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日本は知らぬ間に「景気後退局面」に入っていた〜なんと2四半期連続のマイナス成長。それでも消費税を上げる気ですか?
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/690.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 19 日 10:31:30: igsppGRN/E9PQ
 


日本は知らぬ間に「景気後退局面」に入っていた〜なんと2四半期連続のマイナス成長。それでも消費税を上げる気ですか?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46443
2015年11月19日(木) 安達 誠司「講座:ビジネスに役立つ世界経済」 現代ビジネス


■日本経済は本当にリセッションに入ったのか


11月16日に発表された2015年7-9月期の実質GDP成長率(一次速報)は、季調済前期比年率換算で-0.8%と、2四半期連続のマイナス成長となった。景気循環での定義を単純に当てはめると、日本経済はリセッション(景気後退局面)に入ったことになる。


もう少し細かく内訳をみてみると以下のようになる。


2014年4月の消費税率引き上げ後に急減し、多くのエコノミストが懸念していた「実質家計最終消費」は、季調済前期比で+0.5%(年率換算では+2.1%)と予想外に堅調であった。


また、円安の進行にもかかわらず、回復がみられず、景気の足を引っ張っているとみなされてきた「実質輸出」も、季調済前期比+2.6%(年率換算では+10.9%)、実質輸入を差し引いた「純輸出」は+0.1%(年率換算では+0.4%)と、プラス寄与となり、悪い数字ではなかった。


一方、主に成長率を押し下げたのは、「民間在庫品増減」(前期比の寄与度は-0.5%、年率換算では-2.1%)と「民間設備投資」(季調済前期比-1.3%、年率換算-5.0%)であった。


2014年4月の消費税率引き上げ後、日本経済が停滞している大きな理由は、家計消費の落ち込みであるとされてきた。その落ち込みを埋め合わせるために、低所得者向けの給付金等の「所得再分配政策」が必要であるというのが、コンセンサスになりつつある。だが、今回のGDP統計の結果は、必ずしもその見方に沿った内容ではなかった。


このように、家計消費の悪化がみられなかった(むしろ、わずかながら回復している)ことから、「日本経済がリセッションに入っている」という見方は悲観的過ぎると思われる。ただ、だからといって、日本経済について楽観的な見方をしてよいということではない。問題はもっと根深いのではないか。


■企業の「予想インフレ率」はなぜ改善しないのか


では、何が問題なのか。


筆者は、10月15日の本コラムで「企業の予想インフレ率の低下にともなう実質金利の上昇によって、今後は設備投資の減速が懸念される」ことに言及した。実際に、今回のGDP統計でも、成長率の低下に大きく寄与したのは民間設備投資であった。


設備投資は、投資の回収までの期間が長いため、企業が将来の収益環境をどのように予想するかでその動向が決まってくる。そこで、企業の利益が「マージン(利益率)×売上数量」で決まると単純化すると、デフレが長期間持続するという予想のもとでは、まずは、企業は提供する財・サービスの販売価格を引き下げざるを得なくなる。


その結果、企業にとってはマージン(利益率)が低下することになる。将来的にマージンの改善が見込めない環境下では、企業の設備投資に対するインセンティブが大きく損なわれるのは自明であろう。


そこで、日本銀行は、QQE(量的質的金融緩和)政策によって、このデフレ予想を払拭する姿勢を明確にした。QQE政策の波及経路、及びその手法を巡っては様々な意見があるが、ひとまずは、企業の予想インフレ率(例えば、日銀短観の「販売価格判断DI」など)を引き上げることに成功した。


その結果、日銀短観の販売価格判断DIの結果をみると、QQE政策実施以降、販売価格を引き上げることによってマージンを確保しようともくろむ企業の割合は着実に高まってきた。


ところが、2014年4月の消費税率引き上げを契機に、企業の予想インフレ率はピークアウトし、逆に低下基調を強めた(これは、2014年4月の消費税率引き上げの影響によるものだと推測されるが、10月15日のコラムでも指摘したのでここでは言及しない)。


■日本経済にも当てはまる「長期停滞論」


だが、筆者がそれよりも深刻だと考えるのは、QQEによって(少なくとも消費税率引き上げ前までは)順調に予想インフレ率が上昇したにもかかわらず、企業の将来の予想実質成長率が一向に改善しなかった点である。


