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工作機械受注額、3カ月連続で2けたマイナス 10月受注実績速報(SankeiBiz)
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/476.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 11 日 16:35:46: igsppGRN/E9PQ
 

工作機械受注額、3カ月連続で2けたマイナス 10月受注実績速報
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151111-00000512-biz_san-nb
SankeiBiz 2015/11/11 16:28


 日本工作機械工業会が11日に発表した10月の工作機械受注額(速報値)は、前年同月比23.1%減の1028億4100万円で、3カ月連続で2けたのマイナスとなった。

 中国経済の失速などで、スマートフォン(高機能携帯電話)を中心としたIT(情報技術)関連の受注が急速に落ち込んだため。

 同工業会は2015年の年間受注額の予想を1兆5500億円としていたが、11月以降も2けたのマイナスが続けば、2年ぶりの前年実績割れの可能性がある。

 外需は34.0%減の586億1000万円。10月5〜10日、イタリアのミラノで世界的な工作機械見本市「EMO」が開催されたが、同工業会の担当者は「国内外のメーカーとも、受注獲得につながるような商談が得られていないようだ」という。

 内需は1.5%減の442億3100万円。米国の利上げ後に追加の経済対策があるとの思惑から、設備投資を控える動きも強まっているもようだ。

 同工業会によると、工作機械受注は、13年10月から22カ月連続で前年実績を上回っていたが、8月以降マイナスに転じている。

 

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コメント
 
1. 2015年11月11日 19:15:09 : OO6Zlan35k
焦点:ドル調達コスト急騰、日本勢悲鳴 外貨建て投資の軌道修正も

[東京 11日 ロイター] - 為替スワップ市場で、ドル調達コストが急騰し、日本勢から悲鳴が上がっている。12月米利上げ観測が強まり、年末・年度末を控えて日本勢がドル調達に走ったためだ。

さらに、リーマン・ショック後に強化された米金融規制も重くのしかかる。国内の低金利環境が長期化し、本邦投資家の外貨建て投資が急拡大してきたが、ドル調達コストの上昇で、軌道修正が必要になりかねない事態に直面している。

<「ベーシス」がリーマン以来の高水準>

日本の投資家は外貨建て資産に投資する際、為替変動リスクを回避するため、為替スワップなどを利用し円を担保としたドルの短期資金借り入れを行う例が多い。

為替スワップでは日本より米国の金利水準が高いため、その分のコストを払うのだが、その日米金利差にさらに上乗せされるコストを「ベーシス」と呼ぶ。

日米金利差は3カ月物で現在27ベーシスポイント(bp)程度だが、今月9日の取引ではベーシスが88bpまで急騰し、リーマン・ショック直後の2008年10月以来の水準に達した。これによって、本邦勢が円投/ドル転に際して支払うコストは115bpまで上昇した。

同コストは11日までに小幅低下したが、年初は20bp程度だったベーシスは依然7年ぶりの高水準を維持。ドル調達コストの急上昇に、国内の金融機関からは「悲鳴に近い声が聞こえてくる」(市場参加者)という。

SMBC日興証券・シニア金利ストラテジスト・野地慎氏は「今回のベーシスの急騰は、外貨建て貸し出しのロールオーバーに絡むドル需要が関連しているのではないか」と分析。円投/ドル転では「もともと需給のバランスがいびつなので、適正な水準などは存在せず、いったんバランスを崩すと金利が跳ね上がるリスクがある」と警鐘を鳴らす。

ある外資系金融機関トレーダーは「ここまでベーシスが高まってくると、ヘッジコストをかけて米国債を買うのか、あるいは米国資産を圧縮するのか、何らかの決断を迫られるところも出るだろう」と述べている。

今年末をクリアしても「今後、邦銀の外貨ALM(資産と負債の総合管理)はドラスティックな見直しを迫られる」(他の外資系金融機関)との指摘も出ている。

為替変動リスクの回避手段として、外貨建て社債の発行や外貨預金の受け入れもあるが、スワップと比べコストが高く、邦銀は積極的に活用してこなかった。

日銀によると、米ドル建て貸出は邦銀のアジア向け貸出の30%超を占める。6日に発表された10月米雇用統計を受け、12月米利上げ観測が高まり、米利上げに伴う資金調達コストの上昇は収益圧迫に直結する構図となっている。

