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貿易収支、10月は1115億円の黒字 7カ月ぶり黒字転化(ロイター)
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/696.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 19 日 11:23:20: igsppGRN/E9PQ
 

 11月19日、財務省が発表した10月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は1115億円の黒字となった。写真は東京港、10月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)


貿易収支、10月は1115億円の黒字 7カ月ぶり黒字転化
http://jp.reuters.com/article/2015/11/19/japan-trade-oct-idJPKCN0T800U20151119
2015年 11月 19日 10:28 JST


[東京 19日 ロイター] - 財務省が19日に発表した10月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は1115億円の黒字となった。原油や液化天然ガス(LNG)の価格下落で輸入が大幅に減少。輸出も減少したが、結果として7カ月ぶりに黒字転化した。

輸出は前年比2.1%減の6兆5440億円で、14カ月ぶりに減少した。減少品目は、船舶(44.0%減)、有機化合物(28.0%減)、鉄鋼(17.3%減)など。

輸入は同13.4%減の6兆4325億円で、10カ月連続の減少となった。減少品目は原粗油(49.2%減)、液化天然ガス(42.4%減)、石油製品(37.5%減)などだった。

前年同月はiPhone(アイフォーン)関係で輸出・輸入とも金額が大きかったことから、今回の減少幅が拡大した一面もある。

また、燃料価格の下落が1─2カ月遅れで輸入価格に反映されることから、「輸入単価はもう少し下がる可能性がある」(財務省幹部)という。

地域別では、米国向け輸出が前年比6.3%増、中国向け輸出は同3.6%減だった。

一方、貿易赤字(季節調整値)は前月比34.7%減となった。

ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、予測中央値は2920億円の赤字。輸出は前年比2.1%減、輸入は同8.6%減だった。

(梅川崇)

 

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コメント
 
1. 2015年11月19日 12:25:39 : v1gbxz7HNs
油価が下がると効果覿面だな。
この未曽有の円安にも関わらず。
ついに一時、40ドル割ったしね。

2. 2015年11月19日 12:52:34 : OO6Zlan35k

石油市場:異常なほど正常
OPECではなく需要と供給の法則に従う相場
2015.11.19(木) The Economist


(英エコノミスト誌?2015年11月14日号)

今回ばかりは、原油価格がOPECではなく需給に反応している。

原油急落、2015年は生産国で経済危機などの恐れも
昨年急落した原油価格は世界経済に大きな影響を与えた〔AFPBB News〕
?1800年代後半のジョン・ロックフェラーのスダンダード・オイルから、1930年のテキサス鉄道委員会を経て、1960年以降の石油輸出国機構(OPEC)に至るまで、長い間、さまざまな組織や機関が自己の利益のために石油市場を支配し、安定化させようとしてきた。石油市場が、カルテルの気まぐれよりも需要と供給の法則に支配される、普通の市場のように行動するのは極めて稀だった、と米コロンビア大学グローバルエネルギー政策センターのジェイソン・ボードフ所長は言う。今がそんな時期の1つだ。


石油業界に異変

?供給を例に取ってみよう。サウジアラビアは1年前、OPECが原油生産を減らすことで相場の引き上げを図るの認めることを拒否した。

?安い原油価格が競争相手、特に米国のシェールオイル生産者を廃業に追い込むことを期待してのことだ。

?サウジアラビアはそれ以来、パイの取り分を大きくするために、自国の生産コストの低さを利用してきた。また、中国に石油を売るために、ロシアや他のOPEC加盟国と戦ってきた。シティバンクのセス・クラインマン氏は、サウジアラビアは最近、スウェーデンとポーランドの製油所に向かうロシアの原油に取って代わり、欧州全域で価格を下げようとしたと言う。

?大手上場石油企業や競合する多くの国営石油企業など、より高コストの生産者も不本意ながら理性的に振る舞っており、今年は少なくとも1500億ドルの投資を中止、来年もさらに投資を減らすつもりだ。

