★阿修羅♪ > 経世済民102 > 173.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
東大卒女性が53歳で失業 寿司屋でバイトし再就職できた理由(NEWS ポストセブン)
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/173.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 10 月 31 日 17:07:20: igsppGRN/E9PQ
 

                 53歳での思わぬ失業経験を語る栗崎由子さん


東大卒女性が53歳で失業 寿司屋でバイトし再就職できた理由
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151031-00000016-pseven-bus_all
NEWS ポストセブン 10月31日(土)16時6分配信


 東大卒業後、日本と欧州でキャリアを積んできた栗崎由子さんは、53歳の時、突然スイスで失業した。スイス人の夫も、裕福な両親もなし。華麗なキャリアの末に立たされた崖っぷち。そこから寿司屋の売り子バイト、家庭教師、にわか通訳と、できることは何でもしてお金を稼ぎ、定職を探す日々が続く。書いた応募レターと履歴書は200通超――。

 思いがけない困難に直面して人生観が変わったという栗崎さんは昨年『女・東大卒、異国で失業、50代半ばから生き直し』(パド・ウィメンズ・オフィス)を出版。現在は、スイスと日本を繋ぐ異文化マネジメントコンサルタントビジネスを育てる傍ら、ボランティアで50代女性の再就職支援活動を行っている。いま日本では安倍政権が「女性が輝く社会」を推進しているが、課題は多い。国は異なれど30年の仕事人生を生き抜いてきた栗崎さんに、失業を通して見えてきたこと、そして女性が働くことについて、話を聞いた。

 * * *
■弱みだと思っていた「平べったい顔」が、寿司屋では強みに

――NTT(当時・日本電信電話公社)やOECDなど大組織で働いてこられた栗崎さんは2008年にスイスのジュネーブでリストラにあい、失業されました。そこから2年半、職探しの日々が続いたわけですが、その頃を振り返って、改めてどう感じますか。

栗崎:私は失業するまでの30年間、毎朝どこかに出勤して、生真面目に働いてきました。“人生は右肩上がり”となんとなく思っていたんです。でも、そうではなかった(笑)。50歳を過ぎたって、人生には思いがけない落とし穴が待っているんですね。それを身をもって知りました。同時にこの経験は、私にとっての「生き直し」のきっかけにもなりました。

――53歳女性の職探しのご苦労が、本にも書かれています。

栗崎:失業後、当面は、失業給付があったので収入ゼロではありませんでしたが、落ち込んでいる余裕はありません。養ってくれる夫はいませんし、年金暮らしの親を頼るわけにもいかない。そしてジュネーブは世界一物価の高い街。また、30年間サラリーマンを続けてきた私にとって収入ゼロというのは、精神的にも堪えました。それですぐに求職活動を始めたのですが、現実は想像以上に厳しかったですね。

 私の専門は情報通信産業の政策や市場の調査なのですが、この分野の需要は少ないんです。それから高学歴で高年齢、つまりコストが高い。スイスの言語であるフランス語もドイツ語も私の母語ではありません。不利な条件ばかりが揃っていて、応募しても応募しても、断られるどころか、大半は返事もないんです。これには参りました。人間、無視されることほどエネルギーを奪われることってないんですね。

――日本に戻るという考えはなかったのでしょうか?

栗崎:それはありませんでした。日本で仕事を見つけるほうがもっと大変だと思いました。というのは失業した時、私は日本を離れて20年経っていたのです。日本でもスイスでも、40歳を過ぎたら、再就職には人脈が大きな力を持ちます。年齢を重ねるほど、採用には“信頼”が大きくかかわってくるからですね。私は、自分には日本にそういう人脈はもう無いと思ったのです。

――2011年に定職に就くまで、様々な仕事をされています。寿司屋のバイトなど、栗崎さんのこれまでのキャリアからは想像できないような仕事も。挫折感はなかったですか。

