★阿修羅♪ > 経世済民101 > 849.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
人民元を11月にもSDR採用 IMF方針、ドルや円と並ぶ国際通貨へ(SankeiBiz)
http://www.asyura2.com/15/hasan101/msg/849.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 10 月 27 日 08:37:00: igsppGRN/E9PQ
 

人民元を11月にもSDR採用 IMF方針、ドルや円と並ぶ国際通貨へ
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151026-00000004-biz_fsi-nb
SankeiBiz 2015/10/27 08:15


 国際通貨基金(IMF)が中国の通貨・人民元を11月中にも、特別引き出し権(SDR)と呼ぶ準備通貨に採用する方針を固めたことが26日、分かった。ロイター通信が報じた。今年は、IMFによる5年に1度のSDR構成通貨の見直しの年に当たる。ロイターによると、IMF関係者は人民元のSDR採用について好意的な結論を盛り込んだ報告書原案をまとめたという。

 IMFは早ければ11月下旬にも理事会を開き、人民元をSDRに採用する可否を正式に決める方針だ。

 人民元をSDRに採用する最終的な決定は、IMFの理事会が行い、総議決権の7割以上の賛成を得る必要がある。正式に採用が決まった場合、準備期間を経て来年10月にも人民元がSDRに組み入れられる見通しだ。

 SDRは米ドル、円、ユーロ、英ポンドの4通貨で構成する仮想合成通貨で、IMFへの出資比率に応じて加盟国に供与されている。通貨危機などで外貨が必要となった加盟国が、SDRと引き換えに他の加盟国から必要な通貨の融通を受けることができる。人民元が採用された場合、4通貨に加えて人民元も融通してもらえるようになる。

 人民元の国際化を進める中国は、SDRへの採用を強く求めていた。IMFのラガルド専務理事らは、財務基盤強化につながるとして前向きだった。IMFの古沢満宏副専務理事は今月、人民元をSDRにする判断時期について「11月か12月の理事会で決める。結論が年を越えることはない」と述べていた。一方、米国や日本などはSDRの採用に慎重な姿勢を示していた。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2015年10月27日 17:40:50 : OO6Zlan35k
中国GDP成長率7%割れを市場はどう評価したか
2015年10月27日 週刊ダイヤモンド編集部
中国の景気減速が続いている。今年7〜9月期の実質GDP成長率が6.9%と、ついに7%を割り込んだ。8月には、突然の人民元切り下げで中国経済に対する見方が一気に悲観的になり、世界同時株安を引き起こしたことは記憶に新しい。果たしてこの数字を市場はどう評価したのか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 大坪稚子)


中国の習近平国家主席にとって経済政策は最大の課題。外遊先でも経済協力をまとめ、中国への投資拡大につなげようと必死だ Photo:REUTERS/アフロ
 8月24日月曜日の中国版ブラックマンデー(中国経済の減速懸念をきっかけに起きた世界同時株安)の再来はなかった。10月19日月曜日、中国の実質GDP成長率が7%を割り込んだと発表された後も、市場は大きな混乱もなく平静を保った。6.9%という水準は、リーマンショック直後の2009年1〜3月期(6.2%)以来のことだ。

 景気減速の主な要因は、生産と投資が低迷していること。特に製造業が不振で、9月の鉱工業生産(単月)は前年同月比5.7%増にとどまり、増加幅は前月から0.4ポイント低下。9月の発電量も前月の1%増からマイナスに転じ、同3.1%減となった。

 1〜9月の固定資産投資は前年同期比10.3%増と、企業の設備投資の減退と不動産投資需要の低迷により、1〜8月から0.6ポイント減速した。

 それでも市場に混乱が起きなかったのは、6.9%という水準が想定の範囲内であり、織り込み済みだったからだ。

 中国政府は今年3月の全国人民代表大会(全人代)で、消費主導の安定成長を目指す新常態(ニューノーマル)を掲げ、実質GDP成長率の目標を7%前後(前年は7.5%)に引き下げた。7〜9月の成長率もこの目標の範囲内ではある。むしろ、市場でのコンセンサス(最も多い予想値)の6.8%より高いとして、好感する向きもあったほどだ。

 ただし、これで中国経済に対する懸念が払拭されたわけではない。過度な悲観論が後退しただけで、見方は分かれている。

 第一生命経済研究所の西濱徹主席エコノミストは、「最悪期は脱した」とみる。9月単月の輸出額は、前月までと比べてマイナス幅が減り、底入れの兆しが見えてきた。消費も堅調で、9月単月の社会消費品小売総額は前年同月比10.9%増となった。


拡大画像表示
「(成長率が落ちても)中国で雇用危機が起きていないのは、サービス産業が雇用の受け皿になっているからだ」。SMBC日興証券の肖敏捷シニアエコノミストは、サービス産業が景気を下支えしていると分析する。産業別GDP構成比を見ても、すでに第3次産業が51%に達している。

 話題になっている訪日中国人の“爆買い”も、中国人消費者の購買意欲の高さの表れだろう。

 さらに、巨額の財政赤字を抱えるブラジルなどの新興諸国と違って財政に余裕のある中国は、景気刺激策を打つこともできる。実際に、8月以降、反腐敗運動によって萎縮し滞っていた地方政府のインフラ投資が動き始めていることも、景気減速に歯止めがかかるのではないかという見方につながっている。

五中全会で決まる
次期5カ年計画の
成長率目標に注目

 他方、中国経済の不透明感が増しているという見方もある。理由は大きく二つある。

 まず、日本がバブル崩壊後に経験したバランスシート不況に陥る可能性だ。リーマンショック後、中国企業は社債や借り入れで積極的に資金を調達し、その多くを財テクに投じてきた。

「委託融資や銀行理財商品、信託融資を合わせたシャドーバンキングの規模は、14年末で37.39兆元、名目GDPの約6割に達している」(関辰一・日本総合研究所副主任研究員)

 株式や地価が下落すれば、企業は過大な債務と資産目減りに対応するため債務返済を優先させることになる。バランスシート調整が進まなければ、金融緩和をしても設備投資の拡大につながらず、かつての日本のように景気後退期が長期化するリスクがある。

 もう一つは、中国政府が経済を完全にコントロールしているとはいえないことだ。6月から7月にかけて、“官製相場”とみられていた上海株の暴落を止められなかったことがそれを証明している。果たして足元の景気減速が、中国政府が企図した構造改革による痛みなのか、それとも想定外の落ち込みなのか。統計数字に対するそもそもの疑心暗鬼と相まって、不透明感が増している。

 世界第2位の経済大国となった中国の景気減速は、中国向けの輸出減少や資源需要の減退による価格下落を通じて、新興国・資源国に大きな打撃を与えている。日本や米国、欧州なども当然、無傷ではいられない。

 そんな中、注目されるのが10月26日から始まる第18期中国共産党中央委員会第5回全体会議(五中全会)だ。16年から始まる第13次5カ年計画について討議され、GDP成長率の目標が示される。持続可能な安定的経済成長を目指す中国は、果たしてどんな目標を設定するのか。今後の中国経済のみならず、世界経済の行方を占う試金石となるかもしれない。
http://diamond.jp/articles/-/80524

