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iPhoneの広告ブロック機能、グーグルに大ダメージ?高いiPhone依存が急所に
http://biz-journal.jp/2015/11/post_12196.html
2015.11.01 文=宮永博史/東京理科大学大学院MOT(技術経営専攻)教授 Business Journal
アップルが「iPhoneのアプリに配信される広告をブロックする」アプリのダウンロードを解禁した。モバイル広告をうっとうしいと思うiPhoneユーザーにとっては朗報だろう。何しろ、このアプリをダウンロードすれば、モバイル広告を一切シャットダウンできる。まさにアップルはユーザー指向が徹底している。
しかし、その一方で、これは競合に対する対抗策ともいえる。その競合とはグーグルのことだ。一体どういうことか。
■グーグルにとっての脅威
ある調査によると、グーグルのモバイル広告の実に75%がiPhoneユーザー向けといわれている。ということは、仮にiPhoneユーザーの3分の1がこの「広告をシャットダウンするアプリ」をダウンロードして利用したとすると、単純計算で、グーグルはモバイル広告収入のおよそ4分の1を失うことになる。グーグルにとって、アップルのこの方針は大きな脅威だ。
グーグルにとって、iPhoneはモバイル広告のための重要な販売チャネルといえる。75%という依存度の高さがその重要性を示す何よりの証拠だ。ところが、このケースのように、その依存度の高さが逆に仇となる場合がある。ビジネスを行ううえで注意すべきは、実は競合だけではない。販売チャネルの動向にも十分な注意が必要だ。
■販売チャネルが脅威となる
マーケティングの世界に「4P」という概念がある。そのひとつがPlaceだ。いわゆる販売チャネル・物流を指す用語だが、Placeという言葉ではいまひとつピンと来ない。それもそのはず、もともとはDistributionという用語が使われていた。このほうが、はるかにわかりやすい。それをPlaceに変えたのは、米マーケティング学者のエドモンド・ジェローム・マッカーシーだ。なぜDistributionをPlaceに変えたかといえば、それは語呂がよいからだろう。3P+Dというよりも、4Pといえば語呂がよく覚えやすい。さらにその後、現代マーケティングの大家といわれるフィリップ・コトラーが「6P」「7P」と発展した理論を発表する源ともなっている。
このように、ビジネスのフレームワークには、語呂の良さでつくられているものもあるので、実際に使うときには注意が必要だ。
話が脱線したが、販売チャネルというのは、本来であれば、自社製品やサービスを提供するいわば顧客でもある。その顧客が牙をむくことがある。アップルのケースはまさにそうした事例といえる。
■業界構造の変化こそ、プラットフォームを握るチャンス
そのグーグルもアップルのことは責められない。検索エンジンの世界でデファクトとなったグーグルの影響力は多大である。検索をして、最初のページに自社サイトが出現すれば、ビジネスにとって大いにプラスとなろう。実際、ある小さな靴の会社がネット通販を始めて、グーグル検索でヒットするようになり、大きな成長を遂げたことがある。ところが、グーグルが検索表示アルゴリズムを変えた途端に、この会社のサイトがトップページに現れなくなり、一気に売り上げが減少してしまった。検索エンジンをプロモーションのチャネルとみなせば、まさにそのチャネルが脅威になった事例といえる。
アップルもグーグルもプラットフォームを押さえた成功例だ。パソコンの世界でいえばマイクロソフトとインテルがそうだ。一度プラットフォームを押さえられるとなかなか崩すことは難しい。逆に、産業構造に変化が起こるとき、いかにプラットフォームを握るかが重要だ。
欧州では、フォルクスワーゲンの不正問題が話題になっているが、その問題を文書で指摘していたのがボッシュである。日本でいえばデンソーのような会社だ。自動車業界では電気自動車や自動運転など大きな構造変化が起ころうとしている。そうした中でボッシュはそのプラットフォームを握ろうとしている企業のひとつだ。
あなたの業界では、どのような変化が起ころうとしているのか。そこでどのようなプラットフォームを握ればよいか。ひとつ秋の夜長に考えを巡らせてみてはどうであろうか。
(文=宮永博史/東京理科大学大学院MOT<技術経営専攻>教授)
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