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新規事業支援コンサル兼富裕層向け医療ツーリズム起業徐振鋒さん(36)支援してくれた上司の板倉譲治さん(36、左)と。会社に起業案を提案しても、最初は受け入れられなかったが、熱意と根気で走りきった(撮影/羽根田真智)
リスク背負わずにできる「社内起業」 一方で弱点は…〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151028-00000011-sasahi-bus_all
AERA 2015年10月26日号より抜粋
起業というとリスクを背負うイメージがあるが、リスクなしでできる方法もある。社内起業制度を利用することだ。一方で、社内紀伊業ならではの弱点もあるようだ。
社内起業や公募制度は社内の活性化や適材適所の人事配置を進める狙いで、1980年代後半ごろから導入が進んだ。日本生産性本部の13年の調査によると、上場企業のうち、社内公募制度もしくは社内FA制度を導入しているのは全体の35.1%。00年は21.6%だったから、今もじわじわ増加傾向にあるといえそうだ。給料が成果連動色を強める中、新たなモチベーションを得ようと手を挙げる従業員は少なくない。
新規事業の立ち上げを手伝うコンサルティング会社で、自らが社内ベンチャーをつくって新規事業に乗り出した社員もいる。
プライマル(東京)の徐振鋒さん(36)が中心となって社内起業した「ZEN Plus」もその一つだ。中国の富裕層などを対象に、日本の医療技術を使った医療ツーリズムを提供する。「本業」を終えた後、徐さんは独りで事業企画を作り上げ、国内外で協力企業を探した。社内から指摘された問題点を一つひとつクリアし、今年4月には初ユーザーを確保した。
「企画だけなら誰でも出せます。しかし、本業の傍らビジネスの形に持っていくのは熱意がないとできません。そこまで気概があるなら、会社としてリソースをかけて育てていこうとなったのです」
上司の板倉譲治執行役員(36)はこう話す。うまくいくかいかないかは運にも大きく左右されるので、そこにはこだわらない。しかし、社内起業、社内での新規事業としてやるなら、それはダメだというツッコミが頻繁に入る。否定を乗り越えていける力が、成功を招く可能性を大きくする。
社内起業などは転職に比べてリスクを負わない分、弱点もある。雇用ジャーナリストの海老原嗣生さん(50)は、「一部のエリート社員以外は恩恵が少ない仕組みでしょう。やりたいことだけをやってもその人のキャリアアップには必ずしもつながりませんし」と冷静な活用を促しつつ、社内での起業や転職の意味をこう見る。
「特定の部署が優秀な人材を囲い込んでしまうような会社では、特に有効。会社にとっても社員にとってもいい結果が出るのではないでしょうか」
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