米利上げなら円は金利差が重し、新興14カ国は「苦労」-大場元財務官 (2)
2015/10/27 13:45 JST

    (ブルームバーグ):日米英独仏が世界的な不均衡をもたらすドル高の是正で一致した1985年9月の「プラザ合意」時に財務官だった大場智満氏は、米国が2006年以来となる利上げに踏み切れば、円相場は内外金利差の影響を受け、新興国の一部は資金流出で「かなり苦労する」とみる。
大場氏(86)は21日のインタビューで、ドルはプラザ合意から30年を経て、大局的に「もはや安定してきている」と評価。円相場については「今は短期的には金利差で動く時代だから、米国が利上げしたら響く」と予想した。通貨の強弱は「中長期的には国際収支やGDP(国内総生産)が効く。超長期的には購買力平価も一つの参考指標にはなる」と話した。
主要貿易相手国・地域26通貨に対する貿易加重ドル指数は先月23日に03年4月以来の水準まで上昇。新興20カ国の通貨指数はほぼ同時期に1993年7月以降で最低となった。足元では米利上げの後ずれ観測を受け、ドル高・新興国通貨安は一服。円の対ドル相場は6月に1ドル=125円86銭と約13年ぶりの安値を付けたが、27日午後は120円台後半で推移している。
国際金融情報センターの前理事長である大場氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げすれば、主要な新興30カ国のうち14カ国は「米国への資金流出で自国通貨が弱くなる。防衛するには金利を引き上げざるを得ず、成長にはマイナスになる」と分析。米利上げが多少後ずれしても「状況は変わらない」と述べた。
判断基準には、1)経常赤字がGDPの3%以上、2)対外短期債務が外貨準備以上、3)インフレ率が6%超、4)GDPがマイナス成長−の4指標を使用。2つ以上に該当するロシア、ブラジル、南アフリカ、インドネシア、パキスタン、ベネズエラ、コロンビア、アルゼンチン、イラン、イラク、エジプト、アルジェリア、トルコ、カザフスタンは政策対応を迫られると予想した。
人民元、英国が支援か
大場氏は人民元を国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨に入れるのは「普通に考えたら、まだ早い」と指摘。米国がIMFのクオータ(出資比率)改革で中国のシェア上昇を承認し、SDR入りは人民元の国際化や資本市場の自由化が進むのを待つべきだと語った。ただ、構成通貨を決める理事会で、中国を「英国がサポートするのではないか」と述べ、結論は不透明だとの認識を示した。
SDRはドルと金に次ぐ国際準備資産としてIMFが69年に創設。自由に利用が可能な主要国・地域の通貨に対する潜在的な請求権だ。変動相場制への移行後は必要性が低下したが、世界的な金融危機を経て関心が高まった。現在はドルとユーロ、ポンド、円で構成。3月時点で2040億SDR(2800億ドル相当)が加盟国に配分されている。
関係者によると、IMFはSDR見直しで人民元が採用される公算が大きいと中国の当局者に強く示唆した。IMFは5年ごとの見直し作業の一環として、SDRの構成通貨に人民元を含めるかを検討中。理事会はIMFスタッフの判断を受け取った上で、来月にも採決する。2010年の前回見直し時は、人民元の自由化が十分でないとして採用が見送られた経緯がある。
大場氏はSDR入りの条件として、1)世界全体の外貨準備に占める割合、2)国際的な債券発行高、3)貿易決済額−の3つがあると指摘。外貨準備についてはドルが64%、ユーロは21%、ポンドは4.1%、円は3.4%だが、人民元は1%にとどまると言う。債券発行高もドル建てが1−3月期に43%、ユーロ建てが39%、ポンド建ては10%、円建ては2%で、人民元建ては0.6%だったと指摘した。
貿易決済額に関してはドルが42%、ユーロが37%、ポンドは4.3%、円は3.3%だが、人民元は0.7%にすぎないと指摘。中国は「貿易額では世界一で、人民元建ての取引も円とほぼ並んだが、決済は少ない」と語った。3条件の現状を踏まえれば、仮に人民元がSDRに入ったとしても、構成割合が「日本より低いのは当たり前だろう」と述べた。
中国は5.75%成長
中国が8月11日に人民元を突然切り下げると、世界的に市場が混乱。世界の株式時価総額は先月下旬にかけて約9.7兆ドル失われた。同国は05年7月に対ドル連動(ペッグ)制を廃止して緩やかな元高を容認したが、世界的な金融危機後は水準維持に転換。10年6月から再び上昇を認め、昨年1月には6.0元台と公定・市場レートを一本化した1993年末以来の高値を付けた。その後は資金流出で下落圧力に直面している。
中国の実質GDPは7−9月期に前年比6.9%増と約6年ぶりの低水準に減速。中国人民銀行(中央銀行)は23日に昨年11月以降で6回目となる利下げと預金準備率の引き下げを発表した。共産党指導部は26日から、16−20年の5カ年計画について討議する。
大場氏は、人民元相場は「もう少し弱くなりそうだ」と予想。成長率の「実態は5.75%くらいではないか」とみる。電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行融資額から算出されるいわゆる「李克強指数」によると3.5%程度だが、サービス産業は約8%の成長と仮定し、構成比も5割ずつと割り切って算出したと説明。「中国経済の減速は世界の問題だ」と語った。
日本経済については「デフレからは脱却しつつある」が、「成長エンジンは見当たらない」と指摘。「海外投資で利益を出し、貿易赤字でも経常黒字を維持することではないか」と話した。日本銀行の黒田東彦総裁が目指す2%の物価目標については「目標自体は持っても良いが、無理にいつまでにと言う必要はない」との見解を示した。原油安を背景に、他の先進国でもインフレ率はゼロ%前後にとどまっていると述べた。
日銀が異次元緩和で国債等保有額を「これ以上増やすのは将来に禍根を残す」恐れがあると懸念。日銀は「まだ1年は続けざるを得ない」が、いずれ「出口政策を考えておいた方が良い」と述べた。公的債務がGDPの2倍超に膨らむ中、消費税率は欧州並みに「20%まで持っていかないと駄目だ」と主張。15%への増税時に10%の軽減税率を入れ、インボイス(税額票)方式も導入すべきだと語った。
関連ニュースと情報:榊原元財務官:再び円安に戻ることはない−米利上げと日銀出口で (2)プラザ合意から30年で様変わり、ドル高加速でも国際協調は望み薄か「トレンド転換した」、中国株バブル破裂で円キャリーと黒田目標に逆風トップストーリー:TOP JK 外国為替: NI FRX 日本経済: ECST21金融危機: NI CCRU G20関連: NI G20G7関連: NI G7米国経済: ECST23
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net;東京 Chikako Mogi cmogi@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 青木 勝, 山中英典
更新日時: 2015/10/27 13:45 JST

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NWUNH56K50XU01.html



焦点:豪中銀、世界的な緩和の波で追加利下げ不可避か

[シドニー 27日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は、世界的に金融緩和の流れが進む中で、不本意な豪ドル高を食い止めるため追加利下げを余儀なくされそうだ。ただ、利下げは住宅市場の過熱を煽ることにもなりかねず、RBAの腰は重い。

政策金利は既に過去最低の2.0%にある点からも、RBAは追加緩和に乗り気でない。それでも海外では超緩和策で債券利回りがマイナスに転じる国が増えており、相対的な金利の高さからオーストラリアに資金が流れ込むのを防ぐためには、利下げのほかに選択肢はないかもしれない。

国内情勢を見渡しても経済成長が潜在成長率を下回り、インフレが低位安定し、大手行が住宅ローン金利を引き上げるなど利下げ要因に事欠かず、RBAは早ければ来週にも動く可能性がある。

AMPキャピタルの投資戦略ヘッド兼チーフエコノミストのシェーン・オリバー氏は「単にオーストラリアの金利が世界金融危機後の世界では高すぎるということだ」と話す。「豪ドル安は観光や教育などのセクターを支える上で重要だ。間違った方向に向かうべきではない」という。

