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足利銀行本店(「Wikipedia」より/Saniboh)
すみ分け崩壊で容赦ない潰し合い!金融業界、サバイバル再編勃発
http://biz-journal.jp/2015/11/post_12190.html
2015.11.01 文=編集部 Business Journal
茨城県の常陽銀行と栃木県の足利銀行を傘下に持つ足利ホールディングス(HD)が、2016年10月に経営統合する見通しとなった。株式交換方式で統合し、共同持ち株会社の下に2行がぶら下がる案が有力だ。持ち株会社の本社は東京に置く。足利HD社長には寺門一義・常陽銀行頭取が就任する。松下正直・足利HD社長は副社長に就き、代表権は2人が持つ。
常陽銀と足利銀の合計資産総額は14.9兆円(15年3月期)。来年4月に横浜銀行と東日本銀行が統合して誕生するコンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)の17.4兆円、福岡銀行などを傘下にもつふくおかFGの15.6兆円に次ぐ地銀3位の規模となる。
足利銀は13年12月の再上場以来、地銀再編の「台風の目」といわれてきた。経営再建の受け皿になった足利HDの株式の36.8%を握る野村HDの金融子会社、野村フィナンシャル・パートナーズは、株式を売却して投資資金を回収するのが既定路線とみられていたからだ。
もともと足利銀は03年に経営が破綻し、一時国有化された。その受け皿になるのは地銀連合といわれていた。横浜、千葉、群馬、常陽、山梨中央、八十二(長野)、静岡、東邦(福島)の地銀8行に日本生命保険など生損保6社が加わり地銀連合が形成された。最終審査に地銀連合と野村が残った時には、野村は当て馬のように見られていた。ところが、土壇場で野村が地銀連合を100億円上回る1200億円の買収額を提示したことが決め手となった。地銀グループのまとめ役、横浜銀行の大失態といわれた。
野村の狙いは、あくまで再生ビジネス。長期にわたり地銀を経営する考えはなく、再上場の際に持ち株を売り抜けてリターンを得ることが目的だ。地銀連合に加わった各行は、足利を諦めたわけではなかった。複数行が触手を伸ばしたが、野村と株式の譲渡価格で折り合いがつかなかったとされる。足利の争奪戦は再上場後に持ち越された。
そして再上場した足利HDのパートナーとして浮上したのが、群馬銀と常陽銀だった。高速道路で結ばれる北関東経済圏の中核銀行になるためには、どちらも足利HDを手に入れる必要があった。
なかでも有力視されたのが常陽銀だった。地銀連合に加わった常陽銀や千葉銀、静岡銀、八十二銀は、東京三菱UFJ銀行の親密地銀のトップが集まる火曜会のメンバー行でもあった。足利銀はもともと旧三菱銀行の親密地銀。三菱銀の共同オンラインシステムに参加を予定していたが国有化で中止になった経緯がある。
こういうバックグラウンドがあるため、足利HDと常陽銀の経営統合が最有力視されていた。
■金融庁主導
「経営統合は重要な選択肢」。
金融庁は2年ほど前から、地銀トップに対しことあるごとに「再編」を迫ってきた。
金融庁が想定している地銀再編は、「ふくおかFG方式」と呼ばれる、広域合併である。持ち株会社ふくおかFGのもとに、九州最大の地銀である福岡銀行、親和銀行、第2地銀の熊本銀行がぶら下がる。
14年10月、東京都民銀行と八千代銀行が統合して東京TY FGが発足。16年4月に新銀行東京を統合する予定だ。15年10月には肥後銀行(熊本)と鹿児島銀行の両県のトップ地銀が経営統合して九州FGがスタートした。
加えて、16年4月には横浜銀行と第2地銀の東日本銀行が統合してコンコルディアFGが誕生する。四国地区の香川銀行と徳島銀行が一緒になるトモニホールディングスは16年4月、大正銀行(大阪)と統合する。トモニの大阪侵攻である。
常陽銀と足利HDも広域統合だが、北関東が地盤で、いずれ人口減少の打撃は免れない。今後、いかにして首都圏に攻めていくかが経営課題となる。
関東地区の地銀は、神奈川に旧大蔵省色が強い横浜銀、埼玉はりそなHD傘下の埼玉りそな銀行、千葉は千葉銀、茨城は常陽銀、栃木は足利銀、群馬は群馬銀が一国一城の主として君臨してきた。ほかの地区ほど顕著ではないが、人口減、産業衰退は容赦なく押し寄せてくる。メガバンクの間で埋没しないためにも、地銀同士が連係して規模を拡大するしか生きる道はない。
かねてから、地銀首位の横浜銀に対抗するため、千葉銀と常陽銀が手を組むとの観測があった。東京三菱UFJ銀が千葉銀の4.0%、常陽銀の3.7%を保有する事実上の筆頭株主(自社株口、信託口を除く)だからだ。常陽銀と足利HDの統合をバネに、東京三菱UFJ銀系の関東系地銀である千葉銀、常陽銀、足利HDの大同団結が図られる、との見方が浮上してきたとしても不思議ではない。
コンコルディアFGに大差をつけられ、常陽銀=足利HD連合にも抜かれた千葉銀がどう出るのかが、今後の焦点だ。千葉銀がどういった青写真を描いているのかに、金融業界の関心が集まる。
■メガバンクの動き
11月4日に東証1部に上場する、ゆうちょ銀行の業務拡大が認可される可能性が高い。そうなると地銀への影響は大きい。
金融庁は7月に発表したレポートで、18年3月期の経常利益が14年同期の半分以下になる地域銀行が2割あると、経営の持続性に警鐘を鳴らした。
みずほFGは系列地銀の保有株式を削減している。14年度には愛媛銀行、南日本銀行(鹿児島市)など地銀8行の保有株を減らした。自己資本比率の高い地銀は、みずほFGが持ち合い解消で売った株式を自社買いする余裕があるが、そうでない場合は、「再編予備軍」になる。
みずほFG系の地銀、第2地銀を北からリストアップすると、みちのく銀行(青森市、みずほFGの持ち株比率4.0%)、大垣共立銀行(岐阜県大垣市、同4.1%)、清水銀行(静岡県清水区、1.9%)、滋賀銀行(大津市、同2.1%)、四国銀行(高知市、同1.0%)などがある。また、みずほFG系で自己資本比率の低い、地銀・第2地銀には千葉興業銀行(千葉市、同18.8%)、筑波銀行(茨城県つくば市、同1.0%)、トマト銀行(岡山市、同3.0%)などがある。
三井住友銀行が筆頭株主の関西アーバン銀行(大阪市、三井住友銀の保有比率は48.9%)、みなと銀行(神戸市、同4.7%)、三重銀行(四日市市、同5.7%)の動きも注目される。
また、三菱東京UFJ銀と関係の深い地銀に武蔵野銀行(さいたま市、三菱東京UFJ銀の持ち株比率は3.6%)や山梨中央銀行(甲府市、同4.0%)がある。関東エリアで残された三菱東京系の地銀である。足利HDと常陽銀行の経営統合は、関東エリアが再編の震源地になったことを意味する。
(文=編集部)
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