栗崎:そんな余裕がなかったんです。先ほどお話したように、何通履歴書を送れど、なしのつぶての日々。そんな時にお寿司屋さんが販売する人を探しているよという話を人づてに聞いて、ダメ元で、ご主人に会いに行ったんです。若くてかわいい女のコじゃなくて大丈夫かしらと、心配しながら(笑)。「来週から来てくれ」と言われた時は、嬉しかったですね。「ここに私を必要とする人がいる!」と、思いました。

 この仕事で、私は大きな発見をしました。ずっとハンディだと思ってきた「平べったい顔」と「日本語なまりのフランス語」が、お寿司屋さんでは強みになったんですよ。日本人がレジにいると安心感があると。これには目からうろこが落ちましたね。見方を変えれば、弱みは強みになる。そういう発想の転換ができるかどうかが、年齢を重ねてからの職探しには重要なのだと気づきました。この発見以降、自分の専門分野の枠を外して、自分に何ができるかを必死に考え、例えば事務職などにも応募するようになりました。

――とはいえ、年齢を重ねるほど、それまでのキャリアを手放すリスクは高くなると思いますが、その辺りはどうお考えですか?

栗崎:もちろん、過去を否定する必要はありません。私が言う「生き直し」とは、自分の持っている資源の使い直し、あるいは、組み替えです。その時、気を付けなければいけないのが、自分のやりたいことばかりを言っていてはダメだということ。仕事とは「自分がしたいことではなく、相手が自分にしてほしいこと」。これは友人に教えられた言葉ですが、初めてこうした視点を持てたことでが、再就職につながったのだと思っています。

 もともと私にはキャリア・ディベロップメントという発想はなかったんです。何か確固たるキャリアを築こうと働いてきたわけではなくて、自分の夢を実現するために、目の前のことに日々地道に取り組んできただけ。スティーブ・ジョブズの言う「点と点をつなぐ」のが私のやり方だし、それしかできませんでした。だから人生に無駄なことなど一つもないと思っています。大事なのはとにかく行動すること。自分の頭の中より外のほうが、世界は広いのだといつも気づかされます。当たり前なんだけど、ついつい頭でっかちになってしまうんですね。

――「負の言葉には耳を塞ぐ」など、落ち込んだときの対処法は参考になります。

栗崎:「あなたは年齢が高いから大変でしょう」「学歴が高いから、見合った仕事は見つからないでしょう」などと言われたこともあります。言った人に悪意はなかったのかもしれませんが、ネガティブワードはそれだけで人のエネルギーを奪うんですね。ですからこうした言葉にはすべて耳を塞ぎました。ピンチのときこそ、本当に自分を助けてくれる人が誰かがわかります。それは、同情や評論ではなく、一つでもヒントをくれる人。一人でも誰か紹介してくれる人。人を助けるというのはどういうことか、身に染みてわかりました。

■どちらの苦労を、より引き受けられるか

――失業されるまでの人生はいかがでしたか? 順風満帆だったのでしょうか?

栗崎:挫折の連続でした。そもそも中学受験、高校受験と、第一志望校を落ちているんです。大学は運よく受かりましたが、就職は大変でした。私が就職したのは雇用機会均等法が成立する前の1978年で、大卒女子を採用している会社がほとんどなかったのです。自分は公務員には向かないと思ったので、長く働きたい女子を採用してくれる会社、つまり女性に結婚退職を期待しない会社ならどこでも、という気持ちで探し、運良くNTT(当時は電電公社)に採用されました。そういう意味では、失業した時、危機感はあったけれど、挫折感がなかったのは、慣れていたせいもあるかもしれません(笑)。

――女性ならではの苦労もありましたか。

栗崎:当時は、外国勤務や留学の機会が社内にありましたが、女性が指名されたことはありませんでした。色々考えた末、私は公募でOECDのポストを獲得して、パリに行ったんですね。その後、日本にも雇用機会均等法ができて、状況は改善されていったようですが、働く女性に対する人のモノの考え方は、法律ができても直ぐには変わらないものです。だから、NTTに戻るか欧州に残るか、選択を迫られたときに、欧州に残ったんです。

