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トヨタ自動車も“自動運転車”を公開(今月6日)。各社、熱心に取り組んでいるが…
自動運転システム実用化への“難題” 人間の心理に合わない
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20151025/dms1510250830004-n1.htm
2015.10.25 大前研一のニュース時評 夕刊フジ
日立製作所と日立オートモティブシステムズ、クラリオンの3社は、一般道での自動運転の実現に向け、歩行者の行動変化を予測して衝突を防止する基本技術を開発した。人工知能により、歩行者が路上駐車などを避けて車道に踏み出す動きなどを予測し、歩行者とぶつかる恐れがある場合は、クルマをなだらかに減速させるという。
一方、三菱電機も準天頂衛星を活用したGPS(衛星利用測位システム)を搭載して自動運転ができる試作車を公表した。交差点の死角など事故が起きそうな危険エリアを把握し、安全運転できるのが特徴。立体の地図情報と併せ、雪道や霧など見通しの悪い状況でも自動走行が可能という。自動車メーカーと協力して開発を進め、2020年以降の実用化を目指す。29日から東京ビッグサイトで始まる「東京モーターショー」にも出展する。
しかし私は、自動運転システムの実用化はかなり難しいと思う。私たちは20年以上、通信衛星を活用してビジネス・ブレークスルー大学の講義を放送しているが、年に何回か、厚い雲に覆われ「雷が発生して受信できなくなった」というクレームを受けることがある。そんなとき、クルマはどうなるのだろうか。
私は先週、蓼科や軽井沢の山道を運転した。そのときの経験から、狭い道や樹木のトンネルや枯れ葉が落ちた道路でのGPS活用は難しいと思った。枯れ葉はGPSに反応しない。枯れ葉の上を走っても大丈夫なのかどうかは、人間の判断にかかっている。もうひとつ、大雨の後など路肩が緩いかどうかということも判別できないはずだ。
さらに、狭い道で前方からクルマが来たとする。お互いが「お前のほうが引っ込めよ」となったとき、自動運転車はどう対処するのだろうか。
将来、GPSや他の技術が発達して、枯れ葉が落ちている狭い道で対向車が来たとき、とっさの判断で対処してくれるのだろうか。私はまだ、そういったことはできないと思う。
自動運転車をプログラミングする人は、例えば時速100キロで走行しているときは、車間を100メートル空けるように設定するだろう。この道路は40キロが制限速度という場合も、法律を守るようにするだろう。
しかし、そんな状態が続くと、乗っている人間のフラストレーションはたまるばかりだ。利用者からクレームが出たら、どこかのボタンをピッと押したときだけ法令を順守しなくてもいいように設計するのだろうか。なにやらVWの都合のいい時だけ触媒を働かせるシステムを思い出させる。
人間の心理として、運転しているときに法令を守り続けるなんてことはない。だから私は、このシステムは人間の心理に合わないと思う。さらに、ハッカーにクルマが乗っ取られる問題なども完璧に排除しなければならない。
日本のメーカーは2020年までに導入、とかマスコミにあおられてかなり前のめりになっている。しばらく様子見で、この分野に熱心なベンチャー企業などにいろいろな問題点の摘出と対処方法を研究させておけばいいのではないか。
■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
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