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「潜在金利」で検証する日銀の金融政策 日本は再び「デフレ」に向かうのか!?(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/15/hasan102/msg/108.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 10 月 29 日 08:25:00: igsppGRN/E9PQ
 


「潜在金利」で検証する日銀の金融政策 日本は再び「デフレ」に向かうのか!?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/46094
2015年10月29日(木) 安達 誠司「講座:ビジネスに役立つ世界経済」 現代ビジネス


■日銀は追加緩和に踏み切るか?


日銀の金融政策決定会合が、30日(金)に開催される。1年前には、大方の予想に反して追加緩和(ハロウィン緩和)が実施された。今回の決定会合においても、追加緩和を期待する市場関係者が多いようだ。


金融政策決定会合で追加緩和が実施されるか否かはさておき、今回は、「潜在金利(シャドーレート)」という考え方を用いて、これまでの日銀の金融政策を振り返ってみたい。


「潜在金利」の考え方は、まだ発展段階である。特に、推定方法に技術的な問題があり、それほど多くの経済学者によって研究されているわけでもない。そのため、ある程度の幅をもってみていく必要があるのだが、今後の金融政策を考える際に有用な材料を提供してくれるものであると筆者は考えている。


2013年4月のQQE開始以降の金融政策は「概ね上手くいっている」というのが筆者の評価だが、黒田日銀の金融政策には賛否両論あるのも事実である。また、「100点満点」というわけではなく、当初想定していたような順調なデフレ脱却経路を歩んでいるともいえない。


このあたりの問題のヒントは、「潜在金利」の動きをみることで得られるかもしれない。そこで、まず、「潜在金利」について簡単に説明しよう。


■デフレ予想の強弱を示す「潜在金利」という考え方


「潜在金利」とは、ごく簡単にいえば、金利の「ゼロ制約」をはずした場合に市場でつくであろう金利水準を意味する。


世の中には、金利がゼロの「現金(および現金等価物)」が存在している。そして、中央銀行は現金の需要に対しては「受動的に」対応し、必要額を供給するので、一般的に金利はゼロ以下には低下しない(金融機関の担保等の特別な需要に対応して短期国債等にマイナスの金利が付くこともあるが、これはあくまでも例外である)。


なぜなら、マイナス金利とは、通常は金利を受け取る運用側(もしくは貸出側)が逆に金利を支払って資金を提供することを意味しているが、それならば金利がゼロでも現金を保有していた方が得だからである。すなわち、世の中に現金が存在する限り、金利水準はマイナスにはならない(ゼロ金利制約)。


この「ゼロ金利制約」をファイナンス理論の立場で考えると、債券の投資家は、金利がゼロになった時点で、保有する債券を現金と交換する権利(コール・オプション)を有しているとみなすことができる。このとき、「ゼロ金利」とは、投資家がそのコール・オプションを権利行使した結果とみなす。


そう考えると、理論的に、ゼロ金利とは、ゼロ金利制約が存在しない場合に成立すると想定されるマイナス金利と、金利がマイナスになった時点で権利行使されたコール・オプションの価値(金利で換算した)の合算値となる。


そして、この「マイナス金利」を「潜在金利」と定義する。当然だが、このときのコール・オプションの価値は、マイナス金利の絶対値(マイナスをはずした値)となる。なお、プラス金利の場合、現金に交換するコール・オプションの価値はゼロだから、潜在金利と名目金利は等しくなる。


ところで、金利ゼロの現金に交換する権利(オプション)にプラスの価値が発生するということは、マクロ経済学的に考えると、それだけ、将来的にデフレが進行する可能性が高いと投資家が判断していることを意味する。


将来、デフレが進行すると予想すれば、現金の実質的な価値は無リスクで高くなっていく。そのため、現金の需要が高まるのである。つまり、「潜在金利」は、(債券)市場におけるデフレ予想の強弱を示しているといえる。


そして、金融政策面から考えると、このオプション価値がゼロになれば、将来のデフレ予想が市場から完全に一掃されたことを意味するので、潜在金利はゼロ以上になることが、デフレ脱却のサインとなる。


この「潜在金利」のうち、翌日物金利に相当するものを「潜在政策金利」と呼ぶことにする。その計算方法は、いくつか提案されているが、ニュージーランド準備銀行のレオ・クリップナー氏の試算によれば、今年9月末時点の日本の「潜在政策金利」の水準は「-4.78%」であった(ちなみに、米国は-0.53%、イギリスは-0.76%、ユーロ圏は-4.03%)。


■日本では「デフレ予想」が再び強まりつつある


ところで、今回は、リーマンショック以降の「潜在政策金利」の推移をみるが、日本の「潜在政策金利」にはいくつかの特徴があることがわかる(図1〜4)。これを列挙すると以下の通りとなる。



1) マネタリーベース残高の動きとは必ずしも相関しない


紆余曲折があったが、リーマンショック以降、日銀の金融政策の直接の目標は、マネタリーベース残高(もしくは日銀当座預金残高)となった。だが、「潜在政策金利」の動きは、必ずしもマネタリーベース残高と相関しない。これは、必ずしも単純にマネタリーベース残高を増加させればデフレ脱却が実現するわけではないことを意味する。


ただし、マネタリーベースの供給ペースの拡大は、「潜在政策金利」を上昇させる効果を有していることは確かであり、マネタリーベース残高と「潜在政策金利」が全く無関係(すなわち、量的緩和の効果はない)ということでもない点には注意する必要がある。



2) 2013年4月のQQE(量的質的金融緩和)、および2014年10月の追加緩和(「ハロウィン緩和」)は、「潜在政策金利」を上昇させた。すなわち、金融政策はデフレ脱却に効果を示した


この両局面では、いずれも株高や円安が実現した。ただし、QQEの局面では、QQE開始以前(2012年10-12月期)から既に株高・円安局面が始まっていたが、これはデフレ脱却に金融政策の積極的な関与を指摘した安倍晋三自民党総裁(当時)のリフレーション政策へのコミットメントの強さと政権交代の可能性を市場がQQE実施前に織り込んだためだと考えられる。



3) 2010年10月の「包括的な金融緩和」も、「潜在政策金利」を上昇させた


株価もわずかに上昇したが、2011年3月の東日本大震災後、日銀はそれまで増やしてきたマネタリーベースを資金吸収によって減少させた。これをきっかけに「潜在政策金利」はマイナス幅を急拡大させ、為替レートも円高を加速させ、日本経済のデフレ圧力は危機的な水準にまで高まった。



4) 2013年4月のQQE後、「潜在政策金利」はピークアウトし、「ハロウィン緩和」実施後の2014年11月まで低下した


きっかけは、2013年5月の円高・株価調整であった。その後、円高、株価調整は終了したが、その後の為替レートと株価の動きは鈍くなった。そして、それに伴い、安倍政権発足直前の2012年終盤から始まった景気の回復もペースダウンした。


2014年5月のマーケットの調整は、米国での「バーナンキショック(FRBが「テーパリング」を開始する旨の発言を行う)」に伴う市場の「リスクオフ」局面入りがきっかけとなったが、それとほぼ同時に、公的年金が、大量の株式売却を行ったことも大きかったと考えられる。


これは、当時、公的年金の基本的な資産配分において、日本株のウェートがデフレ時と変わっておらず、2012年終盤からの株価急騰によって、資産配分計画の上限を越えてしまい、制度運営上、日本株を売却しなければならなくなったためだと推測される。


リフレーション政策の初期の効果の一つとして株高が指摘できるが、これを公的年金のデフレ対応型の資産配分計画が阻害してしまった可能性がある(公的年金の資産配分計画は、企業年金等の私的年金の資産配分計画のベースとなっている点にも注意)。


同時期の「潜在政策金利」が低下したもう一つの原因は、2014年4月からの消費税率引き上げであると考えられる。安倍首相は、2014年4月からの消費税率引き上げを2013年10月に決定し、発表した。


