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ありえない!「欠陥マンション」売るまで「親切」、売ったら「不誠実」なデベロッパーの実態 全国10棟「現場」を追跡
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/397.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 09 日 10:03:00: igsppGRN/E9PQ
 

             横浜の傾きマンション〔PHOTO〕gettyimages


ありえない!「欠陥マンション」売るまで「親切」、売ったら「不誠実」なデベロッパーの実態 全国10棟「現場」を追跡
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46254
2015年11月09日(月) 週刊現代  :現代ビジネス


一生モノの買い物だけに、失敗した際の失望感は大きい。一度掴まされたら最後、そこからさらなる地獄へ突き落とされるケースも……。「現場」を歩いてみると、住民たちの涙で、地面が濡れていた。

■すんなり決まるわけがない

住民の思いを大事にする気持ちはあるのか。本当は口だけで、うまくだまそうとしているのではないか……。

三井不動産との交渉が本格化するにつれ、住民の間にはそんな疑心が深まり、広がりつつある。

三井不動産と旭化成建材が手掛けた横浜の「傾きマンション」。10月27日、三井不動産側から住民に対して、「補償」に関する文書が配られた。

「書かれていたのは全棟建て替えする案を前提に、工事中の仮住まいの家賃などを負担する旨でした。ただ、建て替えなかった場合の補償についてはまったく触れていない。私はそこが引っかかっているんです。ここは700戸以上ある物件ですよ。世帯ごとに事情も違うのに建て替えがすんなり決まるわけがない。朝からどんな内容の文書が配られるのかと頭が一杯でしたが、中身を見て、いまは不安が増しています」(40代女性住民)

文書には買い取り額や迷惑料など、住民が期待していた具体的な数字は書かれていなかった。

「これから始まる住民説明会でも言質を取られるような数字は出さないんでしょう。三井側は住民というか、世間の空気を読んで対応しているだけのような気がしてならない」(40代男性住民)

自分が住んでいるマンションが「欠陥マンション」だとわかった時、結局デベロッパーは何をしてくれるのか—。

いま全国のマンション住民の最大関心事といっても過言ではないその問いの「答え」を探るべく、本誌記者は有名「欠陥マンション」のその後を歩いて、追跡した。

わかった結論は衝撃的なものだったが、それは後で詳述するとして、まずは一つ一つのケースを紹介していこう。

■「修繕で事足りる」と……

東京都八王子市。南大沢駅前の大型アウトレットモールを抜け、名門公立大学のキャンパスを横目に進むと、突如として目の前にヨーロッパ風の広大な街並みが広がる。

レンガ色で統一されたマンションが何十棟も整然と立ち並ぶ風景は圧巻。ドラマの撮影地としても有名だ。

が、そんな美しい「見た目」とは裏腹に、実はこの物件は不動産業界で「史上最悪の欠陥マンション群」と騒がれた過去がある。

「ここ、『ベルコリーヌ南大沢』が分譲されたのは'80年代末から'90年代初頭にかけてのバブル絶頂期のことです。売り主は住宅・都市整備公団(現UR)で、売り文句は『公団なので安心です』。当時は見学のために観光バスが来ていたほど。私も南欧風の建物が洒落ていたので気に入って、6000万円ほどで買いました。ところが、これがとんだ欠陥住宅だった」(60代女性住民)

全46棟、900戸以上の超大型物件。分譲10年を目の前にして大規模修繕を行ったところ、次々と「欠陥」が発覚し、ここから悲劇が幕を開けた。

「深刻な施工不良が次から次へと見つかりました。壁を金づちでたたく検査をしてもらったときは、簡単にコンクリートが剥がれてしまった。コンクリートのなかに本来は使うべきではない強度の低いモルタルが詰めてあったのです。ひどいところでは、コンクリートの中からゴミが出てきた家もありました。

実はもともと購入した直後から、雨漏りがあったり、地震が起きると震動も凄まじかったり、皆おかしいとは思っていました。それで公団が運営する管理事務所に問い合わせたりもしましたが、『住人側のメンテナンスの問題』の一点張りで、欠陥だと認めなかったのです」(50代女性住人)

施工不良が発覚し、言い逃れできないと悟った公団側は事実は認めたが、その後の対応は「誠実」とは言えないものだった。

「公団側に修繕を求めても、当初はのらりくらり。なるべく少ない修繕で済ませようというふうに見えました。しかも、修繕のための検査をしている最中に新しい欠陥がさまざまに出てきた。もはや修繕で対処することは無理なので、建て替えて欲しいと求めましたが、公団側は『修繕で事足りる』と主張。ここから長い争いが始まったわけです」(50代男性住民)

