4. 2015年10月28日 17:50:57
: OO6Zlan35k
アングル:世界経済の救世主、ドル安は降臨するか[ロンドン 27日 ロイター] - 世界が今、最も必要としていないものはドル高だ。しかし、アナリストの間では、ドル高は避けられそうもないとの見方が大勢となっている。 ドルは昨年夏以来、20%近く上昇。米輸出と企業業績を圧迫しており、世界の成長エンジンの1つである米経済全体への影響は深刻だ。 一方、新興市場に目を転じてみれば、ドル高に起因するコモディティー(商品価格)の急激な下落により、資源生産国の多い新興国の経済は疲弊。さらに、ドル建て債務の負担増大が追い打ちをかけている。 ドル高については、米連邦準備理事会(FRB)も懸念を表明している。FRBは先月、利上げを見送った理由として、為替相場の経済への影響を挙げた。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも、ドル問題が政策決定に大きく影響する、と見られている。 ただし、通貨切り下げ競争の再燃もささやかれるなか、ドルの下落は想定しにくい。ユーロや円が上昇した場合の自国経済への影響を懸念する欧州と日本の当局が、ドル安阻止に動く可能性が高いからだ。 よって、外為市場のアナリストの間では現在、ドルは今後1年間、主要クロスに対して上昇する、というのがコンセンサスになっている。 <米成長加速は世界経済全体にプラス> シティのチーフエコノミストであり、イングランド銀行(英中央銀行)の政策委員を務めた経歴を持つウィレム・ブイター氏は、ドル安は世界経済が新たなリセッション(景気後退)に陥ったり、成長率が潜在成長率を長期的に大幅に下回る事態を阻止することができる、と指摘。 同氏は「米経済の成長率が加速すれば、世界経済全体にとってプラス」と述べ「金融・財政面の刺激策でもって適切にドル安に誘導できれば、世界経済の重要な需要源の押し上げにつながる」と強調した。 米経済が世界の生産の4分の1に相当することを踏まえると、ドル安は、世界経済に対して強力な刺激効果をもたらす可能性がある。 ドイツ銀行のエコノミストらの調査によると、純輸出は今年、米経済成長率をおよそ0.7%ポイント押し下げる見通し。押し下げ幅は、1月時点の予想の0.5%ポイントよりも拡大する、と見られている。 さらに、押し下げ幅0.7%ポイントのうち、ドル高が約0.5%ポイントに相当する、という。ドイツ銀行は、こうした現象は今年以降も続き、2016年前半にもピークに達する、との見方を示している。 <ドル高、米企業や新興国への影響深刻> ドル高の影響は深刻、かつ広範囲に及んでいる。IBM(IBM.N)やウォルマート(WMT.N)などの決算を見ると、ドル高が米企業の収益性に打撃を与えていることが鮮明に示されている。S&P総合500種指数採用企業は第3・四半期、およそ4%の減益になると予想されている。 ドル建ての債務を多く抱える新興市場の銀行や企業も、ドル高には脆弱だ。ルネッサンス・キャピタルのチャーリー・ロバートソン氏によると、新興市場の海外での債券発行額は過去10年間で4倍に増加し、およそ2兆ドルに達しているが、その大半はドル建てだという。 ただ実際には、ドル安の実現は難しい。他国は自国通貨安を望んでいるからだ。FRBが長期的に利上げしないと宣言すれば、ドルの圧迫材料になるだろうが、利上げに接近している今、その可能性は小さい。 一方、HSBCの外為戦略責任者、デービッド・ブルーム氏は、ドル相場が重視され過ぎているのではないか、と指摘する。同氏は「通貨が世界を救うことはできない」と強調、世界の成長のトレンドを決定づけるのは、政府、中央銀行、企業、そして消費者自身だと述べた。 (Jamie McGeever記者 翻訳:吉川彩 編集:吉瀬邦彦) http://jp.reuters.com/article/2015/10/28/global-economy-dollar-idJPKCN0SM0HE20151028
