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月収200万円は豪快な飲み代とブランド服代に消える
客を紹介するだけで月200万円!? 知られざる高収入ビジネス「賃貸斡旋業」の実態
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151025-00949755-sspa-bus_all
週刊SPA! 10月25日(日)9時21分配信
世間にはあまり知られていないが、普通のサラリーマンではとても無理な高収入を得ている職業は少なくない。個人で「賃貸斡旋業」なる稼業に勤しむT氏(28歳・男性)もその一人だ。
現在のT氏の年収は約2500万円。月に平均200万円ほど稼ぐ彼の収入源は賃貸物件のオーナーからもらう「広告料」だ。そのボロ儲けの仕組み、そして彼が賃貸斡旋業を営むまでになった経緯を紹介しよう。
◆入社7か月で店長に
“大東亜帝国”レベルの大学を卒業後、首都圏に2店展開する賃貸不動産屋に就職したT氏。大学時代は新宿や池袋などの都内繁華街でボッタクリ居酒屋のキャッチをし、月に50万円、多いときでは100万円ほど荒稼ぎしていた。
「新卒で会社に入ると20万ちょいしかもらえないでしょ? そんなのやってらんないから、最初はそのままキャッチの仕事を続けようとも思ったんです。が、オレが大学を卒業したころからだんだん繁華街の締め付けが厳しくなってきた。このままだと今のペースで稼ぐのは厳しくなるかも、と思って知り合いの先輩が経営する賃貸の不動産屋に入ったんです」(T氏)
茶色い肌にあごひげをたくわえているY氏の風貌はEXILE系そのもの。彼の仕事のスタイルはキャッチ時代から今まで一貫している。とにかく「数字がすべて」だ。
不動産屋に入社した彼は、キャッチ時代に培った得意のオラオラスタイルの営業でメキメキと成績をあげていった。給与はベースの15万円に契約を取れた分だけもらえる出来高制。このシステムがピタリとハマり、T氏はわずか半年で月収100万円に到達。結果、入社7か月で本店の店長に抜擢された。
「店の売り上げの8割は自分でした。数字が出せない先輩や前の店長はみんな辞めさせて自分が店長に就いたんですけど、100万円という月収は割に合わなかったですよ。それで社長にギャラのアップを申し出たけど、全然聞いてくれなかった。モチベーションもあがらなくなったし、貯金もそこそこあったので会社を辞めることにしました」(T氏)
◆きっかけは前のお客さんからの電話
当時のT氏の貯金は約500万円。元々は自分の客だったキャバ嬢の家に転がり込み、ヒモ状態で同棲を開始。が、それから3か月ほどたったある日、当時の客から物件を借りたいと相談の電話が入った。転機はそのときだった。
「自分はもう辞めたので、ということで最初は後輩たちにお客さんを紹介してたんですよ。でも、あとから聞くと結局そのお客さんは物件が決まらなかったという報告ばかり。ようするにヤツらの営業力がないせいで契約を決められなかったんですよ。それにムカついて『じゃあオレがやるわ』ってことで今の仕事を始めました」(T氏)
◆ほとんどの客が知らずに払っている賃貸物件の「広告料」とは
T氏のビジネスはシンプルだ。賃貸物件を借りたい客に物件を紹介し、不動産屋で契約させるだけ。不動産屋からすれば、契約してくれる客を紹介してくれるT氏はありがたい存在。契約が決まるごとに、T氏には紹介料ということで不動産屋から金が支払われる…と思いきや、実はそうではない。
彼の稼ぎは各不動産のオーナーから支払われる。いったいどういうことか。次の事例を見てみよう。
ある人が家賃10万円の物件を契約したとする。敷金、礼金はともに1か月分、仲介手数料は0.5か月分だ。この場合、客が不動産屋に支払うのは初月家賃1か月分+敷金・礼金2か月分+仲介手数料0.5か月分=3.5か月分の家賃、すなわち35万円となる(鍵交換費など細かい諸経費は除く)。
では、この契約によって、不動産屋が収入として得られるのはいくらだろうか。仲介手数料の0.5か月分…と思ったら、実はそうとは限らないのである。
これとは別に、契約が決まった際に不動産のオーナーが不動産屋に支払う「広告料(別名・AD)」なるものがある。それは物件を契約した人が支払う金とは別で、不動産のオーナーが不動産屋に直接支払う謝礼金のようなものだ。
「我々不動産屋は物件ごとに何か月分の広告料がついているかわかっていますが、お店に来たお客さんからはそれがわからないようになっています。たとえば、家賃10万円で仲介手数料はゼロだけど、広告費は2か月という物件があったとします。この物件をお客さんに契約させれば、我々の懐には20万円が入ってくるわけです」(T氏)
広告料は、物件によって異なり、まったく出ないものもあれば、3か月分出るものもある。T氏の収入は、この広告料によるものだ。契約を決めた物件の広告料のうち、6割がT氏、残りの4割が不動産屋に支払われる。むろん、これはオーナーから支払われるものだが、もともとは借り主から得た金をまわしているもの。客は知らずに不動産屋に広告料を払っているのだ。
◆完全紹介制だから金持ちがやってくる
T氏の顧客は、全員が当時勤めていたころの不動産客からの紹介によるもの。大手企業の社員からキャバ嬢、飲食店店長まで多岐にわたる。
「数百人のお客さんと知り合っておけば、いつだって引っ越しの相談が来るんですよ。ちょっと考えてみてください。いま、自分のまわりに引っ越しを考えている人っていませんか? 一人くらいいるでしょ。そういう人に、前のお客さんが『知ってる不動産の人がいるよ』ってオレのことを紹介してくれるんですよ。賃貸不動産ってどこで契約しても同じだから、契約させる力を持っていればいくらでも稼げるんです」(T氏)
嬉しい誤算は、会社の社長や風俗嬢など、普通に店を開けていれば知り合わない客たちと知り合えたことだ。こうした職業の人たちは、駅前の不動産屋にフラッと入って物件を決めることに抵抗があるという。
「金持ちだからこそ、一回きりの関係になる営業マンに適当な物件を紹介されるんじゃないかって警戒してるんです。オレはお客さんと長期的な関係を結ぶから、騙すようなマネはしない。この手の金持ちを一回契約させると得られるバックは20万から100万円になります」(T氏)
大学時代から今までを振り返ったT氏は「オレのような低学歴は、客を持てば独立できる業界に入れば一発逆転がある」と説く。
契約額が大きく、客が途絶えない賃貸不動産ビジネス。彼のようなコミュ力があれば、大企業社員の年収を遥かに超えた額を稼ぎだすことも夢ではないのかもしれない。
「いま、オレみたいな仕事をしている人は、まわりに少なくとも3人はいます。全員年収は2000万円を超えている。今さら会社員なんてバカらしくてやってられないですよ。マイナンバー制も始まることだし、そろそろ法人化する予定です」(T氏)
<文・日刊SPA!取材班>
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