さらにドルの出し手も「利上げをにらんで控えている。SWF(政府系ファンド)などが、様子見になっている」(邦銀トレーダー)という。

ベーシスは9月にも、一時70bpを超える水準まで上昇した。半期末のドル需要に加え、中国などの新興国が自国通貨防衛のため外貨準備(円資産含む)を取り崩してドル資金を確保。これも円投/ドル転コストの押し上げに関与したとみられる。

<規制強化でドル供給減>

例年、年末や期末には、欧米銀が外貨ポジションを圧縮するため、ベーシスには上昇圧力がかかってきた。しかし、世界金融危機以来の高水準となった背景には、危機後に各国で導入・強化された金融規制があるとみられている。

レバレッジ規制やボルカールールの影響により、国際的な取引を行う金融機関はリスク許容量を大幅に低下させており「ベーシスという裁定機会を利用して、こづかい稼ぎする余裕もないようだ」(国内証券)という。

円投/ドル転には、スワップの相手方(ドル資金の出し手)となる欧米銀に円資金需要のあることが前提。

しかし、規制の下では、スワップやフォワード取引によるバランスシート膨張がコスト増につながる。また、先進国の中で最もソブリンリスクの高い円資産には流動性バッファーの保有を義務付けられるなど、円保有のインセンティブは低下している。

その結果、外貨建て投資を急拡大する日本勢がもたらす「円の供給増/ドルの需要増」に対して、海外勢の「弱い円需要/ドルの供給減」という不均衡が生まれ、ベーシスが拡大しやすい構造ができている。

日銀の量的・質的金融緩和によるポートフォリオのリバランス効果や年金によるリスク資産投資拡大などによって、日本勢の外貨建て投資はアベノミクス下で拡大の一途を辿ってきた。

財務省によると、日本勢の対外証券投資(株式・中長期債・短期債合計)は10月に3兆1877億円と4カ月連続の買い越し。昨年1月から今年10月までの累計では43兆1828億円に膨らんでいる。対外直接投資も今年9月までの累計で24兆1912億円と巨額だ。

(森佳子、佐野日出之、伊藤純夫 編集:田巻一彦)

http://jp.reuters.com/article/2015/11/11/alm-idJPKCN0T00PI20151111?sp=true

 
ゴールドマン反対論者もついに降参−債券流動性で広がる「不安の輪」
2015/11/11 14:59 JST

    (ブルームバーグ):債券市場の流動性を懸念する市場参加者のリストに米銀ゴールドマン・サックス・グループのチーフ・クレジットストラテジストを加えなければならない。
ゴールドマンによれば、米国のプライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)22社が保有する社債の在庫が先週、過去初めてネットでマイナスとなり、チャールズ・ヒンメルバーグ氏も不安の声を上げる仲間に加わった。
リスク資産を保有する銀行のコストが規制強化で高まる状況下で、社債ポジションは金融危機から減少傾向が続いてきた。ストラテジストらによると、ゴールドマンのデータで過去最低水準への落ち込みが示されたことは、来たるべき流動性低下という「ニューノーマル(新たな標準)」を象徴するような出来事だ。
ヒンメルバーグ氏は「流動性不安についてやや違う意見だったが、証拠が増え始めている。こうしたトレンドは社債ポジションを保有するコストの上昇を反映している。当面続くことになる逆風が強まっているとますます感じられる」と10日に語った。
ブルームバーグのデータによれば、プライマリーディーラーの社債ポジションは14億ドル( 約1721億円)相当のショート(売り持ち)となっており、5月の時点の130億ドルのロング(買い持ち)から売り越しに転じた。
米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)をはじめとするウォール街の経営幹部や多くの投資家は、マーケットメーカー(値付け業者)の役割を銀行がもはや果たしておらず、投資家が売りたい時に買い手がいる状態を維持できないと今年に入り相次いで懸念を表明していた。
原題:Goldman Contrarian Joins Chorus Warning on Bond-Market Liquidity(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Cordell Eddingsceddings@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Nabila Ahmednahmed54@bloomberg.net
更新日時: 2015/11/11 14:59 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NXMXC16JIJVV01.html 