ちょうどその時期に、株価の回復や円高一服など、「潜在政策金利」を引き上げる環境が一時整いつつあったが、2013年10月時点の消費税率引き上げの決定をきっかけに「潜在政策金利」は再び低下基調を強めた。


5) 2014年4月の消費税率引き上げ後、景気回復ペースの鈍化が確認されると、「潜在政策金利」は下げ足を強めた


2014年10月の「ハロウィン緩和」は、株高と円安の動きを加速させ、これに伴い、「潜在政策金利」の水準を引き上げたという点で、量的緩和の効果を発現させた。だが、景気には大きな効果を発揮することができなかった。


6) 最近の「潜在政策金利」の低下は、不安定なマクロ経済環境を反映したものである可能性が高い


例えば、企業の予想インフレ率の低下が企業にとっての実質金利を上昇させ、設備投資の減速に波及している可能性については、10月15日の当コラムで指摘した通りである(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45822)。


***


以上より、推計された「潜在政策金利」の動きをみる限り、日本では「デフレ予想」が再び強まりつつあるようだ。このことは、日銀による追加緩和の必要性が高まっていることを意味している。


■量的緩和の効果を阻害する問題点


追加緩和の手段については様々な議論があるが、「潜在政策金利」というテーマとは直接関係ないため、今回は言及しない。


ただ、直近の「潜在政策金利」が-4.78%であるということから導き出せるインプリケーションは、「日本がマイナス金利政策を導入するとすれば、-4.78%を大きく上回るマイナス幅にしなければ効果はない」という点ではなかろうか。


なぜなら、「潜在政策金利」は国債のイールドカーブを元に算出するが、このことは、現在の債券市場が、既に-4.78%のマイナス金利を織り込んで、金利形成がなされていると解釈できるためである(そのため、10年超の長期国債利回りが0.3%を割り込むような低水準で推移していると考えられる)。


これは、「政策手段」としてのマイナス金利を否定するものではないが、例えば、「-5%のマイナス金利」というのは現実的に実行可能であるとは考えにくい。


また、これまでの「潜在政策金利」の推移をみて感じるのは、「教科書」的な量的緩和の効果を阻害する制度上、政策上の問題が日本には存在するようにみえる点である。


例えば、筆者は、公的年金の中長期的な資産配分計画が他の私的年金の資産配分を制約し、量的緩和の重要な波及経路の一つである「ポートフォリオリバランス効果」を阻害したのではないかと考えている。また、十分にデフレを克服する前に消費税率引き上げを実行してしまったことも、デフレ解消を阻害したのではないかと考える。


そうすると、今後は、量的緩和の効果を削ぐ制度的な仕組みや逆進的な政策は、それが平常時には必要なものであっても一時的に封印し、当面は「経済政策のすべてをデフレ解消に集中させる」という方法が必要になってくる、という考え方もできよう。


もっとも、米国やイギリスのように、量的緩和によるデフレ圧力の払拭と財政再建のための歳出削減や増税の両立に成功しつつある国もある。ただ、これらの国では、今の日本以上の量的緩和を実施したと考えられる。そのため、現状の量的緩和をさらに拡大させていくというのも、一つの手ではある。


いずれにせよ、日本がデフレ克服からリフレーション政策の「出口」へ到達するためには、「もう一工夫」が必要な局面になってきたのではないか。



 

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コメント
 
1. 2015年10月29日 08:54:56 : OO6Zlan35k
ドル全面高、FOMCは12月に利上げ判断へ=NY市場

[ニューヨーク 28日 ロイター] - 28日のニューヨーク外為市場では、ドルがユーロなど主要通貨に対して全面高となった。米連邦準備理事会(FRB)は27─28日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で事実上のゼロ金利を予想通り据え置いたが、12月の会合で利上げ判断を行うと述べた。

声明は利上げについて雇用とインフレの進展度合いによるとし、12月の利上げが改めて意識されることとなった。また、世界経済が経済活動を抑制するという文言が削除された。

ユーロ/ドルEUR=は8月初め以来の1.08ドル台に下落後、終盤は1.2%安の1.0915ドルでの取引。ドル/円JPY=は121円台に上昇、終盤は0.6%高の121.16円となっている。

ドル/スイスフランCHF=も3月半ば以来の0.9959フランを付け、終盤は0.9%高の0.9949フラン。またポンド/ドルは約2週間ぶり安値水準で取引されている。

ドイツ銀行(ニューヨーク)でFX戦略部門のグローバル責任者を務めるアラン・ラスキン氏は、FOMCの結果について「ドルにとっては非常に大きな支援材料だ」としたうえで、「FRBの政策は中国やユーロ圏での緩和策などとは一線を画すだろう」と述べた。

一方、FRBが12月に利上げに踏み切れるかについては懐疑的な見方もある。バークレイズは調査ノートで、FRBのトーンはタカ派的だが、弱いインフレや新興市場で続く混乱により、利上げは来年3月まで後ずれするかもしれないとの見方を示した。

メルク・インベストメンツの社長兼主席投資オフィサー、アクセル・メルク氏は「結局のところ、FRBが利上げできなかった理由は利上げで巻き起こされる市場の懸念であって、中国(の景気減速)などが理由ではない」と指摘する。

同氏は「FRBは無駄な努力をしている。一つの決断をすると、また後戻りする。12月に利上げを試みるだろうが、それが今回うまく行くか見ものだ」と語った。

FOMC声明発表後、CMEフェッドウォッチによると米金利先物市場が織り込んでいる12月利上げの確率は43%、声明前の34%から上昇した。また、来年1月の確率は50%以上となっている。

ドル/円    終値   121.06/13

始値   120.54/59

前営業日終値   120.47/49

ユーロ/ドル  終値   1.0923/28

始値   1.1070/74

前営業日終値   1.1044/49
http://jp.reuters.com/article/2015/10/28/ny-forex-idJPKCN0SM2VQ20151028


米国株式市場は急反発、FOMC声明受け
 10月28日、米国株式市場は急反発。主要株価3指数はそろって1%超上昇してこの日の取引を終えた。写真はニューヨーク証券取引所。19日撮影(2015年 ロイター/Brendan McDermid)
 10月28日、米国株式市場は急反発。主要株価3指数はそろって1%超上昇してこの日の取引を終えた。写真はニューヨーク証券取引所。19日撮影(2015年 ロイター/Brendan McDermid)
[ニューヨーク 28日 ロイター] - 28日の米国株式市場は急反発。主要株価3指数はそろって1%超上昇してこの日の取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)は同日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で事実上のゼロ金利の据え置きを決定したものの、声明では12月の利上げが依然あり得ることを強調した。

ダウ工業株30種.DJIは198.09ドル(1.13%)高の1万7779.52ドル。  ナスダック総合指数.IXICは65.54ポイント(1.30%)高の5095.69。  S&P総合500種.SPXは24.46ポイント(1.18%)高の2090.35。

主要株価指数はFOMC声明の発表直後に大きく下げた。だが、投資家はFOMC声明について、米国経済は利上げに耐えることができるとFRBが確信しているというシグナルと受け止め、株価は急速に持ち直した。

ITGのリサーチ・セールス・トレーディング部門を率いるマイケル・マラレ氏はFOMC声明について「(株式市場の)即座の反応は下落だった。しかし、FRBが米国経済に対する自信を強めると同時に海外情勢に対する懸念を弱め、米経済の長期的な健全性を明示するために利上げに前向きになっていることは望ましい構図と考える」と述べた。

セクター別では、FOMC声明を受け、金利上昇で恩恵を受ける金融株が買われ、S&P金融株指数.SPSYは2.4%上昇した。一方、金利上昇局面で軟調になりやすい公益株は売られ、S&P公益株指数.SPLRCUは1.1%低下した。原油相場の上昇を好感してS&Pエネルギー株指数.SPNYは2.2%上げた。