 欧州にも女性差別はあります。けれども、おかしいと思うことがあったら、例え相手が上司でも、自分の意見を主張することができます。当時の私にはそこが日本と大きく違うと思えました。一方欧州では、自分の言葉である日本語を使って仕事をすることができません。これはやはり不利になる場合が多いと、経験で知りました。どちらに行っても苦労は同じということです。では、どちらの苦労をより引き受けられるのかと自分に聞いたら、ヨーロッパの苦労を引き受けると、私自身が答えたんです。

――現在は、仕事でスイスと日本の橋渡しをされながら、ジュネーブを拠点に50代女性の求職支援ワークショップを開くなど、ご自身の経験を活かしたボランティアで活動もされています。50代からの仕事について、現在のお考えをお聞かせください。

栗崎:ジュネーブでも50歳を超えると再就職は難しく、職を見つけられたとしても多くの場合、給料は下がります。またスイスでも、女性の平均賃金は男性より低い。その結果、貧困老人の予備軍には女性が多いんです。日本でも同じような状況だと聞きました。貧困の人たちが増えると、当事者はもちろん困る。そういう人々に手を差し伸べるのは税金です。つまり、女性や年齢に対する誤った思い込みが、働く意欲のあるシニア女性という資源を無駄にすることに繋がり、ひいてはそのつけが、社会全体に回ってくる構造になっている。

 ですから世界一の高齢社会に突入している日本では、年齢に関係なく労働力を活用する社会を一刻も早く育てていく必要があります。日本の場合、終身雇用の習慣があるので正社員が突然失業するような状況は少ないのかもしれませんが、仕事をしたくても見つからない女性は少なくないと聞いています。私は失業から再就職までの間、たくさんの人に助けられました。これからはその恩返しをするためにも、自分にできることを少しずつ続けて、多様な年齢やジェンダーを広く受け入れる社会をつくる力になりたいと考えています。

くりさき・よしこ●1955年生まれ。東京大学教養学部卒業後、NTT(当時日本電信電話公社)に就職。85年以降、国際電気通信連合(ITU)日本代表団として、通信技術、サービス標準化活動に参加。89年、経済協力開発機構(OECD)通信政策課に転職、渡仏。94年、国際電気通信の多国籍企業に転職、同時にスイス移住。2008年、ポスト削減により、退社。2011年、ジュネーブの日系企業に再就職。2014年から独立し、欧州と日本で企業を対象に異文化マネジメントコンサルティングを行っている。また、自身の失業経験を生かし、2012年より50代女性の求職支援ワークショップを毎月開催。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2015年10月31日 19:20:01 : nJF6kGWndY

>53歳の時、突然スイスで失業。そこから寿司屋の売り子バイト、家庭教師、にわか通訳と、できることは何でもしてお金を稼ぎ、定職を探す
>94年、国際電気通信の多国籍企業に転職、同時にスイス移住。2008年、ポスト削減により、退社。2011年、ジュネーブの日系企業に再就職。2014年から独立

53歳独身なら、浪費をしていない限り、このキャリアなら、かなり貯蓄があったはずだが

まあ、引退するには早すぎるし、独立するにもリスクと覚悟がいるから

こういう生き方もアリだな


2. 2015年10月31日 19:42:35 : vwM1JGRxyI
学歴が有ろうが無かろうが、若かかろうと年取っていようが生きる活力が有れば
何とかして何とかなるのは人生の面白いところなんだよね。
面白い格言が有る。

人の歩みを止めるものは絶望ではなく諦め。

とにもかくにも健康とやる気さえ有ればそして諦めなければ何とかなるんだよね。


3. 2015年10月31日 21:30:15 : ynGmLJG4rI
IQも意欲も突出した人物なので平凡な一般大衆の参考になるか微妙だ
むしろこれだけの経歴の人でも苦労するのだな、と暗澹とした気持ちになる
「弱みは強みになる、発想の転換が重要」は心に留めておこうとは思う

