1. 2015年11月20日 18:49:55
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日本株再浮上させた海外勢の買い、「全員参加型」から変わる中身
[東京 20日 ロイター] - 日経平均.N225を2万円近くまで押し戻したのは、またしても外国人投資家の買いだが、その「中身」は以前と異なる。オイルマネーの勢いが減衰する一方、特定の外資系証券からの大口先物買いが目立つ。アベノミクスや日本株に対する海外勢の見方は楽観と悲観に二分されてきており、これまでのような「全員参加型」ではなくなりつつある。 <オイルマネーに陰り> 海外勢の買い越し額が小振りになってきた。現物株と先物合わせて、海外投資家の日本株の買いは、10月第3週から前週まで4週連続の買い越しとなったが、その平均額は週4067億円。4月の4週連続の買い越し時は平均5895億円、2─3月の5週連続の買い越しの際は平均6108億円だった。 こうした外国人投資家の買い越し規模の縮小の背景には、オイルマネーの勢いが弱まってきたことがあるとみられている。「原油価格の下落により、財政面で苦しくなった産油国が、余剰資金を運営してきたソブリン・ウェルス・ファンド(SWF,政府系ファンド)などを取り崩す動きが出ている」(T&Dアセットマネジメントのチーフエコノミスト、神谷尚志氏)という。 広告 実際、サウジアラビア通貨庁(中央銀行)の対外純資産は昨年8月に過去最高の7370億ドルを記録したが、今年9月には6470億ドルまで減少。2012年11月以来の低水準を記録した。計900億ドル、日本円(120円で計算)で10兆8000億円減ったことになる。 オイルマネーは「ロンドンを中継所として、日本に入ってきている」(外資系証券トレーダー)との見方がもっぱらだ。財務省が公表している地域別の対内証券投資をみると、英国からの株式・投資ファンド持ち分は、8、9月と、2012年11月以降の「アベノミクス相場」で初の2カ月連続のマイナス(計2兆4216億円の流出)となった。7月までは3兆5716円の買い越しだった。 <モルガン・スタンレーの大口買い> 一方、市場の話題を集めているのが、モルガン・スタンレーMUFG証券の大量の先物買いだ。 実は、前週の海外勢の現物と先物の買い7455億円の中には、同社の買いが多く含まれていた。市場筋によると、225先物とTOPIX先物を合わせて、約5100億円を買い越していたと推計されている。外国人投資家の前週の先物の買い越し額は4451億円だったため、同社分を除けば先物は売り越しとなる。 この背後にいる「買い主体」については明らかになっていない。「これまで同社はこうした大量の先物買いをみせることが少なかったため憶測を呼んでいる。CTA(商品投資顧問業者)は別の証券会社を使うことが多いとされることから、グローバルマクロ系ヘッジファンドではないかといった思惑が出ている」(国内大手証券トレーダー)という。 ただ、こうした一部投資家からの買いを除けば、海外勢の動きは、これまでの「全員参加型」のアベノミクス相場とは様相が変わり始めている。 海外投資家は8月第2週から9月第5週まで、8週連続で計7兆0799億円を売り越しており、「足元の買いはその反動にすぎない」(大和証券・投資戦略部シニアストラテジストの塩村賢史氏)との見方もある。2015年は前週までの累計で約1.8兆円の売り越し。13年は15.6兆円の買い越し、14年は7000億円弱の買い越しだった。 <「テスト期間」に入るアベノミクス> 海外勢の買いが一様ではなくなりつつある背景には、日本経済や日本株への見方が分かれてきたことがある。 メリルリンチの11月のファンドマネージャー調査によれば、グローバル投資家による日本株の配分状況はプラス28%と前月から5%ポイント増加し、引き続きオーバーウエートとなった。国内の企業業績や景気に対する懸念は後退し、日本株は割安との見方が維持されているという。欧州に次いで2番目の高さだが、今回のパリ同時多発攻撃で、日本株にシフトする動きが強まる可能性もありそうだ。 しかし、日本経済は、2年で2%の物価目標をいまだ達成できず、実質国内総生産(GDP)も2期連続のマイナス。デンマークの投資銀行サクソバンクのスティーン・ヤコブセン最高運用責任者(CIO)は17日、ロイターとのインタビューで、アベノミクスについて「すでに失敗している」と述べた。 JPモルガン・アセット・マネジメントの主席エコノミスト、榊原可人氏は、アベノミクスが「テスト期間」に入ってきたと指摘する。「名目成長率が金利を上回り、デフレ脱却のための環境は整った。円安効果が薄れ、物価も伸びが鈍くなりつつあるなかで、今後も企業が利益を出し続けていけるかを見極める段階だ。その点で海外勢も見方が分かれている」と話している。 (伊賀大記 編集:石田仁志) http://jp.reuters.com/article/2015/11/20/cross-market-japan-stocks-idJPKCN0T90K120151120?sp=true 来週のドルは122―124円に収まる公算大、米利上げ後のシナリオ描けず