これは、前述の議論でいえば、むしろ、売上数量に関連する。企業の利益は、マージン×売上数量でほぼ決まる。だとすれば、売上数量が増える見通しが立たないと、企業は設備投資のインセンティブをもたない。


マクロ経済的には、売上数量の予想増加率は、中長期の「予想実質経済成長率」に連動すると考えることが可能であるが、リーマンショック前までは、この中長期の予想実質経済成長率は企業の予想インフレ率と正の相関関係にあった(もっと詳しく述べると、「金融緩和で予想インフレ率が上昇すると、その1年後の中長期の予想実質経済成長率が上昇するという先行・遅行の関係があった)。



すなわち、日本銀行の金融政策が、予想インフレ率の上昇に寄与することができれば、これは、1年程度のタイムラグで、企業が予想する将来の実質成長率をも引き上げることができた。これは、とりもなおさず、金融政策が予想名目経済成長率を引き上げることが可能であったことを意味する(図表1)。


だが、リーマンショック以降、この関係は崩れている。すなわち、QQEによって、企業の予想インフレ率が上昇したとしても、中長期の予想実質経済成長率は、ほとんど変わらない(例えば、内閣府の「企業行動に関するアンケート調査」における「今後5年間の平均実質GDP成長率」は、2009年以降、前年比+1.3〜1.5%で安定的に推移している)。


つまり、QQEは、企業の予想インフレ率を引き上げることには成功したものの、同時に中長期の予想経済成長率を引き上げることはできていないのである。


さらに、同様のことが、予想インフレ率と企業のフリーキャッシュフロー(ここでは、「税引き後利益+減価償却費-設備投資」で定義)の間にもみてとれる(図表2)。



リーマンショック以前は、予想インフレ率と企業のフリーキャッシュフローは逆相関(予想インフレ率が上昇すると、それが設備投資の回復に波及し、結果として企業のフリーキャッシュフローは減少、外部資金調達需要が増大する)の関係にあった。


ところが、リーマンショック後、両者の関係は崩れている。例えば、2013年以降は、QQEの効果で企業の予想インフレ率は大きく上昇したが、同時にフリーキャッシュフローはむしろ増加している。


これは、日本経済が、「長期停滞論」が妥当する位置にいることを示唆するものである。


■今の日本には思い切った政策出動が必要だ


プリンストン大学教授でノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は、最近、IMFのパネルディスカッションで、長期停滞が続いた日本は、「Timidity Trap(臆病者の罠)」に陥っており、もはやQQE政策のみで、この長期停滞を脱出できないであろうと述べた。


この「Timidity Trap(臆病者の罠)」は、まさに、将来の実質経済成長率を過度に悲観的に予想して、キャッシュポジションを積み上げている日本企業の行動そのものであろう(これと同様のインプリケーションを持つと考えられる「長期停滞論」の論文が、Benigno and Fornaro[2015]によって提示されている)。


ところで、このクルーグマン氏の「変節」は、現在の日銀の金融政策に批判的な論者らに熱狂的な歓喜をもって迎え入れられたが、残念ながら、そのインプリケーションは、彼らが期待したものとは全く正反対である。


クルーグマン氏は、「日本がこの『臆病者の罠』から抜け出すためには、よりアグレッシブな金融緩和を実施すると同時に財政支出も拡大すべきだ」と提案している。そして、これは、「長期停滞論」の提唱者であるローレンス・サマーズ元米財務長官をはじめとした「長期停滞論」に関する論文の執筆者にも共通する意見である。


だが、安倍晋三首相は、現時点では、2017年4月の消費税率の再引き上げは「予定通り実施する」という方針をあらためて強調している。このような「緊縮財政」路線をとった場合、景気の失速はないものの、日本経済の停滞をより長期化させてしまう懸念があると筆者は考える。


こうした状況下で、ジャック・ルー米財務長官が日本政府に対し、積極的な財政拡大で景気を刺激するよう要請したことは大きい。これによって、日本政府が、経済政策スタンスを変更させるかどうかが、今後の日本経済にとっての焦点となろう。


ともかく、今は、目先の消費浮揚よりも、企業にとっての将来不安を払拭させるような思い切った政策出動が必要な局面ではなかろうか。


 