個別銘柄では、前日に市場予想を上回る四半期決算を発表したアップル(AAPL.O)が4.1%上昇し、主要株価指数を支えた。

短文投稿サイトのツイッター(TWTR.N)は1.5%安。インターネットコンテンツ配信サービスのアカマイ・テクノロジーズ(AKAM.O)は16.7%急落。両社とも前日に発表した四半期決算が失望を誘う内容だった。

騰落銘柄数はニューヨーク証券取引所が上げ2428で下げ645(比率は3.76対1)、ナスダックは上げ2252で下げ605(3.72対1)だった。トムソン・ロイターのデータによると、米取引所の合計出来高は約85億株で、過去20営業日平均の72億株を上回った。

(カッコ内は前営業日比) ダウ工業株30種(ドル).DJI

終値     17779.52(+198.09)

前営業日終値    17581.43(‐41.62)

ナスダック総合.IXIC

終値     5095.69(+65.54)

前営業日終値    5030.15(‐4.55)

S&P総合500種.SPX

終値     2090.35(+24.46)

前営業日終値    2065.89(‐5.29)
http://jp.reuters.com/article/2015/10/28/us-stock-idJPKCN0SM2W220151028


米FOMC、再び金利据え置き 12月利上げに照準
[ワシントン 28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は28日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、事実上のゼロ金利を据え置いた。だが次回会合について直接言及し、12月の利上げが依然あり得ることを強調した。

声明は「次回会合でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標の引き上げが適切かどうかを判断するに当たり、委員会は完全雇用および2%のインフレ目標に向けた進展について、実績と予想の両方を評価する」と言明した。

また最近の国際金融市場の混乱については重視する立場を示さず、労働市場の伸びは鈍化したものの、米経済の雇用創出能力に対する信頼は揺らいでいないとの認識も示した。

FRBは利上げ時期を引き続き探っていると投資家は考えていたが、12月会合に直接言及した点については驚きを持って受け止められた。

短期金利先物市場では12月の利上げ観測が高まり、47%の確率を織り込む水準となった。声明発表前は34%だった。

ソシエテ・ジェネラルの米経済担当チーフエコノミスト、アネタ・マルコフスカ氏は「市場をその方向へとそっと促しながらも、全般的な金融状況を引き締めないよう加減しており、繊細な舵取りだ」と指摘。

「次回会合に具体的に言及することで、FRBは市場を動揺させることなく瀬踏みしている」と述べた。

声明発表を受けた金融市場の反応は、引き締め観測を背景にドルが急伸する一方、米国債利回りは大幅上昇。米株は当初の上げを削った後、終盤の取引では持ち直している。

FRBは、海外の経済、金融動向を引き続き注視するとしながらも、9月の声明にあった世界経済をめぐるリスクが米経済に与える潜在的な影響については言及しなかった。

雇用市場については伸びが鈍化し、失業率は安定したと指摘。「労働資源の活用不足は減少した」との文言を前回から踏襲した。

「委員会は経済活動および労働市場の見通しをめぐるリスクはほぼ均衡していると引き続きみている」とし、米経済は緩やかなペースで拡大していると指摘した。

また声明では、低水準のインフレ率が目標の2%に戻るとの「合理的な確信」を持ちたいとの文言が繰り返された。

FRBは12月利上げの是非を判断する上で、第3・四半期の国内総生産(GDP)や10・11月の雇用統計など、2カ月分の指標を精査する。

また欧州中央銀行(ECB)や日銀、中国人民銀行(中央銀行)の緩和策による金融市場への影響も見極める。ECBが先週、追加緩和を示唆するとドルは3%上昇した。ドル高による米輸出の下押しやインフレ抑制の影響も勘案する必要がある。

今回の決定について、米リッチモンド地区連銀のラッカー総裁が前回に続き反対票を投じた。
http://jp.reuters.com/article/2015/10/28/us-fed-fomc-idJPKCN0SM2JL20151028?sp=true


 

米FOMC声明全文

[ワシントン 28日 ロイター] - 9月の連邦公開市場委員会(FOMC)以降に入手した情報は、経済活動が緩やかなペース(moderate pace)で拡大したことを示唆している。家計支出と企業の設備投資はここ数カ月間に確実な速度(solid rate)で増え、住宅部門は一段と改善した。

しかし、純輸出は軟調だった。就業者数の増加ペースは鈍化し(pace of job gains slowed)、失業率は安定的だった(unemployment rate held steady)。それでもなお、労働市場の指標は、総じて(on balance)労働資源の活用不足が今年初め以降に減少したことを示している。インフレ率はエネルギー価格とエネルギー以外の輸入価格の下落を部分的に反映して、委員会の長期的な目標を下回り続けた。将来のインフレを示す市場ベースの指標はやや(slightly)低くなり、調査に基づいた長期的なインフレ期待の指標は引き続き安定している。

委員会は法律上与えられた責務に従って、雇用最大化と物価安定の促進を目指す。委員会は適切な政策緩和によって経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の指標は委員会が二大責務と合致していると判断する状態に引き続き向うと予測している。委員会は経済活動の見通しと労働市場にとってのリスクはほぼ安定していると引き続きみているものの、世界経済と金融市場の動向を注視している。インフレ率は短期的には最近の低い水準近くにとどまると予想されるが、委員会は、労働市場がさらに改善し、エネルギーや輸入価格の下落による一時的な影響が消えれば、インフレ率は中期的に徐々に2%に向かって上昇すると予測する。委員会は引き続きインフレ率の動向を監視する。

最大雇用と物価安定に向けて続く進展を支えるため、委員会は本日、現行のゼロから0.25%というフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジが適切であるとの見解を再確認した。この目標誘導レンジを次回の会合で(at its next meeting)引き上げることが適切かどうかを決めるに当たって、委員会は最大雇用とインフレ率2%の目標に向けた進展について実績と予測の両方を評価する。この評価は、労働市場の状況に関する指標、インフレ圧力やインフレ期待の指標、金融動向や国際情勢の解釈を含む幅広い情報を考慮する。委員会は、労働市場のさらにいくらかの改善を確認し(has seen some further improvement)、中期的にインフレ率が2%目標に向かって戻るとの合理的な確信が持てた(is reasonably confident)時に、FF金利の目標誘導レンジを引き上げることが適切になると予測する。

委員会は保有する政府機関債とエージェンシー発行モーゲージ債(MBS)の償還元本をMBSに再投資し、米国債の償還金を新発債に再投資する既存の政策を維持する。委員会による長期証券の保有を相当な水準で維持するこの政策は、金融環境を緩和的に保つ上で役立つはずだ。

委員会が政策緩和を解除すると決める時には、最大雇用と2%のインフレという長期目標と合致するバランスの取れた方策を取る。委員会は、雇用とインフレが責務に合致する水準に近づいた後も、経済状況は当面、FF金利の誘導目標を委員会が長期的に正常とみなす水準を下回るレベルに維持することを正当化すると現在想定している。

政策決定の投票で賛成したのは、ジャネット・イエレン委員長、ウィリアム・ダドリー副委員長、ラエル・ブレイナード、チャールズ・エバンス、スタンレー・フィッシャー、デニス・ロックハート、ジェローム・パウエル、ダニエル・タルーロとジョン・ウィリアムズの各委員。反対はジェフリー・ラッカー委員で、今回の会合でFF金利の目標誘導レンジを25ベーシスポイント引き上げることが好ましいと考えた。
http://jp.reuters.com/article/2015/10/28/fomce-statement-idJPKCN0SM2VI20151028

ニュージーランド中銀が金利据え置き、追加緩和に含み
[ウェリントン 29日 ロイター] - ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は29日、政策金利を2.75%に据え置いた。据え置きは市場の予想通りだった。中銀は3回連続で利下げを実施していたが、追加利下げに含みを残した。