?石油プロジェクトはリードタイムが長いため、こうした投資削減が生産減少につながるには時間がかかる。その間は、生産者は当然、既存施設からより多くの原油を生産して値下がりを補おうとする。だが、最終的には投資削減は生産を減らす。

?時に石油市場を大混乱させることがある地政学的な緊張は、今年はあまり見られない。これは部分的には、OPECが石油生産のクオータ(割当)を多かれ少なかれ放棄したためだ。この事実は、イエメンでのサウジアラビアとイランの代理戦争のように、かつて生産上限の違反につながりかねなかったOPEC内の論争が、価格に影響することがほとんどないことを意味する。

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[あわせてお読みください]
中国と共倒れの道を歩むサウジアラビア (2015.11.14 藤 和彦)
原油価格下落で袋小路のサウジアラビア (2015.10.27 藤 和彦)
原油価格急落を受けてOPECは分裂の危機 (2015.8.28 藤 和彦)
世界経済:果てしない物語 (2015.11.17 The Economist)
債務の貨幣化:日本の解決策 (2015.11.10 The Economist)


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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45303

金融政策を強気で現状維持、日銀の判断の根拠とは
政府は円安による物価上昇を容認せず、黒田総裁はどう舵を取る?
2015.11.19(木) 鷲尾 香一

?日銀は10月30日の金融政策決定会合で、市場の期待に反して「金融政策の現状維持」を決定、追加金融緩和を見送った。

?しかし一方で、同日に発表された日銀の金融政策を検討する上でのベースとなる「経済・金融情勢の展望(展望レポート)」では、目標としている消費者物価が2%に達する時期を「2016年度前半」から「2016年度後半」に先送りした。

黒田総裁は「エネルギー価格」の影響を強調

?それでも黒田東彦日銀総裁は「これ(消費者物価2%達成時期の先送り)は主としてエネルギー価格の下振れによるものであり、物価の基調は着実に改善しており、先行きについても、原油価格下落の影響が剥落するに伴って、2%を実現していくと見ている」との従来からの主張を変えず、強弁を続けている。

?日銀は展望レポートの中でも、消費者物価の前年比に対するエネルギー価格の寄与度は、2015年度で−0.9%ポイント程度、2016年度で−0.2%ポイント程度と試算しており、この特殊要因がなければ、政策委員の消費者物価に対する見通しは、2015年度は1.0%、2016年度は1.6%になっていたとしている。

?黒田総裁も10月30日の記者会見で、「9月の消費者物価は、生鮮食品だけを除くと確かに前年比−0.1%で横ばいだったが、生鮮食品とエネルギーを除いたものでは、+1.2%と上昇している」と強調している。

?確かに、エネルギー価格が1年間同程度で推移すれば、1年後には前年比での価格差はほとんどなくなるため、消費者物価に対する影響は剥落する。

円安の「好影響」が続くと判断する根拠は?

?だが、それは為替も同様のはず。すると、「なぜ、日銀はエネルギー価格下落の影響ばかりに言及して、円安の影響には言及しないのか」という大きな疑問が浮上する。

?黒田総裁就任によりスタートした「量的・質的金融緩和(いわゆる異次元緩和)」は為替を円安・ドル高に誘導した。特に、2014年10月31日に行われた「黒田バズーカ」と揶揄される追加金融緩和は、大幅な円安・ドル高となり、これを受けて輸入物価が上昇、生鮮食品を除く食品価格も上昇し、日用品価格や耐久消費財価格の上昇にも波及している。つまり、円安が消費者物価の押し上げ要因となっているのは、歴然たる事実だ。

?エネルギー価格の下落は、1年経てば消費物価に与える悪影響が剥落するのであれば、為替相場も同水準で推移した場合には、1年経てば消費物価に与える「好影響」が剥落すると考えるのが自然だろう。なのに、なぜ黒田総裁はエネルギー価格下落の悪影響が剥落することを強調し、円安が与える好影響が剥落することについては触れないのか。