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コメント
 
1. 2015年11月19日 11:19:09 : v1gbxz7HNs
知らない間などとよく言えるな。
大勢がずっと指摘してきたが今まで認めてこなかっただけだろうが。
GDPが落ちていながら景気は回復しつつあると強弁するアホウについに愛想を尽かしたのか。

2. 2015年11月19日 11:25:45 : nJF6kGWndY

>知らぬ間に

かなり能天気だなw

>思い切った政策出動が必要な局面ではなかろうか

既に、大分前からそういう意見が出ているのだがw


3. 2015年11月19日 11:41:52 : 9HFRDF5cwU
円安になっても、中国がだめならベトナムがあるさ、それもだめならアフリカ諸国が。法人税減税でも投資すべき国は界以外に多くある。財政出動でも従来品なら代替輸入が増加するだけ。輸出産業はそもそも国内ではウェイトが小さい。
 これらのことは、アベノミクスの当初から言われていたことで、アベノミクスの失速は別段不思議でもなんでもない。国際的な経済活動を妨げるような政府の行動が一層それを強化しているだけ。
 地道な消費というか生活を高める工夫を、官民で研究し開発すること以外に、景気を上昇させる方法はあるまい。さもなければ、世界経済の高水準の活発化を願うだけだ。

4. 佐助 2015年11月19日 12:07:42 : YZ1JBFFO77mpI : B7E8ljgaGg
ではナゼ、
日本だけが、90年代に経験した失われた10年間の苦痛を、再び20年以上も経験しなければならないのか? 今度の苦痛は、いざなぎ景気越えの見かけの景気をともなわない。なぜなら、見かけのいざなぎ景気越えは、国内市場の縮小を海外市場の拡大によってカバーされた、蜃気楼化された経済指数が正体だからだ。

この経済蜃気楼を、日本の指導者とエコノミストたちは、現実だと錯覚した。そのため、第二次世界的スーパーバブルの到来に対して、全く無防備である。そして、このスーパーバブルの原因が、ニクソンのドルとキンの交換停止にあることを知らない。

ポンドのキン離れによる世界の信用膨張により、第一次世界大戦ブームで経済成長した米国は、1929年の最高の経済指数を、三分の一以下に縮小させるスーパーバブルに直撃された。それは十年を経過しても、生産・販売・株式・雇用・投資・貿易の指数を回復できなかった。この恐怖の体験を日本は避けられない!

世界恐慌では長期の景気下降期には、三年半前後の景気の山と一年前後の谷の長さが反転し、山は一年前後しか回復することができない。「アベノミクス」や「大企業救済・消費税増税,弱者切り捨て政策」では自殺や飢餓や失業や倒産から逃れられない。

しかしカジュアル期(2000-2020年)は、新しいルールを受け入れ、古いルールを破壊する社会的心理が多数派となる。そこで、新しいカジュアル商品と、新しい技術商品の市場の普及が加速される。そのために、先覚商品市場の打撃は、更に軽減される。だが政府と経済の指導者と御用学者は,この流れを拒絶し黙殺する。そして技術革新を遅延させ多極化を認識できない。

だから、慣習期の商品にあぐらをかき、市場拡大のインパクトのある商品を開発できなかった企業は、縮小&倒産は避けられない。そして政府がドロボー税金で慌てて救済する,そのために、その縮小スピードを、景気の縮小速度より遅延させれば、倒産消滅は避けらなくなる。

米国を襲った30年代の大恐慌が、各産業のトップ企業を入れ替え、次の時代をリードする企業を誕生させ急成長させた理由は、以上のとおりである。1950年代以降の世界的企業の多くは、1930年代をチャンスにして登場した企業なのだ。

こうして日本は日銀・政府・御用活動家たちによって,平時と同じ経済学を進める。さらに新自由主義経済は,福祉やモノづくりを切り捨て,鼠講金融サギに邁進してボケッを掘り,世界で一番回復が遅れます。しかも「日本商品の世界的優位性の法則」によって,それほど痛みは感じない,そのために,底なし沼から脱出できなくなる。


5. 2015年11月19日 12:59:37 : OO6Zlan35k
日銀、金融政策の現状維持を決定 景気見通しも変えず
木内委員は反対
2015/11/19 12:23 
 日銀は18〜19日に開いた金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を賛成8反対1の賛成多数で決めた。マネタリーベース(資金供給量)を年80兆円に相当するペースで増やす金融市場調節を続ける。反対したのは木内登英審議委員の1人。

