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http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/203163
新聞記者は「ノー残業」ができるのか? 1ヵ月挑戦した結果・・・
2015年10月24日 23時00分
職場の机から見える時計が午後5時を過ぎると「時間がない!」と焦り出すことも多かった
「「就労証明書」に書かれていた労働時間は午前8時半〜午後4時半だった
長時間労働や時間に不規則な職場と言われる新聞記者の仕事だが、果たして「ノー残業」でも業務遂行ができるのか。ふとした思いつきだったが“1カ月間残業なし”で仕事に臨んでみることにした。染みついた習慣を改めるのは難しく、困難な場面もあったが、仕事につながる良い発見もあった。
きっかけは、長男を保育園に預けるため社内から取り寄せた「就労証明書」だった。一日の勤務時間について「午前8時半〜午後4時半」と書かれていた。併記されている「別途時間外労働あり」とは残業のことだ。会社にとっても労働者にとっても、残業はない方が望ましいはず。ふと思った。
だが、さすがに午後4時半に業務を終えるのは無理がある。一日8時間労働とするため「午前9時から午後6時まで」を勤務時間とする独自のルールを設定。昼間には休憩として1時間を確保するように心がけた。期間は「ノー残業」のアイデアが浮かんだ8月31日を起点として、9月28日までの4週間、試験的に取り組んだ。
初日の午後。取材のために福岡市西区にある博多織の工場に向かった。「初日からつまずいてはいけない」と思い、伝統工芸士の職人さんを取材すると、手早く原稿にまとめ、持ち歩いているパソコンから送信。高速道で久留米市の職場に戻ってきたのは午後5時を過ぎていた。
同僚の記者たちに「お先に失礼します」と声をかけようとした瞬間、ふと思い出した。「そういえばきょうは夜勤だった…」。深夜に発生する事件や事故に備え、警戒するための当番に当たっていたのだ。早速、出ばなをくじかれる形となったが、「夜勤は残業に含めない」とのルールを加えた。
翌日は、午後5時台に帰宅できた。日没前に業務を終えることには慣れていなかったが、せっかくなので夕方の時間を生かして運動にでも汗を流すことにした。国家公務員も「ゆう活」として夕方からはオフを楽しむ働き方が推奨されている。筑後川河川敷でサイクリングに汗を流した。すると、美しい光景を見つけた。
自転車道が水たまりになって、暮れゆく空をくっきりと映し出していた。思わず写真を撮って自宅に戻ると「すてきな場所だった。記事にした方がいいかもしれない」と考えた。数日後の筑後版に「道が“水路”に 夕焼け映える」の見出しで掲載できた。残業していたら発見できなかったスポットだろう。
午後6時までに業務を終える日々を重ねると、あることに気づかされた。従来は日中に取材して、夕方からようやく原稿をまとめるという業務の流れ。残業が前提だったからだ。しかし今は「ノー残業」なので仕事は夕方まで。翌日の朝刊に掲載する記事は特に、短時間で原稿を書き上げる力が求められる。
「あー、時間がない」。夕方が迫るといつも心の中でそうつぶやいていた。毎日が平穏とは限らない。「食中毒疑いの事案が発生」「飲酒運転で事故」など日々、大小さまざまなニュースが飛び込んでくる。そんな中、途中で業務を切り上げるのが心苦しい時もあった。
「ノー残業」によって、書いた記事の数には影響があったのだろうか。確認してみたところ、行数にばらつきがあるものの期間中は32本。その前の4週間は33本だった。あまり変わらなかった。どうしてもやらなければならなかった「時間外労働」は8時間だった。
□
これからの働き方をどうするべきか。大きな経済成長が見込めない中で人口減少、少子高齢化、共働き世帯の増加など、労働者を取り巻く環境は刻々と変化している。報道機関も例外ではなく、単なる働きづめではいけない、という思いを強くした取り組みだった。
=2015/10/21付 西日本新聞朝刊=
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道が“水路”に夕焼け映える 筑後川河川敷
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