中銀は声明で「インフレ率平均値を目標レンジの中央近辺で安定させるため、追加利下げを行う可能性が高い」と発表した。

「政策決定は今後発表される経済指標次第で、現時点では状況を見極めることが適切だ」とした。

さらに、ニュージーランド(NZ)ドルの上昇基調が続けば、金利引き下げが必要になると指摘した。

また、中国やアジア各国の経済成長めぐる懸念が引き続きあるとの認識を示した。

中銀は「(NZドル)相場は9月以降上昇を続けており、今後もこの基調が続けば、貿易セクターの活動や中期インフレを圧迫する可能性がある」とし、NZドル高が続けば追加利下げが必要になるとの認識を示した。

ニュージーランドの経済は今年に入り、世界的な乳製品価格の下落や最大貿易相手国の中国の景気低迷の影響を受けている。一方、観光部門の好調や移民増加により国内サービス部門は回復しつつあり、一部の乳製品価格も値上がりし始めている。

ただ中銀は、こうした状況が今後も続くかどうかはまだ見極められないと指摘した。

また、インフレ率は目標レンジを下回っているが、来年初めまでにはレンジ内に上昇するとの見方を示した。その上で、インフレ率を目標レンジ内で安定させるため、追加緩和を行う可能性が高いとの認識を強調した。
http://jp.reuters.com/article/2015/10/28/rbnz-idJPKCN0SM2WK20151028


2. 2015年10月29日 10:11:10 : xEBOc6ttRg
ドルが上昇、FOMC声明受け12月利上げ観測強まる−121円台前半
2015/10/29 08:22 JST

    (ブルームバーグ):日本時間朝の外国為替市場ではドルが上昇。対円では1ドル=121円台前半に水準を切り上げて推移している。米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明を受けて12月の利上げ観測が強まったことを背景にドル買いが進んだ海外市場の流れを引き継いでいる。
29日午前8時12分現在のドル・円相場は121円10銭付近。前日の海外市場ではFOMCの結果公表前に120円07銭までドル安が進んだが、公表後には一時121円26銭と2営業日ぶりのドル高値を付けた。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は海外で一時1219.81と、8月7日以来の水準に上昇した。
三菱東京UFJ銀行経済調査室のチーフ米国エコノミスト、栗原浩史氏(ニューヨーク在勤)は、FOMC声明について、「景気の現状判断は据え置かれて、一部上方修正されたところもあったし、海外情勢の話が見通しの部分から大部分消えたり、12月に利上げを検討するというように表現を変えたりもしたので、全体として思っていたよりちょっとタカ派的だった」と指摘。これを受けて市場は金利上昇、ドル高で反応したと説明する。
FOMCは27、28日の定例会合で政策金利のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の据え置きを決定した。声明では経済はなお「緩やかな」ペースで拡大していると指摘。年内の行動は約束していないが、次回12月の会合で政策金利引き上げを検討すると表明した。9月会合の声明で盛り込まれた「最近の世界的な経済・金融情勢は 経済活動をやや抑制する可能性がある」との文言は削除。国際情勢を注視しているとの表現のみにとどめた。次回会合での利上げの可能性については、責務達成に向けた進展を「現状と予測の両面から精査する」との考えを示した。
栗原氏は、「景気の現状判断のところで個人消費と設備投資も表現が少し強められていて、足元の経済指標やベージュブックなどに比べるとやや乖離(かいり)があるというような、強くしているという印象を受けた」と言い、「経済指標の改善が短期的にどこまで伴ってくるのか、そういったところが必要だと思うので、そういう意味でドル上昇の持続性についてはちょっと不透明かもしれない」とみる。
一方、日本銀行は30日に金融政策決定会合を開く。ブルームバーグが21日から26日にかけてエコノミスト36人を対象に行った調査によると、16人が追加緩和を予想している。同時に経済・物価情勢の展望(展望リポート)で2017年度までの成長率と生鮮食品を除くコア消費者物価(CPI)の見通しが公表されるが、いずれも下方修正は必至で、「16年度前半ごろ」としていた2%達成時期も先送りする公算が大きい。
経済産業省はこの日、9月の鉱工業生産指数を発表する。市場予想の中央値では前月比0.6%低下が見込まれており、3カ月連続でマイナスとなる可能性がある。予想通りとなれば、7−9月の国内総生産(GDP)も2四半期連続でマイナス成長に落ち込むとの見方につながり、日本経済はリセッション入りの懸念が一段と強まる。
関連ニュースと情報:トップストーリー:TOP JK
記事についての記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 kmiura1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 青木 勝, 山中英典
更新日時: 2015/10/29 08:22 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NWYD9S6JIJVG01.html

寄り付きの日経平均は続伸、3営業日ぶり1万9000円回復
[東京 29日 ロイター] - 寄り付きの東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比143円14銭高の1万9046円16銭となり、続伸して始まった。米連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表後の米国株高や円安進行を好感した買いが入り、3営業日ぶりに1万9000円台を回復した。

ただ足元ではシカゴの日経平均先物清算値を下回って推移している。石油関連や機械など外需関連の一角が上昇。空運、証券業は安い。

寄り前に発表された国内の9月鉱工業生産指数速報値は前月比1.0%の上昇。0.5%低下としていたロイターの事前予測調査を上回った。発表を受け寄り前に日経平均先物が下落。為替もややドル安/円高方向に傾いた。予想を上回る鉱工業生産速報値を受け、日銀による追加緩和の期待感が一部はく落したとみられている。
http://jp.reuters.com/article/2015/10/29/nikkei-open-idJPKCN0SN01B20151029


日本株は続伸へ、米国の景況堅調と利上げ猶予−輸出、資源中心買い
2015/10/29 08:02 JST

    (ブルームバーグ):29日の東京株式相場は続伸する見通し。連邦公開市場委員会(FOMC)で米国の景況感について安心感が広がる一方、次回12月会合まで利上げ実施の判断が猶予された。為替もドル高・円安方向で推移と投資家の間でリスク選好姿勢が広がりやすく、輸送用機器や電機など輸出関連、国際原油市況の反発を受けた鉱業、石油など資源株中心に買いが優勢となりそうだ。
いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、FOMCの「声明としてはベストだった。景況感は良いが、現時点では利上げを見送っている。景況感は強くて次は利上げをしたいといっても、できないだろうとマーケットはみている」と言う。
米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物(円建て)の28日清算値は1万9180円と、大阪取引所の通常取引終値(1万8930円)に比べ250円高だった。
FOMCは27、28日に開いた定例会合後の声明で、政策金利を据え置いたと発表した。経済はなお緩やかなペースで拡大している、と指摘。年内の行動は約束していないが、次回12月の会合で政策金利引き上げを検討すると表明した。
声明を受け、為替市場ではドルが主要通貨の大半に対し上昇。けさのドル・円相場は1ドル=121円10銭付近と、前日の日本株市場の終値時点120円40銭に比べ円安方向で推移する。ブルームバーグがまとめた金利先物データによると、年内に利上げが実施される確率は46%と、声明発表前の37%から上昇した。
米主要株価3指数の28日終値は、S&P500種株価指数が1.2%高の2090.35、ダウ工業株30種平均が1.1%高の17779.52ドル、ナスダック総合指数が1.3%高の5095.69とそろって上昇。欧州も、ストックス欧州600指数が1.1%高と堅調だった。
きょうの日本株は、過度な米景気懸念の後退と当面の過剰流動性の継続、欧米株高、円安推移を好感し、輸出関連株が上昇して始まる公算が大きい。また、鉱業や石油、商社など資源株も高くなりそうだ。28日のニューヨーク原油先物は6.3%高の1バレル=45.94ドルと急反発し、8週ぶりの大幅高。米製油所の稼働率上昇は整備・点検シーズンの終了示唆と受け止められ、原油の需要が高まるとの期待された。
いちよしアセットの秋野氏は、企業決算を受けた選別投資の動きも続くとし、「米アップルが上がっているため、電子部品などが戻るかもしれない。自動車は良い決算が続いているため、買われやすく、機械は買い戻しが入りやすい」とみている。
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更新日時: 2015/10/29 08:02 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NWYCE86JIJUP01.html