2. 2015年11月12日 06:55:14 : jXbiWWJBCA
ITは進化、生産性は低下の謎 世界のエコノミストが大論争
金融市場異論百出
2015年11月12日 加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]


現代人の生活に欠かせない、検索サイトや地図アプリなどのインターネット上の無料サービスは、生産性を向上させているのか Photo by Takahisa Suzuki
 現代のわれわれはインターネット上の多くのサービスを無料で利用している。

 検索サイト、電子メール、地図アプリ、「フェイスブック」「ツイッター」などのソーシャルメディア、動画共有サイト「ユーチューブ」、無料オンライン百科事典「ウィキペディア」の閲覧等々、料金を払わずに使っていながら、日常生活で重要なものは多い。

 そういった無料サービスはわれわれに多様な利便性をもたらしている。しかし、GDPではどのように捕捉されているのだろうか。一部はサイトに登場する広告費を通じて、間接的に消費者がコストを支払っているといえる。しかし、全体として見ればお金に換算されていない部分がかなりある。

 他方、最近多くの先進国で、成長率の鈍化や生産性の低下が議論の対象になっている。経済協力開発機構(OECD)によれば、2001〜07年と07〜13年の7年間を比べて、労働生産性の伸びが低下した国は、先進国を中心とする34カ国中、32カ国にも及んでいる。

 IT革命は生産性を向上させてきたはずだが、近年の動きは統計上、必ずしも明確ではない。マサチューセッツ工科大学の研究者(エリック・ブラインジョルフソン教授ら)は、無料インターネットサイトにより、消費者は07〜11年に年平均1060億ドル(GDPの0.74%相当)の利益を得てきたと推計している。ただ、それはGDPや生産性の公式な統計には反映されていないという。

 米グーグルのチーフエコノミスト、ハル・ヴァリアン氏は統計と現実のずれを盛んに主張している。「シリコンバレーで起きていることが評価されていない。生産性はGDPを基に計測される。GDPは1930年代に鉄や穀物の産出を測るためにつくられたもので、デジタルな商品の産出を測るためのものではない」(米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」)。

 現在はIT革命がまだ過渡期のためにGDPに貢献できていない、という解釈も聞かれる。例えば、洗濯機、皿洗い機、掃除機の登場は家事労働を大幅に軽減した。それは女性の労働市場への参加を可能とし、経済を拡大させた。

 一方、現時点では、インターネットを使って節約できた時間が所得の増加につながっているケースはまだ限られている。だが、近い将来、車の自動運転が広く普及するようになれば変わるかもしれない。通勤時間中にパソコン等で仕事ができる人が増えるからである。

 もっとも、より冷めた目でこの議論を語るエコノミストもいる。電気、蒸気機関、電話などの発明に比べると、近年の“イノベーション”は実はさほど革命的ではなく“小粒”だという説がある。

 また、アラン・ブラインダー米連邦準備制度理事会(FRB)元副議長や、イングランド銀行チーフエコノミストのアンディ・ホールデン氏は、先進国の成長率が低下している主因は別のところにあり、企業が十分に投資していないからだと指摘している。ROE(株主資本利益率)を上げるために自社株買いに熱心な企業が多過ぎるという批判である(米誌「ファイナンシャルレビュー」)。

 このように議論は多岐にわたってかんかんがくがくと行われている。ジャネット・イエレンFRB議長も、「持続的な生産性の向上は、人々の収入を増加させる上で必要だ」と語っていた。生産性の伸びや賃金の動向はインフレ率にも影響を与えるだけに、世界の多くの中央銀行にとっても前出の議論は気になるところと思われる。

(東短リサーチ代表取締役社長 加藤 出)
http://diamond.jp/articles/-/81388


フィンテック企業の時価総額は今や日本のメガバンクに匹敵
【第37回】 2015年11月12日 野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

特に送金・決済分野でのフィンテックの成長は目覚ましい
 金融業務に情報技術を応用する「フィンテック」として、多数の新しいサービスが登場している。急成長した企業の中には、伝統的な大銀行に匹敵するほどの時価総額になったものもある。なぜこのような急成長ができるのか? 今後の成長可能性はどう評価されるか?