大手行が規制強化に伴うコスト高による業績悪化を回避するため住宅ローン金利の引き上げを決めたことで、既にRBAが11月3日の会合で利下げに踏み切るとの憶測が巻き起こっている。

しかし利下げ観測の台頭でより大きな役割を果たしたのは、12月にも量的緩和策を拡大すると示唆したドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の判断だろう。ECB総裁発言を受けて豪ドルの対ユーロ相場は4%ほども上昇した。

さらに23日には中国人民銀行が政策金利と預金準備率の引き下げを発表し、追い打ちを掛けた。

こうした流れは、ECBの緩和を引き金に景気刺激策が世界中を覆った今年初めの状態と不気味な一致を見せている。実際、ECBが1月に資産買い入れを拡大した1週間ほど後にRBAが再利下げを開始したのは偶然ではない。

RBAは2月に続き5月にも利下げしたが、その後は住宅バブルを恐れて追加利下げに消極的な姿勢を示している。

2月と5月の金融政策決定会合の議事要旨からは、RBAの政策判断には海外中央銀行の政策運営が色濃く影を落としており、とりわけ豪ドル高回避の必要性が読み取れる。

米連邦準備理事会(FRB)は9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送り、年内利上げの確率は五分五分の様相。米利上げが豪ドルを押し下げ続けると見込んでいたRBA当局者は、こうしたFRBの姿勢に大いに失望した。

さらに今ではECBが追加緩和に動きそうな様子である上に、日銀が追加緩和に動くのではないかとの観測が流れ、FRBの利上げは年明けにずれ込むとの予想が広まりつつある。

いずれもオーストラリアにとっては利回りが上昇し、リターンを渇望するファンドの投資意欲をそそるリスクがある。例えばオーストラリアの2年物国債の利回りは1.80%で、米国は0.65%。これに対して日本の利回りはほぼゼロで、ドイツでは0.31%のマイナスとなっている。スペインですら先週は利回りがマイナスに転じた。

隣国ニュージーランドは2014年にいったん利上げしたものの、今年6月には利下げに政策を転換。中銀は29日の政策決定会合でいったん金利据え置きを決めそうだが、12月には利下げを再開するとの見方が大勢だ。

(Wayne Cole記者)http://jp.reuters.com/article/2015/10/27/analysis-rba-monetary-easing-idJPKCN0SL0FJ20151027?sp=true


ドル120円半ばで方向欠く、株安や米金利低下眺め

[東京 27日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点と比べ、ドル安/円高の120円半ばだった。朝方は輸出企業のドル売り/円買いが観測されたが、午後はマイナス圏で推移する日経平均株価や、米10年債利回りの低下などを眺め、ドル/円は方向感なく推移した。

正午から午後3時にかけては特段目立った材料がなく、120.50─60円台でもみあった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明発表をあすに控えてポジション調整主体の動きになったとみられる。

市場では「米国の債務上限問題がトピックになりそうだが、進展がみられない限りは積極的にやっていく参加者もいないのではないか」(邦銀)との声が出ていた。

きょうは一部で、欧州時間に発表される英国の7─9月期国内総生産(GDP)速報値が関心を集めている。英国の利上げへの思惑から「強い数字なら素直にポンド買いが強まるのではないか」(国内金融機関)との指摘がある。ポンド/円などに値幅が出るようであれば「ドル/円にも波及する可能性がある」(同)という。

<朝方は輸出企業のドル売り流入>

朝方121円付近で推移していたドル/円は、仲値に向けて120.70円台まで下押しされた。仲値通過後は小動きとなったが、正午にかけて中国の上海総合株価指数が下げ足を速めると、ドル/円も前日安値120.60円を下抜け、一時120.48円まで下落した。

下げを強めたのは、米海軍ミサイル駆逐艦の南シナ海での行動がきっかけになったという見方も出ていた。

ドル/円JPY=  ユーロ/ドルEUR=  ユーロ/円EURJPY=

午後3時現在 120.60/62 1.1062/66 133.42/46

午前9時現在 120.96/98 1.1057/61 133.76/80

NY午後5時 121.07/09 1.1058/60 133.88/92

(為替マーケットチーム)


円が上昇、日米の金融政策会合控えて買い優勢−対ドル120円半ば
2015/10/27 14:20 JST
    (ブルームバーグ):東京外国為替市場では、円が対ドルで1ドル=120円台半ばに上昇している。日米の金融政策決定会合を控える中、ドル安・円高が優勢の展開となっている。
27日午後2時15分現在のドル・円相場は120円57銭付近。早朝に付けた121円10銭から一時120円48銭と2営業日ぶりの水準までドル安・円高方向に振れている。
楽天証券の相馬勉債券事業部長は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げをやらないとの既定路線で、日本銀行は株価が崩れて円高にならない限り、追加緩和観測は盛り上がりにくいと指摘。「米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げか、日銀の追加緩和のどちらかがあれば、大きくドル高・円安が進むだろうが、なかなか政策変更が実現しない印象」とみる。
FOMCは27日から2日間の日程で開かれる。ブルームバーグのデータによると、フェデラルファンド(FF)金利先物動向が示す今回会合での利上げ確率はわずか6%。12月会合での確率は34%程度で、50%以上の確率で利上げが見込まれているのは来年3月の会合となっている。
三井住友銀行のチーフエコノミスト、山下えつ子氏(ニューヨーク在勤)は、FOMCの声明文でリスクに関する文言の強弱によって、ドル・円相場は「過敏な反応が上下どちらかに出ることはあり得る」と予想。また、将来の利上げについての思惑がどちらかに強まれば、ドルが上下に振れる展開が見込まれると言う。
一方、30日には日銀の金融政策決定会合が控えている。ブルームバーグが21日から26日にかけてエコノミスト36人を対象に行った調査によると、16人(44.4%)が30日会合で追加緩和を予想した。
山下氏は、「日銀が緩和をする時は、本当に日本経済のダウンサイドリスクが高くなったので追加緩和措置を取らなくてはいけないということだと思う」とし、「ドル・円相場が120円を超えているような段階で、少なくとも日銀がここから緩和をしてもっと円安に持っていこうという気は多分ないと思う」とみる。
関連ニュースと情報:トップストーリー:TOP JK
記事についての記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 kmiura1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 青木 勝, 山中英典
更新日時: 2015/10/27 14:20 JST
http://jp.reuters.com/article/2015/10/27/tokyo-for-idJPKCN0SL0GR20151027?sp=true


