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マツダが1967年に発売した世界初のロータリーエンジン搭載の量産スポーツカー「コスモスポーツ」
小さくて軽くて高出力… マツダが「ロータリーエンジン」復活へ!
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151121-00000505-biz_san-nb
SankeiBiz 2015/11/21 15:00
今年の東京モーターショーで話題をさらったのは、なんと言っても、マツダが世界初公開したロータリーエンジン搭載のスポーツカー「RX−VISION」だろう。マツダは2012年にロータリーエンジン車の生産を中止したが、その走りから、いまだ復活を望むファンは多い。事実、モーターショーでは「RX−VISION」に黒山の人だかりができた。再び世に送り出す日は来るのか。パワートレイン開発本部長などを歴任し、マツダの快進撃を支える「CX−5」などの新世代商品群の開発を指揮してきた藤原清志常務執行役員(研究開発・コスト革新担当)に、ロータリーエンジンの開発の状況や課題を聞いた。
−−このタイミングでロータリーエンジンのコンセプトカーを出したのは
「1つは(新世代商品群の成功で)夢を語ってもいいレベルになった。もうひとつは50年前の東京モーターショーで(世界初のロータリーエンジン搭載の量産スポーツカーの)『コスモスポーツ』を持ってきて走らせた。50年の区切りの良さもあって、われわれのビジョンとしてこれを作れるような会社になろうといえたのが今回だ」
−−新世代のガソリンエンジンなどと同様、「SKYACTIV−R」と名付けた
「SKYACTIVは常識を壊そうというフィロソフィー(哲学)。ガソリンエンジンは高圧縮は無理とされていたのを高圧縮にし、ディーゼルは低圧縮は考えられないといわれていたのを低圧縮にした。ロータリーエンジンも常識をゼロにして作り直そうとやっていたが、技術的な解決策が見えてきて、SKYACTIVと呼んでよい状態になった」
−−技術的なブレイクスルーがあったのか
「やらなきゃいけない課題は何十年も前から見えている。排出ガス、燃費、ロータリーの持つ構造的な問題で、永遠の課題でもある。時代とともに変わってくる技術に測定技術がある。センシングしたり、コンピューターを使った技術が進むと、エンジンの中でどんな火花が出たり、どう動いていたかが見えるようになる。昔は(エンジンを)作っては壊してやっていたが、さまざまなことができるようになり、それが一番大きなブレイクスルー。測定、材料技術が重なり、可能性がでてきた」
−−商品化は近いのか
「テスト車では(エンジンは)回っているが、市販車にしたときに品質問題がないか、いろんな市場で走らせないと駄目だ。普通のエンジンと違い、ロータリーエンジンはわれわれしか持っていないので、ノウハウが少ない。品質確認は普通のガソリンエンジンの2倍か3倍やりたい」
−−いま何合目くらいにきているのか
「6合目くらいに来ていると思っているが、落ちるかもしれないし、道が違ったというのがあるかもしれない。テスト車ではいい結果が出ているが、車はいろんな状況で使われる。マイナス30度の場所や、熱いガレージに入れられたり、3カ月も停めていていきなりエンジンをかけたり、ちゃんと動くか、市場で確認するのが一番の課題だ」
−−他のエンジンの性能向上が進む中、あえてロータリーエンジンを出す必要はあるのか
「(RX−VISIONの細い)ボンネットの中に入れられるのはロータリー以外ありえない。同じ出力を出そうと思うと(大型の)V8エンジンとかになる。小さくて軽くて高出力というのが、ロータリーの一番の魅力だし、優位性だ。こうしたデザインができるスポーツカーは世の中にこれしかない」
−−スポーツカーでしか使えないのではないか
「動力源として使うならスポーツカーしかない。ただ、発電機として使うなら別。非常にいいもので平行して開発を進めている。水素を燃焼させる場合も、燃焼する場所と排出ガスを出す場所が違うので、異常燃焼を起こしにくい。ただ、水素タンクをクルマに積んで(走らせる)ことには疑問を持っている。それよりも工場で出る水素でロータリーエンジンを回して発電するのはあってもいい」
−−スポーツカー以外の応用を考えているのか
「今は(エンジンで発電して電気自動車の航続距離を伸ばす)レンジエクステンダーを考えていて、将来はガスや水素でも(燃焼)できるようにしようといっている。(ロータリーエンジンは)ブランドを高めるだけでなく、それ以外に使えることもあり、(開発を)続ける意味はある」(田村龍彦)
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