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中日韓首脳会談の実現、日本経済にとってプラスとなるのか?
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/478.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 11 月 11 日 21:57:54: Mo7ApAlflbQ6s
 


中日韓首脳会談の実現、日本経済にとってプラスとなるのか?
人民網日本語版 2015年11月11日09:23

約3年半にわたって中断されていた中日韓首脳会談がついに韓国・ソウルで開催された。3カ国は「北東アジアの平和と協力のための共同宣言」を発表しただけでなく、日韓の首脳も3年半ぶりに首脳会談を行った。安倍晋三首相と朴槿恵(パク・クネ)大統領が会談するのは就任後初めてとなった。国際商報が伝えた。

日本のメディアはこのニュースを大々的に報じ、首脳同士が握手する写真が各紙のトップを飾った。日本メディアは、これにより安倍外交は多くの「ポイント」を稼いだとの見方を示している。

中韓の首脳と握手できたことは、安倍外交にはプラスとなったかもしれないが、政治的意義の大きい今回の会談が、日本経済にプラスとなるかについては疑問だ。

日本銀行は10月30日、金融政策決定会合を開き、現在の金融政策を維持し、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行うと決定、金融緩和を継続するとした。また同日、日銀は「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)を発表、2015年度の実質国内総生産(GDP)見通しを前年度比1.7%増から1.2%増に、16年度を1.5%増から1.4%増に引き下げた。日銀はさらに、消費者物価上昇率が目標の2%に達する時期の見通しについて「16年度前半ごろ」から「2016年度後半ごろ」に先送りした。物価目標の達成時期を延期するのはこれで2度目だ。この目標は当初、2015年4月に実現するはずだった。

日本経済の成長率見通しを下方修正した原因は、新興市場の経済成長の減速と石油価格の下落だ。特に輸出の低迷は日本経済の回復が失速した大きな原因となった。

近年、日本政府の歴史問題に関する様々な態度が中韓両国から不満を呼んでおり、日本と中韓両国の政治関係が冷え込み、これが経済関係にも直接影響している。日本の中韓両国への輸出額も影響を受けた。韓国税関の統計によると、2014年、韓国の日本からの輸入額は10.4%減少した。韓国の日本からの輸入額はこれで3年連続の減少となった。中国税関の統計によると、2015年第1〜第3四半期、中国の日本からの輸入額は12.3%減少した。

中日関係の問題について、中国の立場は一貫している。すなわち「平和こそ人類の正しい道。歴史を正視することで初めて未来に向かうことができる」というものだ。日本が国民の願いとアジア各国の共通の呼び声に応え、平和的発展の方向を遵守することを望む。

一方、日韓両国の関係は非常に複雑だ。なぜなら当事者の両国だけでなく、米国の影響をも受けるためだ。米国のアジアにおけるパートナーである日韓両国の関係は米国に多くの懸念をもたらしている。今回の日韓首脳会談は、米国が間に立って実現したという評論もある。しかし、今回の日韓首脳会談は米国を失望させたかもしれない。韓国の全国紙「世界日報」によれば、安倍首相とパク大統領の会談は昼食会も、共同記者会見も、共同声明も無いという、非常に「気まずい」内容だった。慰安婦問題に関する日韓間の認識の隔たりが埋まらず、会談時間が予定より大幅に延長された。しかし、「会談時間が長くなったのは良いニュースとは言えない。双方が敏感な問題をめぐって舌戦を繰り広げた可能性がある」との分析もある。首脳会談は「決裂した」と報じたメディアもあった。

韓国大統領官邸・青瓦台によると、双方は慰安婦問題について、早期の妥結を目指して交渉を加速させていくことで一致したほか、経済分野の協力を強化し、首脳会談の結果を着実に実施し、ハイレベルの対話メカニズムを構築することで一致したという。