日銀追加緩和で市場予想は拮抗、「30日なし」が若干優勢−サーベイ
2015/10/27 15:25 JST
    (ブルームバーグ):日本銀行が30日開く金融政策決定会合で、追加緩和に踏み切るかどうか市場の予想はほぼ拮抗(きっこう)する中で、追加緩和なしが若干優勢だ。
ブルームバーグが21日から26日にかけてエコノミスト36人を対象に行った調査で、16人(44.4%)が30日会合で追加緩和を予想した。前回調査における30日会合の緩和予想(36人中15人=41.7%)は上回ったものの、10月6、7日会合を合わせた緩和予想は17人(47.2%)だったので、ここからは後退した格好。追加緩和観測は1カ月前と比べるとやや盛り上がりに欠けている。
日銀は30日、経済・物価情勢の展望(展望リポート)で2017年度までの成長率と生鮮食品を除くコア消費者物価(CPI)の見通しを公表する。いずれも下方修正は必至で、「16年度前半ごろ」としていた2%達成時期も先送りする公算が大きい。もっとも、足元でエネルギーを除く物価の上昇が進んでいることに加え、政治的な圧力も高まってないことから、市場の見方も分かれている。
7月時点の日銀の見通し(政策委員の中央値)は15年度の実質成長率が1.7%増、コアCPIは0.7%上昇だった。元日銀理事の早川英男富士通総研エグゼクティブ・フェローは16日のインタビューで、「15年度の成長率と物価は大きく下げざるを得ないだろう。成長率は1%前後、物価は0.3−0.4%上昇くらいではないか」と述べた。
コアCPIは8月に前年比0.1%低下と、13年4月以来2年4カ月ぶりのマイナスに転じたが、日銀が独自に試算しているエネルギーを除くコアCPIは1.1%増と着実に伸びを高めている。内閣官房参与の本田悦朗明治学院大客員教授は23日、共同通信に対し、今すぐ追加金融緩和をする必要はない、との見方を示した。元日銀審議委員の中原伸之氏も16日のインタビューで、「追加緩和は必要ない」と述べた。
日銀が「ちゅうちょする」リスク
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは引き続き、日銀が30日会合で「物価目標2%を『16年度前半ごろ』達成としている強気シナリオの下方修正とセットで追加緩和を決めるだろう」と予想。「仮に日銀が『言行不一致』で追加緩和に動かない場合、日銀の政策運営に対する海外投資家の信頼感が決定的に失われることを通じて大幅な株安・円高が惹起(じゃっき)される恐れがある」という。
バークレイズ証券の森田京平チーフエコノミストも「鉱工業生産、機械受注、稼働率、輸出数量など景気の一致指標や先行指標が黄信号を示しており、『ちゅうちょなく』対応するとすれば30日」として、30日の追加緩和予想を維持している。
しかし森田氏は、「そもそも、日銀が『2016年度前半ごろにCPI前年比2%』にどこまでこだわっているのか、分からなくなってきている」と指摘。加えて、「日銀の唯一の政策反応関数である『ちゅうちょなく』という表現が政策委員の間で共有されているか怪しい。将来の札割れリスク、その結果としてオープンエンドの政策運営が難しくなることも踏まえると、日銀が追加緩和に『ちゅうちょする』リスクは残っている」という。
110円割れの円高ならない限り緩和なし
クレディ・スイス証券の白川浩道チーフエコノミストは「国内財政政策運営がやや混沌(こんとん)としていること、為替相場が1ドル=120円程度で落ちついていることから、日銀は様子見姿勢を続ける」と指摘。30日の追加緩和予想を撤回し、追加緩和予想時期を来年4月に先送りした。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「追加緩和の効果は主に円安を通じて発現するが、大幅円安でも輸出数量が増えない一方、円安による家計の実質購買力の悪化で個人消費が抑制されるなど、円安の弊害が目立ち始めている。来夏に参院選挙を控え、家計を犠牲にする追加緩和への政治的サポートは得難いとみられる」と語った。
仮に追加緩和があるとすれば、「中国のハードランディングや米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測の大幅後退で、110円を割り込むような急激な円高が進展した場合」とみる。
日銀は最も有効なタイミングを模索か
日本総合研究所の山田久チーフエコノミストも「景気は足踏み状態が当面続くが、回復傾向は崩れず、コアコアの物価は上昇傾向にあるなか、日銀は追加緩和に踏み込まないだろう。財政再建の道筋が不透明なことや円安の消費へのマイナスが認識される中、1年前とは状況は異なる」と指摘。
河野氏と同様、「110円を上回る円高が進めば追加緩和はあるが、米国金利が引き上げ方向にあることを踏まえれば、その可能性は低い」とみている。
一方、東短リサーチの加藤出チーフエコノミストは従来の「追加緩和なし」予想を「追加緩和あり」予想に変更した。「日銀は限られた『追加緩和カード』を最も有効に使えるタイミングを模索しているだろう。政府は物価目標の早期達成の必要性をあまり感じていないと考えられるが、来年夏の参院選に向けて、株価押し上げのためのカンフル剤的追加緩和策は期待しているだろう」と指摘。
その上で、「追加緩和のタイミングは来年4月か。現行の量的・質的金融緩和の枠組みを維持する中での追加緩和をするならば次回が最後になるだろう」としている。
27日の市場は日経平均株価が前日比170円8銭(0.9%)安の1万8777円4銭で取引を終えた。午後3時20分時点で為替相場は、1ドル=120円65銭と前日に比べて45銭円高ドル安で推移している。
日銀ウオッチャーを対象にしたアンケート調査の項目は、1)今会合の金融政策予想、2)追加緩和時期と手段、3)コメント−。過去の日銀サーベイはNI SURVJPCENをご覧ください。
関連ニュースと情報:日銀:次の関門は会合前日の生産、輸出下げ止りひとまず安堵−関係者「黒田総裁は天の邪鬼」、30日は追加緩和ない可能性も−高橋洋一氏「追加緩和は必要ない」、昨年は増税後押しが隠れた理由−中原伸之氏日本のトップニュース : TOPJ 日銀関連ニュース :NI BOJ 日銀の総合ページ :BOJ 主要国の政策金利 : OLR
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;東京 James Mayger jmayger@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Brett Miller bmiller30@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net 上野英治郎, 谷合謙三
更新日時: 2015/10/27 15:25 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NWTDTK6K50XY01.html


2. 2015年10月27日 21:47:02 : jXbiWWJBCA
コラム:日本に灯る「円高デフレ回帰」の黄信号=竹中正治氏

竹中正治龍谷大学経済学部教授
[東京 27日] - 2012年11月の総選挙以来、ほぼ3年となるアベノミクスのマクロ経済面の実績をまず手短に総括してみよう。成功分野も不振分野もあるが、目下の日本経済の成長阻害要因となっているのは、企業利益や雇用の回復にもかかわらず起こっている「賃金抑制」だ。
これを乗り越えないと目標の実質成長率もインフレ率も達成できないまま、再び不況となり、株価や不動産などの資産価格の下落とともに円高デフレに戻ってしまう危険がある。
筆者はアベノミクス開始以来、日本経済について楽観的な見通しを維持してきたが、今年の夏以降は中国経済の急失速というリスク要因に加えて、予想以上に執拗(しつよう)な賃金抑制で日本経済の先行きには「黄色信号が点灯した」と判断を修正した。以下、その理由を説明しよう。
<アベノミクスの成功とつまずき>
まず成功面は、企業収益と株価の回復、雇用の改善だ。株価の回復は誰も承知のことなので繰り返さないが、四半期ベースの経常利益(法人企業統計、除く金融・保険)で見ると2015年4―6月期は19.2兆円でリーマンショック前のピーク時である2007年1―3月の水準を23.4%も上回る。
大企業のみ利益を伸ばし、中小企業は依然苦しいというイメージを喧伝する向きもあるが、事実ではない。リーマンショック後の不況で利益が落ち込んだ2009年度を基準に2014年度の実績を比較すると、資本金10億円以上の大企業の経常利益は2.09倍、資本金1億円未満の中小企業は2.07倍となっている。もちろん各種利益率などに見る大企業と中小企業の既存の格差が縮小したわけではないが、双方同じ程度に回復している。
雇用面での改善も明らかだ。失業率は2012年12月の4.3%から2015年8月には3.4%まで0.9%低下し、有効求人倍率は0.83から1.23(含むパート、除く新卒)に上昇した。1.23という水準は1992年以来の高い水準だ。昨年12月の総選挙期間中には「増えたのは非正規雇用ばかりで、正規雇用は逆に減った」と野党は与党を批判したが、2015年8月時点の正規雇用は3329万人で2012年10―12月の3330万人と同じ水準まで復している。
しかも、米国では求職活動を諦めた人たちの増加(労働参加率の低下)で失業率が見かけ上改善した面がある一方、日本では労働参加率が2012年12月の58.9%から2015年8月の59.6%まで逆に上がっている。日本の労働参加率は高齢化(引退者の増加)を反映して長期的に2012年まで緩やかな低下トレンドをたどっていたことを考えると、この変化は特筆すべきことだ。
また、2013年1―3月期から2015年4―6月期までの実質国内総生産(GDP)成長率は平均1.0%であり(四半期成長率の平均)、アベノミクスの掲げる中長期的目標2.0%の半分にとどまっている。ただし、本連載(「実質GNIが示す日本の高成長」2015年6月3日掲載)で以前指摘した通り、現下の日本経済は実質GDPと国民総所得(GNI)のかい離が広がっており、実質GNI伸び率で見ると同期間の平均値は1.7%と目標値に近い。
しかし、不振面もある。その筆頭が賃金の伸びだ。掲載図は横軸に失業率、縦軸に現金給与総額(1人当たり)の前年同月比(月次の振れが大きいので12カ月移動平均にしてある)をとった日本のフィリップス曲線である。失業率と賃金の変化は右方下がりの分布が普通想定される。