[東京 20日 ロイター] - 来週の外為市場では、確実視されつつある12月の米利上げ開始を受け金融市場がどのように反応するかのシナリオが描けず、投機筋が新規ポジションの構築を手控えることが予想される。ドルは月初からのレンジ122―124円に収まりそうだ。 予想レンジはドル/円が122.00―124.00円、ユーロ/ドルが1.0600―1.0800ドル。 直近のレンジに安住し、トレンドが出ないドル/円相場について、FXプライムbyGMOの常務取締役・上田眞理人氏は「12月の米利上げ開始が確実視されているとはいえ、利上げ後の株、債券、商品市況の反応が読み切れない」ことを背景の一つとして挙げた。 また、あたかも12月利上げを前提とするような米連邦準備理事会(FRB)高官らの発言に対して、市場の反応が鈍いのは「情勢が変われば、高官らがすぐにトーンを変えてくると思われているため」(上田氏)だという。 結果的に、投機筋はドル買いにもドル売りにも身が入らない状態で、米利上げは金利高でドル買いか、株安でドル売りかというコンセンサスすら形成されていない。
ニューヨーク連銀が米プライマリーディーラーを対象に10月15─19日に実施した定例調査では、FRBの政策担当者が発した利上げをめぐるメッセージに対して、分かりにくいという不満があったことが鮮明に示された。 さらに、市場シェアを拡大しているアルゴリズム取引では、あらかじめ狭いレンジを想定した売買が活発で、相場観とは無関係に「下値では押し目買い、上値では戻り売り」の流れができあがっている。 一方、ユーロについては、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和の見通しが強まり、中長期的なユーロ安見通しを持つ参加者が多いが、ドルの方向性が定まらないため、ユーロも当面は方向性が出づらいとみられている。 市場で注目されるドル調達コストの上昇については「市場の流動性が薄いため、調達コストが跳ねる可能性は残っている。ただ、値ごろ感からの円運用(円調達/ドル供給)も少し出ている」(金融機関)という。 円投/ドル転スワップでは「ベーシス」と呼ばれる日米金利差からの乖離が9日に3カ月物で87bpまで拡大し、2008年10月以来の高水準となった。ベーシスを加味した3カ月物の円投/ドル転コストは18日にも1%を超えた。 来週は、24日に米第3四半期GDP改定値、25日に米新規失業保険申請件数、米個人所得・支出、米耐久財受注などが予定されている。 (為替マーケットチーム) http://jp.reuters.com/article/2015/11/20/next-week-dollar-yen-idJPKCN0T90GG20151120
「緩やかで着実」な利上げペースが米株に最善−過去のデータが示唆 2015/11/20 14:59 JST
(ブルームバーグ):米株式市場はイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長に対し、利上げは急激に進めるよりも緩やかで着実な方が好ましいとのシグナルを送っている。過去のデータはこれを裏付けるだけでなく、利上げペースの違いで株価が大きく異なり得ることを示している。 ネッド・デービス・リサーチのデータによれば、FRBが利上げを緩やかに進めた場合の株価は年平均で11%上昇。一方、速い利上げペースでは平均で2.7%下げた。 イエレン議長は2006年以来となる次回の利上げを慎重に進める意向を示しているため、このデータは株式投資家にとっては好材料となる。この数カ月間、投資家は利上げの時期とペースをほのめかす当局者の発言に振り回され、株価は変動を繰り返した。 テーミス・トレーディング(米ニュージャージー州)の株式トレーダー、マーク・ケプナー氏は電話インタビューで、「速い利上げペースの時は投資家は対応が遅れていると考える。緩やかなペースでは経済情勢に沿っているとしか思わない」と説明。「市場にとって、FRBがインフレへの対応などで後手に回っているという考えは気掛かりだろう」と語った。 原題:History Shows ‘Slow and Steady’ Is Best Rates Mantra for Stocks(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Kate Garber kgarber1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Jeff Sutherland jsutherlan13@bloomberg.net Christopher Condon 更新日時: 2015/11/20 14:59 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NY3K3F6JIJUV01.html |