FOMC、金利据え置きへ 前回声明おおむね踏襲の見方も [ワシントン 28日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は27━28日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置く見通しだ。 米経済や世界経済に逆風が吹いていることに加え、記者会見も予定されておらず、「12月利上げの可能性を説得力のある形で市場に示せないのではないか」との見方が出ている。 FOMC声明の発表は米東部時間28日午後2時(日本時間29日午前3時)。 ロイターのエコノミスト調査によると、調査対象の46人全員が政策金利の据え置きを予想。過半数を若干上回るエコノミストが12月の利上げを予想しているが、金融市場が織り込む12月利上げの確率は30%にとどまっている。来年3月利上げの確率は54%。 イエレン議長は年内利上げが「適切」との見解を示しており、今回のFOMC声明で、世界経済の懸念要因が減ったと指摘し、利上げに向けた地ならしを部分的に進めることは考えられる。 ただ、国内の経済指標は力強さに欠けており、FOMC内で「今後の指標を見極めるべきだ」との声が強まる可能性がある。 このため、市場では、今回のFOMC声明は前回の内容を概ね踏襲する形になる、との見方が出ている。 JPモルガンのエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は「リスクを取らず、最も抵抗が少ない形を選ぶのが得策だ。声明の文言を大きく変えず、指標を見極めるという形だ」と述べた。 <年内利上げ反対派> 大半のFOMC当局者は、年内利上げを見込んでいると発言しているが、今月、ブレイナード理事とタルーロ理事の2人がイエレン議長と袂を分かち、労働市場がタイト化しインフレと景気過熱につながるという議長の見方に疑問を示した。 両理事は、海外経済の減速が米経済に悪影響を及ぼし、過度の低インフレが続く可能性があると主張。エバンズ・シカゴ地区連銀総裁を加えると、3人が年内利上げに反対していることになる。 さらに状況を複雑しているのが、欧州中央銀行(ECB)や中国の金融緩和だ。ドル高が進めば、輸出業者が打撃を受け、物価を押し下げる要因にもなる。 こうした事情を踏まえると、イエレン議長はFOMC内のコンセンサスづくりで難しいかじ取りを迫られることになる。 FOMCは市場との対話に苦慮しており、市場が予想外の利上げで混乱し、世界経済に悪影響を及ぼすリスクもある。そうしたリスクに配慮すれば、さらに利上げが遅れ、市場との亀裂が深まることも考えられる。 市場関係者の間では、イエレン議長が12月の議会証言などで同月15━16日のFOMCでの利上げの有無を示唆するのではないかとの見方が出ている。 バークレイズの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・ゲーペン氏は「FOMC声明文の変更は最小限に抑え、FOMC後のスピーチやインタビューで『12月の可能性は残されている』との見解を示すのではないか」との見方を示した。 http://jp.reuters.com/article/2015/10/28/usa-fed-idJPKCN0SM0H020151028?sp=true ECB、インフレ目標達成に向け全ての手段利用=専務理事 By ANTHONY HARRUP 2015 年 10 月 28 日 12:16 JST 【メキシコ市】欧州中央銀行(ECB)のクーレ専務理事は27日、インフレの中期目標を達成するためにさらなる対応が必要だと感じれば、ECBは利下げや資産買い入れの調整を含め、可能な仕組みを全て用いる用意があると述べた。 メキシコ自治工科大学(ITAM)で講演した専務理事は、追加緩和の可能性をめぐる議論は先週の定例理事会で始まったとし、12月の理事会でも取り上げられるだろうと語った。 また、中期インフレ目標の達成に時間がかかると考えられれば、追加的な政策措置は正当化されるだろうとしたが、望ましい措置については特定しなかった。 「正しい手段を用いることを確認したい」と話した。 さらに、ECBが追加緩和を検討する一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが見込まれていることについては、中央銀行は金融政策にデカップリング(非連動性)や格差があってもやっていけると指摘した。 「われわれは欧州経済にとって最善と感じることをする」と専務理事は述べた。 https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB0QFjAAahUKEwiIxLX-q-TIAhXEoZQKHfK9BpY&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB10631682899670053547704581320422426623638&usg=AFQjCNFSarXywBn53Xxaxhmw_gc8r9p-Qw 日銀化している |