確かにリーマンショック後の不況を含む2000年から2010年の期間を見ると、失業率の上昇とともに現金給与総額が減少する右肩下がりの傾きになっている。ところが、2011年から2015年の期間で見ると、分布の傾きは水平に近くなり、右肩下がりの関係性は消えてしまっている。失業率の目立った改善にもかかわらず現金給与総額の伸びが著しく抑制されている。
かつてインフレが問題となった時期、例えば1970年代には、賃金の物価スライド的な決定方式と並んで「賃金の下方硬直性」が語られた。ところが今、私たちが目の当たりにしている状況はそれとは真逆の「賃金の上方硬直性」なのだ。短期から中期のタイムスパンでは、これが日本経済の最大の成長制約になっていると思う。
<不動産価格にも影を落とす賃金抑制>
ゼロ金利下ではいかなる量的金融緩和政策でもデフレ脱却には力不足であり、名目賃金の上昇が欠かせないことを吉川洋東大教授は著書「デフレーション」(日本経済新聞出版社、2013年1月)で強調している。同書の出版当時、筆者はその主張にある程度共感しながらも、次のように楽観的な見通しを立てていた。
すなわち株価上昇による資産効果(資産価格の上昇による消費の増加)と円安による企業利益回復が進めば、雇用増加(失業率低下)が進み、雇用需給が逼迫(ひっぱく)する。それに伴い名目賃金も上昇、賃金上昇と物価上昇が進む景気拡大局面にいずれ移行するだろうと考えていた。
ところが、すでに見た通り失業率が3%台前半まで下がり、日銀短観の「雇用人員判断」を見ても大企業から中小企業までかなりの「人員不足超」状況を示しているにもかかわらず、賃金の上昇が抑制されている。そして、消費者物価指数(CPI)の変化は「食料(除く酒類)とエネルギーを除く総合」ベースで前年同月比0.8%にとどまっている(2015年8月)。
賃金伸び率の不振は資産価格にも影を落とし始めている。商業ビルなどの賃料は企業利益の大幅増加を反映して上昇しているが、マンションを中心に住宅賃料の伸びは極めて鈍い。その一方で、超金融緩和、相続税対策、アジアマネーの流入などを背景に都市部のマンション価格は目立って上昇してきた。例えば東京都区部の中古マンション価格指数(IPD・リクルート住宅価格指数)は、2012年12月の底値から22%も上昇している(2015年7月現在)。
つまり賃料が上がらないままマンション価格が割高な方向に大きく振れており、さすがに価格上昇にも頭打ちの兆しが見えてきたようだ。今後、景気後退が起これば価格が一気に崩れるリスクが高くなってきているように思える。
実に興味深いことに、程度の違いはあっても米国でも類似の傾向が見られる。米国でも失業率が5%台前半というリーマンショック前の平常時の水準を回復しても、賃金など雇用コスト(Employment cost index)は前年同期比で2%前後の水準にとどまり、リーマンショック前の3%台の伸び率を回復していない。そのことが政策の目安としているコアCPI(除く食品・エネルギー)が前年同月比で2%に達しない低インフレ状況を生み出していると考えられる。
米国における雇用の回復と賃料の伸び悩みのパラドックス、その諸要因としては、1)これまで求職活動を諦めていた層の求職復帰による労働供給のたるみ(Labor market slack)、2)労働者の賃金交渉力の低下、3)技術革新による労働から機械へのシフト、4)経済グローバル化の進展による先進国と途上国との間の賃金収斂(しゅうれん)圧力などが指摘されているが、定説は確立されていない。
<最大の問題は縮こまる経営者心理か>
日本の賃金抑制の主因は、賃金が相対的に安く、労働時間も短いパートを主とする非正規労働者の増加と考えられているが、正規労働者の賃金の伸びも抑制されている。企業経営者は利益と売り上げ利益率双方の大幅な改善にもかかわらず、賞与は多少増やしてもベースアップには著しく慎重なままである。なぜだろうか。
ここからは筆者の推測になるが、リーマンショック後にグローバルな規模で起こったかつてないほどの売り上げの落ち込みが、企業経営者のトラウマになっているのかもしれない。売り上げの長期的な低成長予想に加え、金融危機のような事態で「売り上げ急減がいつまた起こるかわからない」という恐怖心が、利益が過去最高を更新する状況でも、正規雇用の抑制、ベースアップの抑制、そして設備投資の遅延を起こしているのではなかろうか。
加えて株主利益重視の「資本利益率(ROE)向上」という流行のスローガンも影響しているかもしれない。ROEは投じられた資本の効率性を測る1つの尺度として重視されるべきものである。ただし、それは将来に向けた積極的な事業展開として実現されるのが望ましい。ところが、むしろ賃金アップや新規の設備投資をはじめ各種の支出を抑制して既存事業のキャッシュフローを増やすだけの消極策を正当化する方便になっていないだろうか。
筆者が懸念するのは悲観的な予想の自己実現だ。これは厄介なことだ。すでに出尽くし感のある金融緩和や財政支出の拡大、あるいはちょっとした規制緩和によるビジネスチャンスの拡大程度では氷解しないような「アニマルスピリッツ」の委縮に日本の企業経営者が陥っているのだとすると、並みの経済政策では効果がない。
日銀がさらなる追加緩和に動くことを期待する向きもあるが、賃金の抑制状態が解消されない限り、その効果は極めて一時的なものにとどまるだろう。現在検討されている法人税率の引き下げもおそらくほとんど効果がないかもしれない。
このままだと人手不足であるにもかかわらず賃金は上がらず、したがってゼロ%に近い低インフレのままで、設備投資も増えず、生産性も潜在成長率も上昇しない。そして、量的金融緩和とゼロ金利の出口にたどり着かないまま、すでに始まっている中国をはじめとする大型新興諸国の景気失速による外需の減少や資産価格の急落などのショックで不況へ突入するというリスクシナリオが現実のものになりかねない。
その場合には、景気後退と同時に株価や不動産など資産価格の下落、マイルドインフレ期待の挫折から最悪の形で円高デフレに回帰する可能性が高くなる。
<イノベーションと高齢化社会の難問>
このような事態を回避できる代替シナリオはどういうものだろうか。短期的には賃金アップ、中長期的には生産性を上昇するためのイノベーションとそれを推進する研究開発、設備投資の活性化が必要だ。
これまで景気対策として雇用増を支援するための助成金は各種打ち出されてきたが、むしろ今必要なことは賃金アップのための税務面での優遇への転換だろう。イノベーションについては、人工知能、ロボテック、IoT(Internet of Things)、自動走行車、新エネルギー源開発、ガンや認知症治療の新医薬など各方面で技術的なフロンティアの急速な拡大が起こっている。
ただし、いかなる技術革新も既成の事業やビジネスモデル、旧来の生活習慣、そして保護主義的な規制体系を変えること、すなわち「創造的破壊」なしに経済成長率を引き上げるほどの成果をあげることはない。こうした変革の総体こそ「イノベーション」と呼ばれるものだろう。
習慣が保守化する高齢者の人口比率がますます高まる状況下で、イノベーションがもたらす変革に柔軟に適応できる成熟社会を築けるのか、それが日本経済の直面している最大の難問なのだろう。
*竹中正治氏は龍谷大学経済学部教授。1979年東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行、為替資金部次長、調査部次長、ワシントンDC駐在員事務所長、国際通貨研究所チーフエコノミストを経て、2009年4月より現職。経済学博士(京都大学)。最新著作「稼ぐ経済学 黄金の波に乗る知の技法」(光文社、2013年5月)
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)
*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

