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今の相場は「老齢期」、上昇しても短命だ 実体伴わない緩和相場は持続性に乏しい(東洋経済)
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/117.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 10 月 29 日 15:49:50: igsppGRN/E9PQ
 

大量の情報が瞬時に流れる時代だからこそ、大局的な視点を忘れないようにしたい(写真:ふじよ/PIXTA)


今の相場は「老齢期」、上昇しても短命だ 実体伴わない緩和相場は持続性に乏しい
http://toyokeizai.net/articles/-/90211
2015年10月29日 江守 哲 :エモリキャピタルマネジメント代表取締役 東洋経済


日本株は重要イベントを前に高値もみ合いの状況にある。先週からのECB(欧州中央銀行)による追加緩和示唆や中国の追加緩和により、市場は一気に緩和モードに傾いた。これをきっかけに、世界の株式市場は息を吹き返し、日本株も上値を試した。

しかし、その後は上値が重くなり、FOMC(米連邦公開市場委員会)や日銀金融政策決定会合の結果を待ちたいとする動きが強まった。ただし、前日に下げたこともあり、28日の日経平均株価は前日比125円高の1万8903円で取引を終えた。

■日銀の追加緩和の効果はやはり限定的

世界的に株価が回復基調にある中、日経平均株価は上昇基調回帰のポイントとなる1万9150円を超えられず、上値の重さがむしろ目立っている。10月最終週に重要イベントが目白押しとなっていたことも、警戒的な動きにつながったのだろう。

27・28日開催のFOMCでは、市場の予想通り利上げは見送られたが、問題は今後の政策である。年内利上げの可能性がくすぶる中、結果的に利上げが出来ない状況との認識になれば、いよいよ株価の本格的な調整は不可避となる。これまでは、利上げ見送りを株高要因とする動きが支配的だったが、さすがにそろそろこのような無理なロジックは通用しなくなろう。

一方日本では、30日開催の日銀金融政策決定会合での追加緩和決定への期待が高まっている。先にECBのドラギ総裁が、12月の追加緩和の可能性を示唆し、中国も追加緩和を発表したことで、日銀も追加緩和をしやすくなったとの楽観的な見方があるが、日本政府の現在の意図を考慮すれば、追加緩和はあり得ない。

またつい先日まで、黒田総裁自ら「景気や物価の基調はしっかりしている」と言明しており、その後すぐに追加緩和となれば、日銀の景気・経済分析の質が低いことを認めることになる。それでも追加緩和が実施されてしまえば、株価は上昇し、為替はドル高・円安に進んでしまうだろう。しかし、昨年同時期と違い、現状で追加緩和をした場合の効果は限定的との見方は多い。

一方で11月4日の郵政上場という一大イベントが控えており、株価を下げさせるわけにはいかないという事情もある。11月4日まで株価は持ちこたえる可能性はあるが、その後は「常識的な値動き」に移行しよう。

■アナログな投資スタイルに学ぶ

ところで、先日札幌で講演をさせていただく機会があった。投資家の方々のレベルの高さに大変驚いたのだが、最も印象的だったのがあるご年配の女性投資家の投資スタイルだった。この女性はインターネットを一切利用していないという。このご時勢でまさかと思ったが、パソコンも持っていないというから、さらに驚いた。

情報の仕入先はもっぱら新聞で、チャートも新聞紙上に出ているものを参考にしているという。ただし、大手証券会社のアナリストレポートを購読し、特にテクニカル分析に関するレポートを重視し、著名テクニカルアナリストのファンだという。また投資信託も購入することがあるが、その内容がわからないときには、投信会社に直接連絡し、不明な点をすべて聞き出すという。かなりアナログな投資スタイルだが、これで十分に利益が上がっているという。

ご本人は「情報が多すぎるし、この方が冷静に分析する時間が取れるから、このやり方で十分」と言っていた。われわれのように、日々市場に対している者は、世界のあらゆるところから繰り出される大量の情報や材料の分析に追われ、大局を見失いがちだが、このような投資スタイルこそが、いまの市場には不可欠なのかもしれない。

ちなみに、その女性投資家は「いまのような“割高な時期”には、証券マンにどんなに勧められても絶対に買わない」と言っていた。待機資金を保持しながら、大きく下落するのを待って買い、利が乗るのを待つ投資スタイルであることも影響しているのだろうが、なるほど、と納得した次第である。

■目先の材料に振り回されない

さて、上記のような投資スタイルの観点から、現在の市場環境を改めて見渡せば、やはり違和感のある相場展開、ということになるのだろう。「緩和相場」といってしまえばそれまでだが、いわば「カネ余り相場」である。実態を伴っていないのであれば、持続性にも乏しいものになる。

市場は「ドラギ・マジック」とはやしたて、強い株価上昇の材料が出たと強調しているが、むしろ逆なのであろう。ユーロ圏ではデフレ傾向が強まっており、ユーロ安に誘導することでインフレ率の引き上げを狙っている。しかし、緩和策により通貨が安くなっただけでは、インフレ誘導は不可能であることは、日銀の政策の失敗をみれば容易に理解できる。

現在の株式市場は、日柄的にみればいわば「老齢期」であり、上昇相場のファイナルステージにある。今後上昇するにしても押し目がなければ、上記の女性投資家のように買いたいと考えている投資家は買わないため、上昇は短命に終わってしまうだろう。日銀が追加緩和でサプライズを起こしても、投資家の反応は鈍く、「笛吹けど踊らず」といった結果になる。

筆者は、長い目で見れば、日本株は2019年に向けて大きく上昇していくと考えているが、今回の調整が終了しすぐに株価が上向くのではなく、半年から一年程度の調整局面が先に来るのではないかと考えている。目先の材料に振り回されず、いまこそより大局的な視点が必要であろう。そのため、いまは「この水準なら買っても大丈夫」と言える水準に調整が進むまで、冷静に市場動向を見極めるのが賢明のように思われる。

今後1週間の日経平均株価の予想レンジは、日銀による追加緩和がないという前提で、1万8200円〜1万9100円としたい。

 

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コメント
 
1. 2015年10月29日 17:07:34 : v1gbxz7HNs
捏造レートの円で計算しても仕方ない。ドル建てでチャートを描くといい。それ見て俺はノーポジになった。

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