?残念ながら、この点について記者会見等で黒田総裁が追及されたことがないため、どのように回答するかは分からない。ただ、展望レポート詳細版では、「為替相場の動向が消費者物価に及ぼす影響については、個人消費が底堅さを増しているもと、既往の為替円安によるコスト高を転化する動きが、2016年度に減衰はしつつも、続いていくと考えられる」と“煙に巻く”説明がされている。

?だが、「既往の為替円安によるコスト高を転化する動きが、2016年度には減衰はしつつも」というのは、「円安による物価押し上げの好影響は、2016年度には剥落しつつも」という意味なのだろう。

?問題は次に続く言葉の「続いていくと考えられる」だ。

?黒田総裁が「円安による物価押し上げ」という好影響の剥落には触れずに、円安の好影響が「続いていくと考えられる」とする根拠は何か。

?米国は年内に金融政策を変更し、「利上げ」を行う可能性が高い。年内は無理でも、春先に向けて利上げが行われるだろう。この場合、「日米金利差」から、黙っていても為替は円安に動く。これが、「続いていくと考えられる」とする根拠ではないのか。

どこまでの円安を容認するのか

?問題はどこまでの円安を容認するのかという点である。

?2015年6月、為替水準が1ドル=125円を超えた時、黒田総裁は6月10日に国会答弁で、「ここからさらに円安はありそうにない」と発言し、円安進行に歯止めをかけた。この時には、黒田総裁の出身母体である大蔵省・財務省の財務官OBが声を揃えて、円安が行き過ぎと発言した。以来、1ドル=125円は「黒田ライン」と呼ばれ、この水準を大きく上抜けて円安・ドル高が進むことはなくなった。

?黒田総裁は果たして、「黒田ライン」を堅持するのであろうか。それとも、相場に任せて、1ドル=125円以上の円安を容認するのか。

?政治家からは、円安による物価上昇を歓迎しないムードが漂い始めている。来年夏の参院選を見据えれば、政府にとって円安による物価上昇は容認できないだろう。黒田総裁は難しい舵取りを迫られることになる。

?11月18、19日、日銀は金融政策決定会合を行う。さて、今回はどのような検討結果が出てくるのか。注目してみたい。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/45304


 

成長を阻害する企業の過剰貯蓄 高所得国は企業の留保利益への課税を強化すべきなのか?
2015.11.19(木) Financial Times
(2015年11月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

企業部門は貯蓄過剰に大きく寄与している (c) Can Stock Photo
?「貯蓄過剰(savings glut)」という概念は、2007〜09年の世界金融危機以降に見られる超低水準の実質金利を説明する一助になる。しかし、「長期停滞(secular stagnation)」という考え方は、この貯蓄過剰が金融危機の前から生じていたことを示唆している。なぜそうなるのかを説明するには、企業部門の行動に目を向けなければならない。

?では、計画された貯蓄と投資のバランスの変化に関する分析のどこに企業部門は登場するのだろうか。

?その答えは、投資のかなりの部分を企業が行っているという事実からスタートする。

?世界の6大高所得国(米国、日本、ドイツ、フランス、英国、イタリア)では、2013年の粗投資の半分から3分の2超が企業部門によるものだった(この割合が最も低いのはイタリアで、最も高いのは日本)。

?投資でこれほど大きなシェアを占めているのだから、企業全体で言えば、利用可能な貯蓄を最も多く利用しているのも企業部門となる。ところが、その企業部門自体の留保利益も、実は貯蓄の大きな源泉になっている。これらの国々では、経済が利用可能な粗貯蓄(外国の貯蓄を含む)の40〜100%を企業の利益が生み出していた(40%はフランスで、100%は日本)。

