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世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第148回 中国経済失速と資源国の政治(週刊実話)
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/298.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 11 月 05 日 19:40:00: igsppGRN/E9PQ
 

世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第148回 中国経済失速と資源国の政治
http://wjn.jp/article/detail/6361285/
週刊実話 2015年11月12日号


 中国経済の失速、特に「輸入の落ち込み」は、世界経済に大きな影響を与えつつある。2015年9月の中国の「輸入」は、何と対前年比で20%も減少してしまった。

 '14年4月に不動産バブルが崩壊を始めるまで、中国は鉄鉱石などの資源の「買い手」として、世界経済に大きな影響力を振るっていた。鉄鉱石の輸入市場において、何と中国一国が占めるシェアは64%に達していたのである。

 ところが、不動産バブル崩壊を受け、中国の粗鋼生産能力は年間4億5千万トンも過剰になってしまっている。しかも、新華社通信ですら、中国国内の鋼材需要は「減少する」という見通しを報じているのだ。不動産バブルが終わった以上、当たり前なのだが。

 中国の鉄鋼の輸入が増大する見込みは、今後しばらくはない。中国の需要縮小を受け、世界の鉄鉱石の価格が下落してしまっている。鉄鉱石価格の下落は'14年春に始まったが、まさに中国の不動産バブルの崩壊とタイミングが全く同じである。

 '11年にはトン当たり170ドルを上回っていた鉄鉱石の価格が、今や56ドル('15年9月)なのである。トン単価が3分の1未満に落ち込んだわけで、当然ながら鉄鉱石を輸出している新興経済諸国やアフリカ諸国などの経済は一気に悪化する。

 また、中国は原油の買い手としても存在感を増していた。OPEC(石油輸出国機構)によると、'14年の中国の原油輸入はアメリカに次いで世界第2位であった。'14年春にバブル崩壊が始まり、中国経済は失速していった。同じタイミングで、WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイトの略。アメリカ合衆国南部のテキサス州とニューメキシコ州を中心に産出される原油の総称)原油価格指数は値を下げ始め、'15年9月はバレル単価45.5ドルにまで落ち込んでしまった。

 原油価格の下落は、当然ながらサウジアラビアなどの中東諸国や、ロシア、インドネシア、アフリカ諸国などを直撃することになる。結果、各国の「政治」に変化をもたらしている。

 例えば、インドネシアは経済成長率の鈍化が顕著になり、ジョコ大統領の支持率が下がっている。しかも、資源価格下落による経済不振で、インドネシアルピアの為替レートが下落し、'15年9月のルピアの為替レートは、何とアジア通貨危機以来の水準にまで落ちてしまった。ルピアの下落は輸入物価を押し上げ、インドネシア国民の生活を苦しくする。

 本来であれば、ルピアの下落は「資源輸出の拡大」ということで、インドネシア経済にとっては僥倖のはずだ。ところが、現在は世界的な外需(輸出入)縮小期であり、為替レートの下落が輸出拡大に結び付かない。日本や中国同様に、インドネシアまでもが「通貨が下がっても、輸出が増えない」という現象に苦しめられているわけだ。

 民間の調査機関『インド・バロメーター』によると、'15年3月時点でジョコ大統領に「満足」と答えたのは57.5%と、過半数を超えていた。ところが、'15年9月には「満足」が46%と過半数を割り込み、「満足していない」(51.1%)が逆転してしまった。

 無論、資源価格下落の影響を受けるのは、新興経済諸国や後進国に限らない。中国の需要縮小と資源価格の下落は、先進国であるカナダの政治にまで決定的な影響を与えた。

 '15年10月19日に総選挙が行われたカナダでは、野党の自由党が過半数を獲得し、10年ぶりに政権交代が起きることとなった。カナダの自由党に勝利をもたらしたのは、実は中国の需要縮小、資源価格下落を原因とした「不況」である。