■耐震偽装物件の「その後」

この住民が住む棟では、公団側との交渉はもつれにもつれた。どうにか建て替えを了承させ、「解体→建て替え」を経て、再入居できたのはなんと去年の春。欠陥が問題化してから実に10年以上も落ち着かない日々を過ごしたことになる。同じ棟に住む別の住民は言う。

「諦めて離れていった人も少なくなかった。購入した当時は私も働き盛り。子供たちが育ちゆく貴重な時間を、緑豊かな落ち着いた環境の中のんびりと過ごしたいという夢を描いていました。でも、工事が杜撰だったばかりに、望んでもいない借家での仮住まいを余儀なくされ、その間も住めない自宅のローンは払い続けた。子供たちもほとんどこの家に住むことなく、独立してしまった」

デベロッパーが建て替えに応じると、はたからは「誠意ある対応」に見えるもの。

しかし、実際には建て替えを勝ち取るまでに、住民はデベロッパーとの熾烈な闘いが避けられない。仮に建て替えることになったとしても、そこから新しく生まれる苦悩もある—。

2005年に世間を騒がせた耐震偽装騒動を憶えているだろう。

中堅マンションデベロッパーのヒューザーが販売した物件で、構造計算書の耐震強度が偽装されていたことが発覚。倒壊の危険にさらされた住民たちに使用禁止命令が出されるなど前代未聞の事件であったが、あの物件の住民たちも苦しくて厳しい「その後」を強いられていた。

神奈川県川崎市の『グランドステージ川崎大師』はそんなマンションのひとつ。管理組合理事長を務める平貢秀氏が語る。

「われわれの物件は、耐震偽装で倒壊の恐れもあるということで行政から退去命令と解体命令が出されたのですが、ハナから誰も助けようとしてくれませんでした。まず、行政が命令を出したのだから、退去費用や仮住まいの家賃などを行政に出してもらうよう交渉しましたが、実質負担の3分の2ほどを『貸す』ことにしか応じてくれない。

売り主であるヒューザーも建て替えると言ったり、買い取ると言ったり、言うことがコロコロ変わるばかり。そのうち、ヒューザーの破産手続きが始まってしまった」

住民たちは仮住まい先に移りバラバラになる中、毎週金曜日の夜に集まって、話し合う日々を送った。意見をまとめるのに何度もぶつかり合いながら、最終的には自主再建、つまり、自己負担での建て替えを行っていく道に踏み切らざるをえなくなった。

「ヒューザーも、施工主であるゼネコンも、自治体も買い取ってくれない。建て替えずに別の賃貸に住み続ける道もありましたが、このマンションのローンを抱えながらそれを維持するのはほぼ不可能。それなら、自分たちで建て替えるという以外に道はなかったんです。

しかし、建て替えをやってくれる建設会社からして自分たちで探さなければいけないから大変。建て替え費用にしても自己負担で、住民1人あたり3000万~4000万円もかかることがわかった。まだまだ既存のローンも残っていますから、二重ローンを組むわけです。もちろん、銀行は嫌な顔をする。でも借りられないと、マンションを出ていくしかない。これはきついな、と頭を抱えました」(平氏)

住民たちはゼネコンや自治体を提訴し、建て替え費用を賠償してもらおうと動いた。

「しかし、彼らはいずれも『自分たちは悪くない』。証拠集めからしてわれわれ素人がかき集めるしかなく、向こう側は一切資料を出そうとしませんでした。こちらに協力してくれる専門家を探そうにも、世間で騒がれている案件にはかかわりたくないという人ばかりでした。

結局、裁判は和解したのですが、これは正直に言えば、わずかでもいいから追加ローンを組む際の頭金が欲しかったからなんです。どこの金融機関もローンを嫌がる中で、4000万円のうち500万円の頭金でも用意できれば話が違った。それほど切羽詰まっていた」(平氏)

マンションは'09年に建て替えが完了したが、住民たちはいまも重いローンに悩まされる。

「とてもじゃないが、現役中に返せる額ではありません。連帯保証人として子供にも負わせているくらいですからね」(平氏)

■鹿島建設との闘い

同じく耐震偽装物件として建て替えを余儀なくされた『グランドステージ千歳烏山』の住民も、次のように憤る。

「事情をよく知らない方からは、『自治体や分譲会社が建て替え費用や転居費用を補償してくれたんでしょ』などと言われますが、まったくの誤解です。1戸あたり2000万円を超える建て替え負担は住民の持ち出し。物件購入時に組んだ5000万円超のローンと合わせて、いまも返済に苦労しています。

同じ耐震偽装マンションの『グランドステージ溝の口』と、国などに損害賠償を求めた裁判も、最高裁まで争ったけど、『偽装を見抜くのは難しい』という理由で負けてしまった。結局、自分たちは悪いことをしていないのに、負担をすべて押し付けられたのです」