経済に資金を供給する側に回った企業

?活発な経済であれば、他部門(特に家計部門)で余った貯蓄を企業部門が使って需要と供給の両方を増加させると考えられるだろう。しかし、投資が少なくなって利益が多くなると、奇妙な話だが企業部門は純額ベースで経済に資金を供給する側に回る。その結果、財政は赤字になり、家計は資金不足に(資金を借りる側に)なり、経常収支は黒字に(すなわち、資本収支は赤字に)なる。

?日本では財政赤字が企業部門の巨大な黒字を相殺しており、ドイツでは資本収支の赤字が企業と家計の黒字を相殺している。

?世界金融危機以降、規模の大きな高所得国ではフランスを除いて、企業部門が投資よりも貯蓄の方が多い資金余剰の状態になっている。日本では、資金余剰幅が国内総生産(GDP)の8%相当額に近いという驚くべき高水準に達している。つまり、企業部門は経済全体の貯蓄過剰にかなり寄与しているわけだ。

?これは世界金融危機の後だけに見られる現象ではない。危機に至る前から日本、英国、ドイツ(2008年を除く)、および米国(2007年と2008年を除く)の企業部門は資金余剰になっていた。

?米連邦準備理事会(FRB)から過日発表されたある論文は、これらの資金余剰は金融危機後のグレート・リセッション(大不況)のせいでもあると指摘している。

?だが、危機以前の5年間も企業部門の投資率は「それ以前に推計されたモデルから予測されたはずの水準を大幅に下回っていた」と付け加えている。

突出する日本企業の貯蓄過剰

?企業部門における貯蓄と投資の差が拡大していく現象は、利益の増加と投資の減少が組み合わさって生じている。この投資の減少は構造的でもあるが循環的でもある。また、あちこちの国で広く観察される。

?それでもやはり、日本の企業部門の貯蓄過剰はその規模ゆえに独特だ。日本経済が抱える難題に切り込もうとするなら、この事実から始めなければならない。さもなければ、本質的に価値のない分析になってしまうだろう。

?企業部門の貯蓄が投資を上回っていることと、広く知られているように多くの企業が現金をため込んでいることを混同しないことも重要である。企業は留保利益を積み上げるだけでなく、借り入れをしたり資産を売却したりすることによっても現金を手に入れることができる。

?貯蓄が投資を構造的に上回る現象が規模の大きな高所得国の企業部門で始まったようだという認識は、非常に重要だ。まず、潜在的な供給力の成長にとって大きな意味を持つ。なぜならこの現象は、投資が比較的弱いことの反映だからだ。しかし同時に、総需要の様態にとっても重要である。企業部門の貯蓄が投資を構造的に上回るのであれば、これを相殺するために他の部門が構造的な資金不足の状態にならねばならないからだ。

?さらに、そこで政府部門が均衡財政を目指すとなれば、家計部門か外国部門が資金不足にならねばならない。ユーロ圏では、この理屈により巨額の経常収支黒字(外国人の資金不足)が生じている。一方、英国と米国では家計部門が再び資金不足になりそうだ。実際にそうなれば、危険なほど不安定な要素になる恐れがある。

企業の投資が構造的に弱い理由

?企業の投資が構造的に弱いのはなぜなのだろうか。1つ理由は社会の高齢化だろう。潜在成長率が低下することにより、必要な投資の水準も下がる。第2の理由はグローバル化だ。グローバル化が進めば、投資先を高所得国からほかの国に移すよう促されることになる。

?第3の理由は技術革新である。今日では投資の大部分が情報技術(IT)関連であり、その価格は急激に下落している。名目ベースで一定の投資で、実質ベースで増加する投資を賄えるわけだ。

?さらに、技術革新の進展は必要な資本の額を減らす方向に作用しているように思われる。例えば、小売店舗が倉庫に置き換わっていくことを考えれば分かるだろう。また別の理由として、投資をしても経営陣はご褒美をもらえないという点を挙げることもできるかもしれない。