経済協力の強化について言及されたが、歴史問題という「足枷」が存在する以上、日韓の経済協力がどれほど強化できるのかは不明だ。

まず、円安によって韓国の輸出が打撃を受けた。これは近頃の韓国経済発展に影響を及ぼす大きな原因となっている。日本経済にはまだ回復の兆しが見えず、日銀の緩和策は今後も継続され、さらなる緩和の可能性も排除できない。そうなれば、円安の方向性が一転する可能性は低く、韓国の輸出も影響を免れることは難しい。

次に、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定交渉の大筋合意により、韓国の一部産業がプレッシャーを感じている。日韓両国は多くの分野が競争関係にあることから、TPPが発効すれば、韓国は日本との競争の中で市場を失うことになる。しかし、韓国がTPPに加入するとなると、12カ国と交渉しなければならない。日韓がTPP加入をめぐって交渉すれば、自動車などの関税および日本の農水産品の輸入制限に関する交渉が難点となるだろう。

最後に、韓国と中国の経済貿易協力はますます緊密化しており、中国市場の韓国経済に対するけん引作用は軽視できなくなった。日本との経済協力問題において、韓国はコストの問題だけでなく、日韓関係の背後にある米国の問題を考慮することになる。中国および米国との関係に対処する中で、韓国は分をわきまえ、バランスをとらなければならない。(編集SN)

「人民網日本語版」2015年11月10日

http://j.people.com.cn/n/2015/1111/c94476-8974683.html


 

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コメント
 
1. 2015年11月11日 22:41:00 : nJF6kGWndY

>中日関係の問題について、中国の立場は一貫している。すなわち「平和こそ人類の正しい道。歴史を正視することで初めて未来に向かうことができる」というもの

面白いジョークだ


>今回の会談が、日本経済にプラスとなるかについては疑問
>歴史問題という「足枷」が存在する以上、日韓の経済協力がどれほど強化できるのかは不明
>中国および米国との関係に対処する中で、韓国は分をわきまえ、バランスをとらなければならない

そうだな

まあ日本も似たようなものだがw


2. 2015年11月12日 05:41:07 : xqEk6mxhpE
まあ米国の顔を立ててやっただけだから、結果が出るなんて思っていないだろ。
それで良いんだよ。中国なんてここ2・3年でどうなるかじっくり見極めないと、うかつな手は打てない。
韓国は中国次第だからしばらくは放置。

3. 2015年11月12日 08:33:25 : OO6Zlan35k
「北朝鮮並み」の日本、「ロシア並み」の韓国
木村幹教授と韓国の「右往左往」を読む(4)
2015年11月12日(木)鈴置 高史

(前回から読む)
 米国の引力圏を脱し、中国を周回し始めた韓国。では、その韓国と日本はどう向き合うのか。神戸大学大学院の木村幹教授と考える(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。
Cold Peace