 木内委員はマネタリーベースと長期国債保有残高を共に年間45兆円ペースで増加するよう提案したが、反対多数で否決された。

 国内景気は「緩やかな回復を続けている」とし、先行きも「緩やかな回復を続ける」と、これまでの見通しを維持した。消費者物価(生鮮食品を除く)の前年比は「0%程度となっている」とし、先行きについては「当面0%程度で推移する」との見方を維持した。

 金融政策運営では、2%の物価安定目標を「安定的に持続するために必要な時点まで」量的・質的金融緩和を続けると改めて強調した。さらに「経済・物価情勢について上下双方向のリスク要因を点検し、必要な調整を行う」と従来の表現を繰り返した。

 15時30分から黒田東彦総裁が記者会見し、会合の決定内容や金融市場の動向について説明する。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL18HNV_Y5A111C1000000/?dg=1

日銀、政策現状維持 景気判断も据え置き 
[東京 19日 ロイター] - 日銀は19日の金融政策決定会合で、当面の金融政策の「現状維持」を賛成多数で決めた。景気の現状については「緩やかな回復を続けている」との従来判断を据え置いた。

木内登英審議委員がこれまでに引き続きマネタリーベースと国債の買い入れ額減額(年間増加額45兆円)と、2%目標達成の柔軟化を提案し、反対多数で否決された。
 
http://jp.reuters.com/article/2015/11/19/boj-meeting-idJPKCN0T809420151119

 


日本がパニックに陥る理由ない、2四半期連続マイナス成長でも−社説
2015/11/19 07:30 JST

    (ブルームバーグ):日本の7−9月期の実質国内総生産(GDP)が2四半期連続のマイナスとなったとのニュースは、安倍晋三首相の経済政策に懐疑的な向きにはアベノミクスの新たな攻撃材料となるだろう。そうした人々の疑念はもっともなものだが、日本がパニックに陥ったり、進路を変更したりする理由はまだない。

1つには日本の場合、リセッション(景気後退)といっても他のほとんどの地域とは意味するものが同じではない点が挙げられる。日本は過去20年間に7回、2012年12月の第2次安倍政権発足以降に限れば2回、こうした状況に見舞われている。日本の人口減少を踏まえれば、すう勢的な成長率は0.5%程度で、7−9月期に記録した年率換算で0.8%程度の小幅な減少でもマイナス圏に落ち込む事態となり得る。いずれにせよ四半期ベースの統計は大きくぶれる可能性がある。

同時に、日本の大手輸出業者の利益は円安を背景に大きく膨らみ続けている。トヨタ自動車の7−9月の営業利益は過去最高の8274億円と、米ゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターの合計の上回った。トヨタを含む数社は自社株買いや配当支払いを通じ、株主に利益の一部を還元している。投資家は引き続き楽観的で、日経平均株価は9月以降、ブルームバーグがカバーする世界93の主要株価指数で上位4番目の好パフォーマンスだ。

アベノミクスの他の成果がささやかだとしても、少なくとも正しい方向に向かっている。女性を中心に労働参加率は上昇しつつあるが、失業率は18年ぶりの低水準にある。労働者の多くが先行きが限られているパートタイム雇用に就いているが、正規雇用の数は増え始めている。賃金は緩やかに上昇中だ。東京の都心部以外でも不動産価格は上向きつつある。さらに、日本銀行による多額の量的緩和策にもかかわらずコアインフレ率はかたくなに動こうとしないが、東大日次物価指数など他の指標は少なくとも一部の小売価格の上昇を示している。

最近のデータで最も懸念すべき統計は設備投資の減少だ。企業は在庫を取り崩すとともに、新工場や設備への投資を手控えている。だが、これは全く驚くべきことではない。日本の最大の貿易相手国である中国の景気減速が主因となって、世界経済の見通しは不透明な状態が続いている。それに加えて、最高の状況にあっても日本の人口動態の下では国内市場は着実に縮小していくことが必至だ。

