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ブラジルと比べることで分かる日本の財政の危うさ
http://www.asyura2.com/15/hasan101/msg/799.html
投稿者 taked4700 日時 2015 年 10 月 25 日 14:44:56: 9XFNe/BiX575U
 

http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/13440090.html
ブラジルと比べることで分かる日本の財政の危うさ

 今まで、「日本は財政破たんをしないのか?」などの日本の財政が危ないという記事を幾つも書いてきましたが、未だに、日本財政の危うさを理解していただけない方がいる様子です。ブラジルの通貨であるレアル安が現在進行中ですから、ブラジルと日本を比べて、日本財政の危うさを再確認しようと思います。

 まずは、ウィキの「ブラジルの経済」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%AB%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%B8%88 )という記事から幾つかポイントを引用し、ブラジル経済の性格を確認します。なお、( )内は参考のためにこの記事を書いた時点で付けた注です。

1.「ブラジルの国内総生産は1兆8000億ドルを超え世界第8位でかつラテンアメリカで最大の経済大国である。1人あたりの国民所得は2007年には、ようやく6000ドルに到達した。」(日本の国内総生産は2015年で500兆円程度、1ドル120円で計算して4兆ドル程度。http://ecodb.net/country/JP/imf_gdp.htmlを参照。 日本の一人あたり国民所得は2006年で300万円程度。http://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/kyuhuhi-h18/4/h4.htmlを参照。6000ドルは1ドル200円としても120万円程度。)

2.「ブラジルは、鉱物資源が豊富な国である。」

3.「ブラジルは、オイル・ショックの経験を糧に、石油輸入依存経済であった経済の改革を行ってきた。2006年には、ブラジル経済は石油の自給の達成を宣言し、ついには、石油の輸出ができるようになった。」

4.「ブラジルの電力の多くは、水力発電に依存していて、国内の電力需要の92%をまかなっている。」

 更に、ウィキの「ブラジル」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%AB )から、ブラジルと言う国の背景を簡単にまとめます。途中(略)とあるのは、細かい記述をその部分で省略したという意味です。

5.「1822年2月18日にブラジル独立戦争が勃発した。1822年9月7日に(略)、ブラジル帝国はポルトガルから独立した。」

6.「独立後も大農園主の意向によって奴隷制は維持され続けたが、アメリカ合衆国の南北戦争後は西半球で奴隷制を採用する独立国はブラジル帝国のみとなったため(略)、次第に奴隷制の廃止と帝政の廃止をも含めた国民運動が生まれた。この運動により1888年5月13日に黄金法(略)が公布され、西半球で最後まで維持されていた奴隷制が廃止されたが、ペードロ2世は奴隷制廃止によって大農園主からの支持をも失い、翌1889年のデオドロ・ダ・フォンセッカ元帥のクーデターによって帝政は崩壊した。」

7.「1956年に就任したジュセリーノ・クビシェッキ大統領は『50年の進歩を5年で』を掲げて開発政策を進め、内陸部のゴイアス州に新首都ブラジリアを建設し、1960年にリオデジャネイロから遷都した。しかし、この開発政策によって生まれた債務が財政を圧迫し、インフレが加速した。」

8.「1964年にアメリカ合衆国の支援するカステロ・ブランコ将軍は、クーデター(略)で、軍事独裁体制を確立すると、親米反共政策と、外国資本の導入を柱にした工業化政策が推進された(略)。この軍政の時代に『ブラジルの奇跡』と呼ばれたほどの高度経済成長が実現したが、1973年のオイルショック後に経済成長は失速し、さらに所得格差の増大により犯罪発生率が飛躍的に上昇した。」

9.「1985年に民政移管が実現」

10.「1980年代には中南米を襲った債務危機に直面し、メキシコ、アルゼンチン、ペルーと並ぶ財政破綻国家の一つとして数えられ、インフレと莫大な累積債務に苦しんだ。1980年半ばに入ると世界的な金利上昇を契機にブラジルはマイナス成長を記録した。南米随一の大国ブラジルとはいえ、ブラジルの国家財政は限界に達しており、1983年には対外債務不履行を宣言した。その結果海外資本の流入は途絶え、国内の投資も鈍化。さらに対外債務の負担によって公共赤字が増大し、更なるインフレを加速させる結果となる。1980年代の後半には1000%以上のインフレが起こり、1993年には2500パーセントという途方もないハイパーインフレを招いてしまい、ブラジル経済は破綻した。」

11.「経済の回復とともに2007年には国際通貨基金への債務を完済し、債務国から債権国に転じた。メルコスール、南米共同体の加盟国で、現在ではロシア、中華人民共和国、インドと並んで『BRICs』と呼ばれる新興経済国群の一角に挙げられるまでに経済状態が復活した。重工業、中でも航空産業が盛んで、エンブラエルは現在、小型ジェット機市場の半分近いシェアを誇り、一大市場である欧米諸国や日本などのアジア各国をはじめとする世界各国へ輸出されているなど、その技術力は高い評価を得ている。」