木村幹(きむら・かん)
神戸大学大学院・国際協力研究科教授、法学博士(京都大学)。1966年大阪府生まれ、京都大学大学院法学研究科博士前期課程修了。専攻は比較政治学、朝鮮半島地域研究。政治的指導者の人物像や時代状況から韓国という国と韓国人を読み解いて見せる。受賞作は『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(ミネルヴァ書房、第13回アジア・太平洋賞特別賞受賞)と『韓国における「権威主義的」体制の成立』(同、第25回サントリー学芸賞受賞)。一般向け書籍に『朝鮮半島をどう見るか』(集英社新書)、『韓国現代史』(中公新書)がある。最新作の『日韓歴史認識問題とは何か』(ミネルヴァ書房)で第16回 読売・吉野作造賞を受賞した。ホームページはこちら
木村:「日韓関係はべったりとした昔には戻らない」。こう言い続けてきましたが、ようやく政治家や官僚の方々――日本の政策を決める人々に理解してもらえるようになりました。
 日韓は米国を媒介とした準・同盟国でなければ友好国でもない――。この現実を前提に新たな関係を考える必要があるのです。
鈴置:そう言えば、ジョン・ホプキンス大学のケント・カルダー(Kent Calder)教授が最近、木村先生と似た議論をしています。
 日韓関係をロシアと隣国との関係に見立てる意見です。朝鮮日報がインタビューし「韓日が不信を克服したいのなら、首脳の政治的な勇気が要る」(10月31日、韓国語版)という記事で紹介していました。
木村:ケント・カルダー教授は日韓関係の1つの落とし所を「Cold Peace」と表現しています。「信頼関係は存在しないものの、紛争にも至らない平和的な状態」という意味だと思います。
 「信頼関係の構築」などという高いハードルは諦めて、とりあえずは「紛争のない状態」を目指し努力すべきだ――とのアドバイスです。
 逆に言えば、米国のアジア専門家からそんな忠告をされるほどに、日韓は微妙な関係になったのです。
日韓戦争を予防する
鈴置:上手に管理すれば軍事的な衝突は避けられる――つまり、下手したら戦争になるぞ、ということですからね。ついに第3者から見ても、日本にとって韓国は「ロシア並み」の国になったわけです。
日本でも「中国の使い走りとなった韓国は信用できない。放っておけ」という空気が定着しています。韓国を完全に無視した安倍談話に、支持が集まったのもそのためです。
安倍談話を分析した「『韓国外し』に乗り出した安倍政権」という見出しの記事は非常によく読まれました。
木村:日本人の心情としてそうなるのは分からないでもありません。でも「信頼関係がなくなった」からこそ、不必要な対立を避けるための対話やメカニズム――軍事的なものを含め、本格的な紛争に至らないようにする予防措置が必要となるのです。「むかつくから何の対処もしない」というなら外交なんて要りません。
鈴置:木村先生やカルダー教授のような議論の立て方をすると「戦争を望むのか」と言う人が必ず出てきます。
 でも、これだけ日韓が疎遠になると、現実を直視し「紛争を防ぐ」姿勢でモノを考えておかないと、かえって衝突を起こしかねないのですけれどね。
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『「独り相撲」で転げ落ちた韓国』

安倍首相の米議会演説阻止、日本の世界遺産登録は挙国反対……韓国の執拗な「終わりなき反日」が続く。これまで無関心だった日本人もさすがに首をひねる異様ぶりが際立つ。
事あるごとに日本叩きの共闘を迫られる米国も、もはや「韓国疲れ」。「対中包囲網」切り崩しを狙う中国も、日本の懐柔に動き、韓国は後回し。国内外で「独り相撲」を繰り広げ、韓国は土俵を転げ落ちた。
「二股外交」破綻の先の「中立化」そして「核武装」を見据える韓国が招く北東アジアの流動化。新たな勢力図と日本の取るべき進路を、見通す。
『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』『中国という蟻地獄に落ちた韓国』『「踏み絵」迫る米国 「逆切れ」する韓国』『日本と韓国は「米中代理戦争」を闘う』 『「三面楚歌」にようやく気づいた韓国』に続く待望のシリーズ第6弾。8月17日発行。
防衛費は日本の8割
韓国は軍事的に日本の敵になり得るのでしょうか。
木村:韓国の防衛費は増え続け、現段階ですでに日本のそれの8割に達しています(グラフ「日韓・防衛費の推移」参照)。
グラフ●日韓・防衛費の推移

注)縦軸の単位は100万USドル。SIPRI Military Expenditure Database(c)SIPRI 2015 のデータを基に木村幹教授が作成
[画像のクリックで拡大表示]
 念のために付け加えれば、韓国が意図的に防衛費を拡大させた結果ではありません。韓国のGDPに対する防衛費の割合は3%弱で固定されています。
 韓国のGDP、つまり経済規模が大きくなったからです。経済規模が大きくなれば、当然それにつれて防衛費も大きくなります。
 日本ではこのデータはあまり知られていませんが、昔の「貧しく弱い韓国」は軍事面でも、もう存在しないのです。
韓国の防衛費が日本に追いついたとしても、その海軍力は極めて脆弱との評価が多いようですが……。
木村:それはそうです。でもこの先、東シナ海や南シナ海で中国海軍と一層厳しく向き合わねばならぬ日本とすれば、韓国との摩擦は避けた方が得策でしょう。余分な兵力をとられて、中国の脅威に専念することができなくなりますから。
薄気味悪いほどの丁重さ

