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冬ボーナス 大手企業は過去最高水準もアテにできないご時世(NEWS ポストセブン)
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/419.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 10 日 07:46:50: igsppGRN/E9PQ
 

            冬のボーナス増額も「生活給の一部」に回ってしまうのか


冬ボーナス 大手企業は過去最高水準もアテにできないご時世
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151110-00000001-pseven-bus_all
NEWS ポストセブン 11月10日(火)7時6分配信


 そろそろ年末年始の「出費計画」を立てる時期。冬のボーナス額に期待を寄せるサラリーマン家庭も多いはずだ。

 経団連が10月30日に発表した年末ボーナス(賞与・一時金)の1次集計によれば、大手企業(従業員500人以上の245社)の平均額は、前年比3.13%増の91万697円で過去最高レベルだという。

 また、民間調査機関の労務行政研究所が東証一部上場企業199社を対象に行った同様の調査(10月16日発表)でも、前年同期比3.7%で2年連続の増加となる73万2888円を記録。〈2008年のリーマンショック以前の水準に近づきつつある〉と分析している。

 こうした調査数字だけ見れば、「大企業を中心に賃上げ傾向が続き、いよいよ景気回復が本格化している」ということにもなろうが、“額面通り”に受け取るわけにはいかない。事実、労務行政研究所の編集部担当者はこんな補足コメントをする。

「年末一時金とはいえ、多くの企業が春闘の労使交渉で夏・冬を合わせたボーナス支給額を決めているのが現状です。今年の春先は円安の恩恵を受けて輸出企業の業績が軒並み回復していましたし、日経平均株価も好調に推移していたので、ボーナス額が高水準だったことは事実です。

 ただ、夏以降は中国株式市場の混乱や、米国の利上げ観測など不安要素も出てきたために、世界経済の先行きに慎重姿勢を見せる企業も増えてきました。国内でも株価や物価動向が不安定な状況になっています。そう考えると、来年以降も手放しでボーナス額が増える保証はありません」

 しかも、近年は「年功序列型」に代わり、「業績連動型」で賞与が自動的に決まる企業が増えているため、企業業績の浮き沈みがボーナス額に直結してしまう。人事ジャーナリストの溝上憲文氏は、業績連動型のデメリットについて、こんな指摘をする。

「業績連動型の賞与を導入する企業の多くで、基本給が反映されるのは半分以下、あとは会社業績だけでなく部門業績も加味されます。好業績を叩き出している企業の中には、儲かっている今のうちに将来の事業を見直して部門を縮小させようとするケースも出てきます。そうなると、ボーナス額も増えないことになります。

 また、業績連動は月給の少ない若手の組合員に“下限”が設けられている一方で、管理職層と呼ばれる中堅クラス以上には適用されない場合が多いため、業績が悪くなればボーナスもゼロに近くなります」

 今年、不正会計問題が発覚し、2016年3月期上期(4〜9月)で6年ぶりとなる営業赤字(904億円)に見舞われた東芝の賞与も、社内カンパニー業績などが組み込まれた業績連動型だ。

「夏のボーナスで未払いだった業績連動分が冬に上乗せされる予定ですが、ここまで会社が傾いているので、金額はまったく期待していません。今後は半導体部門だけでなく家電部門にもメスが入れられる方向なので、今後はボーナスどころの話ではなくなると思います」(30代・東芝社員)

 東芝のような不祥事企業でなくとも、来年、再来年のボーナス額をアテにして家計をやりくりするご時世ではない。前出の溝上氏が続ける。

「いまやボーナスも“生活給”の一部。賃上げが進んできたといっても大企業ばかりで、いまだに基本給自体が変わらない中小企業もたくさんあります。上がらない給料をボーナスで補っている家庭が多い中、年末年始にパーッと散財する気分になれないのが現実ではないでしょうか」

 11月9日、厚生労働省は物価の伸びなどを考慮した9月の「実質賃金」が3か月連続で前年同月比を上回ったと発表した。

 これは働く人1人あたりの月給や賞与など「現金給与総額」をもとに弾き出された数字だが、「非正規雇用の増加や、残業時間の積み増し分なども影響するため、国民の給料・ボーナス水準が押しなべて上昇しているとは言い難い。むしろ賃金格差は拡大している」(大手シンクタンク調査員)との見方は根強い。