http://jp.reuters.com/article/2015/10/27/column-masaharutakenaka-idJPKCN0SK1K920151027?sp=true 


焦点:ロシア中銀、30日は金利据え置き予想がやや優勢

[モスクワ 26日 ロイター] - ロイター調査によると、ロシア中央銀行が30日の会合で政策金利RUCBIR=ECI を据え置くか引き下げるか見方が割れているが、インフレ率の高止まりを背景に、据え置き予想がわずかに優勢となっている。

ただロシア経済の窮状を和らげるために利下げするとの見方も根強くある。

調査したエコノミスト26人のうち、14人が11%で据え置くと予想。12人が50ベーシスポイント(bp)の利下げを予想した。

2つの見方が拮抗するのは中銀の直面する政策ジレンマを反映している。インフレ率が引き続き前年比で15%を超える一方、9月の経済指標は同国経済が最悪期を脱したとの期待感を打ち砕いた。

キャピタル・エコノミクスのリザ・エルモレンコ氏は「中銀はインフレ率や期待インフレ率が下がり始めるという堅調な兆候を待っている」とし、「現時点では週ごとのインフレ率は高止まりし、期待インフレ率も小幅に上昇している」と述べた。

原油価格の急落や欧米の制裁で落ち込んだ国内経済を支えるため、ロシア中銀が今年に入ってから実施した利下げは合計600bp。

9月11日の会合では主要政策金利を据え置いた。

しかしルーブルは9月の会合以降、ドルに対してRUBUTSTN=MCX約9%上昇しており、一部のエコノミストは利下げの余地が生じたとみている。

クレディ・スイスのアレキシー・ポゴレロフ氏は「追加緩和の予想を裏付ける最も重要な論拠はルーブル高だ」と指摘。

米連邦準備理事会(FRB)による利上げが来年に持ち越されるとの観測も、ロシア中銀の利下げを予想する論拠の1つ。短期的にはルーブルを含む新興国資産のリスクが低下するとみられるためだ。


米コムキャスト、USJ株51%を1830億円で取得
米国株式市場は急落、中国懸念が重し
人口減少問題、外国人労働者の受け入れ拡大も選択肢=IMF財政局長
コラム:来年の米大統領選、共和党勝利を裏付ける2つの根拠
欧州車、試験と路上走行でCO2排出量に40%の差=環境団体
http://jp.reuters.com/article/2015/10/27/russia-bank-idJPKCN0SL0TV20151027


ECBの政策見直し、タブーはない━専務理事=報道

[フランクフルト 27日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のプラート専務理事は、ユーロ圏のインフレ目標達成に向けたECBの政策見直しにタブーはないとの認識を示した。

AFPが伝えた。

専務理事は「インフレ目標の達成時期が後ずれするリスクに再び見舞われている」と指摘。「理事会は非常に強いメッセージを発した。金融政策スタンスについて結論を引き出す用意がある」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/2015/10/27/ecb-policy-praet-idJPKCN0SL0R620151027



3. 2015年10月27日 22:04:11 : jXbiWWJBCA
日銀、海外の景気減速に警戒強める=関係者

By TAKASHI NAKAMICHI
2015 年 10 月 27 日 12:40 JST

 【東京】日本銀行は世界の景気減速が物価目標の達成に及ぼすリスクをこれまで以上に注視し始めており、追加緩和策の可能性も排除していない。内部の議論に詳しい関係者が明らかにした。

 関係者によると、日銀は企業利益の改善や他の力強い兆候を理由に、日本経済の現状をかなり楽観しているが、執行部の一部は、中国や新興国経済減速の影響が一段と強まる可能性に懸念を強めている。

 関係者の一人は、「新興国の問題が長引いたり深まったりすると、(国内の)企業コンフィデンスに影響を与え、企業が(設備投資や賃上げの面で)さらに及び腰になることもあるかもしれない」とした上で、「今のリスクが昨年よりも小さいというつもりはない」と語った。

 中国をはじめとする新興国からの逆風を受け、日本経済は前年と同様のリセッション(景気後退)に陥りかけている。日銀の一部当局は、海外の成長減速や最近のコア消費者物価指数(CPI)の低下を理由に、国内企業が基本給の引き上げを渋る可能性について懸念していると関係者は言う。

 黒田東彦総裁は9月下旬、デフレを克服し、2%の物価安定目標を達成するためには、賃金の伸びの加速が欠かせないとの認識を示した。

 2人目の関係者は「リスクのほうを重視するのであれば、(政策は)本当にこのままでいいのかという議論になる」と述べた。関係者によると、今月30日の金融政策決定会合で追加策の実施が決まっているわけではないが、日銀は政策変更の可能性について「オープン」な姿勢を維持している。

 これらの発言は、日銀がこれまで発してきた一連の楽観的なメッセージとは対照的で、世界経済の不安定性が各国中銀の自信をぐらつかせている兆候と言える。米連邦準備制度理事会(FRB)は9月、金融政策の引き締めを見送った。一方、欧州中央銀行(ECB)は先週、追加緩和の用意があることを示唆した。中国人民銀行(中央銀行)は23日、追加利下げを発表した。

 関係者らは、こうした動きが日銀当局に対し、欧米の金融政策当局は世界の景気減速をより真剣に受け止め始めているという印象を与えたと述べた。3人目の関係者は、世界経済の先行きが「よくわからなくなってきた」ため、日本の輸出や生産、雇用、ひいては物価動向の予測が一層難しくなっていると語った。

 日銀は昨年10月31日の金融政策決定会合で、資産買い入れのペースをそれまでの年間約60〜70兆円から約80兆円に拡大するという積極的な金融緩和に踏み切った。今週30日の同会合ではこのペースがさらに拡大されると多数のエコノミストが予想している。

 2人目の関係者は、そうした観測について「ゆえんなきことではない」と語った。リスクを挙げればきりがないことから、日銀当局でさえも「メインシナリオの蓋然(がいぜん)性に100%自信をもっているかというと、そうでもない」と言う。

 関係者らは一例として、日銀版のコアインフレ指標(生鮮食品とエネルギーを除くCPI上昇率)が追加の金融緩和なしでも着実に2%の目標に向かうのかどうか、当局者の多くは確信を持っていないと指摘した。

