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米ファンドが次々とソフトバンク株を手放し始めた〔PHOTO〕gettyimages
株価は8月「1万5000円」を割る〜手遅れになる前に「売ったほうがいい銘柄」を教えよう 2016年「景気と経済」大予測(1)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46244
2015年11月09日(月) 週刊現代 :現代ビジネス
やや早めの総括をすれば、2015年は「冴えない一年」だった。株価は期待外れ、企業業績もボチボチ。ただ、2016年は違う。日本は意外な姿に大変化する—。激動の時代の幕開けだ。
■悪夢の「1万円割れ」も
「世界中が景気後退期に入り、株式市場は大幅な調整期に突入する。それが2016年の株式マーケットの風景となるでしょう。調整期に入れば、株価が3~4割ほど下落するのが当たり前。
日経平均株価が2万円台から一気に1万5000円ほどまで落ち込んでもおかしくはない。私は2016年7月予定の参議院議員選挙の後、8月頃から本格的な『売り』が始まると見ています」
そう語るのは、BNPパリバ証券日本株チーフストラテジストの丸山俊氏である。
想像するだけで恐ろしい暴落シナリオだが、確かな根拠があるという。
丸山氏は続ける。
「これまで日本株を底上げしてきたのは、日本銀行による金融緩和や、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)など『クジラ』と呼ばれる公的資金の買いです。が、2016年にはこれらの公的マネーが『弾切れ』となります。
たとえば、GPIFは運用資産の約25%を日本株で運用する方針を掲げて、日本株を買い進めてきました。が、すでにこの25%近くまで買い終わり、2016年にはこれ以上の買い増しが期待できません」
GPIFの運用資産は約140兆円。その25%=約35兆円が日本株を牽引する「主力選手」だったことを考えれば、弾切れによる負のインパクトは、はかり知れない。
一方で、3共済(国家公務員、地方公務員、私学)の年金マネーは運用資産の約25%を日本株で運用すると決め、この10月1日から本格的に日本株の買いをスタートさせたばかり。
「が、これも2016年の春頃~夏先に目標の25%に達する公算大です」(丸山氏)
加えて、GPIF、3共済と並ぶ「クジラ」とされる日銀マネーは、追加緩和が許されるのはあと1回だけ。仮に年内にそれを実行すれば、2016年は、ハナから「弾切れ」となる。
「要するに、巨大な公的マネーが日本株を支える図式はいまがピーク。もちろん安倍政権はこうした事情をわかっているから、株価下支えのための新たな策を打ち出してくるでしょう。しかし、それも参院選まで。ここから『日本売り』が本格化し、株価は1万5000円へと下降していくシナリオが濃厚です」(丸山氏)
これまで海外の機関投資家たちは、GPIFが買いを入れていた「JPX日経インデックス400」の組み入れ銘柄に好んで投資してきた。が、弾切れ後はこうした銘柄から真っ先に売りの対象になりやすい。
「中でも、『JPX400』に組み込まれ、かつ、『日経平均株価』に採用されている銘柄が狙われる。ソフトバンク、KDDI、ファーストリテイリング、ヤフーなどは値がさ株と言われ、これらの銘柄が値下がりすると株価全体への影響も大きい。こうした銘柄を売り浴びせて、カラ売りで儲けようとする投機筋も出てくる」(大手運用会社ファンドマネージャー)
では、いつごろから「準備」を始めておけばいいのか。丸山氏が指摘するように、来夏の参院選前までに態勢を整えておけばいいのか。
「いますぐにでも備えておいたほうがいいでしょう。日本株は10月27日にピークアウトし、ジリジリと下げる長い調整期に入ったからです」
ミョウジョウ・アセット・マネジメント代表の菊池真氏が言う。
「日本企業はいま中間決算ラッシュで、好業績が並んでいます。が、喜んではおられず、企業業績はここがピークの可能性が高い。来年2月に発表される10月-12月期決算からは下方修正が目立ち始め、来年5月に発表される次年度の業績予想では減益予想が並ぶことになるでしょう。
だから、いまから備えるのがベストな選択となる。株価は企業業績の先行指標。来期業績が減益だと読み取れるようになる半年ほど前から下がり始めます。それがまさにいま、なのです。
こうした企業の業績悪化に加えて、前述の通り、2016年には日本株の限界も露になる。これらのダブルパンチで悪夢の日本売りが始まれば、日経平均は1万円割れしてもおかしくないゾーン(領域)に突入する」
海外勢はもう逃げた
実際、海外投資家たちはすでに日本株から逃げの態勢に入っている。
アベノミクス開始当初から今年7月までに、海外投資家が日本株を買い越した額は約20兆円。それが8月からは売り越しに一転。ここ3ヵ月ほどで一気に5兆円近くを売り越す勢いで、大脱走さながらなのである。
「欧米だけではなく、中東のオイルマネーも急速に逃げ出している。オイルマネーに人気だったローム、横河電機、イオンモールなどの株価が大きく下げている」(前出のファンドマネージャー)
これから「危なくなる銘柄」はどう見極めればいいのか。まず菊池氏は、「資源銘柄」、「中国銘柄」に注意をうながす。
「これから本格的に世界中の企業をむしばんでいくのが、資源安。資源投資で稼いできた三井物産など大手商社では、莫大な特別損失の計上を強いられる危険度が高まります。また、中国経済の悪化、なかでも自動車販売の激減も日本企業の経営を圧迫してくる。ロボット大手のファナック、安川電機などは影響大でしょう」
クレディ・スイス証券チーフ・エコノミストの白川浩道氏は、「米国銘柄」を懸念する。
「2016年は米国の景気悪化が懸念されます。中でも心配なのは、信用力の低い個人に貸している自動車ローン。いまはすごい勢いで伸びているが、景況感が悪くなると、一気に焦げ付く。新規のローンも減り、自動車販売が激減しかねない。また、米国ではいま住宅販売が伸びているが、それは金利が安いから。金利が上がれば、住宅や不動産も売れなくなっていくでしょう」
米国で絶好調なトヨタ、富士重工業、マツダなど日本の自動車メーカーは影響必至。米国で不動産事業を展開する大和ハウス工業、住友林業などの株価にも重石となりそうだ。
シグマ・キャピタルのチーフエコノミストである田代秀敏氏は、「個人消費銘柄」に警鐘を鳴らす。
「株価が1万5000円割れとなれば、GPIFの運用損が顕在化してきて、これが将来の年金不安から消費停滞を招く。2016年には消費税の10%への増税の可否が決断され、増税決定なら駆け込み需要が期待できるとされていますが、実はそれも期待薄。
そもそも増税される可能性が薄いし、万が一増税されるとしても、軽減税率がセットで議論される。『軽減税率の範囲が決まるまではモノを買わない』という心理が働き、駆け込み需要が起きづらいのです。食品、飲料、小売り、家電などの銘柄は、引き続き厳しい」
そもそも日本経済は、7-9月期のGDPがマイナス成長の公算大。4-6月期に続いて2四半期連続のマイナス成長となれば、定義上は「リセッション(景気後退)」入りが確定する。そんな「衰退国家」の株が大きく買われるはずもない。
まだ大丈夫と思っていたら、もう手遅れ—。
そんなことにだけはならないように注意したい。
「週刊現代」2015年11月14日号より
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