 これに答えるには、フィンテックと呼ばれているサービスを整理し、各々の分野ごとにどれだけの需要があり、将来の可能性がどうなるかを分析することが必要だ。

 フィンテックには、3つの主要分野がある。第1は、送金や決済。第2は、銀行を介さずに融資を行なう「ソーシャルレンディング」。そして第3が、コンピュータを使った投資アドバイスだ。

 どれも重要だが、成長が最も目覚ましいのは第1の分野だ。そこで以下では、送金・決済分野でのフィンテック企業とサービスを見ることとしよう。この分野はさらに「オンライン決済サービス」と「モバイル決済」に分けられる。

ネット販売に不可欠の
オンライン決済サービス

 オンラインショップで支払いを行なう場合、最もよく使われるのは、クレジットカードだ。しかし、個人や零細企業がオンラインショップを運営している場合、カード決済を導入するには、カード会社の審査に合格する必要がある。それに通っても、登録費用や月額費用がかかる。だから、個人や零細企業がクレジットカード決済を導入するのは、簡単ではなかった。

 そこで登場したのが「オンライン決済サービス」だ。オンラインショップがカード会社と直接契約しなくても、ウェブサイトにクレジット決済を導入できる。初期費用や月額料金は無料で、受け取り金額に対して課金される場合が多い。

 クレジットカードでは、月末締め後の1〜2ヵ月後に入金される場合が多いが、オンライン決済では、最短で数日での入金が期待できる。

オンライン決済の元祖PayPal
創設者はテスラモーターズのCEO

 PayPalは1998年に始まったオンライン決済サービスだ。テスラモーターズやスペースXのCEOとして知られるイーロン・マスクが創設した。

 アカウントを取得すると、資金をプールする口座を持つことができる。これを銀行の口座のように用いて、購入代金を支払ったり、販売した商品の代金を受け取ったりすることができる。つまり、インターネット上の財布のように使える。

 送金先のメールアドレスを指定し、PayPal口座から送金を行なう。このプロセスでは、PayPalが金銭の授受を仲介するため、取引先にクレジットカード番号や口座番号を知らせる必要がない。そのため、安全なサービスであるとされている。口座の残高が不足する場合は、クレジットカードや銀行口座から引き落とされる。

 アカウントにプールされた受け取り代金は、銀行口座に引き出すことができる。

 送金者に手数料はかからないが、受け取り側には金額に応じて手数料がかかる。なお、日本では、銀行からPayPal口座への振り込み入金はできない。

さらに簡便なサービスが出現
Stripeは通貨の変換も容易に可能

 最近、オンライン決済の世界に新しい動きが生じている。より簡便なサービスを提供する事業者が出現しているのだ。

 その代表が、2011年に設立されたStripeだ。

 サイト内にコードを数行埋め込むだけで、同一画面内での決済機能を簡単に追加できる。さらに世界のユーザーを相手に決済機能を提供するサービスの場合、他国通貨との変換が容易にできる。

 14年5月、日本でのサービス開始を発表した。三井住友カードと提携して国内向けにサービスを展開する。国内の決済手数料は一律3.6%。

 もう1つは、Braintreeだ。13年9月にeBayによって買収された。サービス内容はPayPalのそれに近いが、決済に関わるさまざまなサービスを簡単に実装できる。

SPIKEは無料の決済を提供
日本でもシェアを急拡大中

 SPIKEは、メタップスという会社が運営するオンライン決済サービス。2014年4月から日本でオープンベータ版の利用が可能になり、日本で急速にシェアを拡大している。

 個人事業主や小規模事業者向けの「フリープラン」は、初期費用、月額費用、決済手数料が無料で、月間100万円までの決済に利用できる。

 同様のサービスとしては、国内ではWebPay(15年2月にLINEによる買収が発表された)や、ヤフーのYahoo!ウォレットFastPay、楽天ID決済などがある。