仮に「欠陥マンション」だとわかっても、誰も助けてくれない。デベロッパーもゼネコンも自治体も、みなが責任逃れに終始して、すべての負担を住民に押し付けようとする。悲しく、腹立たしいが、それが「欠陥マンション」の現実なのだ。

福岡県久留米市に建つ『新生マンション花畑西』。ここはいままさに、住民と事業者側が「闘争」の真っ最中なのだが、その実情も聞けば聞くほど怖ろしくなる。

管理組合理事長の寺崎敏和氏によれば、そもそもの発端は1996年のマンション引き渡し当初から始まったトラブルの続発。駐車場の不具合、共用部のコンクリートのひび割れなどが発見されたため、住民側はデベロッパーや施工会社の鹿島建設に繰り返し訴えてきたが、一向に問題は解決されなかった。

業を煮やした住民側は昨年ついに、鹿島らを提訴して建て替え費用を賠償するよう要求。今年3月には久留米市に対して、鹿島らに建て替えを命じるよう求める行政訴訟も起こした。発端から20年近くたったいま、両者の争いは完全にドロ沼化の道を辿っている。

寺崎氏は言う。

「われわれは当初からデベロッパーや鹿島に調査や補修を求めてきましたが、鹿島がきちんと動き出したのは'04年頃になってからのことです。鹿島の調査ではコンクリートへの異物混入などが発見され、ようやく補修工事が行われたのは'05年。このときすでにマンション引き渡し当初から、10年近くが経っているわけですから、われわれの不信感が募るのは仕方がないことではないでしょうか。

さらに、'08年には住民たちで『被害者の会』を結成したのですが、あろうことかこの年にデベロッパーは法人を解散してしまった。そのうえ、鹿島は補修工事を途中で放り投げて、こちらに調停を申し立ててきた。向こう側が次々と信じられない対応に出てきたわけで、不信と同時にわれわれはどうなってしまうのかという不安に押し潰されそうになりました」

■三菱地所「億ション」の場合

もちろん調停は不調。一昨年には、不安に思った住民側が一級建築士に構造計算を依頼したところ、耐震強度が不足している疑いまで浮上した。

「地震時には倒壊する怖れがあるので、建て替えるしかない。そこで、鹿島などを提訴することに踏み切ったわけです。しかし、鹿島は『図面通りに施工した』と主張し、非を認めない。いまも裁判は継続中です。われわれは鹿島のブランドを信じて、終の棲家としてマンションを購入したのに、鹿島は不誠実な対応を繰り返すばかり。彼らはいつになったら、住民の気持ちをわかってくれるのか」(寺崎氏)

鹿島は本誌の取材に「施工に不具合があったのは事実。そのため5年ほどかけて補修を行い、その後も解決を図るべく調停で話し合いを続けてきたが、残念ながら不調に終わっています。現在は裁判で係争中なので、コメントは控えます」と答えた。

これまで見てきたのはマンション引き渡し後に「欠陥」が発覚したケースだが、引き渡し前にわかってしまった場合はどうなるのか。

昨年、業界を騒然とさせたのは、三菱地所レジデンスが手掛けた『ザ・パークハウスグラン南青山高樹町』。同社が高級住宅街に作る鳴り物入りの「億ション」だったが、欠陥が見つかったことで、住民への物件引き渡し直前に建物の解体と建て替えを決定。83戸の契約者に対して、「手付け金の返還」「迷惑料の支払い(物件価格の2割)」「制限付きの家賃負担」を実施するに至った。

契約者からすれば「ある程度は納得」という対応だろうが、こうした事例は数少ない。

たとえば、昨年に柱の鉄筋不足が判明した積水ハウスの『グランドメゾン白金の杜ザ・タワー』では、施工途中だったため再施工で処理。同じく昨年、施工中のミスが発覚した三井不動産レジデンシャルの『パークタワー新川崎』も再施工だった。いずれも建て替えまでは行っていない。

本誌が取材した地方都市のあるマンションでは、引き渡し前の検査で問題が発覚すると、デベロッパーと施工会社の争いが勃発。両社の裁判闘争はいまも続き、住民不安も長期化する事態に陥っていた。

日本建築検査研究所代表の岩山健一氏は言う。

「欠陥問題が発生した場合、一般的にデベロッパーにお釣りがくるほど十分な補償を出させるのは難しい。業者側に当たり前のことをやらせる。そこを徹底して求めていくことが大切です」

しかし、その「当たり前」にさえも十分に応じようとしないデベロッパーのいかに多いことか。

デベロッパーは売るまでは親切で、売った後はひたすらに不誠実—。

現場を歩いてわかった結論は、あまりに恐ろしいものだった。

「週刊現代」2015年11月14日号より

 

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