 以上、見てきたように、ブラジルは、以前、植民地で奴隷制度があり、格差社会であったのですが、デフォルトとハイパーインフレを経験したことにより格差社会化を見直し、それが経済復活につながったのです。そのことは、「公衆衛生・教育などの公共サービスの水準は先進諸国に比べ低く、沿岸部と大陸内部の経済的な格差や貧富の格差が大きいが、経済や財政の好転を背景に近年急速に改善されつつあり、貧困層の生活水準の底上げは内需の拡大にも貢献している」とか「GDPにおける税の割合は30%を超えており、BRICs諸国で突出している。これは、貧困層への援助のために課税が行われているため」という記述がウィキの「ブラジル」のページにあることからも分かることです。なお、一般政府(国・地方自治体・社会保障基金)による年間収入、つまり、税収と税外収入を合計したもののGDPとの比が、「世界の歳入(対GDP比)ランキング」( http://ecodb.net/ranking/imf_ggr_ngdp.html )に載っています。これで見ると、2014年現在で、日本が約33%、アメリカ約31%、ブラジル約34%、イギリス約36%、スペイン約38%、ギリシャ約44%、ドイツ約45%となっています。つまり、GDPに対する歳入比で見ると、日本もブラジルもあまり変わりはないのです。

 債務残高の国際比較(対GDP比)( https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/007.htm )を見ると、2000年時点で、日本は136%、アメリカは48%、イギリスは44%であり、2015年で日本234%、アメリカ110%、イギリス98%です。

 「ブラジル、基礎的財政収支の黒字達成が必須」( http://jp.wsj.com/articles/SB12208348323212744301304581252062653064054 )によると、ブラジル政府の債務残高は2015年「7月時点で対GDP比64.6%相当の3兆6800億レアル(約105兆7600億円)だった」ということですから、日本に比べてブラジルの対GDP比債務残高はだいたい4分の1程度ですし、アメリカやイギリスと比べてもその比率は低いのです。つまり、ブラジルは日本に比べたら格段に財政は健全であり、アメリカやイギリスと比べても多少ブラジルの方が健全なのです。

 更に、ブラジルは既に述べたように現在は債権国であり、大和証券のブラジル・レアル債の紹介のページ( http://www.daiwa.jp/products/fund/include/4/4788/l4788.pdf )には、「2007年に純債権国に転換」し、2013年に対名目GDP比4.2%、2014年に同2.3%の対外純資産があることが示されています。

  主要国の対外純資産が http://www.garbagenews.net/archives/2013421.html に載っています。2013年末時点でのデータとされていますが、「主要国対外純資産GDP比」のグラフによると、一位は香港でプラス279%、二位はスイスのプラス151%、三位が日本でプラス63%です。以下ドイツがプラス50%、中国プラス20%、カナダプラス1.4%となっていますから、ブラジルはカナダよりも対外純資産GDP比がよいことになります。

 しかし、そのようにかなり財政に関した統計数字がいいブラジルですが、「レアル建てブラジル国債の利回りは16%」( http://jp.wsj.com/articles/SB11831858956330503399404581250320229991458 )ですし、9月「22日の外国為替市場で、レアルは1994年の導入以降で最安値を付けた。1ドル=4.0667レアルまで下げたレアルは年初来でドルに対して35%もの価値を失った」( http://jp.wsj.com/articles/SB11831858956330503399404581250320229991458 )という状況なのです。

 繰り返しますが、ブラジルは日本に比べて格段に政府債務は少なく、かつ食料や石油の輸出国です。日本同様対外純資産を持つ国でもあります。それであっても、国債の利回りは16%もありますし、今年、ブラジル通貨は35%も急激に値下がりしたのです。

 日本でもし国債利回りが現状の1%程度から5%程度になれば、確実に財政破たんです。農地が身近にあり、自分で自給自足がある程度できる地域はともかく、都市部は一気に生活が行き詰ってしまうでしょう。銀行は保有する国債・地方債が物価上昇により逆ザヤになってしまいますから持っている債券を売らざるを得なくなります。日銀が買い取るしかないと思いますが、その結果は、通貨安を一層ひどくするだけのはずです。通貨安が輸入物価高を呼び、それが更なる通貨安を呼び込むという悪循環に入ってしまいます。そうなってしまうと、新規の投資はほとんどできません。地熱開発もストップしてしまうでしょう。

 そうなってしまう前に、輸入依存度の高い品目の国産化を進める必要があるのです。地熱開発や食糧・飼料の自給化が必要ですし、都市機能の分散化を急ぐ必要があるのではないでしょうか。

2015年10月25日14時30分 武田信弘   

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コメント
 
1. 2015年10月25日 16:20:33 : b5JdkWvGxs
だから日銀が国債をすべて買い取れば借金ゼロになるんだよ

インフレにもならない


2. taked4700 2015年10月25日 16:55:08 : 9XFNe/BiX575U : 7i3p2OLfN6
>>01

>だから日銀が国債をすべて買い取れば借金ゼロになるんだよ
>インフレにもならない

いつまでそんなおとぎ話を信じているのですか?

もし本当にそう考えているのでしたら、身近な市議会議員や県会議員、または国会議員へそう話してみましょう。または新聞に投書をされたらどうですか。

なぜ、世界中の国で中央銀行がその国の政府が発行した国債をすべて買い取るということをやっていないのか、それを少し考えるべきですね。


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