中国の低迷が予期せぬ逆風にならなかったとしても、日本の復活に向けた取り組みは多くの識者が認めるよりも常により長い期間を要してきた。エネルギーや医薬品、農業部門の開放のほか、環太平洋連携協定(TPP)の下での関税削減、日本株式会社の行動を制約してきた株式持ち合いの解消など、困難な構造改革が進められている。しかし、これらが直ちに利益をもたらすことは期待できない。

恐らく公共投資や税制上の優遇措置も含め、安倍首相は企業の賃上げや設備投資を促す新たな措置を検討中とされる。もっと歓迎すべきなのはこれまで聖域とされることが多かった改革を新たに推進しようとする動きだ。必要な技能を持つ労働者を中心とした移民の受け入れ拡大や、正規雇用促進のための労働規制の緩和などがそうした例だ。アベノミクスは息絶えていない。ただ、安倍首相のやるべき仕事が完了したというにはほど遠いのも事実だ。

原題:Latest Recession Is No Reason for Japan to Panic: Editorial(抜粋)
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記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Top Editors News top_editors@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: David Shipley djshipley@bloomberg.net
更新日時: 2015/11/19 07:30 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NXZX7D6JTSEB01.html


 

【コラム】12月FOMCに執着の市場、変動性高まる恐れ−エラリアン
2015/10/30 07:30 JST 
    (ブルームバーグ):米金融当局は27、28日両日の連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決める一方、会合終了後に公表した声明で米経済の評価を精緻化・微調整するとともに、海外経済と金融情勢についての懸念をはっきりと和らげて見せた。
今回の声明のうち市場にとって極めて重要なのは、12月の次回FOMCで約10年ぶりとなる利上げを決める可能性が今や「ライブ(現実的)」となったことだ。政策の柔軟性を取り戻し、それを明確にするのに際し、金融当局は決定を主導する具体的な要素を明示するのは控えた。
声明はまた、当局者の間での意見の一致の深まりを伝えた。28日の決定に反対したのはリッチモンド連銀のラッカー総裁だけだった。特に今回の会合までの数週間に、通常は一体感の強い複数の理事からも多岐にわたる見解の表明があったことを踏まえれば、ほぼ全会一致となったことはイエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長の重要な成果だ。
米金融当局が来年まで利上げを先送りするとの考えに安住していた向きの多くは、今となって再調整を急いでいる。その結果、期間が短めの米国債利回りを中心とした金利上昇とドル高の動きが予想される。
声明では、利上げ開始時期に執着する市場の関心を、これまでの米利上げサイクルで「最も緩やかな引き締め」となりそうだという、より大局的な構図に誘導していくことはほとんど成功しなかった。残念なことに、市場は次回のFOMC会合で頭がいっぱいになり、必要以上に注目することになるだろう。
12月の会合までには10、11両月の雇用統計を含め、多数の経済指標の発表が予定されており、新たな統計が発表されるごとに市場のボラティリティ(変動性)が再び高まるきっかけとなりそうだ。(モハメド・エラリアン)
(モハメド・エラリアン氏は、ブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
原題:Four Takeaways From Fed’s Announcement: Mohamed A. El-Erian(抜粋)
関連ニュースと情報:トップストーリー:TOP JK 海外トップニュースの日本語画面:TOP JI
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Mohamed El-Erian melerian@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Max Berley mberley@bloomberg.net
更新日時: 2015/10/30 07:30 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NWYYAB6K50Y601.html

前場の日経平均は3日続伸、米株高・円安で一時300円超高

[東京 19日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比276円50銭高の1万9925円68銭となり、3日続伸。上昇幅は一時300円超となり、節目の2万円に接近した。

TOPIXは約3カ月ぶりに1600ポイントを回復した。前日の米国株高や円安進行が支えとなり朝方から買いが先行。全33業種が上昇した。

前日の米国市場では利上げを巡る不透明感が後退したことで、ダウ工業株30種.DJIなど主要指数が大幅高。ドル/円も123円台と円安基調を維持した。日銀金融政策決定会合の結果発表を控えながらも、日経平均は先物主導で買われ上げ幅を拡大。資生堂(4911.T)などインバウンド消費関連に加え、鉄鋼、自動車など外需関連株の上昇が目立った。

