http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/486.html
Tweet |
歴代3社長ら5人に3億円の賠償請求をした東芝 (c)朝日新聞社
東芝歴代3社長らに3億円賠償請求 権力闘争で不正会計のお粗末〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151112-00000000-sasahi-soci
週刊朝日 2015年11月20日号より抜粋
不正会計問題で揺れる東芝が11月7日、異例の中間決算会見を開いた。
「土曜日の決算発表は金融業界の常識としてありえません」(証券アナリスト)
6年ぶりとなる904億円の営業赤字を発表し、メッキが剥げ、家電など本業で稼げていない実情が鮮明になった。
同時に不正会計問題で重要な責任があると、西田厚聡元相談役、佐々木則夫元副会長、田中久雄前社長ら計5人を東京地裁に提訴したことも公表した。
だが、記者から「5人で3億円の請求額は過去の事例からは少なく、手心が加わっている。この内容で社員が頑張ろうとなるのか疑問だ」などの質問が矢継ぎ早に出ると、「本日は決算発表なので、回答する立場にありません」(東芝)とだんまりとなった。
西田、佐々木、田中氏ら歴代社長は辞任後も社用車を乗りまわし、社内を闊歩(かっぽ)していたとも報じられたが、不正の背景には権力闘争があったとされる。
「社長だった西田氏が、業績悪化を叱責。部下だった佐々木氏に圧力をかけた結果、利益の上乗せを指示。田中氏が社長に就任した際は、既に不正会計が進んでいた」(東芝関係者)
同社社員は言う。
「田中さんは良い人ですよ。サラリーマンとして上に従ってきただけなのに、可哀想です」
もともと西田氏と佐々木氏の不仲は関係者の間では知られていた。元経済産業省幹部は、こう振り返る。
「2人は記者会見の場ですらケンカを始めたことがありました。西田氏が記者らに佐々木氏の悪口を言い、佐々木氏もそんな西田氏を非難して応酬。コーポレートガバナンス(企業統治)がなっていなかった」
会社の信頼は大きく失墜し、株価は下落したまま戻る気配はない。どんなに名門企業でも、トップの経営手腕で沈むということが、今回の件で明らかになった。
00年代前半から社外取締役を置いていた東芝は、日本のなかではガバナンス体制の整っている企業として知られていたが、今回の不正で、化けの皮がはがれた。
歴代3社長の報酬体系からも、典型的な日本企業の構図が浮かび上がる。企業統治に詳しいペイ・ガバナンス日本の阿部直彦氏は言う。
「3人の役員報酬(13年度)は、会長の西田氏が1億2700万円、副会長の佐々木氏が1億400万円、社長の田中氏が1億1100万円でした。先進国企業で代表執行役である社長の報酬が執行を兼務しない取締役である会長の報酬より低いなど考えられません。このような報酬体系は、経営責任の所在を曖昧(あいまい)にします」
東芝にガバナンス先進国の米国と同じようなリスク管理体制が整っていれば、このような事件は起きなかったかもしれない。
阿部氏によると、米国では、経営者に報酬の5倍から10倍程度の自社株保有を促すという。大量の自社株を持っていれば、株価の下落は避けたいと思い、それが不正に走るのに歯止めをかけるというのだ。
東芝の3社長も自社株を保有したが、保有数は少なかったという。
米国の多くの企業では、大幅な会計修正や損失が発生した場合、役員に報酬の返還を求められるクローバック条項を委任契約で盛り込むという。
「東芝がクローバック条項を3社長との契約に盛り込んでいれば、利益減や株価下落で受けた損害分を返還してもらえたでしょう」(阿部氏)
東芝は再発防止策としてガバナンスの強化に努めると主張する。その一つが社外取締役の増員だ。
4人だった社外取締役は、経済同友会代表幹事で三菱ケミカルホールディングス会長の小林喜光氏など7人に増えた。これからは経営者、司法関係者など、専門性の高い人材を登用すると言うが、まず、クローバック条項を契約に盛り込むほうが先決だろう。
社外取締役の人数をいくら増やしても、結局は経営陣がしっかり機能していなければ意味がない、と経済ジャーナリストの町田徹氏は指摘する。
「そもそも期越えの収益操作しか問題にしなかった第三者委員会の報告書の内容が不十分です。(東芝が買収した)米大手原子炉メーカーのウェスチングハウスは福島第一原発事故後、事実上の不良債権化していますが、報告書内では触れられていません。ここが一番のネックです。このまま幕引きをしてはいけない」
正確な状況報告という前提が整っていない状態で、社外取締役が適切な決定や助言を行うことは難しい。
「最も必要なのは、東芝の執行体制そのものにメスを入れることです。西田氏と近いとされる室町正志氏が社長のままでいいのかも疑問です」(町田氏)
東芝は半導体事業のリストラ策を発表し、画像センサーなど一部事業をやめて、メモリーやパワー半導体などの成長事業に注力する。大分工場(大分市)の画像センサーの生産設備などはソニーに売却。システムLSIとディスクリート事業の従業員1100人はソニーに移ることになる。今後は、赤字幅の大きい家電部門では社員のリストラが進むだろう。
本当の改革がなされなければ、社員も株主も納得はしない。
(本誌・永野原梨香、長倉克枝)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民102掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。