 日銀が前回緩和策を発表した際、黒田総裁は国民のインフレ期待の低下に先んじて先制行動を取る狙いがあると説明した。今年は複数の物価見通しの指標がすでに低下し始めているため、当局は海外発の影響がさらに生じるリスクに一段と敏感になっているようだ。

 2人目の関係者は、9月の日銀企業短期経済観測調査(短観)で企業の物価見通しが一段と低下したことを含め、不安を感じる物価見通しの指標は多数あると述べた。また、コアCPIの低下が見通しに二次的悪影響を与える可能性も懸念されると言う。日銀は一般的に、国内のインフレ期待は不安定で、過去の指標に影響されると考えている。

 関係者らは、追加緩和が行われた場合、企業景況感のてこ入れを通じてインフレは上向き、金利は一段と低下して、物価見通しは押し上げられる可能性があると述べた。

 1人目の関係者は、限界的な効果が差し引きでマイナスとなる可能性は低いと指摘した。

 黒田総裁が追加緩和を提案した場合、議論は白熱する可能性が高い。関係者らによると、9人で構成される日銀政策委員会では、追加緩和が急激な円安を招いた場合、生活費の急騰を通じて消費者に打撃が及ぶとの見方から、複数の委員が漸進的な政策行動を支持している。

 だが一部の当局者は、日銀が緩和を見送れば、国民のインフレ期待はさらに損なわれる恐れがあると懸念している。



煮え切らないFRB、明確な金利見通しに苦慮

イエレン議長にはFRB内のさまざまな見解をまとめる責任がある PHOTO: JONATHAN ERNST/REUTERS
By JON HILSENRATH
2015 年 10 月 27 日 16:07 JST

 米連邦準備制度理事会(FRB)は28日、短期金利をゼロ近くにとどめると発表すると広く予想されており、その次の12月15日・16日の連邦公開市場委員会(FOMC)が、年内に利上げする最後の機会になる。

 この日程の中で、FRBのイエレン議長は二つの課題に取り組まねばならない。一つは、米経済が利上げに備えているかどうかの判断だ。もう一つは、市場をこれ以上混乱させずにFRBの意図を示すことだ。

 前回9月のFOMCでは、以前から予想されていた利上げが不安定な経済情勢のために先送りされた。この政策判断の前後にFRB関係者がまちまちなシグナルを発したため、多くの投資家が非難の声をあげたが、そうした動きの一因はイエレン議長にもあった。

 FRBが年内に動くかどうかに関心が集まる中、FRBは金利と米経済に対する予想をもっとうまく誘導する必要が増している。FRBの言葉は、ドル相場や資金調達コスト、株価を激しく上下させ、いずれは米国中の財布に影響を及ぼす可能性がある。

 ウォール・ストリート・ジャーナルが今月行ったエコノミスト調査では、64%がFRBは12月に利上げすると考えている。だが、先物市場が織り込む利上げ確率は35%だ。

 混乱の一因は、FRBの失敗ではなく、経済の足並みがそろわないことにある。失業率が急低下する中、イエレン議長をはじめとする多くのFRB関係者は今年の初めに、米経済は利上げできるくらい十分に強いと考えた。

 FRBは投資家を驚かせないように、警告を発した。FOMC委員のうち2人が、早ければ3月、遅くとも6月に政策金利の引き上げる予想を示した。ところがインフレ率は思ったように上向かず、中国経済の減速が不透明感をあおった。

 今年の利上げ見通しは確約を意味するものではなかったが、投資家やアナリストの多くはそのように受け止めた。だから、利上げの可能性が薄れるにつれ、FRBの姿勢は煮え切らないものに見えてきた。

 FRBは、雇用市場がさらに改善し、FRBの目標とする2%を3年以上も下回っているインフレ率が目標に向かうと「合理的に確信」したときには、利上げするとしてきた。だが、雇用の改善や、インフレ動向に対する確信をどのように定義するかについては、FRB関係者の見解は分かれている。

 FRB関係者が発するシグナルの違いが大きくなるほど、金利に対する判断は難しさを増す。FRB内にあるさまざまな見解をまとめ、合意形成する責任はイエレン議長にある。議長は定期的にFRB理事と会合を持ち、FOMCの前には各地区連銀総裁との電話会談を組む。

 だが、見解の相違がイエレン議長に近い人々の間で生じ始めた。フィッシャー副議長とニューヨーク連銀のダドリー総裁だ。

 イエレン議長とフィッシャー副議長は、2人を良く知る関係者によると、毎週FRB本部最上階にあるカフェテリアで昼食を一緒にとりながら、米経済や政策戦略について相談する。これも良く知る関係者によると、ダドリー総裁はしばしば、経済と政策を協議するために、議長と副議長、FRB幹部職員との会合に電話で参加する。また、イエレン議長が四半期ごとの記者会見を準備する際にも、ダドリー総裁は議長の答えを用意する議論にフィッシャー副議長らとともに参加する。この3人の定期的な交流が、FOMCの下準備になるのだと、事情に詳しい関係者は言う。

 だが、この3人はそれぞれの考えを持っている。フィッシャー副議長は利上げに積極的な陣営に属している。ダドリー総裁はためらっている。彼らの見解の相違が数週間前に表面化して、投資家を混乱させた。

 中国経済を懸念して、8月25日に各市場が動揺した。ダウ工業株30種平均は204.91ドル安と、6営業日で10%超も下落した。事情に詳しい関係者によると、イエレン議長はこの週、ダドリー総裁とフィッシャー副議長にたびたび電話して協議した。

FOMCの勢力図(利上げ派:リッチモンド連銀ラッカー総裁、中間派:イエレン議長、フィッシャー副議長、NY連銀ダドリー総裁、アトランタ連銀ロックハート総裁、SF連銀ウィリアムズ総裁、パウエル理事、懐疑派:ブレイナード理事、タルーロ理事、シカゴ連銀エバンズ総裁) ENLARGE
FOMCの勢力図(利上げ派:リッチモンド連銀ラッカー総裁、中間派:イエレン議長、フィッシャー副議長、NY連銀ダドリー総裁、アトランタ連銀ロックハート総裁、SF連銀ウィリアムズ総裁、パウエル理事、懐疑派:ブレイナード理事、タルーロ理事、シカゴ連銀エバンズ総裁) ON GRAPHIC
 8月26日の記者会見でダドリー総裁は、イエレン議長とフィッシャー副議長と共有する見解をほぼ繰り返した。「短期的な市場の展開に過剰反応しないことが重要だ。これが単に一時的な調整なのか、あるいは米国の成長とインフレの見通しに意味を持つことになる何らかのもっと長引くことなのかは定かでないからだ」との声明を読み上げた。

 この会見の終わりに、ダドリー総裁は自らの見解を示した。9月のFOMCでの利上げは「数週間前よりも私には説得力が薄れたように思われる」と語った。

 この2日後にフィッシャー副議長はCNBC放送で、FOMCの政策判断に余裕を持たせようとして、ニューヨーク連銀総裁が残した印象を消そうとした。副議長は、「いまここで、どんな条件ならば説得力が増し、説得力が薄れるなどと、先んじて判断したくはない」と述べた。

 ダドリー総裁は後日、副議長も自分もFRBの判断は経済指標の展開次第だということを強調しており、見解の違いを否定した。ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対して総裁は「われわれはほぼ同じ見解にある」と話した。

 9月のFOMCで現状維持の判断を9対1の賛成多数で決めたイエレン議長は今回、FRB内の三つの陣営をまとめねばならない。

 数人の地区連銀総裁を含む利上げの用意はできたとする陣営と、もう一つは雇用と経済生産が堅調に伸び続けるならば利上げに向かうとするイエレン議長をはじめとするFRBの中核メンバーだ。そして第3のグループは「懐疑派」と呼ばれる連銀総裁や理事らだ。この陣営は、利上げする前にインフレ率や賃金が上昇する確証を得たいとしている。このグループは、利上げ積極派と対抗し、イエレン議長の中立姿勢を中心として合意形成に役立つ可能性がある。