鈴置:その思い――軍事的な摩擦や衝突を避けたいとの思いは、韓国側の方が強いのかもしれません。以下は最近、日本の安全保障専門家から聞いた話です。
• 毎年、韓国でのシンポジウムに参加する。今年はなぜか異例の接遇を受けた。米国から参加したカウンターパートよりもはるかに良い待遇で、招待者側はしきりに日本との防衛協力を訴えてきた。
 韓国側の丁重さは、薄気味悪いほどだったそうです。衝突の防止に加え、日本の軍事的な能力や意図を探る目的もあるのでしょう。敵であるほど、その情報は必要になりますから。
 自衛官OBの中には日本の運用技術を取りたいのだろう、と見る人が多い。韓国はF15の整備や潜水艦救難艦の運用など、結構重要な技術を自衛隊から学んできました。
 「中国側に回った韓国」に対し、今後は米国が「教え渋る」可能性が高いので、日本とのパイプをなくしたくないのだ、との読みです。
木村:「韓国の丁重さ」には驚きません。10月20日には中谷元・防衛相が訪韓し韓民求(ハン・ミング)国防相と会談しました。
 4年振りの大臣同士の防衛対話です。安全保障関連法に理解を求めるのが訪韓の目的でしたが、防衛問題での交流強化でも合意しました。
「経済」ではなく「軍事」選ぶ
鈴置:10月18日の自衛隊の観艦式には韓国海軍の駆逐艦も参加しました。2002年の東京湾での国際観艦式に韓国海軍は艦船を送りましたが、自衛隊の観艦式に加わったのは初めてです。
木村:米国による「日韓関係の改善圧力」を受けた韓国は、その糸口に「軍事」を選んだのです。これまで日韓両国が関係改善に動く時には必ず「経済」を使いました。
 あえて「軍事」から入ったのは極めて興味深い現象です。日本との軍事的対立を避けたいとの思いが強い証拠だと思います。
 韓国から見ても、日本は危険な存在となっています。歴史認識問題や領土問題で両国の関係がどんどん悪化しているからです。
 もし、国民感情をさらに煽って領土問題などで強硬な政策を主張する政治家が現れれば、思いもかけない状況に陥る可能性もゼロではない。
 もちろん、今のところは日韓両国が戦争になる可能性はほとんどないと思いますし、両国の政治家もそれほど愚かではないでしょう。
 でも、北東アジアの情勢が不安定化していくなかで、長期的には敵対的な関係に移行しても不思議ではないと思います。
独島を日本から守れ
鈴置:同感です。韓国紙の記事を読んでも、書き込みを読んでも「昔のように簡単には謝らない日本」への苛立ちで溢れています。日韓関係が「べったりした昔」には戻らないことに、韓国人も気がつく過程にあるのです。
木村:領有権を争う竹島も、少し前までは日本が武力で奪い返しにくるとは――口ではともかく心の奥底では――韓国の人々は考えていなかったと思います。
 でも、今やそれもあり得る話と一部の韓国人は考えるようになりました。なぜなら、日本人が韓国を信じられなくなっているように、韓国人もまた日本を信じられなくなっているからです。
 つい最近も「竹島の隣の鬱陵島に、海兵隊の実戦兵力を配置する計画」との報道がありました。北朝鮮対策だとの説明が表向きは付いていますが、日本を意識したのは間違いありません。
笑いながら「日本は仮想敵」
鈴置:聯合ニュースの「韓国軍 鬱陵島に海兵隊配置を推進=独島防衛と対北圧迫」(11月6日、日本語版)ですね。「日本」とは名指ししていませんが「外部勢力の独島(竹島)侵攻に対する強力なメッセージ」と書いているところを見ると、対日防衛用です。
 そもそも見出しで「独島防衛」が「対北圧迫」より前に置いてあります。韓国人の本音が垣間見えます。
 1990年代初め――冷戦末期に、韓国国防部が白書で日本を仮想敵扱いしたことがあります。関係者に「ひどいじゃないか」と言ったら、にこにこ笑いながら「我慢してくれ」。