鉱工業生産は予想外の上昇、9月−「一進一退で推移」に判断修正
2015/10/29 09:02 JST

    (ブルームバーグ):9月の鉱工業生産(速報値)は予想外の上昇に転じた。化学工業や、電子部品・デバイス工業がプラスに寄与した。
経済産業省が29日発表した生産指数は前月比で1.0%上昇。経産省は「総じてみれば、生産は一進一退で推移している」と判断を修正した。8月は「総じてみれば、生産は弱含んでいる」だった。ブルームバーグによる予想中央値は0.6%減少だった。出荷指数は同1.3%上昇、在庫指数は0.4%低下。製造工業生産予測指数は10月が4.1%上昇、11月は0.3%低下になった。
この生産指数に続き9月の消費者物価指数が30日に発表される。いずれも日本銀行が30日に開催する金融決定会合で政策を判断する際の検討要素になる。景気の先行きには不透明感が広がっている。一方でエネルギーを除くと物価が上昇している上、政治的圧力も高まらずにおり、追加緩和についての市場参加者の見方は分かれている。
指標発表前に伊藤忠経済研究所の武田淳主任研究員は、ブルームバーグの取材で「鉱工業生産は7−9月期に日本経済がマイナス成長となる可能性、リセッションの可能性を示唆するだろう。輸出は依然として軟調だし、設備投資には陰りがある」と指摘。その上で30日の決定会合で「追加緩和の可能性はある」との見方を示していた。
関連ニュースと情報:浜田内閣参与:日銀は緩和必要ない、エネルギー除く物価上昇する限り柴山首相補佐官:30日の日銀会合での追加緩和、「不思議ではない」日銀追加緩和で市場予想は拮抗、「30日なし」が若干優勢−サーベイ日本のトップニュース:TOPJ
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更新日時: 2015/10/29 09:02 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NWX35G6TTDS401.html


鉱工業生産速報、9月は前月比+1.0% 予想上回り3カ月ぶり上昇

[東京 29日 ロイター] - 経済産業省が29日発表した9月鉱工業生産指数速報は前月比1.0%上昇した。3カ月ぶりの上昇となった。ロイターの事前予測調査では前月比0.5%低下と予想されていたが、発表数値は予想を上回った。

生産予測指数は10月が前月比4.1%上昇、11月が同0.3%の低下となった。

経済産業省は生産の基調判断を「弱含んでいる」から「一進一退で推移している」に上方修正した。

市場では「在庫調整と一部通信機器の生産が寄与していったん盛り返した格好だ。

ただ、一部セクターでは、中国景気減速の影響が色濃く出ており、先行きの楽観視は禁物だ」(国内金融機関)との見方が出ている。
http://jp.reuters.com/article/2015/10/29/iip-sep-idJPKCN0SN01120151029

米FOMC、12月利上げの可能性残す:識者はこうみる

[28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は28日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で、事実上のゼロ金利を据え置いた。だが世界経済による逆風については重視する立場を示さず、12月の利上げの可能性を残した。

市場関係者のコメントは以下の通り。

●想定よりタカ派、年内利上げの妥当性高まる

<大和証券 ストラテジスト 弘中孝明氏>

今回の声明文では、海外景気に対する懸念が後退する一方、個人消費や設備投資に対する認識は堅調で、想定よりタカ派の印象だ。コア資本財など足元の経済指標をみる限り、それほど強くはないが、今後上向いていく見通しを描いているのだろう。年内利上げの妥当性は高まったとみている。もっとも12月に利上げに踏み切れなかった場合、想定していたほど米景気がよくない、もしくはFRBの景気認識が間違っていたとの見方につながり、波乱要因となりかねない。

市場にとっては、金融政策の不透明感が払しょくされたことが好感されやすい。米利上げは新興国市場にとっては逆風かもしれないが、日本株を含む先進国市場にとってはポジティブに作用するだろう。

●年内利上げに市場は疑心暗鬼、ドル/円はレンジ継続

<マネックス証券 シニア・ストラテジスト 山本雅文氏>

米連邦公開市場委員会(FOMC)声明は、12月会合での利上げ開始に含みを残した。ただ、現時点では、年内利上げの現実味は五分五分といったところだろう。市場の見方も、フェデラルファンド(FF)金利の織り込みはFOMC前に比べ1割程度上昇したが、それでも約4割にとどまっている。

実際に利上げに乗り出せるかどうかは経済指標次第という状況に変化はない。雇用や小売り、耐久財などが弱く物価基調が弱まれば利上げしない可能性はなお残っている。

7─9月期の米国内総生産(GDP)や日銀会合を経ても、ドル/円は118─122円のレンジを抜けられず、年内はこのレンジでの相場が継続するのではないか。

ドル/円は上昇し、米株はV字回復となっている。日経平均株価も上昇していくなら、日銀が追加緩和を急ぐ必要性は低下する。今回の金融政策決定会合での追加緩和は見送りになる可能性の方が高いとみている。

●予想通り、一段とタカ派的

<ヘリテージ・キャピタル(コネティカット州)のポール・シャッツ社長兼最高投資責任者(CIO)>

FOMC声明は予想通りの内容だった。FRBが利上げに踏み切らないことは織り込み済みだったが、FRBは中国やアジアに重点を置いた前回のハト派的な声明から脱却し、12月利上げへの道筋をつける必要があった。今回の声明は前回よりも一段とタカ派的とみられる。

●市場の利上げ警戒感が据え置きの理由、12月を注視

<マーク・ハードカレンシー(米カリフォルニア州)の社長兼ポートフォリオマネジャー、氏アクセル・マーク氏>

予想通りだった。9月のFOMCでは市場の状況を理由に利上げに踏み切らなかった。現在は市場は落ち着いているが、FRBは今回も利上げには動かなかった。

FRBが利上げに踏み切らないのは、中国などの状況が理由ではなく、FRBの利上げに対する警戒感が市場に出ていることが理由だ。つまり、自分で自分の尻尾を追いかけているような状態にある。このため、ある方向に向けて一歩踏み出すと、結局一歩後退せざるを得なくなっている。

12月も同様のことを繰り返してうまく行くのか、見守りたい。

●12月利上げに含み、明確なシグナルなし

<ソシエテ・ジェネラル(ニューヨーク)の首席米国エコノミスト、アネタ・マルコフスカ氏>

(利上げ)方向に市場を促しつつも、金融状況の全般的な引き締めにつながらないよう配慮しており、非常に賢明なやり方とおもわれる。とりわけ(12月)会合に言及することでさらりと市場の反応をうかがいつつ、市場を驚かせてはいない。利上げの可能性に含みをもたせながら、可能性があることだけを示し、必ずしも12月利上げのシグナルを明確に表しているわけではない。

●FRB、利上げで米経済の健全性示すべき

<ITGのリサーチ・セールス・取引主任、マイケル・マラレ氏>

FOMCを受け、株式市場の即座の反応は下落だった。しかし、FRBが米経済に対する自信を強めると同時に海外情勢に対する懸念を弱め、米経済の長期的な健全性を明示するために利上げに前向きになっていることは望ましい構図と考える。

米経済は(健全性に関し)FRBから承認を取り付けることを必要としており、それは利上げという形で示されることになる。経済の健全性が最も重要なことであることは明確であろう。たとえ利上げが25ベーシスポイント(bp)の連続的な動きとなっても、市場は切り抜けることが可能であり、株式は引き続き予見可能な将来において、選好されることになるだろう。