 ダドリー総裁やフィッシャー副議長をみても分かる通り、それぞれの陣営内でも見解は割れる可能性がある。

 ブレイナード理事とタルーロ理事は、9月のFOMC後にそれぞれ、利上げに着手すべきとする一部地区連銀総裁の根拠に異議を唱えた。ブレイナード理事は今月、ワシントンでの講演で、タルーロ理事はその翌日、CNBC放送のインタビューで、インフレ率の上昇を確認するまでFRBの行動は待ちたいとの意向を示した。

 地区連銀総裁らの利上げ姿勢に反対しつつ、両理事は失業率がさらに低下すればインフレ率は上がるとするイエレン議長の見解にも疑問を投げかけた。失業率とインフレ率の相関性はあまり納得できないと語った。

 イエレン議長は、米経済のスラック(余剰資源)が減り失業率が下がるという自身の中心的な見通しのもとで、インフレ率は上昇すると信じている。事情に詳しい関係者によると、議長は数カ月前に、インフレ率がこれほど長く2%の目標を下回り続けているときに、なぜ利上げを検討するか、もっと詳しく説明する必要があると判断したと言う。

 FRBがスラックの尺度として好んでいるのは失業率だ。これは、失業率が下がれば賃金が上がるという半世紀前に生まれたフィリップス曲線の理論につながっている。インフレ率が上がることを納得できるようFRBが説明できなければ、利上げの根拠はほとんどなくなる。

 実際のところ、2人の理事とイエレン議長の距離は見た目ほど遠くない。イエレン議長は9月のFOMC後の講演で、昔からフィリップス曲線の理論はあるものの、失業率とインフレ率の関係性は希薄だと認めた。関係性が強いならば、2009年に失業率が10%に上昇したときにはインフレ率は落ち込み、失業率の低下にともないインフレ率が上がったはずだ。ところがインフレ率が徐々に低下し、2%割れの水準にとどまっている。

 イエレン議長は9月24日の講演で、「この(フィリップス曲線の)モデルの理論的土台は、経済学者の間でまだ議論されている話題だ」と述べ、「このモデルから導かれた見通しの妥当性は、新たに入手される統計に応じて評価され続ける必要がある」と指摘した。

 これは意味のある手掛かりだ。今後数週間で堅調な成長と雇用に関するFRBの見通しが統計から確認されなければ、そして統計がインフレの段階的な上昇を示唆しなければ、イエレン議長とFRB関係者らは利上げするとしても、あまり上げないだろう。

関連記事

人民銀とECBの行動、FRBの大きな障害にならない
FRB、他国の緩和で利上げ一層困難に
FRBの意に反し、市場は現状維持を織り込む
米利上げ観測【特集】


ギリシャ国内銀、再建への厳しい道のり
ENLARGE
ギリシャ・ナショナル銀行のATMを利用するギリシャ正教会の司祭 PHOTO: REUTERS
By
PAUL J. DAVIES
2015 年 10 月 27 日 15:17 JST
 ギリシャの銀行が再建するために何が必要かは明白だが、厳しく先の見えない道のりを歩まなければならないことに変わりはなさそうだ。
 今週はギリシャの4大銀行を対象にしたストレステスト(健全性審査)の結果が発表され、各行に必要な資本水準が明らかになる。必要資本水準の予想範囲は広いが、その上限となりそうな兆しが高まっている。実際にそうなれば、投資家は大きな打撃を受けるだろう。
 それを避けるための方法はあるかもしれない。ただ、ギリシャの規制当局と債権団が、長年厳しい状況が続き、ここにきて新たな緊縮策にも直面している国民の支持を維持しながら、国内銀行を安定させる決意であることに疑いの余地はない。
 それでも、国内銀は民間投資家から50億〜60億ユーロ(約6650〜7300億円)の資本を調達できるのではないかと期待されている。
 国内銀の中には、民間資本の獲得に特に苦戦しそうな銀行もある。ピレウス銀行は最も多くの不良債権を抱え、7-9月期には新たに大量の債権が不良化した。そのため、民間支援を受けるのは難しいかもしれない。他の国内銀は熱心な支援者がいると自信を見せる。
 ただはっきりしているのは、国内銀は公的資金に頼る前にあらゆる手段を尽くして資本を増強するよう指導されてきたということだ。この指導には、ギリシャ向け第3次金融支援の最終的な規模を最小限に抑えるという狙いがある。国内銀は価値のあるものは何でも売却しなければならない。その一例が、ギリシャ・ナショナル銀行によるトルコ子会社ファイナンスバンク(時価総額30億ユーロ)の売却計画だ。
 国内銀は劣後債保有者に損失負担を強いる必要があるだろう。シニア債保有者も例外ではないかもしれない。ピレウス銀行は劣後債とシニア債の保有者に対し、保有債券は売買不可能な受領書と交換されると通知済みだ。この受領書は、同行の必要資本水準が明らかになった段階で、元本を大幅に下回る金額(1ユーロ当たり0.40ユーロ程度と予想される)ないし株式と交換できる。
 他の国内銀行も同様の対応に出そうだ。この問題で劣後債保有者に選択肢はないが、アルファ銀行やギリシャ・ナショナル銀行のシニア債保有者にはまだ救いがあるかもしれない。
 これらの措置を実施した後、国内銀は新株発行を通じて投資家から資金を調達しようとするだろう。その対象は、不良債権投資に特化したディストレスファンドや、米著名投資家のウィルバー・ロス氏のような投資家となりそうだ。ユーロバンク株を保有するロス氏は、追加投資に前向きだが、シニア債は言うまでもなく、劣後債についても強制転換を望んでいない。これらの債券が株式に転換されれば保有株の希薄化が進むためだ。もっとも、この望みはかないそうにない。
 こうした措置を組み合わせることで、ギリシャの銀行が把握している、あるいは予見できる損失が吸収されると期待されている。このような損失は、欧州中央銀行(ECB)による資産査定(AQR)とストレステストの基本シナリオで特定されるだろう。
 国内銀がストレステストの悪条件シナリオで合格するには、資本の積み増しが避けられそうにない。公的資金の出番が来るのはその後と位置づけられている。
ENLARGE
“2015年1月を100とした場合の株価の推移【青:アルファ銀行、緑:ユーロバンク、灰色:ギリシャ・ナショナル銀行、黄緑:ピレウス銀行】“
 だが、規制当局はストレステストに高いハードルを設定している。国内銀は普通株式等Tier1比率を基本シナリオ下で9.5%、悪条件シナリオ下で8%維持する必要がある。
 これはそれぞれ8%、5.5%だった前回のハードルよりもはるかに高い。つまり、国内銀はまず12〜13%の資本を確保する必要がありそうだ。その場合、必要資本額は総額で200億ユーロに増える計算になる。
 これは厳しいように聞こえるが、ギリシャ政府と国民、そして債権団の全てが、資本問題の解決を望んでいることは間違いない。
 クレディ・スイスの最高経営責任者(CEO)が先週語ったように、銀行は資本を積み増しすぎても投資家から罰せられはしない。既存の投資家に大きな損失が出たとしても、国内銀が強固で健全なら、他の投資家が再び国内銀に資金を投じるだろう。
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-KX909_Greekb_G_20151026060630.jpg


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民101掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民101掲示板  
次へ