4. 2015年11月01日 00:19:12 : xjsRmZ7lLY
普通の人にはあまり参考にならないでしょう。特殊な例だから記事になるのです。
世の中、普通の人が大半です。しかしその方たちの働きで世の中は支えられております。

5. 2015年11月01日 07:17:15 : Obkjl83sZY
当たり前のことだが、学校歴があっても高度な専門性が無いと、会社にとっては只のお荷物でしかない。
高度な専門性があれば、60歳でも優良企業が正社員で雇ってくれるから、
会社ゴッコや人脈ゴッコにかまけず、高度な専門性を身につけよう。
http://www.asyura2.com/13/senkyo152/msg/378.html#c10

6. 2015年11月01日 14:14:48 : FdeF1CB9Rh
手に職だな。焼き鳥焼いて生計が立てばその方がずっと良い。

サラリーマンなど海にドロ船で航海する様なもんだよ。


7. 2015年11月01日 17:37:27 : EPWNEsv2dk
自公民政権の、貧乏人、失業者はとっとと死ね、なる政策が徹底している。
高齢者や、失業者の受け皿としての、中小個人起業の芽や存在を出来るだけ
排除するのに躍起だ。具体的には書かないが、国民生活はどうでもいい、
大企業だけが儲かってくれればいい、腐った政治家の集合体が日本の真の姿だ。

8. 2015年11月02日 07:30:07 : AICPufeYRU

栗崎さん、がんばった。

   日本の(地方の)仕事さがしも大変。
   わたしも、履歴書を書いて、出して、書いて・・・

    こんな社会に誰がした・・・。(格差社会)


9. 2015年11月02日 11:30:39 : bYUTlGq7cE
「花のお江戸のタクシードライバー」 東大出てから15年、オイラの乗務奮闘記
しゃけ のぼる著
PHP文庫

10. 2015年11月02日 13:40:30 : 2xRIB0DJWg
あのさ、東大出て、50才過ぎたら
働かなくても良いくらいの資産は残しておきなよね。
今まで何やってたの?
もしかして株で大損したのかな?

11. 2015年11月02日 14:42:30 : GkcEj4z0o6
正直言って、あまり参考にならない
要は、キャリア捨てるのと年収下げるのが嫌だっただけじゃないの

12. 2015年11月02日 19:58:28 : 4WnTTro63s
職人の時代到来ですね!

13. 2015年11月02日 22:20:12 : n4ZHplgHbs
>高度な専門性が無いと、会社にとっては只のお荷物でしかない
>高度な専門性を身につけよう

こういう家畜の道徳を説教する阿呆がいるから、日本人はいつまでたっても奴隷なのである
お前は只のお荷物だ、分を知れあわれな家畜よ!

まともな給料を払えない会社は、社会にとって只のお荷物でしかない 潰れなさい
発想の転換が重要だと栗崎由子もおっしゃってますよ


14. 2015年11月03日 00:20:17 : MXz101OxFI
生まれ育った人間関係を捨てて夫も子もなければ、
キャリアと収入にこだわらざるを得ないのは仕方がない

15. 2015年11月03日 22:18:54 : LJZRYgPAfk
人生で
最も大切なことを
学びなおす素晴らしい機会ととらえ、
彼女のために喜びます。

日本国の甘言に騙されて、
くだらない狭い大学に押し込められて
あたら何年も費やすことは、
人として生まれきた意味を知るには
人に尽くす喜びに比べ。
道草でしかないということです。

