時は日本にも進出していたDVDレンタルのブロックバスターが11年には破産申請し、買収された後の13年には貸出店舗すべての閉鎖に追いこまれました。
日本最大のレンタルビデオチェーン、TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)も、レンタル事業ではフランチャイズ料収入ではまだ利益を出していますが、直営店は赤字に陥っており、ネットでの定額動画配信「TSUTAYA TV」が成功するのかが今後の大きな経営課題になってきています。
一般社団法人日本映像ソフト協会のデータによると、動画配信の影響を受ける以前からレンタルDVD市場の縮小が始まり、07年には3604億円あったレンタルDVD市場もその後は減少の一途で、14年にはおよそその6割の2013億円にまで縮小してしまっています。DVD業界も、DVDやブルーレイの販売から動画配信での販売や定額動画配信から受けるライセンス料に軸足が移っていきます。
ユーチューブやニコニコ動画が、人びとからテレビを見る時間を減らしたように、定額動画配信サービスの利用者が増えれば、さらにテレビ番組を見る時間は削られていきます。音楽や動画だけでなく、プレイステーションが好調なソニーが打ち出してきたのが「プレイステーション・ナウ」の定額遊び放題のサービスです。今年1月から北米からスタートし、国内でも9月からベータ版のサービスを開始しました。クラウドサーバ上のゲームを、ダウンロードすることなくストリーミングで楽しめます。ソニーは、競合相手であるサムスンの「Samsung Smart TV」向けにも米国とカナダでこのサービスを提供しています。
ネットフリックスの契約者数の伸びを見ると、あっという間に日本市場をも飲み込みそうに感じてしまいます。しかし、ネットフリックスもアマゾンも乗り越えなければならない3つの壁があります。
それは「番組は無料」という日本の消費者の意識の壁、すでにある日本のサービスとの競合の壁、そして番組を提供するテレビ局との交渉力の壁です。
次稿では、続々と日本市場へ進出する海外の定額ストリーミングサービスが、これら3つの壁を乗り越えて、日本の競合サービスやテレビ局を脅かす存在になるのかについて検証していきます。
(文=大西宏/ビジネスラボ代表取締役)
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