 オンライン決済サービスを広い範囲の業者が利用できるためには、コストを下げる必要がある。

 しかし、クレジットカードに依存している以上、手数料率を3%程度以下に下げるのは難しい。そこで、ビジネスモデルの工夫が必要だ。

 このために、「フリーミアム・モデル」が用いられることが多い。これは、高度な内容のサービスは有料にし、それによって得られる収入を用いて、普及型サービスを低料金または無料で提供するものだ。

 なお、15年11月、Bitwalaは、世界中のPayPalアカウントへビットコインの送金を可能にすると発表した。仮にビットコイン送金が広く用いられるようになれば、送金コストを大幅に下げることが可能になるかもしれない。

スマートフォンを決済端末に
零細店舗でも導入可能なモバイル決済

 オンライン決済サービスはウェブでの支払いを念頭に置いているが、「モバイル決済」は、現実のショップでの支払いを容易にする仕組みだ。とくに、小売店やサービス業など、小規模事業者向けのサービスである。

 これまでのクレジットカード決済では、レジの横などにある読み取り端末にカードを通す。このシステムを導入するにはコストがかかるので、零細店舗では、導入が難しかった。

 モバイル決済では、スマートフォンなどをクレジットカード決済端末にする。「スマートフォン決済」とも呼ばれる。

 なお、これと似ているが別の概念として、「モバイル支払い」がある。これは、携帯電話のキャリアが行なっているもので、「キャリア決済」とも呼ばれる。買い物の支払いをスマートフォンの料金と一緒に支払う。

Twitter創業者が設立したSquareで
一気に拡大、Appleも参入

 Squareは、2009年に始まったモバイル決済のための仕組みだ。Twitterの創業者であるジャック・ドーシーがジム・マッケルヴィと設立した。

 切手サイズの端末「Squareリーダー」をスマートフォンやタブレットのイヤホンジャックに差し込み、専用アプリ「Squareレジ」をインストールすることで、スマートフォンなどをクレジットカードリーダーとして使える。

 これにより、高額なカード決済機器を導入するのが難しい零細店舗でも、支払いの際にカード決済に対応できるようになる。代金は、最短で翌営業日には銀行口座に振り込まれる。

 12年、PayPalは、スマートフォンのイヤホンジャックに小型端末を挿すことでクレジットカード決済端末として利用できるスマホ決済サービス「PayPal Here」を発表し、アメリカなどで展開していた。そして、日本にも参入した。

 その後、同様のサービスは一気に広がった。日本のスタートアップ企業のコイニーが12年10月にスマホ決済サービス「Coiney」を、楽天が12月に「楽天スマートペイ」を開始した。13年5月にはSquareが日本市場に参入したことで一気に競争が激化した。しかし、「PayPal Here」は3位に留まっている。

 Squareは、日本参入にあたり、3.25%という低率の決済手数料を導入した。これに対抗して、先行してサービスを提供していた「楽天スマートペイ」が4.9%から、「PayPal Here」が5%から、「Coiney」が4%から、揃って決済手数料を3.24%に引き下げた。

 モバイル決済技術が急伸したことにより、今では1500社近くのサービスが提供されている。乱立気味ともいえる。

 2014年10月に、Appleがモバイル決済サービス「Apple Pay」を始めた。

 これは、クレジットカードや銀行カードなどの情報をiPhoneに登録し、店頭でワンタッチで支払いを済ませたり、アプリ内で決済したりできるサービスだ。iPhone 6および6 Plusには、NFC(Near Field Communication:近距離通信)機能が内蔵されており、対応している支払端末にかざすだけで支払いが完了する。

 触れればすぐ決済できるという点で、Suicaなどのプリペイド式電子マネーのように気楽に使えると言われる。しかし、店舗の側の対応が進まず、いまのところ、それほど普及しているわけではない。

