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カリフォルニア・ワイン、なぜ仏を凌駕し世界一?非常識なコンピュータ栽培&経営(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/387.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 09 日 00:21:45: igsppGRN/E9PQ
 

                      「KENZO ESTATE HP」より


カリフォルニア・ワイン、なぜ仏を凌駕し世界一?非常識なコンピュータ栽培&経営
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151108-00010005-biz_bj-nb
Business Journal 2015/11/8 23:27 文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役


 KENZO ESTATEというレストランが大阪にある。フレンチなのだが、板前もいて和食と競作した独自メニューがおもしろい。しかし、ここは「ワインバー&ワインショップ」と名乗っている。というのは、アメリカでのワインの本場、カリフォルニア州ナパに同名のワイナリーを持っていて、そのフレンチ・レストランは、自社ワインを宣伝するアンテナ・ショップでもある。料理にワインを合わせるのではなく、KENZOワインに合った料理を提供するということらしい。

 ワイナリーは、オーナーである辻本憲三氏の名が付けられた。辻本氏は、ゲームソフトメーカー・カプコンの創業者で現会長兼CEO(最高経営責任者)だ。ナパからカプコンが撤退した跡地を個人で購入してワイナリーを始めたのが1990年代のことだった。KENZO ESTATEの「あさつゆ」が2011年以降数々の賞を獲得し、「幻のワイン」といった人気となっている。大阪などの同社レストランではもちろん提供されている。

●ヨーロッパを追いこしたワインの聖地ナパ

 9月にKENZO ESTATEで食事して、「あさつゆ」の豊潤さに感心した私は、10月末にサンフランシスコを訪れた際に「一日ナパ・ワイナリー・ツアー」に参加した。

 ナパは、サンフランシスコの北に車で1時間ほどのカウンティ(郡)で、南北8km、東西48kmほどの広さだ。傾斜地にあるのでナパ・バレー(谷)とも呼ばれている。アメリカでのワインの生産の90%はカリフォルニア州に集中していて、なかでもナパには400を超すワイナリーがあるという。

 サンフランシスコも霧で有名だが、ナパも同様な気候で朝夕の寒暖差が激しく、雨量は少ない。これがワイン用のブドウの育成にぴったりだという。同地では19世紀からワインの醸造が始まっていたが、1976年のパリ万博でボルドーやブルゴーニュの名門ワイナリーを押さえて第1位となり名声を確立した。

 私が参加したツアーでは、特別にリクエストしているオーパス・ワンというワイナリーを訪問した。ここはカリフォルニア・ワインの父といわれたロバート・モンダヴィが開設したワイナリーで、現在もナパでトップ・クラスだ。

 モンダヴィで興味深いのは、彼が農民や醸造技術者ではなく、名門スタンフォード大で経営学を専攻したビジネス企業家だったということだろう。マーケティング的な手法でカリフォルニアのワインを世界中に知らしめた。ボルドーなど、ヨーロッパの産地では伝統的な運営形態が続けられているが、カリフォルニアでは近代的な企業ビジネスとして「経営」されるようになった。

 栽培技術については、これもサンフランシスコ郊外にあるカリフォルニア大学デービス校(UCデービス)が深く関与している。UCデービスの農学部はブドウ栽培やワイン醸造について全米屈指、いや世界的な権威ともいえる。そこの教員たちがナパのワイナリーに現在でも足しげく通い、栽培などについて指導しているのである。

 ブドウの大敵はフィロクセラというアブラムシで、実はヨーロッパのワインはこの虫のために19世紀末に壊滅的な打撃を受けている。実際、一度は壊滅したといっていいのだが、ブドウ種のほとんどがナパで栽培されていたので、その後はアメリカのブドウの木の上にヨーロッパ各地のブドウの木を接ぎ木するという方法で復活を果たし、さらにアブラムシ対策にもなったという。この対策法を発見したのもUCデービスだった。世界のワインを救った学校といえる。

 私が訪れたブドウ畑でも、ブドウの木の間に細い水道管が渡っているのを見た。

「以前はスプリンクラーから水を噴霧していたのですが、今ではこのパイプからそれぞれのブドウの木に必要な水をちょろちょろという感じで給水しています。水の使用量が3分の1減り、さらにこのパイプには必要に応じて肥料や病気防止の薬なども供給されています。そして、それらがすべてコンピュータ管理されています」

 このような説明を聞いて一驚した。ヨーロッパのワイナリーがかなわなくなったはずだ。今では、世界でワイン品評会があると上位10社のうち半分以上をカリフォルニア・ワインが占めるようになっている。

●近代ビジネスになったナパのワイナリー経営

 14年の国際ブドウ・ワイン機構の調査によると、アメリカはワインの消費量世界1位である。一方、生産量では世界第4位だった。圧倒的な消費(需要)に対して、世界最高評価となった地ワインの供給が少ないという構造だ。

 ビジネス的に大きなチャンスが目の前に広がっているので、製造適地であるカリフォルニアでのワイナリー活動はますます活発になってきている。しかし「ナパ・ワイン」を名乗るには制約があり、ナパで収穫されたブドウが85%以上使われていなければならない。

 辻本氏は、ワイナリーの経営に100億円以上を投じてきたといわれる。ナパ地区にある400のワイナリーは、投資案件としてみれば適当な金額範囲なのか、オーナーには企業家、弁護士、医師、通常の企業などが多い。ワイナリーが単純に農家、農業であるヨーロッパのそれとは運営の趣が違う。ワイナリーとしてのM&Aや、従事する技術者の引き抜きなども多い。

 さて、オーパス・ワンの話に戻ろう。バスが着くと、若い日本人の女性が出迎えてくれた。特別試飲室に導かれ、試飲グラスで提供されたのが、2012年ヴィンテージだ。

「今月(10月)に販売開始したばかりです」という。カリフォルニアではブドウを完熟した状態で収穫するので、この短い期間にワインとしての熟成が進むという。ヨーロッパでは収穫が早いのでそうはいかないそうだ。

 サンフランシスコは、12年と13年に干ばつに悩まされた。しかし、雨不足はワイン用のブドウには絶好となる。12年のヴィンテージは果たして、近年最高の出来となったそうだ。

 テイスティングで陶然としている私に、「お求めになられた場合、日本に発送も致します」と勧めてくる。今や世界最高となったナパ・ワイン、そこで最高といわれるワイナリーで近年最上のヴィンテージ。横では1ダースものボトルを大人買いで申し込んでいる社長もいる。値段は……。「ああ、買おうか買うまいか。この快楽をどうしよう。サンフランシスコを二度と訪れることはないだろうし」と、プライス・リストの前でグラスを手に私は悩み、立ちすくんだ。

 

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コメント
 
1. 2015年11月09日 19:03:59 : Ns2JBRgFnI
TPP まずは香りで 酔わせたい

2. 2015年11月10日 00:58:18 : wPAs8CRB32
カリフォルニアのワイナリーの宣伝って、今は従業員の学歴自慢大会になってますね

3. 2015年11月10日 16:14:18 : gjSWR86AiA
オーストラリアでも、ニュー・サウス・ウェールズ州の中心地、シドニーからも近いハンター・バレイが産地として有名になり、品質の良さで年々生産量を増やしています。

ワインと言うと、ニュージーランドも力を入れていて、驚くほどの変わりようです。


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