 北朝鮮は本当の敵だから、今更、白書で敵と強調しても予算は増えない。中国やソ連とはこれから国交を結ばなければならないから、余計なことは書けない。ここはひとつ日本に協力してもらい、敵ということになってもらわねば困る――というのです。
 当時は予算獲得用に「日本は仮想敵」と言っていた。誰もそうは思わないから、安心してそう言っていたのです。この頃は実に深い“信頼関係”があったのです。
米軍は助けてくれない
「日本が攻めてくる」と考える韓国人が結構いるのですね。
鈴置:朴槿恵(パク・クンヘ)政権は中国と一緒になって、日本の集団的自衛権の行使容認や安全保障関連法案に否定的な姿勢を打ち出しました。
 それを支持した韓国メディアが「日本は戦争できる国になる。真っ先に襲われるのは韓国だ」と煽ったことが効いたと思います。
木村:韓国の人々が日本を本格的に仮想敵の1つと考えるようになった理由はいくつかあります。まず、彼らが今の日本社会の変化を「軍国主義への回帰」だと考えていることです。その証拠に日本は韓国に対し何やら強気になってきた――ように彼らには見える。
 さらに加え米韓同盟が揺れていることも、韓国人の対日警戒感を加速しています(「『南シナ海』が揺らす米韓同盟」参照)。
 米韓同盟が強固なら、日本とも同盟を結ぶ米国が日本の軍事的な挑発にはブレーキをかけてくれることが期待できた。
 でも米韓同盟がこれ以上、悪化すれば米国はいざという時に、韓国の側に立って動いてはくれないかもしれない。現実はともかく米韓同盟への不安は、日韓関係に対する不安にも繋がっています。
対馬を占領すればよい
鈴置:韓国の保守系サイトで面白い記事を見たことがあります。「独島に日本が攻めてくるかもしれない」と反日を煽り、日本の安保法制に反対する人に対し「そんなことはあり得ない。落ち着け」と諭した記事でした。
 筆者は「日韓関係は重要だ。つまらぬ反日をやめよ」との意図から記事を書いていました。しかし「日本の侵攻はあり得ない」理由の1つに「仮に独島を取られたら対馬を占領し、島民を人質に独島返還を交渉すればよいから」を挙げていました。
 これを日本人が読んだら日韓関係はさらに悪化するだろうな、と思ったものです。対馬攻撃論の背景には、韓国で最近高まる「対馬・韓国領土論」が背景にあります。日韓の領土紛争のタネは竹島に留まらないのです(「『対馬は韓国のものだ』と言い出した韓国人」参照)。
木村:先ほど鈴置さんは「日本にとって韓国はロシア並みの国になったか」との感慨を漏らしました。一方、韓国は日本を「北朝鮮並み」に扱うようになっています。金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)の進歩派政権は、危険な北朝鮮を対決ではなく、融和政策で抑え込もうとしました。
 「厳しい北風ではマントを脱がせることはできないが暖かい太陽なら……」というわけです。今度は日本に対し「太陽政策」を始めたように思われます。ただし、本当にいい関係を作れるとは考えておらず、あくまで計算づくの戦略として、です。
日本の頭を撫でる
「日本は北朝鮮並み」ですか?!
鈴置:「日本人は野蛮で強大な軍事力を持つ。だから常に侵攻意図がないか調べ、頭を撫でておく必要がある」というのが韓国の伝統的な日本観です。昔から本音ベースで「日本は乱暴者」なのです。
 柳成竜(ユ・ソンヨン、1542−1607年)という文禄・慶長の役(1592―1593年、1597―1598年)当時の朝鮮の宰相がいます。この戦争――朝鮮の呼び方で言えば、壬辰倭乱を詳細に記録した『懲録』(ちょうひろく)を書きました。