学生に人気の個人間送金アプリVenmo
フェイスブックも同様のサービス開始

 以上で述べたものの他に、個人間(P2P)送金サービスもある。

 アメリカでは、「Venmo」というアプリが登場し、学生の間で流行っている。

 Venmoでの送金は、Venmo口座の残高、デビットカード、そして銀行口座を用いる場合は無料。クレジットカードを用いる場合は3%程度の手数料がかかる。

 レストランやカフェ、小売店などに働きかけ、店舗から数パーセントの手数料を徴収することを計画している。

 これと似たサービスとして、フェイスブックは、メッセージングアプリ「Messenger」上での個人間送金サービスを開始すると発表した。

 アメリカのP2P送金サービスは、いま急速な拡大の途上にある。

PayPalの時価総額はみずほFGと同程度
金融機関の利益を浸食して急成長

 PayPalは、2015年7月に、それまでの親会社であったeBayから独立して再上場を果たした。時価総額は、eBayを上回る500億ドル、約6兆円となった。

 PayPalは最初のIPOから間もない2002年7月、eBayに15億ドルで買収された。その企業が、最終公開評価額の33倍の価値を持つに至り、親会社を抜いたのである。

 eBayが運営するのはネットオークションだが、それより送金サービスのほうが成長率が高かったわけだ。

 ところで、日本のメガバンクの時価総額は、以下のとおりである。三菱UFJフィナンシャル・グループが、11.2兆円、みずほフィナンシャルグループが6.2兆円、三井住友フィナンシャルグループが7.0兆円。

 つまり、PayPalは、すでにみずほと同じくらいの時価総額の企業になっているわけである。しかも、きわめて高い成長率で成長を続けている。

 前回述べたように、「ソーシャルレンディング」と呼ばれる金融仲介機能を行なうアメリカの「レンディングクラブ」が14年12月に上場し、時価総額が約1兆円になった。横浜銀行の時価総額は現在約9600億円だから、それを抜いている

 送金の分野のスタートアップ企業でも、同程度の時価総額の企業が誕生している。ウォールストリートジャーナルのThe Billion Dollar Startup Clubによれば、最近時点でのSquareの時価総額は60億ドル、Stripeのそれが50億ドルだ(注)。

 これらも、日本の大手地銀と比較できる時価総額だ。

 なぜこのような高価値を実現できるのか?

 PayPalの運用には銀行が不可欠である。しかし、銀行は定常的な業務を提供するだけで、そこから大きな利益を得ることができない。つまり、フィンテック企業は、伝統的な金融機関を排斥してしまうのではなく、そのサービスを利用しつつ、最も利益率が高い部分を侵食していくという方法で成長していったのである。

(注)Squareは、現在、上場を申請中である。11月6日のウォールストリートジャーナルは、「これまで企業価値は60億ドル程度と考えられていたが、実際には39億ドル程度だろう」と伝えている。

http://www.wsj.com/articles/square-outlines-ipo-terms-1446812826
http://graphics.wsj.com/billion-dollar-club/
http://diamond.jp/articles/-/81505


3. 2015年11月12日 16:04:45 : OO6Zlan35k
企業物価指数、10月は前年比3.8%下落 7カ月連続マイナス
[東京 12日 ロイター] - 日銀が12日公表した10月の企業物価指数(2010年=100.0)は101.5となり、前年比3.8%下落した。前月比では0.6%下落となった。下落幅は前年比で小幅縮小、前月比で横ばいだが、引き続き原油を中心に非鉄金属などの国際商品市況の下落が企業物価の押し下げ要因となっている。

企業物価指数は、企業間で取引される財の価格を合成した指数。企業間の需給や為替、国際商品市況などで変動する。

ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比3.5%下落だったが、結果はこれを下回った。前年比のマイナスは7カ月連続で、前月比は5カ月連続。

前月比で大きな押し下げ要因となったのは、夏季の電力料金の値上げ期間が終了した電力・都市ガス・水道や石油・石炭製品。化学製品や中国経済の減速懸念を背景に鉄鋼やスクラップ類なども引き続きマイナスに寄与している。

一方、精米や牛肉などの農林水産物や、輸入原材料価格の上昇などを背景に和生菓子や冷凍食品などの食料品・飲食・たばこ・飼料は押し上げに寄与した。

全814品目のうち上昇が295品目で、下落395品目となり、下落が上昇を100品目上回った。

(伊藤純夫)
http://jp.reuters.com/article/2015/11/12/cgpi-oct-idJPKCN0T105320151112


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