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低所得者対策に軽減税率は非効率 もっとよい方法を識者提案(週刊ポスト)
http://www.asyura2.com/15/hasan101/msg/871.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 10 月 28 日 07:16:40: igsppGRN/E9PQ
 

低所得者対策に軽減税率は非効率 もっとよい方法を識者提案
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151028-00000012-pseven-bus_all
週刊ポスト2015年11月6日号


 消費増税に伴う軽減税率が話題だが、経済学者で投資家の小幡績氏は、それは低所得者対策どころか富裕層優遇政策だという。では、実際の低所得者対策としてはどんな方法があるのか、小幡氏が解説する。

 * * *
 低所得者対策としては、カナダで行なわれている、「給付付き税額控除制度(所得の少ない人へ補償を行なう制度)」を利用したものが、もっとも合理的で効率的であるといわれており、マイナンバーが導入される日本でも実現可能となります。

 一定の年収以下の人たちや一定の資産保有額以下の人たちに対して、定額で給付金を配る対策で、そうした負担緩和措置を行なうことのほうが軽減税率よりもはるかに望ましいのです。

 軽減税率により一人あたり5000円の消費税負担を減らすやり方では、年収1000万円の人にも3000万円の人にも負担軽減となってしまいますが、年収500万円以下の層に限って対策を取れば、同じ総還付額でも高所得者への負担軽減の分を低所得者に回せます。それによって「みんなに5000円」ではなく、「本当に困っている人に1万円」の給付を行なうことも可能になるのです。

 にもかかわらず、なぜ政府は「軽減税率」を推し進めるのか。

 問題は、「軽減税率」というものが政治的に、あるいは一般的に、支持が集まりやすい、ということです。欧州でも、軽減税率が多くの国で導入されています。それは、非効率的であると分かっていながら、国民の要望として、あるいはそれを受けた政治的な志向として、導入されてきています。

「必需品にも課税するのはひどい」「低所得者が苦しむ」という議論が直感的に支持を得やすいからだと思われますが、低所得者への現金給付で代替する、と説明しても納得が得られないのは、かなり不思議なことです。経済学者の間でも、行動経済学的にどう説明するか、議論が分かれているところなのです。


 

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コメント
 
1. 2015年10月28日 07:36:01 : nJF6kGWndY

>「軽減税率」というものが政治的に、あるいは一般的に、支持が集まりやすい
>低所得者への現金給付で代替する、と説明しても納得が得られないのは、かなり不思議

原理的には、完全に個人と企業の財サービスとマネーフローを政府が補足できれば

外部不経済を是正するための炭素税などや

格差軽減のための相続税、所得税以外、

消費税や法人税などは不要になるから、それほど不思議ではない


ただ現状のAgencyCostを考慮すれば、消費税もそれほど非合理ではないから

それを前提にした上では、確かに軽減税率よりは低額所得者への給付の方がネジレは小さく合理的ではある

ただ、愚民が多いというのも現実であり、軽減税率を公約としている公明党が与党だというのも現実だから、なかなか回避は難しいだろう



2. ひでしゃん 2015年10月28日 20:16:11 : dsqbUTCLpgzpY : EokfLeydFM
自民党政権の従来からの税制に対する基本的考えが間違っている
逆累進課税である消費税の撤廃
担税力がある
所得税資産税の復活
所得再配分効果がある共存共栄の税制に戻すべき
1985年当時の税制に戻すだけで税収は増えるという試算がある
ユダヤのような強欲ばかりが肥え太る税制では不公平である
所得や資産を有する者は名前を秘して清く社会還元を進めようではないか

3. 2015年10月29日 06:59:58 : jXbiWWJBCA
軽減税率で貧富の格差は拡大する
公明党のポピュリズムは大混乱を招くだけ
2015.10.29(木) 池田 信夫
 2017年4月に10%に引き上げられる予定の消費税率をめぐって、政治的な駆け引きが活発化してきた。

 公明党が食品などに幅広く軽減税率を求める一方、財務省は難色を示している。安倍首相は財務省に近いとみられる自民税調の野田毅会長を更迭し、公明党に理解を示す宮沢洋一氏を会長にして導入の方向を示した。

 これは低所得者も同じ税率を負担する消費税の逆進性を是正するというのが建て前だが、TPPに反対する農家への「国内対策」という面もある。これに悪乗りして新聞協会も軽減税率の適用を求めているが、これに賛成する経済学者は、私の知る限り1人もいない。軽減税率がこれまで導入されたEU(欧州連合)などでは、大混乱になっているからだ。

消費税は逆進的か

 まず議論の出発点になっている「消費税は逆進的だ」というのは本当だろうか。よく言われるのは「貧しい人のほうが所得を貯蓄しないで消費するので、定率の消費税は所得に対して逆進的だ」という議論だが、人々は行き当たりばったりに消費しているわけではない。

 生涯を通して消費を考えると、現役のとき貯蓄した人も引退するとそれを取り崩して消費するので、生涯を通じての貯蓄率は所得階層によって大して変わらない。実証研究でも、消費税は生涯所得に対して累進的である。

 したがって「逆進性を解消する」という目的がそもそもおかしいのだが、「貧しい人でも食品などの必需品の消費量はあまり変わらないので、税率を軽減すべきだ」というのが公明党などの論理である。