*内容を追加して再送します。
http://jp.reuters.com/article/2015/10/29/us-fed-fomc-instantviews-idJPKCN0SM2LJ20151029?sp=true


FOMC声明はタカ派的、年内利上げの可能性−市場関係者 (1)
2015/10/29 08:15 JST

    (ブルームバーグ):米連邦公開市場委員会(FOMC)は27、28 両日に開催した定例会合後の声明で、政策金利を据え置いたと発表した。経済はなお「緩やかな」ペースで拡大していると指摘。年内の行動は約束していないが、次回12月の会合で政策金利引き上げを検討すると表明した。9月声明にあった「最近の世界的な経済・金融情勢は経済活動をやや抑制する可能性がある」との文言を削除し、国際情勢を注視しているとの表現のみにとどめた。
市場関係者は以下のようにコメントした。
◎米金融当局:ECBと人民銀の言動で世界経済の懸念後退か−IHS  28日発表のFOMC声明のうち、前回からの「最も大きな変化」は世界経済の評価がより穏やかとなった点だと、IHSグローバル・インサイトのエコノミスト、パトリック・ニューポート氏らが指摘した。以下のように記した。  米金融当局は「今やリスクが後退したと」判断。  ECBや中国人民銀行による最近の言動を受けて、世界経済をめぐる米金融当局の懸念が薄れた可能性があり、その結果、12月の米利上げ確率が高まるかもしれない。  次回のFOMC会合開催まであと7週間あり、イエレンFRB議長ら当局者はその間に自分たちの意図を明確にする時間を与えられる。
◎FOMCは「もう間もなく」だと示唆−三菱東京UFJ銀のラプキー氏  三菱東京UFJ銀行のエコノミスト、クリス・ラプキー氏は、経済指標の数字が目標に届いたら12月に利上げに「踏み切るというのがわれわれの見方だ」とリポートで指摘した。  「インフレではない。インフレは経済の遅行指数だ。基本的には5.1%の失業率だ。当局は新たなゴールラインである4.9%に向けてもう少し低下することを望んでいる」と同氏。  12月のFOMCの前に2回、労働省が雇用統計を発表する予定で、FOMCに「ゴーサイン」を与えるデータになる可能性があると記した。
◎FOMC声明はタカ派的、足元の経済指標と乖離−三菱東京UFJ銀の栗原氏  経済調査室の栗原浩史チーフ米国エコノミスト(ニューヨーク在勤)は意図した以上に前回ハト派的と受けとめられた部分もあったとし、今回は逆にタカ派色を出したという面もありそうだと電話取材で話した。コメントは以下の通り。  次回12月会合で利上げの是非を判断すると追記するなど、年内利上げの意向はある程度強いということを示した。  景気の現状判断で個人消費と設備投資の表現も少し強められており、足元の経済指標やベージュブックなどと比べてやや乖離があるという印象。  足元の指標が十分に盛り込まれていない可能性もある。こうした景気判断が持続されるのか注意する必要。  このくらいの指標でもFOMCが12月に利上げを実施するつもりだとすれば、市場は心配になる可能性も。  ドル上昇の持続性については不透明かもしれない。
◎FOMC:市場に12月利上げの可能性織り込ませるよう工夫−ドイツ銀
米金融当局者は、経済・金融情勢によって正当化されるなら、12月の利上げの可能性が非常に現実味があることを市場参加者に織り込ませようとしていると、ドイツ銀行のエコノミスト、ジョゼフ・ラボーニャ、アディティヤ・バハブ両氏がリポートで指摘した。  米金融当局者の間では海外の出来事への「懸念が後退」し、前月に比べて金融市場の価格動向への「憂慮は大幅に薄れた」とも受け止められているようだと同氏。  米金融当局で「新たに芽生えたタカ派姿勢」が経済統計ないし、12月の利上げ開始の可能性をめぐる金融市場の「再評価」によって裏付けられるかどうかが重要な問題だと記した。
◎米金融当局:12月利上げが視野にあると最も明確に合図−JPモルガン  28日発表のFOMC声明は12月の利上げの可能性を示唆する上で、これ以上考えられないほど直接的な表現だったと、JPモルガンのエコノミスト、マイケル・フェロリ氏がリポートで指摘した。  米金融当局は12月の次回FOMC会合での利上げ開始が視野にあることを「これまでで最も明確に合図した」。声明では、低金利維持から利上げへの切り替えを強調しただけでなく、「次回」会合に直接言及した。  FOMCは今回、市場の期待が米金融当局で可能性があると想定する金利の道筋から離れつつあると結論付けたに違いなく、声明は双方の見通しを再び近づけるよう調整することを意図したものだ。声明は「明らかにタカ派的で」、12月の利上げ開始を予想するJPモルガンの見方を支持するものだ。  まだ「確定的というには程遠い」。今から12月半ばまでのデータで、世界的な逆風にもかかわらず米経済が拡大しつつあることが示される必要がある。
◎FOMCは12月利上げを「深く検討している」と示唆−ジェフリーズ  FOMC声明は予想よりも「さらにタカ派寄りになり」、「次回会合」で利上げするに当たって満たす必要のある条件を詳述し、以前の声明よりも「具体性が高まった」と、ジェフリーズのチーフ金融エコノミスト、ウォード・マッカーシー氏はリポートで指摘した。  声明は「12月の利上げ開始が依然深く検討されている」ことを示唆と同氏。
◎FOMC声明「タカ派寄り」だが、12月は確実とは言えず−ルネサンス  労働市場が改善し失業率が低下するとともに金融市場の状況が安定的である限り、FOMCは12月に「利上げする可能性が極めて高い」とルネサンス・マクロ・リサーチのエコノミスト、ニール・ダッタ氏はリポートで指摘した。さらに次のように記した。  FOMC声明のトーンは市場予想に比べて「タカ派寄り」だったが、12月が確実とは言えない。  声明の3つの重要な変更は、家計支出と企業投資に関する評価の引き上げと世界見通しの下振れリスクの低下、次回会合で利上げ開始が適切かどうか判断するとの言及だ。
◎米金融当局、「来年の早い時期まで待つ公算が大きい」−キャピタルE  11、12両月の雇用統計はFOMCの過半数が12月の利上げを支持するよう納得するほど十分強くはないだろうと、キャピタル・エコノミクスのポール・アシュワース氏がリポートで指摘した。以下のように分析。  だが、28日発表のFOMC声明は「確かに」12月の利上げ開始の可能性を残した。  「中国経済崩壊をめぐる懸念は過去数週間にやや薄れ、米株式市場は現在では8月後半の低迷時の損失分をおおむね回復した」。  同時に、ドル相場と社債利回りは「大幅に上昇し」、金融情勢は今年早い段階よりも「一段とタイトとなった」。
◎FOMC声明の変更「わずか」、市場の反応は行き過ぎ−FTN  FTNファイナンシャルのストラテジスト、クリス・ロー氏はリポートで、12月に利上げの可能性があるのは今日午前の段階でもそうだったと述べ、どの会合でも検討されるものの可能性が高いという意味ではないと指摘した。  FOMC声明に新たに加わった「世界の経済・金融情勢を注視している」との表現は、当局が依然として成長とインフレに対するリスクを認識していることを示すと記した。
◎米金融当局の政策判断、「引き続き今後発表のデータ次第」−CIBC  米金融当局は12月の利上げの可能性に向けて歩みを進めたと、CIBCのエコノミスト、アンドルー・グランサム氏がリポートで指摘した。  今回のFOMC声明は9月の前回会合時と比べ、「世界情勢や金融情勢についての懸念が後退したと受け止められる」と同氏。
◎FOMC声明は「ドルにフレンドリー」−ソシエテ・ジェネラル  よりハト派的な内容を市場が探していただけに、FOMC声明はドルにフレンドリーだ、とソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、キット・ジャックス氏はリポートで指摘した。  FOMCは「状況が適切である限り12月の利上げのドアを開いている」と分析した。
◎FOMC声明は驚くほどタカ派寄り、12月が基本ケース−サントラスト  「12月の利上げ開始を準備させるために当局が声明だけで行える最大限のことだ」とサントラスト・ロビンソン・ハンフリーの調査アソシエート、B・ハンター・ヒル氏はリポートで指摘した。  経済は「絶好調」ではないが、FOMCの過半数は「生命維持装置を外すことができると考えているようだ」と同氏。声明は「驚くほどタカ派寄りだ」。「12月は依然として私の分析の基本ケースだ」と分析。
◎FOMC声明は「12月利上げの可能性残す」−SGのシャリフ氏  FOMCは「完全ヘッジの声明」を公表したと、SGアメリカズのストラテジスト、オメイア・シャリフ氏がリポートで指摘。声明では今後もデータを見極め、12月会合で利上げの是非を決めると言及し、12月の可能性を残していると分析。  FOMCは労働市場の判断を引き下げた一方、家計支出と企業設備投資の表記を「着実なペースで増加」に上方修正していると同氏。
関連ニュースと情報:FOMC声明:12月会合で政策金利「引き上げ」の是非を決定へトップストーリー:TOP JK
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更新日時: 2015/10/29 08:15 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NWYAEH6S972A01.html