愛とか好意ほど
貴いものはないのです。


16. 2015年11月03日 22:59:34 : Z4gBPf2vUA
こんな人の参考例を見ても役に立つのかただの1人の1人生だっただけだ

社会を強制的に動かせばいいだけだ

ようはみんなガタガタ言っても法律では泥棒してはいけませんってなってるので窃盗は出来ないが仕事がないとお金がない

仕事を強制的に作るしかない

それは強制的に国産を(国産でないと国産人件費代の借金が埋まらない)買い支えるだけ


単純なことだ
その受け皿は外注連鎖で法人税一元化が望ましい

これだけ飽食の時代であって何でも買える状況下であって生活に困らないなら衝動買いもしないので【強制買いの概念しか出て来ない】

機械の歯車に乗るみたいな感じで機械的に生活するそれしか今のとこ思い付かない


17. 2015年11月04日 07:50:04 : jXbiWWJBCA
高学歴なのに就職できない人の共通点

【第43回】 2015年11月4日 櫻井樹吏 [キャリア・プロデューサー]

 企業が採用面接を行う上で、学歴や学校名が与える影響は大きいと思われがちですが、有名大学の学生なら誰でも簡単に就職が決まるとは限りません。

 私自身、今年の8月からある企業で新卒学生の面接官を担当したなかで、華々しい学歴を持つにもかかわらず、自分を客観的に見る事が苦手だったり面接では全くしゃべることができずに自滅をしてしまっているケースをいくつも見かけました。

 引き続き中小企業をはじめとして新卒の募集を行っている企業は多いようですが、そんな中でも今回は、学歴は素晴らしいにもかかわらずなかなか就職ができない学生や、文系・理系学生の違いなどにも焦点を当てて、お話ししていきたいと思います。

成績優秀なのに就職できない人は
どこに問題があるのか


何が高学歴学生の内定を遠ざけているのでしょうか?
 エントリシートや履歴書に書かれる学歴は、やはり影響を与えやすい項目の一つと言えます。ハロー効果をはじめとして、難関大学を卒業しているというだけで「おっ」という気持ちになるのは、面接の場だけでなく、居酒屋などでの会話でもそうではないでしょうか。

 ですが、学歴だけで全てがパスされるかと言えば、決してそうではないのも事実です。難関大学の学生であればあるほど、受ける企業には手ごわいライバルが数多く存在しています。そして、学歴以外にも数多くの選考項目があり、その中に面接でなければわからない能力があります。

 基本中の基本ではありますが、当然コミュニケーション能力は、大切な選考項目の1つです。もちろん「コミュニケーション能力」はとても曖昧な言葉でありますが、ここでは「話す・聞く・察する」という意味合いで使っていきたいと思います。

 面接の場面で、「自分のことを話せない」「他者の質問を理解していない」「場を理解していない」のは致命的なマイナスポイントとなります。有名大学の学生だとしても、これらのことができていないと、やはり入社後に大きな懸念を残す事になります。つまり、コミュニケーションロスで、採用を逃している学生も多いのです。

 大学の成績(GPAなど)も優れており、専門分野に特化した勉強をしてきているにもかかわらず、そうした理由で不採用となってしまうのは非常にもったいない話です。しかし、実際にコミュニケーションロスによって仕事に支障をきたすケースは少なくありません。

 面接官に管理職が出てくる二次面接などにもなると、自身の部署の中で活躍できそうかという点も視野に入れて考えますし、コミュニケーションが取れない部下となるとこの先の不安の種にもなりかねません。

 これは、大学院で専門的な研究をしている理系学生だとしても同様です。研究者は粛々と研究だけをしていればいい時代は終わりました。今や、メーカーでは開発職であったとしても最初は営業に同行させるのが当たり前になっています。

 顧客のニーズに応えるために直接訪問をして「何に困っているのか」「何を軸に開発を進めるべきか」を肌で感じてもらうためだそうです。そういった意味でも、協働意識・チームワーク意識が重要になっており、その入り口としてもコミュニケーション能力が評価の対象になっているのです。

なぜ理系学生は文系学生より
コミュニケーションが苦手になりやすいか

 私自身、大学の講義等で学生に触れ合う機会があるのですが、やはり文系学生に比べると理系学生の多い授業の方がおとなしい印象を受けます。

 同様に面接の場面でも、文系学生が「ボランティア活動」や「世界一周」「ギネス挑戦」といった話をスラスラと言える中で、理系学生の中には「研究内容」を無表情で語る人も。極端かもしれませんが、そんなギャップを感じます。