 柳成竜は敗戦の原因を、日本を軽んじてその動向を見極めようともせず、軍備も怠っていた当時の朝鮮王朝に見出します。
 そしてこの本の冒頭には、彼よりも130年ほど前の宰相、申叔舟(シン・スクチュ、1417―1475年)が死の間際に、王に言い残した言葉を記しています。以下です。
• 願わくば、わが国が日本との平和関係を失うことのありませんように(東洋文庫『懲録』7ページ、朴鐘鳴=パク=・チョンミョン訳)。
 1443年、若き申叔舟は朝鮮通信使の一員として室町時代の日本を訪れた経験がありました。1471年に刊行した『海東諸国紀』では日本の軍事力の強力なことと、上手になだめすかす重要性を説きました。
朴政権は壬辰倭乱を招く
日本人は野蛮だから、乱暴してこないよう頭を撫でておくわけですね。
鈴置:その通りです。いまだに韓国の新聞では「何をしてくるか分からない日本」への警戒を呼び掛ける際『懲録』か『海東諸国紀』を引用することが多い。「そろそろ……」と思っていたらやはり、2冊とも引用する記事が登場しました。
 尹平重(ユン・ピョンジュン)韓神大教授が朝鮮日報に寄せた「日本、その永遠の烙印」(11月6日、韓国語版)です。以下がポイントです。
• 『海東諸国紀』の序文で申叔舟は「外敵と向き合う方法は、外征ではなく内治にある」と強調した。日本を「力が非常に強い」国と規定した上で、将来の安全保障の危機に対処するためにも朝廷の綱紀を正すことが最優先課題だと力説したのだ。
• およそ100年後に壬辰倭乱を招くことになった朝鮮王朝の国政の乱れを予見した記述であり、2015年現在の朴槿恵政権における、外交・安全保障チームの総てに渡る乱脈への警告としても読める。
• 壬辰倭乱を省察した柳成竜は「日本と近しく」という申叔舟の遺言を『懲録』の冒頭に載せた。血と涙の遺言は、21世紀の今も有効だ。
 なお、尹平重教授は引用部分で日本を「外敵」と上品に表現していますが、朝鮮総督府が昭和8年に出版した『海東諸国記』を国立国会図書館のデジタルライブラリーで見ると、原文は「夷狄」(コマ番号6、2行目)です。岩波文庫版(田中健夫訳注)でも「夷狄」(14ページ)です。
 日本をなだめるどころか怒らせた朴槿恵政権への批判です。反日から卑日へ、そして警日へと韓国人はなかなか忙しいのです。
日中が衝突したら……
木村:日本との軍事対話により「軍国主義化する日本」の脅威が自らに向かないようにしたい――と今、韓国人が願っているのは間違いありません。
 韓国人のもう1つの懸念は中国です。日本と中国が尖閣諸島を巡って軍事衝突する可能性が生まれた。それには米国も何らかの形で関与する可能性がある。韓国には、日米VS中の争いにどうしたら巻き込まれずに済むか、という大きな課題が突きつけられています。
やはり、日韓関係には中国の影が大きく差すのですね。
(次回に続く)


早読み 深読み 朝鮮半島
朝鮮半島情勢を軸に、アジアのこれからを読み解いていくコラム。著者は日本経済新聞の編集委員。朝鮮半島の将来を予測したシナリオ的小説『朝鮮半島201Z年』を刊行している。その中で登場人物に「しかし今、韓国研究は面白いでしょう。中国が軸となってモノゴトが動くようになったので、皆、中国をカバーしたがる。だけど、日本の風上にある韓国を観察することで“中国台風”の進路や強さ、被害をいち早く予想できる」と語らせている。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226331/111000023/?ST=print 


[32削除理由]:削除人:関連が薄い長文


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