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街角景気と、国際収支
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52755350.html
2015年11月10日 在野のアナリスト
10月景気ウォッチャー調査が発表されました。現状判断DIは48.2と、前月から0.7pt改善。家計動向は住宅、飲食が改善するなど全項目がプラス、企業動向では非製造業がマイナスになったものの、概ね好調です。ただ、特徴的な判断理由とは整合しません。『プレミアムつき商品券効果』や『10月は天候がよかった』との回答なら、本来は企業動向の、非製造業がプラスになっていなければならない。これは家計動向への回答ですが、家計の判断する良好と、企業の判断する良好は、まるで真逆です。構成比では、良くなっているが減り、やや良くなっているが大きく伸びた。全体が上向きというより、思っていたよりは良い、が本音なのかもしれません。
先行き判断DIは49.1と、前月と変わらず。家計動向ではサービス関連がマイナス、企業動向では非製造業がマイナス。こちらも構成比は良くなるが減り、やや良くなるが増えた。また特徴的な判断理由に東海地方の百貨店の「大手企業の賞与の増加で消費期待」が盛りこまれますが、明らかにトヨタの特殊要因です。現状判断DI、先行き判断DI、ともに気になる非製造業の悪化は、内需の低迷を映しているとしか思えず、また判断の別れ目ともなる50は依然として下回っていることからも、プレミアム付き商品券とインバウンド消費の効果しか感じない、といったところです。
年度上期の国際収支状況が発表され、8.7兆円の黒字と前年同期比の4.3倍です。全項目改善、と申し分ない数字ですが、中身は首を傾げます。輸出は2.8%増ですが、20%も円安になっているのですから、その割りに少ない。輸入は7.4%減少と、金額ベースでみると原油安の影響は大きいものの、原油、ガスはドル建て決済が多いため、円安効果は乗らなかった。旅行収支は過去最大の黒字ですが、円安で日本人が海外旅行をしなくなった影響もあるのでしょう。
第一次所得収支は前年同期比18.1%増ですが、年金が外国株の持ち株比率を上げたのですから、当然増えます。しかも、国内の設備投資は計画通りとはいっていませんが、対外直接投資、つまり外国企業の買収は順調に伸びている。内需の低迷は今後もつづくので、外国に打って出る、もしくは外国企業を買収し、その収益を連結として組み入れるしか、成長していく絵がつくれない。これは海外企業、外資による対内直接投資、対内株式投資などがマイナスとなっていることからも、日本を買おう、という積極的な動きは、上期においては見受けられませんでした。
今、相場は上昇していますが、楽観、悲観の強く現れる今の相場において、ECBの追加緩和や中国の景気刺激策への期待から、楽観にふれた。こうなると、アルゴリズム取引が強気とインプットされ、買いに傾き易くなる、という流れです。逆に悲観となると一気に売り込まれる動きもありますから、今の相場を『地合いが強い』とは決していえないのでしょう。今の市場をさすなら『皆がアルゴリズム取引で楽観をインプットした』ので、強気局面にある、となります。
10月、景気ウォッチャー調査が高くなった理由の一つに、ハロウィン効果も含まれるのでは? と見ています。ハロウィン仮装も、普段は抑え気味の消費を喚起する。凝れば凝るほど、お金もかかる。一人一人の消費金額は少なくとも、これだけ盛り上がればマインド面も押し上げたでしょう。ハロウィンは、日本では仮装パーティーの様相ですが、元々はトリック・オア・トリート、貧しい子供たちが「いたずらか、お菓子か」といって各家を練り歩く、といった風習でもあったとされます。内需の低迷、それが色濃く映る、最近の経済統計をみるにつけ、日本でもトリック・オア・トリートの風習の方が重視される、そんな日が近づいているのかもしれませんね。
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