 カナダ経済は現在、リセッション(景気後退)の最中にある。'15年1〜3月期、4〜6月期と、2期連続で実質GDPが対前年比でマイナスになり、7〜9月期も期待できる状況にはない。何しろ、カナダの主要輸出品である原油の価格は低迷し、資源エネルギー関連の投資が大きく落ち込んでいるわけだ。

 現在のカナダ経済は、定義的にもリセッションというわけで、自由党は、
 「公共投資によるインフラ整備」
 「財政赤字拡大を3年間容認」
 「富裕層増税と、中間層減税」
 という、至極まっとうな政策を訴え、有権者の心をつかんだのである。

 ちなみにカナダでは、最大の産業都市の一つバンクーバーなどにおいて、中国からやってきた富裕層の移民が市内の高級物件などを買いあさり、住宅価格が高騰してしまっている。結果的に、マイホームを購入できなくなってしまった若い世代が猛反発するという事態を招いている。

 何しろ、バンクーバーで一戸建て住宅を購入しようとすると、平均価格は223万カナダドル(約2億650万円)にも達するわけだから、半端ない。一般のカナダ人にとって、マイホームが「届かぬ夢」と化してしまったのだ。カナダの自由党政権が「中国移民問題」にまで手を突っ込むのか、注目している。

 結局のところ、世界の多くの国々が「中国は永続的に成長する」という、甘い幻想を抱いてしまっていたわけだ。

 とはいえ、不動産、株式、そして設備投資という「3つのバブル」に支えられ、肝心の「個人消費中心の経済」への転換に失敗した中国経済の成長が、長続きするはずもなかった。

 もっとも、'15年10月19日に中国共産党が発表した7〜9月期の経済成長率は、対前年比で6.9%だった。「失笑モノ」という言葉がこれほど似合う国は、世界に類例を見ない。

みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。

 

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コメント
 
1. 2015年11月05日 21:14:37 : jXbiWWJBCA
「良いデフレ」を中国が輸出−棚ぼたの恩恵受けるのは欧米の消費者
2015/11/05 15:33 JST
    (ブルームバーグ):世界的な市場の混乱からクロコダイル革ハンドバックの販売低迷に至るまで、その原因として中国の成長鈍化がやり玉に挙げられている。世界的なリセッション(景気後退)を引き起こす恐れがあると言う向きさえもある。
だがクレディ・スイス・グループの世界経済・戦略担当共同責任者のネビル・ヒル氏(ロンドン在勤)によれば、世界2位の経済大国となった中国が四半世紀ぶりの低成長に陥っていることが今や欧米の消費者や企業を鼓舞しつつある。
中国の経済成長率は2桁台が続き、極めて旺盛な資源需要が商品・エネルギー価格を押し上げてきた。そのため欧米の消費者の購買力が陰り、コスト高が収益を圧迫して企業の景況感の重しになってきた。だが状況は変わりつつある。商品価格急落が欧米の買い物客を活気づけ、企業利益の伸びを促している。
ヒル氏は3日、上海でインタビューに応え、「実際、かなり強力な棚ぼただ」と指摘。「中国はデフレを輸出している。だが、悪いデフレというよりむしろ欧米にとっては購入コストを押し下げる良いデフレだ」と述べた。
実質所得
ただ同氏は、中国の不振でアジアの新興市場への打撃が続き、ブラジルや南アフリカ共和国といった商品輸出国も悪影響を被ると予想。金融市場の地合いも1つのリスクだと分析し、中国が一段と減速すれば動揺が広がり、世界中で売りを招くかもしれないとも語った。
その上でヒル氏は、米国を含めた欧米の経済大国にとって、対中輸出の割合は国内総生産(GDP)との比較でわずかで、マイナス面への対応は可能だとみていると説明。「中国の減速は商品価格下落と連動しており、これがもっとバランスの取れた世界の成長パターンを可能にしている。欧米の需要が実質所得の伸びで膨らんでいる」と論じた。
原題:China’s Slowdown Could Be a Plus for U.S., Europe in the End (1)(抜粋)
記事に関するブルームバーグ・ニュース・スタッフへの問い合わせ先:香港 Enda Curran ecurran8@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Malcolm Scott mscott23@bloomberg.net
更新日時: 2015/11/05 15:33 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NXBRZM6JIJV801.html

