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購入するなら2007年頃の中古マンションだ リーマンショック前で良質な物件が多い(東洋経済)
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投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 14 日 20:23:01: igsppGRN/E9PQ
 

間取り、床スラブの厚さ、何階がいいのか――。中古マンション選びをするうえで重視する基準は人それぞれだが、失敗を避けるにはプロの目を借りることも考えたい(写真:Charly/PIXTA)


購入するなら2007年頃の中古マンションだ リーマンショック前で良質な物件が多い
http://toyokeizai.net/articles/-/91960
2015年11月14日 東洋経済


新築マンションが買えない時代になりつつある今、中古マンション購入に際してどんなポイントに注意したらいいのか。最終回の今回、大手住宅商品開発者を経て現在建築事務所APOLLOを経営する黒崎敏氏に、専門家ならではの具体的なポイントを挙げてもらった。中古マンション購入の「常識」として、ぜひ参考にしてほしい。

第1回 新築マンションを買えない時代がやってきた
http://toyokeizai.net/articles/-/90022
第2回 中古マンションは「ヴィンテージ」を狙え
http://toyokeizai.net/articles/-/91000


中古マンションを買う場合、まず必要なのは自分のスタンスを明確に自覚することだ。自分が手に入れたいのは、売りたいマンションなのか、住みたいマンションなのか。「売れるか否か」に価値を見出す場合と、自分や家族にとって「住みやすいかどうか」に価値を置く場合とでは、選ぶマンションはおのずと変わってくる。

「売れるマンション」を選ぶのであれば、徹底したマーケット・インの発想が必要だ。たとえば、80〜90平米のマンションなら買い手は多いが、120平米まで広くなると購買層は激減する。広さはもちろん、間取りや交通の便など、購買層がネットで物件を調べる際の指針となるファクターにフィットする物件を選びたい。

できれば、技術的側面を理解できる建築家やデザイナーのような客観視ができるプロのアドバイスを仰ぐといいだろう。プロジェクトのタスクフォースをつくり、複数の視点をもとに物件を選べば成功の確率は高まるはずだ。

売りやすさを追求するなら、変形の間取りなど、突飛な物件はなるべく避けたほうが無難だ。売ることを考えなければ面白いが、いざ売却しようとなると買い手が見つかりにくい。もっとも、ユニークな物件を好む層も一定数は存在する。今はそうした潜在顧客とつながるコミュニティサイトなども豊富なため、うまくリレーションさせることが可能なら個性的な物件も選択肢の一つになるかもしれない。

■住みたいなら自分が優先順位を決める

「住むマンション」を選ぶなら、優先順位をはっきりさせておこう。広さなのか、駅からの距離なのか、間取りなのか。あるいは、設計・施工会社や不動産会社で決めるのか、周辺環境を重視するのか。必ずしも駅から近いほうがいいという人ばかりではない。自分にとって何が大切かを見極める、もしくは、捨ててもいい要素を確認する。マンション選びに「これが絶対」という王道はなく、最後は自分で順位をつけなくてはいけない。

ただし、セキュリティーに関していえば、死角の多い1階はなるべく避けたほうが賢明だ。都市部であるほど1 階はセキュリティーの面では圧倒的に不利である。逆に最上階のフロアは輻射熱の影響を大きく受けるため、空調費が高くつく。上層階で選ぶとすれば上から2番目のフロアがベターだろう。また、西日が直接入る部屋は、昼間は部屋にいられないほど暑くなることに加え、家具の日焼けもあるので注意したい。

音の問題などから床スラブの厚さは最低でも180ミリはほしい。大手デベロッパーでは200ミリ前後が標準になりつつあるが、ビンテージマンションには120ミリほどしかない物件もあるので注意が必要だ。薄い床厚のマンションでは、上階の掃除機の音はもちろんスリッパのすり足音まで伝わってくる。躯体の図面を確認することはもちろん、曜日や時間帯も変え、手間暇を惜しまず、何度も物件に足を運びながら細部まで慎重に確認を行うことをお薦めしたい。

■いつ建てられたマンションがいいのか

また、メゾネットタイプのマンションは好みが二分する。メゾネットは階段による面積ロスというデメリットがあるものの、吹抜けなどで空間性を演出し、マンションでは不可能な戸建ての雰囲気を醸し出すことができるメリットもある。マンションの設計において無駄なスペースは基本的にタブーだが、面積が狭くてもほかのマンションにはない付加価値がある物件であれば「買う」という選択もあり得るだろう。

どの年代に建てられた中古マンションがいいのか。これはよく受ける質問だが、お勧めなのは2007年頃に建てられた中古マンションだ。

80年代のファッションブーム、グルメブームに次いで、90年代後半には「住」のブームが到来した。2000年に入り、自分好みのライフスタイルを送ることのできる住まいを選びたいという志向が高まり、狭小住宅などに代表される「スモール」という概念がブームになった。

自分の身の丈に合った暮らしを快適に送りたいという思想や哲学を背景に、都市部を中心に、小さいながらもクオリティの高いマンションが増えてきたのも2007年頃だ。新築時がピークで、3カ月も経たないうちに劣化が目立ちはじめる。新しいけれどすぐに古くなり、暮らしにフィットしなくなる。そんな粗いつくりが目立つ新築よりも、リーマンショック前に完成した2007年頃の良質な中古マンションに目を向けた方がいいかもしれない。

■プロの目を持つ建築士に相談するのも一考

たとえば三菱地所や三井不動産など大手デベロッパーが手掛けるマンションの標準仕様は一般的にレベルが高く、非常に厳しい品質検査が実施されており、プロから見ても安心感が高い。しかしすべてがそうだとは限らない。値段が高いから安心だとも言い切れない。1981年に新耐震設計基準が導入されたものの、実態としては玉石混交であり、シビアなジャッジメントが必要だ。

だからここでは、マンションを購入する場合には、顧問としてその分野に強い建築士やデザイナーに相談する形を提唱してみたい。プロであれば、「床の下地はどのような状態か」というような見えざる要素に関する質問も可能になる。このままでは劣化の進行が早そうなマンションも、プロが見れば一目瞭然であり、もちろん内装のリノベーションも連動して行うこともできる。

内装のリノベーションを行う際に、建築家に支払う費用は工事費の10〜20%が相場だが、中古マンションを買ってリノベーションをするときには事前に物件チェックの相談も可能である。設計や監理だけではなく、コスト調整や工務店との交渉も代行してもらうトータルの費用として考えれば、10~20%のフィーは決して高くはない。施主の代わりにエージェントとして動いてもらうことで、よい空間を手にする。そのための必要経費ととらえよう。

付加価値が上がる提案をしてもらえば、売却の際にもメリットが出る。信頼できるホームドクターならぬホーム建築士を見つけて、「損をせず」なおかつ「プラス効果が出せる」中古マンション選びに臨みたい。

 

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