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リケジョ争奪戦の背景にあるものとは?
採用で「リケジョ争奪戦」勃発 作戦練る企業も〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151119-00000008-sasahi-bus_all
AERA 2015年11月23日号より抜粋
今回の就活戦線でもっとも人気を集めていたのはリケジョだったという。争奪戦の背景にあるものとは。
2014年10月。東京・品川の三菱重工業本社で、20代から30代半ばまでの女性エンジニア7人が会議室に集められた。長崎、神戸、滋賀、名古屋、横浜など、全国の拠点から来た彼女たちのミッションは、理系女子、いわゆる「リケジョ」の採用に現場の意見を反映させること。その名も「理系女子採用強化プロジェクト」だ。
近年、企業のリケジョ争奪戦は激化している。左のグラフは、マイナビが今年9月16年卒大学生に調査した内々定率。理系女子は文系女子より9.2ポイント、全体と比べても5.3ポイント高かった。
「ただでさえリケジョは学生数が少ないのに、『重工業は男性の仕事』というイメージが、理系女子学生の採用をより難しくしてきた歴史があります」(三菱重工人事担当者)
そこで招集されたのが、冒頭のプロジェクトだ。女性エンジニアから意見が飛ぶ。
「入社前の採用イベントでは一人も女性社員に会わなかったので、長く働くことを具体的にイメージするのは難しかった」
「育児休業や育児中勤務などの制度が充実していることを、重点的に広報したほうがよいのではないか」
「とはいえ、『女性枠』として数合わせの採用をすべきではないし、学生がそう感じてしまわない工夫も必要」
採用基準を下げず、多くのリケジョに入社してもらいたい。そのための作戦が、「手作りの採用広報の強化」だった。女性社員が学生の悩みに答えるリケジョ専用問い合わせ窓口を作ったり、リケジョ向け採用パンフレットを作ったり。
なかでも効果が高かったのは、15年春に名古屋地区と関西地区で計2回開催した工場見学会だ。理系女子学生各40人が参加し、例えば名古屋地区ではロケット、ロケットエンジン、モノレールのほか、いま話題のMRJ(三菱リージョナルジェット)も見学。1泊2日で、交通費と宿泊費は三菱重工が負担した。参加した学生からは、「説明会場と違って、現場がイメージできた」「三菱重工が化学系の学科も採用しているとは知らなかった」という感想のほか、こんな声も寄せられたという。
「自分の学科にはほかに女子学生がいないので、他校のリケジョ同士、悩みを共有できた」
見学会がきっかけとなり、実際に選考を受けて内定した学生も多く、16年卒のリケジョ採用数は前年の3倍になる。
「『やればできる』と現場は大喜びです(笑)。16年卒採用の検証を十分にして、次年度以降につなげたい。『男性職場』のイメージを変えたいと思っています」(前出・人事担当者)
そもそも、どうしてこれほどのリケジョ争奪戦になっているのか。理系向け就職ナビサイト「理系ナビ」の渡辺道也編集長は言う。
「安倍政権による女性活用推進に加え、日本企業もダイバーシティーを重視するようになり、女性を必要としている。リケジョは数が少ないので、必然的に取り合いになります」
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