EU:2016年の成長・インフレ見通しを下方修正−秋季経済予測
2015/11/05 19:49 JST

    (ブルームバーグ):欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、ユーロ圏の2016年成長・インフレ率の見通しを下方修正した。世界的な環境の厳しさに加え、原油安とユーロ安からの追い風が弱まりつつあることが理由。
欧州委が5日発表した秋季経済予測によれば、16年のユーロ圏成長率は1.8%の見込み。5月時点の予想は1.9%だった。同年のインフレ率予想は1%と、従来の1.5%から下方修正した。
これまでのところ、ユーロ圏の回復は外部からの衝撃に対して耐久性を示しているものの、景気見通しをめぐる不透明感が薄れる兆候はないと欧州委は指摘。中国経済が予想以上に減速することや米金融政策正常化を引き金とする金融市場の不安定などをリスク要因に挙げた。
一方で、今年の成長率予想は1.6%と、従来見積もりの1.5%から引き上げた。17年は1.9%の見込み。今年のインフレ率は0.1%とし、前回予想から変わらず。17年は1.6%への加速を見込んでいる。
欧州委は内需が今年上向き、その勢いを短期的に維持するとみている。名目所得の上昇と購買力の向上、労働市場環境の改善がこれを支える見込み。一方、投資は「段階的に」強まるものの、過去の回復時よりもペースは遅いと予想されている。
欧州委のドムブロフスキス副委員長は発表資料で、「この日の予測はユーロ圏経済が緩やかな回復を続けていることを示した。回復を持続させ強化するには原油安やユーロ安、欧州中央銀行(ECB)の緩和的な金融政策など一時的な追い風を活用する必要がある」と分析した。
原題:EU Cuts 2016 Growth and Inflation Outlook as ECB Decision Looms(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:マドリード Maria Tadeo mtadeo@bloomberg.net;フランクフルト Jana Randow jrandow@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Fergal O'Brien fobrien@bloomberg.net
更新日時: 2015/11/05 19:49 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NXC7AJ6JIJUV01.html

ユーロ圏成長率は今後2年加速へ、対外経済に課題=欧州委見通し

[ブリュッセル 5日 ロイター] - 欧州委員会が公表した経済予測によると、ユーロ圏の経済成長

率は今後2年で徐々に加速すると見込まれている。2015年の成長率は1.6%、16年は1.8

%、17年は1.9%となる見通し。

モスコビシ委員(経済・財務担当)は、「欧州経済は引き続き回復途上にある」としたが、輸出先の

景気鈍化や欧州の周辺地域での紛争や緊張が「依然として大きな課題」との見方を示した。

欧州中央銀行(ECB)の緩和政策や原油価格の下落が今年のユーロ圏成長を主導するものの、これ

らの好影響要因ははく落するとし、2016年の成長率見通しは前回5月の1.9%から小幅下方修

正した。

ユーロ圏19カ国の成長率には依然として差があるが、ギリシャを除いてプラス成長が見込まれてい

る。昨年はキプロス、フィンランド、イタリアがマイナス成長だった。

ドイツも成長が見込まれるが、前回予想からは下方修正された。

ユーロ圏の経常黒字はドイツ主導で2015年も拡大するものの、その後2年は原油価格の回復で縮

小するとの見方を示した。

原油回復が物価上昇率の加速を促すとし、2015年は0.1%、16年は1%との見通しを示した

財政面ではユーロ圏全般に改善を続けるが、フランスは欧州連合(EU)の定める上限を2017年

も上回ると指摘。また、イタリアの債務比率は国内総生産比で今年は133%としている。

*内容を追加します。
http://jp.reuters.com/article/2015/11/05/euro-zone-growth-idJPKCN0SU1BU20151105