 さて、今冬のボーナス商戦で個人消費をどれだけ喚起させられるか。

 

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コメント
 
1. 2015年11月10日 13:11:37 : OO6Zlan35k
絶好調に見える東海地域に死角あり地方も首都圏も「不都合な真実」を直視せよ!
2015.11.10(火) 遠藤 業鏡
優等生扱いされる東海地域の経済だが、データを調べると意外な実態が浮かび上がる。名古屋城のしゃちほこ(資料写真)
 いま「地方」が注目を浴びている。きっかけは、いわゆる増田レポート(注)で「消滅可能性都市」という単語が大きく踊ったことが影響しているだろう。

(注:人口の減少によって日本の多くの自治体が消滅する危機にあることを訴えたレポート。元総務大臣の増田寛也氏が座長を務める日本創生会議が発表した。)

 政府は「まち・ひと・しごと創生本部」の設立など地域創生に本腰を入れており、全自治体も2015年度内には「人口ビジョン」と「総合戦略」を策定することになっている。

「連結決算」で東京圏の未来を見ると・・・

 ただ、地域をめぐる議論で気になる点がいくつかある。

 第1は、地方創生という言葉に表れる「地方」という語感に関するものである。

 林立するマンション群を見慣れた大都市圏の住民からすると、地方創生はまさに「地方」の話で、自分たちと無縁な話とタカをくくっているかもしれない。しかし、オリンピック開催で沸き立つ首都圏(一都三県)でさえ死角がないわけではない。

 例えば、住宅の1次取得層に当たる30〜49歳人口は2010年から高原状態が続いているものの、オリンピック開催までの今後5年間で73万人、率に直すと6.8%減少すると見込まれている(国立社会保障・人口問題研究所「地域別将来推計人口」:2013年3月推計)。70万人と聞いてもピンとこないかもしれないが、練馬区や高知県の人口に相当する住宅実需が消失するという規模感である。

 東京都の人口は2020年まで増加を続けるから、オリンピックが終わるまで住宅・オフィスなど不動産需要は底堅いという主張がある。しかし、千葉都民、埼玉都民という言葉が象徴するように、東京都人口という「単体決算」だけウォッチしても有益ではない。

「連結決算」に当たる首都圏人口は2015年から2020年にかけて緩やかに減少し、住宅の1次取得層はそれより急ピッチで減少していくというのが「東京圏」の近未来である。

大都市圏で高齢化が加速する

 この近未来が示唆するのは、団塊世代の加齢によって高齢化が加速するのは首都圏をはじめとした大都市圏であるという点である。

 先ほどと同様、「地域別将来推計人口」のデータを用いて、75歳以上人口で定義される後期高齢者の増加率を2010年から2025年について計算すると、千葉市美浜区が229%増とトップで、以下、大都市圏の自治体が名前をつらねる。例えば、埼玉県の越谷・草加・春日部市といった自治体はすべて上位25位以内に入っている。これらはともに埼玉県のベッドタウンで、かつ、東武伊勢崎線の沿線自治体という共通項でくくれる。

 冒頭で述べた通り、全自治体は「人口ビジョン」と「総合戦略」を策定することになっているが、各自治体がありたい姿を論じる前に、似たような境遇にある隣接自治体との有機的なつながりを意識して自治体の「連結決算」をイメージしておくことは有用であろう。

 越谷市などは特徴的な例として挙げたが、「総合戦略」の成否は自治体を連結ベースで捉え直すとともに、地元企業の発想(いまの例で言えば鉄道事業者の沿線価値向上策)を積極的に取り込む統合思考にあると言えよう。

抜け落ちている「資本ストック」に関する議論

 地域をめぐる議論の2番目の問題点はデータである。

 地域経済の分析でよく用いられるデータは人口や地価ぐらいで、設備投資などエコノミストがマクロ経済を分析する際に用いる道具立ては、存在しないか、あっても速報性に欠けるなど非常に有用性が低い。