寄り前に財務省が発表した10月貿易収支は7カ月ぶりに黒字転化。輸出は前年比2.1%減と、14カ月ぶりの減少となったが「輸出が今後改善に向かうといった見方が徐々に広がっているほか、足元では補正予算など政策への期待も日本株の支えとなっている」(ちばぎん証券顧問の安藤富士男氏)という。

東証1部の騰落数は、値上がり1516銘柄に対し、値下がりが273銘柄、変わらずが125銘柄だった。
http://jp.reuters.com/article/2015/11/19/tokyo-sto-idJPKCN0T806T20151119


6. 2015年11月19日 13:14:36 : OO6Zlan35k

2015年11月19日 山田 久 [日本総合研究所・調査部長・チーフエコノミスト]
所得増が支出につながらない2期連続マイナス成長の根深さ
山田 久 日本総合研究所・チーフエコノミスト
弱いながらも景気回復基調は維持
だが今後には懸念材料
基本的には雇用・賃金環境は改善に向かっており、悪い面ばかりではないが…
 今年7〜9月期の実質経済成長率は、前期比年率▲0.8%(前期比▲0.2%)と2四半期連続のマイナスとなった。
 需要項目別に見れば、設備投資、在庫投資、公共投資の落ち込みが、マイナス成長になった原因である。
 2015年度入り後の日本経済は、そもそも最終需要の回復が鈍く、余剰在庫がなかなか掃けない状況が続いてきた。そうしたもとで、昨年秋に策定された緊急経済対策の効果が一巡し、公共投資が前期比で落ち込んだ(前期比年率▲1.3%)。加えて、先行き不透明感の高まりから、設備投資先送りの動きも広がった(前期比年率▲5.0%)。この背景には、中国経済の失速観測が大きく強まるなか、米国の利上げの影響への懸念も加わって、内外株式市場が大幅な調整を余儀なくされたことがあった。
 もっとも、マイナス面ばかりではない。在庫投資が大幅な下押しファクターとなっているが(前期比寄与度▲0.5%)、これはそれだけ在庫調整が進展したことを意味しており、むしろ先行きの景気にとってはプラスファクターである。
 また、日本国内における消費活動は堅調である。基本的には雇用・賃金環境が改善に向かっていることが背景にあるが、7〜9月期には猛暑効果やシルバーウィーク効果も押し上げに作用した。加えて、大きいのは「爆買い」に象徴される訪日外国人の日本国内での積極的な消費行動である。財輸出については低迷が続いているが、サービスの対外取引も含むGDP統計ベースでの輸出等が前期比年率+10.9%と高い伸びを示したのは、年換算で2.8兆円超に拡大したインバウンド消費の寄与がある。
 このように、夏場から秋口にかけての日本経済は、生産サイドからみれば弱い動きになったものの、最終需要は弱くはない。加えて、企業業績が改善傾向を続け、賃金も緩やかながらも増加の方向にある。
 つまり、経済の自律回復メカニズムは弱いながらも作動を続けており、2四半期連続のマイナス成長とはなったものの、景気回復基調は維持されていると判断される。
 もっとも、この先、自律回復メカニズムが強まっていくかどうかは予断を許さない。「所得面」と「支出面」のギャップが懸念材料である。
問題は「所得面」の改善が「支出面」につながるか
企業の慎重姿勢が変わらなければ景気後退入りも
 企業収益や雇用者所得といった「所得面」から見れば、日本経済を取り巻く環境は悪くはない。
 中国経済の持続的減速は、世界経済にとっての重石になるが、海外生産シフトなどでそもそも財輸出が伸びにくくなっているわが国にとって、そのマイナス影響はさほど深刻ではないともいえる。中国経済の下振れは固定資産投資の調整が主因であり、消費は堅調を維持していることが「爆買い」等を通じて日本経済にプラスに作用している面もある。むしろ、中国経済の減速が原油価格をはじめとした資源価格の低下をもたらし、原材料費コストを減らして、企業収益を上押ししている。
 一方、家計所得についても、勤労者世帯の名目賃金が小幅ながらもプラス基調が定着しつつある。人手不足が深刻化するなか、パート・アルバイトの賃金は上昇傾向を強めており、中小企業の賃上げに対しても上押し圧力が働いている。引退世代については、年金支給の減額はあるものの、資源安による消費者物価上昇率の鈍化が実質購買力の低下をマイルドにしている。