3. 2015年10月29日 10:32:28 : OO6Zlan35k
ETF保有率は5割超、主役日銀の一手に期待と懸念−30日に政策会合
2015/10/29 08:37 JST

    (ブルームバーグ):日本銀行が30日の金融政策決定会合で追加金融緩和に踏み切る可能性について、市場関係者の見方は二分している。デフレ脱却を確実にする追加策が打たれた場合、有望視されるのが日本株に指数連動する上場投資信託(ETF)の買い増しだ。初の購入から5年近くが経過し、今や日銀による保有額は国内ETF市場全体の5割を超え、主役の次の一手に期待と不安が交錯する。

東京証券取引所によると、9月末の日銀のETF保有額は7兆5300億円。14兆円強のETF市場全体に対する比率は52%となっている。日銀は2010年12月からETFの買い入れを始め、黒田東彦総裁による13年4月の大規模緩和策導入前の12年末の保有残高は1.5兆円だった。昨年10月の追加緩和で従来比3倍の年間3兆円ペースでの購入を決定。28日までのおよそ1年でTOPIXは21%上昇している。

みずほ総合研究所・市場調査部の大塚理恵子エコノミストは、日銀によるETF購入は「下落局面で株価を下支えしてきた」と言う。同総研によれば、14年10月の追加緩和以降は1回の購入金額がそれまでの100億−200億円程度から毎回約300億円に増額されている。同11月からことし3月までに日銀がETFを買い入れた33営業日のうち、31営業日で日経平均株価の午前終値が前日終値を下回る日に購入していた。

第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、ETFの購入は投資家に対し「心理的な影響が大きいのではないか」とみている。日銀は買ったら売らずに保有し続けるため、「需給面ではそれなりに影響を与えてきた」と指摘する。熊野氏は、30日の会合でETFの購入額の引き上げを予想している。JPモルガン・アセット・マネジメントの榊原可人エコノミストも、追加緩和策として「日本株ETFもあり得る。株価が良いパフォーマンスを続けることは非常に大事。株が下がっていては、景気に対し良い影響にはならない」との認識だ。

足元の経済、物価統計はさえない内容が続き、4−6月期の実質国内総生産(GDP)は前期比年率で1.2%減少、8月の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除くコアベースで前年比0.1%下落した。今月初めに発表された日銀の企業短期経済観測調査(短観、9月調査)では、企業物価見通しが下方修正された。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の嶋中雄二・景気循環研究所長は、日銀は10兆円の追加緩和を行うべきで、内訳としてETFは1.5兆円程度の増額を提案。「これだけでいいのかという議論があるが、やらないよりはいいだろう」と話している。

現ペースでも保有額10兆円が視野

シティグループ証券の藤田勉副会長は、日銀が国債をこれ以上買うのは無理とみており、「ETFか株を買うと予想。購入額は3兆円から10兆円に増やすのは十分あるのではないか」と指摘。来夏の参院選を控え、年明け1月までの追加緩和と補正予算の実施を見込む。

一方、アムンディ・ジャパンの浜崎優投資情報部長は、日銀の追加緩和策に期待を持ちつつも、ETFを買い進めることには懸念を示す1人だ。「これ以上買い増すと、日銀自体のバランスシートへのリスク、緩和の出口でのマーケットに対するリスクもある。いろいろな意味で、中央銀行がエクイティを保有することはリスクが大きい」と言う。

みずほ総研では、日銀が来年も年間3兆円ペースでのETF購入を続けた場合、16年末の保有残高は9.8兆円に達すると試算。大塚氏は、買い入れ上限がさらに増えると「日銀がほとんど買い占めてしまうという金額になる」とし、需給操作で価格形成がゆがめられる可能性に言及した。現在の日本株は、株価収益率(PER)などのバリュエーション面から適正水準にあるが、「将来的には実態と乖離(かいり)した株価上昇につながる点は気掛かり」としている。

金融機関による保有株式の価格変動リスク軽減の努力を促すため、日銀は02年に金融機関の保有株式の買い入れを行った経緯もあった。HSBCホールディングスの日本担当エコノミスト、デバリエ・いづみ氏(香港在勤)は「当時の中央銀行の目的はインフレよりもクレジットリスクを下げることで、特別なケースだった」とし、現在も市場の一部に株式そのものを買うべきとの意見がある点は承知しつつも、「そのハードルは高い」とみる。

ブルームバーグが21日から26日にかけエコノミスト36人を対象に行った調査では、16人(44.4%)が追加緩和を予想、うち12人がETF購入限度額を増やすと予測した。日銀の黒田東彦総裁は7日の政策決定会合後の会見で、物価目標をできるだけ早期に実現させるために量的・質的緩和を着実に進める方針を示し、付利の引き下げは「検討してないし、考えが近い将来変わる可能性もない」と発言。追加刺激のための多くの選択肢が利用可能、と述べた。

関連ニュースと情報:日本銀行NI BOJ JBN ETF NI ETF JBN 日本株 NI JPS JBNNI KOBETSU
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更新日時: 2015/10/29 08:37 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NWVIKZ6K50Y301.html

債券は下落、FOMC声明受けた米債安で売り先行−生産指数上振れも
2015/10/29 09:25 JST

    (ブルームバーグ):債券相場は下落スタート。米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明を受けて年内利上げ観測が再燃し、前日の米国債相場が下げた流れを引き継いで売りが先行した。朝方に発表された9月の鉱工業生産指数が予想外の上昇に転じたことも売り材料となっている。

29日の長期国債先物市場で中心限月12月物は前日比7銭安の148円54銭で取引を開始。午前8時50分の生産指数発表後に148円48銭まで下げた。前日の夜間取引は一時148円64銭と今年1月に付けた過去最高値にあと4銭まで迫った後、148円60銭で終えた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の340回債利回りはまだ取引が成立していない。前日は0.295%と、新発債として4月28日以来の0.3%割れとなった。新発5年物の125回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高い0.045%で推移している。
28日の米国債相場は下落。米10年債利回りは前日比6bp上昇の2.10%となった。FOMC声明で経済は「緩やかなペース」での拡大が続いていると指摘。12月の次回会合で引き締めに動く選択肢を残したことが売り材料となった。一方、米株相場は同声明発表後に下げる場面もあったが、引けにかけて急反発した。

シティグループ証券の道家映二チーフJGBストラテジストは、「米連邦準備制度理事会(FRB) の利上げをめぐる環境は依然として厳しい。ただ、中央銀行の信認を守るため、FRBは年内利上げをあきらめていないようだ。12 月の会合で利上げの是非を判断するとFOMC声明文に盛り込んだ。米金融市場は年内利上げに対する警戒感を再び強めた」と指摘した。