 たしかにエンゲル係数(所得に占める食費の比率)は低所得層の約25%に対して高所得層は約20%だが、高所得層のほうが消費税の支払い額は多い。食品に軽減税率を適用すると、負担が大きく減るのは高所得層なのだ。

 さらに所得税の捕捉率は低く、特に高所得者ほど租税逃避などのテクニックを使えるので、所得税には不公平が大きい。消費税にも不公平がないわけではないが、これから(非課税の)年金生活者が増える中で、消費に課税することは課税ベースを広げる上で重要だ。

インボイスなしで軽減税率を導入すると大混乱になる

 このように軽減税率は有害なポピュリズムであるばかりでなく、その納税事務はきわめて複雑になり、EUではトラブルがたくさん起こっている。

 公明党の主張しているのは「酒類を除く飲食料品」だが、こんな紛らわしいケースが考えられる。

・ハンバーガー:店で食べると「料理」だから税率10%だが、買って帰ると「食品」だから軽減税率になるので、ハンバーガー屋の外で包みをあけて食べる。

・生魚:刺身のパックで買うと料理だから10%だが、切り身のままで買えば食材で軽減税率の対象だから、刺身を袋詰めで買う。

・おまけつきのお菓子:おもちゃとして売ると10%だが、お菓子のおまけとして売ると「食品」なので、高価なおもちゃにお菓子をつけて売る。

・高級レストランのテイクアウト:居酒屋は「酒類」を売るので10%だが、高級レストランのテイクアウトは「食品」なので軽減税率。

・・・などまぎらわしいケースが多く、訴訟になることも珍しくない。

 ただEUの付加価値税(VAT)はインボイス(納品書)を義務づけているので、課税業者が仕入れ値ですでに支払われた税額を控除できるが、日本では今のところインボイスが想定されていないので、軽減税率の事務処理は不可能だ。

 例えば外食レストランでは数百種類の食材を調理して提供しているが、どの食材が軽減税率の対象か、インボイスがないと分からない。今は課税業者と非課税業者を区別してデータ処理しているが、課税業者の中でも軽減税率の品目があり、しかもその定義が曖昧だと、データ入力ができない。

 インボイスがないのは日本の消費税の欠陥なので、この際それを検討するのはいいが、コンピュータのシステム変更などの事務処理はきわめて複雑で、増税に間に合わないだろう。

若者は軽減税率反対に立ち上がれ

 もう1つの問題は、消費税率を上げても食品に広範に軽減税率を適用すると、約1兆3000億円余り(消費税率0.6%分)の税収減になることだ。消費税は社会保障の財源にあてられる予定なので、これが大幅に減ると、その分だけ社会保障の赤字が増える。

 日本で最大の格差は、エンゲル係数にあらわれるような階層間の格差ではなく、払ったよりはるかに多い年金をもらう高齢者と、それを負担する現役世代の格差である。今のままでも社会保障をまかなうには消費税率は30%にする必要があると推定されているが、これに軽減税率という大きな穴があくと、税率はさらに上がる。

 団塊の世代が引退した今は、これから拡大する社会保障の格差を少しでも縮める最後のチャンスだ。しかし安倍政権は消費税の増税を延期し、軽減税率を適用して、負担を先送りしている。これは政治的には賢明だが、1100兆円を超えた政府債務は、必ず将来世代が増税として負担するのだ。

 この状態で軽減税率を広範に適用することは、実質的な増税の先送りであり、将来世代への負担の転嫁だ。最悪の場合は国債の暴落で、日本経済がEUよりはるかに大きな金融危機に陥るリスクもある。

 人口減少社会ではみんなが平均的に貧しくなるのではなく、金融資産の60%以上をもっている上に年金や雇用で優遇される高齢者と、不安定雇用で貧しい若者の格差が拡大する。これを是正するには、軽減税率などという目先の話ではなく、税と社会保障を抜本的に見直す必要がある。

 財務省のマイナンバーを使う税額控除は評判がよくないが、このように個別に税を軽減するのではなく、所得税や年金なども含めた全体で公平性を確保すべきだ。今の歪んだ負担の被害者は、「安保法反対」などと街頭でデモをやっている学生だ。彼らは「軽減税率反対」のデモをやったほうがいいのではないか。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45126


4. 2015年10月29日 13:54:03 : LY52bYZiZQ
Domestic | 2015年 10月 29日 13:14 JST

1千億円規模で財源上積み

 政府、与党は29日、消費税増税と同時に導入する軽減税率制度の財源について、これまで確保した4千億円程度から、1千億円規模で上積みする方針を固めた。自民党や財務省は軽減税率に振り向けるお金を抑えたい意向だが、総額5千億円程度を捻出し、対象品目の範囲を広くしたい公明党に配慮する。

 ただ、負担感の緩和を重視する公明党は1兆円超の財源確保を目指しており、与党の議論が決着するかは不透明だ。

 新たな財源として浮上しているのは、2015年度予算に計上した消費税率8%への引き上げに伴う低所得者対策「簡素な給付措置」の事務費(373億円)など

(共同通信)

http://jp.reuters.com/article/2015/10/29/idJP2015102901001109


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