 しかし、「所得面」の環境が良くとも、これが「支出面」につながらなければ、景気の自律回復メカニズムは強まっていかない。その面で懸念されるのは、企業の手元流動性が積み上がっていることである。
 法人企業統計ベースで「現預金」の付加価値額に対する倍率を見ると、2000年代前半には2倍程度にあったものが、リーマンショック後に大きく高まり、足元では2.5倍程度になっている(下の図表参照)。企業は手元には自由にできるキャッシュが増えているが、積極的に使うスタンスには転じていないことが改めて確認できる。
 このまま企業の慎重姿勢が変わらなければ、世界経済・国内金融市場のさらなる下振れなどを契機に、結局は景気が後退局面入りを余儀なくされる可能性を排除できない。
◆企業の現預金残高の推移
(資料)財務省「法人企業統計季報」
政府は明確な「成長ストーリー」を示せ
鍵はインバウンド観光を梃子にしたイノベーション
 この点は、政府も問題視しており、「未来投資に向けた官民対話」が開催され、首相から経済界に対して、設備投資の積極化や賃金引き上げの要請が行われている。政府としても、法人実効税率の更なる引き下げや規制緩和など、環境整備を進める意向を示している。
 さらに、月内には経済対策が取りまとめられる見通しであり、そこには(1)「一億総活躍社会」関連のうち子育て・介護に絞った対応策、(2)TPP大筋合意を受けた農業対策や中小企業の海外進出・インフラ輸出促進策、(3)低所得年金生活者への給付金支給、といったメニューが盛り込まれる方向のようだ。
 これらには、7〜9月期に見られた設備投資先送りの動きに歯止めをかけ、景気失速を避ける程度の効果は期待することができよう。しかし、企業が設備投資や賃上げの積極スタンスを本格化するには、日本経済の将来に対する確信が不可欠である。
 それは本来、政府成長戦略に期待されるところであるが、今年夏に公表された「日本再興戦略・改訂2015」はコンセプトや個々のメニューはそれなりであるにしても、それぞれがばらばらで総花的な印象である。本来の政府成長戦略は、内外環境の構造変化を的確に捉えたうえでの、発展性のある成長ビジョン、成長ストーリーを打ち出し、その実現に向けて個々の政策の優先順位を明示する必要がある。
 私見では、最近の環境変化のなかで、以下のような新たな成長のビジョンとストーリーが見え始めてきているように思われる。それは、インバウンド観光を梃子にした「グローバルな生産・消費連関の中での産業投資・サービス輸出立国」というビジョンである。
 わが国の観光輸出はGDP比で0.6%程度であり、欧州諸国の2%程度から見れば、まだまだ伸びる余地はある。訪日観光客が増えていけば、日本ファンになった観光客が帰国して現地日系企業が提供する製品・サービスをますます買うようになるであろう。そうして上がった海外事業利益を国内に還流させ、増えた利益を新たな商品・サービスの開発に投入するのである。
 具体的には、環境保全や高齢化の分野での「ウォンツ(未実現欲求)」はまだまだ多く、総人口が減っても新たな商品・サービスが期待できる分野である。とりわけ、人手不足が深刻化する介護分野については、介護機器開発や介護サービスの効率的運営手法、人材育成システムなど、様々な面で、生産性の飛躍的向上につながるイノベーションの余地は大きい。
 日本は「課題先進国」であり、これらの分野での課題解決につながる商品・サービスが開発されれば、とりわけ後を追うアジアで潜在需要は今後大きく拡大する。日本へのあこがれが強まれば、この潜在需要が顕在化するにつれ、日本の先端商品・サービスを多く買ってくれるという、好循環が形成されていくであろう。
 こうした成長ビジョン、成長ストーリーが明確になれば、「インバウンド観光支援」や「介護サービス革新」など、自ずと優先政策メニューも決まってくる。「官民対話」では、以上のような成長ビジョン、成長ストーリーの提示・共有がなされ、新たな経済対策にも、そうした観点からのメニューの絞り込みがなされることを期待したい。

http://diamond.jp/articles/-/81920 


7. 2015年11月20日 09:28:05 : GYTSkbotRA
>このような「緊縮財政」路線をとった場合、景気の失速はないものの、日本経済の停滞をより長期化させてしまう懸念がある

自称リフレ派のクズが批判から逃れるためのごまかし


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