日銀買い入れオペ

日銀はきょう午前10時10分の金融調節で今月10回目となる長期国債買い入れオペの実施を通知する見込み。

SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、きょうの日銀国債買い入れオペについて、「1−5年と5−10年のオファーが確実視される」とみている。
経済産業省が午前に発表した9月の鉱工業生産指数は前月比1.0%上昇となった。ブルームバーグが調査した市場予想中央値は同0.6%低下だった。同時に発表した製造工業生産予測調査では10月が4.1%上昇、11月は0.3%低下を見込んでいる。

関連ニュースと情報:日本国債に関する記事:NSN JBNA2国債入札に関する記事:NSN 9715トップストーリー:TOP JK
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 山中英典 h.y@bloomberg.net;東京 Daisuke Sakai dsakai2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 山中英典, 崎浜秀磨
更新日時: 2015/10/29 09:25 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NWYBYO6K50Y801.html


債券は下落、FOMC声明受けた米債安で売り先行−生産指数上振れも
2015/10/29 09:25 JST

    (ブルームバーグ):債券相場は下落スタート。米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明を受けて年内利上げ観測が再燃し、前日の米国債相場が下げた流れを引き継いで売りが先行した。朝方に発表された9月の鉱工業生産指数が予想外の上昇に転じたことも売り材料となっている。

29日の長期国債先物市場で中心限月12月物は前日比7銭安の148円54銭で取引を開始。午前8時50分の生産指数発表後に148円48銭まで下げた。前日の夜間取引は一時148円64銭と今年1月に付けた過去最高値にあと4銭まで迫った後、148円60銭で終えた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の340回債利回りはまだ取引が成立していない。前日は0.295%と、新発債として4月28日以来の0.3%割れとなった。新発5年物の125回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高い0.045%で推移している。
28日の米国債相場は下落。米10年債利回りは前日比6bp上昇の2.10%となった。FOMC声明で経済は「緩やかなペース」での拡大が続いていると指摘。12月の次回会合で引き締めに動く選択肢を残したことが売り材料となった。一方、米株相場は同声明発表後に下げる場面もあったが、引けにかけて急反発した。

シティグループ証券の道家映二チーフJGBストラテジストは、「米連邦準備制度理事会(FRB) の利上げをめぐる環境は依然として厳しい。ただ、中央銀行の信認を守るため、FRBは年内利上げをあきらめていないようだ。12 月の会合で利上げの是非を判断するとFOMC声明文に盛り込んだ。米金融市場は年内利上げに対する警戒感を再び強めた」と指摘した。

日銀買い入れオペ

日銀はきょう午前10時10分の金融調節で今月10回目となる長期国債買い入れオペの実施を通知する見込み。

SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、きょうの日銀国債買い入れオペについて、「1−5年と5−10年のオファーが確実視される」とみている。
経済産業省が午前に発表した9月の鉱工業生産指数は前月比1.0%上昇となった。ブルームバーグが調査した市場予想中央値は同0.6%低下だった。同時に発表した製造工業生産予測調査では10月が4.1%上昇、11月は0.3%低下を見込んでいる。

関連ニュースと情報:日本国債に関する記事:NSN JBNA2国債入札に関する記事:NSN 9715トップストーリー:TOP JK
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 山中英典 h.y@bloomberg.net;東京 Daisuke Sakai dsakai2@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 山中英典, 崎浜秀磨
更新日時: 2015/10/29 09:25 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NWYBYO6K50Y801.html


4. 2015年10月29日 10:42:54 : OO6Zlan35k
コラム:米FRBの金利観、ようやく市場が受け入れか

Richard Beales

[ニューヨーク 28日 ロイター BREAKINGVIEWS] - イエレン米連邦準備理事会(FRB)の政策金利に対する見方が、ようやくトレーダーや投資家に受け入れられたのかもしれない。

FRBは28日公表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、事実上のゼロ金利の維持を決める一方、市場が待たされ続けている利上げの可否を12月の次回FOMCで判断することを明示した。先物金利はこれまでイエレン氏と不一致だったが、現状ではほぼ足並みがそろっていることがうかがえる。

米国経済は絶好調とまではいかなくとも、それなりにしっかりした状況が続いている。とりわけ雇用は、いくつかの指標で見ればこれ以上ないほど良好な地点に近づきつつある。夏前までは、投資家は年内の利上げ開始をほぼ決め打ちしていたように見えた。ただ、世界的な株式市場の混乱で市場心理が一変した。

それ以降、イエレン氏や他の当局者は、年内の利上げはないという市場の金利観(これは一部のFOMCメンバーにも共有された)と格闘してきた。利上げは、政策金利をより正常で標準的な水準に回帰させる作業の始まりになる。

FRB当局者はこうした過程においては短期的な市場のボラティリティは大して気にかけないと話している。とはいえ、9月に利上げを見送ったのは、投資家が予想していなかったため、強行すれば金融市場の動揺を誘ってしまう恐れがあったというのが一因だったと考えないわけにもいかない。

そうしたジレンマが、最近FRBの姿勢に関してある種の誤解が生まれた理由なのかもしれない。ただしFRB自体、特にイエレン氏と同氏に近い幹部らの発言はかなり一貫性を保っていた。

それでも今回の利上げはほとんど想定されてはいなかったようだった。少なくとも、12月15─16日の次回FOMCではイエレン氏の会見が組まれているのに対して、今回は会見予定がなかったというのは何事かを象徴している。

今回、あたかもカレンダー上で12月のFOMCにしっかりと印をつけたような声明文の影響で、フェデラルファンド(FF)金利先物が見込む年内利上げの確率は、それまでの34%から50%近くに切り上がった。つまり最近の揺れ動く情勢のために、利上げがあるかどうか確定することはできないまでも、操る人(FRB)と操られる人形(市場)は見通しの点でほぼ一致していることを表している。

●背景となるニュース

*FRBは28日までのFOMCで事実上のゼロ金利を据え置いたが、声明文に次回会合という表現を明記し、12月に利上げできる余地をしっかりと確保した。

*またFRBは最近の世界的な金融市場の混乱に大きな懸念は示さず、国内の雇用鈍化についても、米経済が雇用創出能力を持つという見方を揺るがす材料になっていないと強調した。

*投資家の間では利上げ時期を12月に変更する動きが急速に広がり、金利先物が見込む0.25%の利上げ確率は、声明文発表前の34%から47%に上昇した。

*FOMC声明は以下のアドレスをクリックしてご覧ください。

1.usa.gov/1Xz4nyM
http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20151028a.htm
http://jp.reuters.com/article/2015/10/29/usa-fed-breakingviews-idJPKCN0SN01R20151029?sp=true


5. 2015年10月29日 12:37:16 : v1gbxz7HNs
長文をコメントする奴は、工作員だ。
視認性を落とすためになんの意味もなく無関係な長文記事をコピペでポストする。

javaを使い各コメントの先頭1行をリーダーとして表示し、後は折りたたむようにするとこういう無駄工作が激減するぞ。


6. 2015年10月29日 14:10:54 : nJF6kGWndY

>「潜在金利」で検証する日銀の金融政策 日本は再び「デフレ」に向かうのか

向かわないだろ

日銀コアは1%超えているし、機械受注もイエローゾーン未満だった

ただ、やはり2%目標には遥かに遠いから、今後の指標次第では年内追加緩和の目は完全に消えたわけではない



7. 2015年10月29日 14:12:43 : nJF6kGWndY

>>05 javaを使い各コメントの先頭1行をリーダーとして表示し、後は折りたたむようにするとこういう無駄工作が激減

いや、単に貼り付けたいだけだから減らないだろw

ただjavaで一行にするのは良いアイデアだな


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