?総合すると、これらすべては、米国を例にとるなら、企業の対利益投資比率が2000年以降大幅に低下した理由を説明するかもしれない。

?企業部門の行動は、政策に関しても重要な問題を提起する。例えば企業に対する課税は間違いなく、投資と利益分配の双方を促すはずだ。これらの共通目的を達成する方法は、留保利益に対する税率引き上げを、投資、配当双方の完全な税控除と併せて行うことかもしれない。

?その先については、企業部門が構造的資金余剰を出している限り、マクロ経済の均衡には恐らく財政赤字が必要になるということを受け入れなければならない。さらに言えば、もし企業部門が自身の貯蓄さえ投資することができないのだとすれば、経済の他セクターの貯蓄は必ず、限界価値が低くなる。そのような世界では、超低水準の実質金利と株高は全く意外ではない。当然予想されることだ。だから文句を言うのをやめた方がいい。

By Martin Wolf

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45308

 
中国ビジネス好機拡大にも、依然消極的な日本企業
メディアの悲観報道に頼る本社経営層の慎重論が障害に
2015.11.19(木) 瀬口 清之
日中韓首脳会談、3年半ぶり 韓国
韓国ソウルの大統領府で、日中韓首脳会談前に握手する(左から)安倍晋三首相、韓国の朴槿恵大統領、中国の李克強首相(2015年11月1日撮影)〔AFPBB News〕
1.日中関係改善を背景に中国で高まる日本企業との提携意欲

?今年は年初から終戦70年総理談話(8月15日)と抗日戦争勝利70周年記念軍事パレード(9月3日)が日中関係改善にとっての最大の難関であると言われていた。

?その2つを何とか無難に越えることができた時点で、10月からは日中関係改善が加速するとの期待が高まっていた。8月から9月にかけて両国とも積極的な行動を控えていたことからその反動もあって、日中関係の改善が加速している。

?主な動向を振り返ると、10月14日、楊潔?国務委員が訪日して安倍晋三首相と会談し、翌15日には公明党の山口那津男代表が北京で習近平主席と会談した。

?11月1日、日中韓3国首脳会談および日中首脳会談が実現(中国側代表は李克強総理)。11月5日には、経団連・日本商工会議所・日中経済協会の3団体共同訪中団(総勢220人)が北京で李克強総理と面談した。

?いずれも中国国内で大きく報道され、中国側が日本との関係改善を重視している姿勢が明確に伝えられた。

?こうした中国側の対日外交姿勢の変化の背景には中国経済の減速に対する不安が地方政府や不況業種などを中心に強まっていることから、日本との経済関係の回復によって日本企業を誘致したいとの強い期待があるとみられている。

?上述の日中交流に加えて、10月下旬に中日企業聯誼会(中国企業経営者22人同行)、11月中旬に曽培炎元副総理を団長とする訪日団(中国トップ企業50社の経営者同行)がそれぞれ日本を訪問するなど、両国経済界の交流も加速している。

?環境、エネルギー、医療、食品安全といった、今後中国国内で大きな成長が期待される分野において、中国企業から中国現地の日本企業に対して提携を期待する声も数多く寄せられている。

2.「爆買い」の急増は中国国内市場の氷山の一角

?これに対して、日本企業の本社経営層では依然中国ビジネス慎重論が支配的であり、日中関係改善の好影響はあまり感じられない。しかし、中国現地の日本企業の業績を見ると、業績の好調が続いている例も多い。

?具体的には、自動車、自動車部品、ロボット・FA(ファクタリー・オートメーション)、スマホ関連、日用品、小売・流通、飲食など幅広い業種に及ぶ。

?中国政府が構造調整を進めている状況下、構造不況業種である重化学工業関連の多くの企業の業績が悪化しているのは当然である。

?一方、自動車、IT関連、省力化関連、Eコマース(電子商取引)を中心とする小売、広くサービス関連など好調業種も多く、そうした業界では巨大なチャンスが待っている。そこを的確にとらえている日本企業もあり、そうした企業では積極的に新工場建設、店舗展開拡大、人員増強などに取り組んでいる。

