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7−9月期GDPについて
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52755709.html
2015年11月16日 在野のアナリスト
日本の7-9月期GDPが発表され、実質で前期比0.2%減、年率換算で0.8%減となりました。名目でも年率0.0%増、年率換算で0.1%増と、市場予想を下回る悪化です。しかも、中身はかなり深刻で、個人消費は0.5%増ですが、前期に0.6%減したことの反動であり、かつ猛暑関連や大型連休効果もあったことから、見かけより押し上げられた印象です。また民間住宅は1.9%増ですが、マンションの杭打ち問題が深刻化する前の数字であり、今後は低迷することが予想されます。
設備投資も1.3%減、前期も1.2%減なので、2期つづけてマイナスに陥ったことになる。しかし一方で、日銀短観でも設備投資計画は2桁増がみこまれていた。もしかしたら、企業側は政府がうるさいから計画は立てるものの、計画通りに設備投資する気は初めからないのではないか? そう勘繰れるほどの鈍さです。理由は世界経済への不安、などとも語られますが、上記の推測が正しいのなら、設備投資計画を元にした推計の、ほとんどが間違いとなるのかもしれません。
輸出から輸入を差し引いた外需は0.1%増ですが、輸出は2.6%増(前期4.3%減)、輸入は1.7%増(前期2.8%減)、輸出も輸入も戻りきれない中、前期の落ちこみが大きかった輸出のもどりが目立ち、全体では増加したに過ぎません。輸入は原油安の影響もあるので、戻りの鈍さは理解できますが、輸出のもどりが鈍いのは、世界経済の減速傾向を示している。これが日本単独のことでないのなら、世界全体が不況の波に覆われつつあることを、これは示しているのかもしれません。
在庫が0.5%押し下げましたが、これは2期連続で在庫を積み増した、その反動であって、逆に見れば4-6月期のGDPは大きく押し上げたのですから、均してみると影響はないと云えます。ただし、一部の統計では7-9月期も在庫を積み上げたとみられる数字もあることから、改定値ではGDPを押し上げてくるかもしれない。ただ間違ってはいけないのが、在庫はいずれ調整されるので、消費の伸びが限定される中では今の動きはGDPの変動要因になっているだけ、に過ぎないのでしょう。
気になるのは、2014年度のGDPが0.9%減となり、2015年度も2期つづけてマイナス。テクニカルリセッション、などと恰好をつけてみても、景気後退であることは間違いなく、2年続けて、となればイイワケもできない。政府は企業側に責任をおしつけようとしていますが、臨時国会も開かず、2ヶ月も後ズレさせれば補正予算の効果がのるのは早くて4月、遅くなれば夏頃にしかならない。つまり今年度、景気後退はほぼ確実ということにもなる。政治の怠慢の方が、よほど罪が重い。
さらに国民総所得(GNI)が前期比0.4%減、年率換算で1.6%減です。日本の稼ぐ力が大きく低下している。2014年度が0.3%減だったのは、GDPの低下が大きかったのですが、2015年度に入ってからはGDPの低下に加え、海外からの実質純所得も、交易利得も減っている。日本がどうやって稼ぐのか? その手段が政治からは見えないのですから、今後も改善して行く期待がもてません。
今日の株式市場では、相変わらず日米合弁系の証券会社が、さらに大きな買いを入れてきた。より強い買いのポゼッションを構築してきました。この主体が一体いつまで買い続けるのか? 相場が下がり始めたら、大きな損失を被ることにもなり、相場変動を大きくする予感がします。日本の稼ぐ力とともに、金融市場の奇妙な動き、稼ぐ力が試される時代とも云えるのでしょうね。
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