 しかし、これは理系学生の能力が低いからではありません。単にコミュニケーションを積極的にとってこなかったという背景が大きく影響しているように思います。

 そもそも理系大学や理系学部の場合、講義自体の難易度や専門性が文系よりも高い場合がほとんどで、はじめから5年計画で卒業する予定というケースも存在します。

 さらに、学科によっては黙々とコンピューターと睨めっこをする講義もあれば、個別で淡々と実験を繰り返すという講義も存在します。その気になれば全く人と会話をしないままに講義を受けることも可能ですし、優秀な成績をとることもできます。つまり、人と会話をしない環境が苦でない場合には、より一層他者とのコミュニケーションを遠ざけてしまうこともあり、そうなってしまうと就職活動では非常に危険です。

 また、ホームページや文献などから決まっている答えを探してくるのは得意な半面、決まった答えのない課題(グループディスカッションでありがちな、会社の今後の方向性を話し合うなど)に対しては極端に苦手という場合も多いといえます。そこにコミュニケーションの経験値が少ないという要素が加われば、やはり面接でも不利に働くことになるでしょう。

 最近はキャリアデザイン講義も各大学で当たり前のように行われていますが、就職活動や今後の人生のためにも、学生時代にはコミュニケーションを実践的に行う必要があると言えるでしょう。

理系学部生が一番就職で苦労しやすい理由

 しかし、そんな理系学生も悲観的になる必要はありません。なぜなら、理系ならではの就職活動が存在するからです。それが「推薦制度」です。これは文系ではほとんどない就職活動のアプローチといえるでしょう。

 各校によって詳細は異なるものの、原則1人1枚しか発行できない推薦書を持つ学生は、企業から「うちの会社が第一志望」という受け止め方をされることになります。自由応募で数多くのライバルと戦う必要はなく、「御社が第一志望です」と語るまでもなく、志望度は高く評価されることになります。

 特に大学院生の場合には、より研究内容も絞り込まれ、学科や研究内容によっては企業からも逆指名が研究室に来る場合もあります。

 もちろんこうした学生を探すのには費用や時間もかかるというデメリットもありますが、企業側から見るとそれでも魅力的な部分はあります。大学院生という時点で真面目に勉学に取り組んだ実績があり、指向性がしっかりしているといったイメージがあるからです。あくまでイメージではありますが。これは冒頭の「難関大学に合格しているから優秀に違いない」に通じるハロー効果とも言えます。

 こうして考えてみた場合に、やはり就職活動では理系の学部生が不利になるケースは少なくありません。文系ほどコミュニケーションの経験に富んでいない上に、理系の大学院生ほど専門的な研究に携わっていないからです。だからこそ、自分自身の研究内容をきちんと話すことや、自分からコミュニケーションを積極的に取り続け、経験していくことが非常に重要になってきます。

 せっかく入学した有名大学の名前を活かすも活かさないも、自身のこれからの学生生活への向き合い方にかかっているとお伝えしています。そして有名大学でなくても落ちこむことはありません。今後、社会に出てからは、最終的には何をやってきたかが重要になってきます。出身校の評判を自ら上げていくような活動を自らから行うことも大切なのではないでしょうか。

 優秀そうだから就職できるわけではありません。学歴はあくまでも、これから羽ばたくための材料として使っていただきたいものです。

(キャリアプロデューサー 櫻井樹吏)
http://diamond.jp/articles/-/81004


18. 2015年11月04日 09:00:42 : Z4gBPf2vUA
芸は身を助けるということわざどおりだ

最後は職人が掌握するのだろう


19. 2015年11月04日 20:58:15 : 4bxwfEVfb6
向上心を持たず無能なままダラシナク生きてきた社会のお荷物は
安倍政権と真逆の政権ができたとしても脱奴隷できない
こんな自明の理を理解できないのがいるな
今更生活を改めろといっても無理な齢90の年寄りか・・・

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民102掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民102掲示板  
次へ