?広州でホンダの第3工場が9月から稼働したほか、同じく広州で2018年にトヨタの新工場が稼働する。自動車部品メーカーは非日系自動車メーカーが重慶、成都で新工場を建設するのに合わせてその周辺地域に進出し、設備を増強する。

?こうした流れの中で、安川電機が中国の大手家電メーカーの美的集団と提携し、ロボット事業の拡大に乗り出す。

?11月上旬には、今年の1月に中国の中信集団およびタイのCPグループとの大型提携を発表した伊藤忠商事が、2016年3月期の決算で三菱商事を抜いて、初めて大手商社で利益トップの座に就く見通しと報じられた。これも中国事業の重要さを物語る象徴的なニュースである。

?中国現地の話ではないが、日本国内で誰もが注目している中国人旅行客の「爆買い」も根っこは同じ話である。

?豊かになった中国人消費者が海外旅行を手軽に楽しめるようになり、日中関係改善のおかげで日本の良さを素直に認められるようになったことも加わって、日本旅行ブームが加速した。

?中間層の急速な拡大とともに日本での観光旅行とショッピングを楽しむ中国人が急増しているため、日本人の韓流ブームの熱が冷めて韓国旅行が急減したようなことにはならない。

?日本側の旅行客受け入れ能力が順調に拡大し、日中関係の安定が保持されれば、伸び率にある程度ばらつきが見られるにせよ、今後数年間は中国人旅行者が大幅に増加し続ける可能性が高い。

?さらに言えば、「爆買い」の急増は氷山の一角に過ぎない。中国国内には日本企業の製品・サービスに対してとてつもない潜在需要が眠っており、しかもそれが急拡大している。このことに気がついている企業は意外に少ないかもしれない。

?中国経済は緩やかな減速が続いているとは言え、依然6〜7%の高い成長率を保持しており、経済は基本的に安定している。2020年頃までは所得水準の高い伸びを背景に日本企業の顧客層である中間層の人口は年々大幅な増加が続く見通しである。

?中国市場、あるいは日本国内において的確なマーケティングを行い、そうした顧客層のニーズに合った製品・サービスを提供すれば、企業業績の急拡大が続くのは当然の結果である。上述の好調企業はみなその成功例だ。

3.鈍い本社の反応

?以上のような中国現地での日本企業のビジネスの実態を素直に受け止めれば、より多くの日本企業が中国事業展開を積極化させるはずである。ところが、意外にも上記の成功例のような企業は少なく、多くの企業は依然消極姿勢のままである。

?そこには次のような様々な要因が影響している。

?第1に、メディア報道の誤解に基づく中国悲観論を信じている経営者が多いことである。詳しくは前月寄稿文の中でも述べたので省略するが、中国漁船と海上保安庁巡視艇との衝突事件、尖閣諸島領有権問題、反日デモなどで日中関係が悪化しため、ここ数年、中国に出張する経営者が激減した。

?このため、自分の目で中国経済の実態を確認する機会が少なくなり、メディア報道の悲観論を鵜呑みにする経営者が増えている。

?そうした経営者の多くは、自社の現地法人などの責任者からの直接の報告の内容を信じずに、本社で得ているメディア情報や中国にあまり足を運んでいない国際経済問題専門家の意見などを正しいものと思い込む傾向が強い。

?それらの多くは中国経済悲観論である。

?第2に、株価への悪影響に対する配慮である。株式市場参加者の多くはメディア報道を中心とする間接情報を鵜呑みにしているため、中国経済に悲観的な見方をしている。

?このため、中国事業の拡大は中国リスクの増大とみなし、株価にマイナスであると考える傾向が強い。

?こうした判断基準の下では、中国での収益拡大、設備投資の増強および雇用人員の増加といった足許の業績好調を示すプラス材料が、しばしば将来のマイナス材料とみなされ、株価低下の原因となる。

