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日銀の金融政策決定会合は現状維持
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52745177.html
2015年10月30日 在野のアナリスト
塩野義製薬がインフルエンザの増殖を直接抑える新薬を開発、平成30年には市販したいとの発表を行いました。画期的な新薬で、厚労省も前向きに審査する、とのことでこれが実現すれば世界的な価値ある新薬、となります。一方で米国では、ウィルスをつかって癌を治療する薬が研究開発されています。ウィルスは細胞に入って増殖、細胞を壊しますから、癌細胞だけを標的として増殖するウィルスがあれば、それは癌治療の画期的な進歩ともなります。もしかしたら塩野義の新薬と、この癌標的ウィルスとの組み合わせで、新たな治療も可能となるかもしれません。
日銀の金融政策決定会合が開かれ、現状維持、物価見通しを16年度後半に後ズレ、となりました。株価は急落するも、急速に切り返して上げ幅が240円を超えるなど、上昇して引けています。ただこの動き「やっぱり」との声が出るほど、予想通りでした。日経225先物の買い方は、日系2社がワン・ツーを決める。政府は補正予算の概要を示す。日銀が緩和見送りすることを予期して、予め知って、政府と証券会社が下支えすることを画策していたことが顕著だったためです。
実は最近、黒田日銀総裁の評判はすこぶる悪い。サプライズ効果を求めるため、ボラティリティーが高まり、市場に安心して資金を置いておけない、それは売りも買いも。外国人投資家がヘッジ目的で先物、オプション市場に資金を置いておくことさえ、憚られるというのです。結果、日系の動きが目立つようになり、市場のイニシアティブをとれるようになり、今日のような動きも演出できる。ただこれはFOMC後の米株動きとまったく同じ、まるで示し合わせたかのようです。
黒田氏は「原油価格が緩やかに上昇」で、2%物価目標は達成されるとしますが、はっきり疑問です。例えば昨年7月31日のWTIは100$程度、ドルは103円です。昨晩のWTIは46$、ドルは121円。原油価格の急落を円安が相殺しており、逆に今後円高がすすむなら「緩やかに上昇」ぐらいでは吸収してしまうでしょう。円高がすすむ原因は、もし仮に原油高がすすむとすれば、日銀の追加緩和期待が萎むため、です。市場の調整機能が働いてしまうのです。原油高でもデフレがすすむなら、そもそも日銀の想定する波及経路がおかしい、となってやはり追加緩和期待は萎みます。
また黒田氏は「物価だけ上がればよいわけではない」と述べますが、最近の政府と歩調を合わせて賃上げ要請、という異例の発言をくり返す。自分たちの政策がおかしかったからと言って、他人にその辻褄合わせを依頼するのは恥ずかしいですし、またお願いする態度でもない。そもそも物価だけ上がったから生活苦となり、リセッションを二度も起こす可能性が高まるなど、任期中の金融政策に疑問符がつけられる事態となるのです。それはもう波及経路がおかしい、初めから、ということでもあって、バズーカの照準が狂っていたとしか思えない。「物価だけ上げる」目標しかもたなかったからこそ、「物価すら下がってきた」現在の状況が生まれているのです。
確かに9月コアCPIは-0.1%、コアコアCPIは1.2%なので、原油安の影響というのもその通りですが、ならばどうして市場で期待が盛り上がるのか? 一部には年末、年度末に2万円超え、という予想を立てた市場関係者が、自身の成績に直結するので日銀に助けて欲しい、という思惑もあるでしょう。しかしこれは市場との対話に失敗した姿、とも言え、「躊躇なく」をくり返すだけに、市場に資金をおくことを「躊躇する」という市場関係者がここ最近、一気に増えているのです。
黒田氏は、暗に『物価高』ではなく『株高』を目指していたことは、周知の事実です。その暗黙の目標は今回、政府、金融機関の助けで何とか維持できた。しかし肝心の外国人投資家は去り、上昇に弾みがつかず、ボックス相場から下方への圧力が強い状態となりました。これも市場との対話の失敗なのでしょう。黒田バズーカは癌細胞と同じ、市場にも一気に異常な考えが蔓延しましたが、景気後退期の物価高、というスタグフ症状が出てその増殖も止まりました。日本の金融政策にも、画期的な治療法が必要なのですが、まだその病根が残っている限り、中々切除も難しいため、悪影響はまだまだつづくことになってしまうのでしょうね。
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