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2019年までの記録と予測の物語 『日本国債暴落』匿名著者へのインタビュー
http://diamond.jp/articles/-/80305
2015年10月22日 桐谷新也 ダイヤモンド・オンライン
外資系投資銀行における債券取引の実態を臨場感あふれる筆致で描きながら、近年の日本国債をめぐる危機的状況を伝え、国債価格暴落のタイミングを2019年と予測するリアルノベル『日本国債暴落』。その発売にあわせ、著者の桐谷新也氏に執筆の背景や国債市場の現状を聞いた。(聞き手・構成:横田大樹)
ーー『日本国債暴落』は、2007年から2019年までという国債市場が激動する12年間を一気に描いた労作になりました。「桐谷新也」はペンネームですが、やはり本名やご職業などは明かせないのですね?
難しいですね……。そもそも日本では債券と聞いても、ピンとこない人がほとんどでしょう。さらに国債を証券会社と投資家が取引していると言われてもイメージしづらいと思います。つまりそれだけ狭い世界で国債市場は成り立っているのです。本書にも書きましたが、フロントオフィスと呼ばれる証券会社の市場取引に関わる部門で国債を扱っている人間は、おそらく、日系、外資系合わせても200人程度しかいないでしょう。
そしてその反対側に投資家という顧客がいるわけですが、今回は、本来は知られたくない双方の思惑や仕組みを、何人かの方にも意見を聞きながら表に出してしまった格好になります。その方たちへのご迷惑等を考えると、ペンネームのほうがよいかと思いました。
身分は明かせませんが、私が国債市場の関係者、もしくはそれと同等の知識を有している人間であることは、本書を少しでも読んでいただければわかっていただけるはずです。
ーーそうしたリスクを冒してまで、なぜ本書を書かれたのでしょうか?
海外と比較して日本では金利の概念がほとんど浸透していません。メディアでは株価や為替の動きは大きく報道されますが、10年金利の動きを取り上げているものはあまり目にしません。しかし債券市場の動きは、ダイレクトに株価や為替に影響しますから、本来は金利の動きもきちんと報道されるべきであり、それによって国民ひとりひとりがいま市場で何が起きているのかということをしっかりと認識する必要があると思います。
それにはまず、債券市場で日々しのぎを削っている人たちは、感情や志も含めてどのようにして取引を成立させているのかを世の中に知ってもらうことが重要だと思ったのです。本書によって債券・金利の理解が進み、様々な意見が議論されるようになれば幸いです。
ーーでは詳しくは本を読んでいただくとして、ダイヤモンド・オンラインの読者に、なぜ日本国債が暴落の危機にあるのか、簡単に説明していただけますか?
まず、国債の仕組みの大原則は、「(国債の)利回りが上がると価格は下がる」というシーソーの関係です。これを皆さんに覚えていただくだけでも、『日本国債暴落』を書いた意味があるくらいです。
現在、金利は非常に低い水準で推移していますので、国債暴落、つまり金利急騰が起こると言われても信じられないと思われるかもしれませんが、低金利の理由はまさに、日銀が異次元緩和と称して、大量に国債を買い上げているからに他なりません。すでに日銀の国債保有率は30%近くあり、近い将来40%にまでなるでしょう。これは投資家が購入に動くのに適正だと思われる金利水準を無視して市場が動いてきたということであり、今後もしばらくはそのように動くということです。
けれども、日銀の黒田総裁は出口戦略に関して明言を避けていますが、どこかのタイミングでテーパリング(金融政策において、中央銀行の資産購入規模を段階的に減らしていき、最終的に購入額をゼロにしていくこと)を実施する必要があります。日銀といえども、永遠に国債を買い続けることはできないからです。
しかし、この水準まで投資家を無視してきた市場で、いきなり日銀がテーパリングを実施したらどうなるでしょうか。それまでの異次元緩和によって国債価格の適正水準は見えなくなっていますから、投資家は市場から一斉に手を引き、国債価格は暴落、金利は一気に上昇することは想像に難くないと思います。
ーーなるほど……その暴落のタイミングを、桐谷さんは2019年と想定しているということですね。では、日本国債の暴落は、我々の生活にどのような影響を与えるのでしょうか?
日本国債が暴落すれば、金融システムが崩壊します。これまで国債を買い支えてきた民間金融機関は、大きな損失を抱えることになり、そのうちのいくつかは破綻に追い込まれることになるでしょう。例えば、本書では盛り込めませんでしたが、株式上場が決定した「ゆうちょ銀行」は国債保有率が非常に高く、国債が暴落すれば経営危機に瀕し、預金者も影響を受けることは自明です。
ーー「ゆうちょ銀行」などの郵政三社には、預金だけでなく株式でも国民の資金が集められています。
三社の株式を購入するだけの「日本郵政株式/グループ株式ファンド」という投資信託もあるようですね。金融関係者からすると、存在意義に大いに疑問のある商品ですが(笑)。
話を戻しますと、世の中のあらゆる金利は、国債の金利を基準にして決められていますが、国債が暴落するとはつまり、先ほどのシーソーの仕組みにより金利が急上昇するわけです。そうなれば、変動金利で住宅ローンを抱えている人は大打撃を受けます。新規でローンを組もうと考えている人も、あまりに高すぎる金利に資金を借りることができなくなります。
そして国債が暴落すれば、日本国の信用が失墜するわけですから、必ず円安が起きます。そうなると輸入物価の上昇によって、世の中で流通する生活必需品の値段が急騰することになります。つまり、深刻なインフレです。
年金生活者はインフレの影響をもろに受け、実質購買力は一気に失われることになるでしょう。そして世の中の需要が増えないで、インフレ率だけ上昇してしまったら、賃金上昇率はインフレ率より抑えられてしまうでしょうから、経済的弱者の生活は一層困窮することになります。
ーーありがとうございます……。『日本国債暴落』では、こうしたシミュレーションが対応策も含めて小説として描かれています。ぜひ多くの方に読んでいただきたいですね。
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