欧州委員会:財政赤字対GDP(国内総生産)の国別一覧(表)
2015/11/05 19:00 JST
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(ブルームバーグ):欧州委員会が発表した欧州連合(EU)加盟国のGDP(国内総生産)に占める政府債務残高の割合の詳細は以下の通り。

================================================================
2017 2016 2015 2014 2013 2012
================================================================
ユーロ圏 -1.5% -1.8% -2.0% -2.6% -3.0% -3.7%
EU カ国 -1.6% -2.0% -2.5% -3.0% -3.3% -4.3%
ベルギー -2.3% -2.6% -2.7% -3.1% -2.9% -4.1%
ドイツ 0.4% 0.5% 0.9% 0.3% -0.1% -0.1%
アイルランド -1.5% -1.5% -2.2% -3.9% -5.7% -8.0%
ギリシャ -2.2% -3.6% -4.6% -3.6% -12.4% -8.8%
スペイン -2.6% -3.6% -4.7% -5.9% -6.9% -10.4%
フランス -3.3% -3.4% -3.8% -3.9% -4.1% -4.8%
イタリア -1.6% -2.3% -2.6% -3.0% -2.9% -3.0%
キプロス 0.3% 0.1% -0.7% -8.9% -4.9% -5.8%
ルクセンブルク 0.5% 0.5% 0.0% 1.4% 0.7% 0.2%
マルタ -1.1% -1.2% -1.7% -2.1% -2.6% -3.6%
オランダ -1.2% -1.5% -2.1% -2.4% -2.4% -3.9%
================================================================
2017 2016 2015 2014 2013 2012
================================================================
オーストリア -1.3% -1.6% -1.9% -2.7% -1.3% -2.2%
ポルトガル -2.5% -2.9% -3.0% -7.2% -4.8% -5.7%
スロベニア -2.0% -2.4% -2.9% -5.0% -15.0% -4.1%
フィンランド -2.3% -2.7% -3.2% -3.3% -2.5% -2.1%
ブルガリア -2.7% -2.7% -2.8% -5.8% -0.8% -0.6%
チェコ -1.1% -1.3% -1.9% -1.9% -1.3% -4.0%
デンマーク -1.7% -2.5% -3.3% 1.5% -1.3% -3.6%
エストニア 0.1% 0.2% 0.2% 0.7% -0.1% -0.3%
ラトビア -1.1% -1.2% -1.5% -1.5% -0.9% -0.8%
リトアニア -0.4% -1.3% -1.1% -0.7% -2.6% -3.1%
ハンガリー -2.0% -2.1% -2.3% -2.5% -2.5% -2.3%
ポーランド -2.8% -2.8% -2.8% -3.3% -4.0% -3.7%
ルーマニア -3.7% -2.8% -1.2% -1.4% -2.2% -3.2%
スロバキア -2.0% -2.4% -2.7% -2.8% -2.6% -4.2%
スウェーデン -1.2% -1.3% -1.4% -1.7% -1.4% -0.9%
英国 -1.9% -3.0% -4.4% -5.7% -5.7% -8.3%
米国 -3.2% -3.5% -4.0% -4.9% -5.3% -8.8%
日本 -5.1% -5.7% -6.6% -7.5% -8.5% -8.7%
================================================================
注:予想の数値は財政面で主だった政策変更がないことを想定して作成されている。
出所:欧州委員会
関連記事: ユーロ圏経済関連: {TNI EUROP ECO BN }ECB関連: {NI ECB BN }ECB政策金利関連: {STNI ECBACTION }
記事に関する記者への問い合わせ先:ウィーン Kristian Siedenburg または ksiedenburg@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:チューリヒ Marco Babic または mbabic@bloomberg.net Mark Evans
更新日時: 2015/11/05 19:00 JST
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