 こうしたデータ面の制約もあり、地域経済の分析では「資本ストック」という供給力に関する議論が抜け落ちてしまっている。

 湯船にお湯を貯めていくケースを比喩として考えると、設備投資は一定期間に湯船に流れ込むお湯の量(フロー)に相当し、資本ストックはある時点で湯船に貯まっているお湯の量に相当する。実際には、設備の経年劣化・資本減耗が発生するので、これは排水口からの排水にたとえられよう。

 すなわち、地域経済の評価では、蛇口から注がれるお湯の勢いだけが注目され、どれだけのお湯が貯まっているかは考慮の埒外に置かれているのである。

 湯船のお湯というアナロジーが暗示するように、経済学で資本ストック(供給力)は重要な概念であり、経済の潜在成長率に重要な影響を及ぼす要因として認識されている。そのため、「設備投資は緩やかな増加基調」という現状認識が正しくても、背後で資本ストックが減少していたらその含意は変わってくる。

 極端な話、設備過剰感の改善は、資本ストックの減少という“不都合な真実”の鏡像なのかもしれないのである。そのため、景気の定点観測という視点を離れて地域の中長期ビジョンを見通す際には、「増減率横並び」から脱し、「実数」をウォッチする必要がある。

過大評価されていた地域の潜在的な力

 ここで、筆者が全国10地域について試算した製造業の資本ストック数値を紹介しよう。これは「昭和45年国富調査」の純固定資産をベンチマークとして、「民間企業資本ストック統計」と「工業統計表」を組み合わせて推計した純ベースの実質資本ストックである。「工業統計表」は2013年のデータが最新なので、日本政策投資銀行が毎年公表している設備投資アンケートの結果を用いて2014年まで推計した。

 それによると、日本の製造業の資本ストックは2008年の213兆円をピークに2014年には209兆円へと減少した。地域別にみると、関西(1.1兆円増)、北陸(0.5兆円増)、四国(0.4兆円増)などで増加したものの、首都圏(2.4兆円減)、東海(2.0兆円減)、東北(1.0兆円減)での減少が大きく響いた。

 首都圏はサービス産業をはじめとした非製造業のウェイトが趨勢的に増えてきているため、製造業の供給力低下という事実だけをもって警鐘を鳴らすことは難しいが、東海・東北地域は輸送機械や電気機械といった主力産業が集積する拠点だけに等閑視していられない。

 震災で多くの被害を被った東北地域と異なり、東海地域は「元気な愛知・名古屋」という言葉に象徴されるように優等生的な扱いをされることが多かった。しかし、資本蓄積の低迷を無視したこのような「通説」は、過去の成功体験の残滓に過ぎず、地域の潜在的な力を過大評価していたのである。

もっとある“不都合な真実”

 供給力という観点で物事を見つめ直すと、今後予想される労働力不足に備えるためにも、企業の意識改革が不可欠である。

 地方創生と並んで女性活躍をめぐる議論も盛んだが、企業側からは「やらされ感」が漂う。その傾向は、大企業が多く立地する大都市圏で顕著ではないかと想像する。

 例えば、管理職に占める女性比率を地域ごとに計算すると(総務省「労働力調査」:2015年7〜9月期)、首都圏14.3%、東海5.9%、関西9.1%となっており、全国平均の12.5%を上回る大都市圏は首都圏のみである。絶望的なまでに低い東海地域の数字でかすんでしまっているが、関西地域は全国10地域の中で東海地域に次ぐワースト2となっている。

 女性登用に対する企業の意識改革の遅れは、優秀な女性人材の域外流出を引き起こし、ボディーブローのように地域経済を弱らせる可能性がある。実際、地元企業の業績が好調な愛知県であっても、名古屋市を除いたエリアでは2014年に女性人口が転出超となっており、その兆候が現れている。

 首都圏以外の大都市圏は地方圏と同様に人口流出リスクに直面しているにもかかわらず、「大都市圏は地方圏よりマシ」という先入観が邪魔をして危機感が醸成されていないのではないかと危惧する。

 良薬は口に苦しという言葉があるが、いまの地方創生に必要なのは、楽観論で地域を元気づけることではなく、“不都合な真実”を直視して地に足のついた政策を立案・実行していくことである。そして、それは「地方」という言葉と無縁な大都市圏であっても例外ではない。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45175


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