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【 的(まと)を外し続けるアベノミクス 】
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2015年11月21日 星の金貨プロジェクト
発表された最新のGDPの数値は、この5年間で日本経済が4度目の不況に転落したことを明らかにした
安倍政権発足以降続く日本の二重不況の解決に、効果を発揮できなかったアベノミクス
本格的構造改革を回避した安部政権は、結局自らアベノミクスの第1第2の矢の効力を減殺
ケイティ・アレン / ガーディアン(経済部) 11月16日
日本は結局、経済を成長させることは出来ないようです。
発表された最新のGDPの数値は、この5年間で日本経済が4度目の不況に転落したことを明らかにしました。
この結果は安倍晋三首相にとっては打撃です。
安倍首相は2012年、いわゆるアベノミクスを看板に掲げ、長く続く日本のデフレーションを払しょくし、弱体化している日本経済を立て直すという公約を掲げて政権の座に就きました。
しかし選挙で勝利した瞬間も日本では2種類の不況が同時進行していました。
安倍政権が行なった派手な宣伝に一度は湧いた日本経済も、結局アベノミクスによって実際には何も改善しなかったことがここに来て明らかになりました。
アベノミクスの中身は、世界第3位の規模を有する日本経済において慢性的に続いている問題を、『3本の矢』、すなわち以下の3つの政策によって改善に向かわせるというものでした。
1.日本銀行による量的緩和策
2.公共事業の拡大のため、政府資金を大々的につぎ込む
3.日本経済の生産性向上と競争力強化のため、広範囲にわたる構造改革を行う
日本の政策担当者が学んだのは、アベノミクスが狙い通りの効果を発揮するためには、これら3つの政策が等しく実現されなければならないという事です。
金融緩和策と大規模公共投資によって時間を稼ぎ、その間により実現が困難な構造改革をするための道筋をつける予定でした。
しかし結局実際に行われたのは、日本政府と日本銀行が金を使えばよいという大規模公共投資と金融緩和だけであり、肝心の構造改革は失敗に終わりました。
進まない民間部門の設備投資や労働者不足のような長年の経済問題に正面から取り組むことを回避した安部首相とその政権は、結局大規模金融緩和についても、大規模な公共工事のための財政出動についても、その効果を減殺することになりました。
[表 : 職業別有効求人倍率の比較(厚生労働省の資料を基にIMFが作成)]
この表を見ると警備員と建設労働者不足していることが解る
大規模金融緩和による財政刺激策を例として取り上げてみましょう。
政府は出費を促進し、大規模建築プロジェクトを手掛ける企業のため、より良い環境をつくることを望んでいます。
しかし日本では、その建設事業に携わるべき労働者が不足しているのです。
このため企業は労働力の確保のため、四苦八苦しています。
例えれば現在の日本経済は、燃料タンクを満タンにはしたものの、ハンド(サイド)ブレーキをかけたまま車を発進させようとしているようなものです。
財政出動も大規模金融緩和も、こうしたブレーキが日本経済の至る所にあるため、結局は効果を上げることができませんでした。
[表 : 日本の有効求人倍率の推移(厚生労働省の資料を基に作られたIMFの労働白書による)]
日本経済の中で、最大の問題が人口問題です。
ドイツなどの他の最先進国と同様、日本の労働人口も新たに労働力として市場に加わる人数より、引退して出ていく人数の方が多い状態が続いています。
日本の生産年齢人口は1990年代半ばから減少を続けていますが、その減少スピードには拍車がかかり、さらに4年前からは人口そのものが減少を始めました。
今や日本の各企業は必要なだけの人間を集められなくなっています。
40カ国以上で企業の採用に関わっている企業であるマンパワー・グループによれば、日本は企業に空席が出来た場合、それを埋めるのに最も苦労しなければならない国です。
世界の平均が38%であるのに対し、日本では83%の雇用主が従業員の採用に困難を感じています。(下の表)
[表 : 雇用者数確保の困難さの程度の世界比較(厚生労働省の資料を基に作られたIMFの労働白書による)]
日本政府は、子育て世代に対する税制上の優遇措置と育児制度の改善により、人口(少子化)問題に対する取り組みを行っていると主張しています。
しかしこうした出生率の改善が日本経済に好影響を与えるようになるまでは長い時間がかかります。
隣国中国でも一人っ子政策の廃止を宣言しましたが、出生率の改善による経済効果が現れるまで長い時間を要する点では同様です。
いずれにせよ日本が行なった出入国管理方針に関する微調整程度では、労働人口を押し上げるためほとんど効果が無かった事だけは確かです。
もう一つの課題には、これは他の先進国も同じですが、日本の最大の貿易相手国である中国の経済発展の鈍化があります。
中国との外交摩擦と世界的な景気減速による対中国輸出の減少は、もともと低迷している日本国内の経済状況と相まって、もともと慎重だった日本企業の姿勢を増々用心深いものにしています。
低迷する民間部門は、政府に対しもっと積極的な介入を求めています。
しかし安倍政権とその支持者は、民間企業こそ低迷する日本経済を成長局面に向かわせるため、もっと取り組みを強化すべきであると反撃しています。
日本政府は、日本企業に対し記録的になっている社内現金留保を取り崩し、賃金の引き上げと設備投資等の資本支出に回すよう求めています。
3本の矢、そのうちの構造改革は最も達成が困難な課題です。
しかしこの5年の間、4度目となるマイナス成長を記録してしまった今となっては、金融緩和策によって市場にカネをあふれさせることが、日本経済復活のための正しい答えでない事だけは明白です。
http://www.theguardian.com/business/economics-blog/2015/nov/16/japan-three-arrows-abenomics-recession-economy-targets-shinzo-abe
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