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ソーラーフロンティアのCIS太陽電池。フレームを含めて黒で統一され、セル(素子)のつなぎ目もみえないためデザイン性が高い
国際会議がどよめいた シリコン使わぬソーラーフロンティアの太陽電池 苦節40年、純国産の意地
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151107-00000502-biz_san-nb
SankeiBiz 2015/11/7 16:30
再生可能エネルギーの先頭を切って導入が進む太陽光発電。ソーラーフロンティア(東京都港区)の太陽電池は、発電効率や品質の高さで多くの顧客を獲得し、その普及に貢献している。40年近く前から地道に研究開発を続け、壁にぶつかってもあきらめなかった結果が今、大輪の花を咲かせている。
「常識を覆した研究成果だ」
昨年6月に米コロラド州デンバーで行われた太陽電池の国際会議「IEEE太陽光発電専門家会議」。太陽電池の最小単位である素子で、変換効率20.9%を達成したとするソーラーフロンティアの報告に、参加したメーカー関係者や学者は驚きを隠さなかった。
太陽電池は、パネルで受けた光エネルギーを半導体で吸収し、電気に変える。光をどれだけ電気に変えられるかを示す数値が変換効率だ。市場に出回る太陽電池のほとんどは、パソコンなどに搭載する半導体と同じシリコンを使っている。研究レベルの変換効率は、主流の単結晶シリコンで25%台、単結晶よりコストが低い多結晶シリコンで20%程度だ。国際会議で発表した数字は、多結晶を超えるものだったが、突出していたわけではない。
それなのに参加者が驚いたのはシリコンではなく「CIS系化合物」を使い、低コストの製造方法を採用していたからだ。しかも主流ではない製法だった。
CISは、銅(Cu)とインジウム(In)、セレン(Se)の3元素の頭文字を並べたものだ。CIS電池は、その薄い膜をガラス基板上に形成することで光を吸収している。
シリコン系の変換効率は限界値に近づいており、今後も伸びる余地が小さい。これに対し、CIS系は発展途上の存在だ。20年前は16%にすぎなかったのが、20%を超え、その後も21.7%まで上昇しているという。厚木リサーチセンター(神奈川県厚木市)で開発の指揮を執る白間英樹技術開発部長は「3年後には単結晶シリコンを超えたい。そうなれば世界が一変する」と意欲を示す。
一方で、同社はコスト削減も追求。膜の厚さを1マイクロメートル程度と薄くし、材料費を抑えている。量産化技術を担当する杉本広紀課長は「製造工程もシンプル。中国メーカーのシリコン系と互角以上に戦える」と強調する。経済性に優れ、実発電量が多い上に変換効率でも負けないとなれば、かなり優位性は増す。
ただ、ここまでの道のりは平坦ではなかった。3種類の材料を使うため、「配合の妙」が求められるほか、膜を作る際にどうしてもムラができてしまう。以前は、真空状態で3種類の材料をガラス基板上の一点に重なるように当て、加熱して定着させる「同時蒸着法」が有望視されてきた。だが、この方法は「点」を「面」にして、パネルを大型化するのが難しい。同社は別の方法を選んだ。基板上で先に金属の銅とインジウムの膜を作った後で気体のセレンが充満した部屋に入れる「セレン化法」だ。
その判断は正しかった。変換効率で多結晶シリコンを上回るだけでなく、1センチ角からスタートしたパネルのサイズも、90センチ×120センチ程度まで大型化できた。見切りをつけた同時蒸着方法は、今も実用化されていない。白間部長は「一夜にして変換効率を高められたわけではなく、積み重ねがものを言っている」と成功の理由を分析する。
「純国産」へのこだわりもある。厚木での研究に加えて、製造は宮崎県国富町にある世界最大級の工場で行う。今年5月には、宮城県大衡村に東北工場を立ち上げたばかり。海外勢に押され、市場から撤退したり、自社生産をあきらめたりする日本メーカーが相次いでいるのとは対照的だ。
杉本課長は「良いものをより安く作りたいという思いを経営陣が理解し、壁にぶつかっても方針がぶれずに来られた」と振り返った。(井田通人)
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