?このため、企業も中国での成功事例をなるべく控えめに発表し、中国ビジネスに対する積極的な取り組み姿勢が外部に漏れないように気を遣っている。これが、中国ビジネスに詳しくない多くの日本企業が、中国ビジネスの巨大なチャンスに気づかない原因となっている。

?第3に、社内ポリティクスの影響である。日本の大企業の多くは日本国内のビジネスあるいは米国とのビジネスに関わる部門が社内の主流であり、発言力も大きい。

?それに比べると、中国ビジネス関係者はいわば社内の亜流であり、社内で中国ビジネスを支持してくれる味方は多くない。

?このため、中国現地の責任者からボードメンバーに対して重要情報を報告しても国内・米国関連の報告ほど重視されないことが多い。また、外部有識者の意見を聴取する場合にも、そうした主流の人々に近い見方をする専門家が選ばれることが多く、外部有識者からの参考意見によって、中国現地からの正しい報告内容が逆に疑問視されることもある。

?以上のような、様々な理由により、中国ビジネスの好機は過小評価されており、多くの日本企業の取り組み姿勢は依然消極的なままである。

?この状況を打破することができるのは社長だけである。社長自身が年数回、自ら中国に足を運び、自分の目で中国市場の実態を見て、自分の頭で判断するしかない。年に1〜2回の訪問では、複雑かつ変化の速い中国市場の実態を理解し、的確な判断を下せるはずがない。

4.本社との認識ギャップ拡大に苦しむ中国現地のビジネスマン

?以上のような要因を背景に、本社経営層と現地責任者の間の認識のギャップが拡大している。最近の日中関係改善を背景に中国側の日本企業との提携意欲が強まり、新たな大型ビジネスチャンスの話が出てくればくるほど、この認識ギャップは拡大する。

?北京に進出している日本企業の情報交換および親睦のための組織である中国日本商会のある部会で、最近懇親会を開催した。その会合の最後で、幹事の挨拶の締めの言葉は、「(悲観バイアスのかかったニュースばかりを報じる)日本のメディアに負けるな!」の一言だったと聞いた。

?また、複数の現地駐在員が、11月上旬の経団連・日本商工会議所・日中経済協会合同訪中団の成功が、日本の経済界の過度な中国悲観論を修正するきっかけになってほしいと願っていると語っていた。

?中国ビジネス上の最大の障害は、知的財産権の侵害でも資金回収難でもなく、本社経営層の事実誤認に基づく過度な慎重論にあるというのが彼らの本音だ。

?韓国・欧州系企業はこうした日本企業とは対照的である。韓国企業は言うまでもないが、最近は欧州企業も、「一帯一路室」を社内に新設するなど、明らかな中国シフトを敷いている。それを反映して、欧州各国政府は実利狙いの中国外交を展開している。

?10月下旬に安倍首相が中央アジアを歴訪していた頃、ドイツのアンゲラ・メルケル首相が訪中した。彼女の中国詣で(2010年首相就任以来8回訪中)は有名だ。

?それに対抗して、英国は今年3月にAIIB(アジアインフラ投資銀行)への加入をG7諸国の中で最初に決め、10月下旬の習近平主席訪英時には大歓迎し、中国側も総額7兆円以上の巨額投資契約を用意してそれに答えた。

?それに負けじと、11月初にはフランスのフランソワ・オランド大統領が訪中した。欧州諸国は近々定期運航化が予定されているユーラシア横断鉄道(ユーラシア・ランドブリッジ)を経由した中国内陸主要都市と欧州との間の貿易取引の拡大に期待を高めていることもあって、オランド大統領は内陸部の主要都市である重慶を訪問した。

?日中関係が改善しているとはいえ、韓国、欧州諸国に比べると日本の対中交流レベルはまだ低く、両国政府の姿勢は慎重である。

?1日も早く、欧州、韓国に引けを取らない実利を視野に置いた日中外交を展開してほしいというのが、本社との認識ギャップに苦しむ日本企業の現地企業の願いである。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45277


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