1. 2015年10月21日 10:56:41
: OO6Zlan35k
就職できない若者の「トンデモ言動」 【第42回】 2015年10月21日 櫻井樹吏 [キャリア・プロデューサー] 売り手市場でも就職が決まらない大学生の特徴今年は売り手市場にもかかわらず、まだ内定のない学生も… ?世間では売り手市場と呼ばれる今年の新卒採用。相次ぐ内定辞退や採用予定数に達しないとの理由から、内定式を延期したり、今後も募集活動を続ける企業も多いと報道されています。それにもかかわらず、全く就職が決まらないという学生も一定数存在しています。 ?もちろん就職支援者としての立場から言うと、そんな彼らは大切なお客様ということにもなるのですが、自分の身内や周囲にそうして就職が決まらない人がいるのは寂しいものです。 ?そこで今回は、そんな人を一人でも少なくしたいという思いから、売り手市場でも就職が決まらない人にはどんな事情があるのか、大きく3つに分けて整理してみます。 そもそも就職活動を全く行っていない ?リクルートキャリアの「就職みらい研究所データ」が発表した『就職内定状況(2016 年卒)【速報版】(2015年10月1日時点)』によると、就職内定未取得者における就職活動実施率は80.6%となっています。つまり、そもそも就職活動自体を行っていない人が約20%も存在しているのです。 ?ニュースなどで「売り手市場」だと言われているせいか安心して活動が遅れている場合や、企業自体にこだわりが少なく(また情報収集をあまりしておらず)、これから就職活動を始めようとする場合などもこれに含まれます。あるいは完全に動き出しが遅れてしまい、「今さら何をしたらいいか分からない」状態で全く就職活動を行っていない場合もあります。 ?実際に全国各地で行われている就職支援では、参加資格に既卒数年以内といった条件が提示される事が多く、また実際には大学等への在学時に真剣に就職活動をやってこなかったという方の参加も決して少なくありません。 ?こうした学生の特徴としては、ただ単に「面倒だった」や「働きたくなかった」という思いで、就職活動を避けていただけで、いわゆる能力が低いというわけではありません。ですから、就職支援をすると、比較的スムーズに就職できることが多いと言えます。やればできるのにやって来なかったというパターンです。 ?特に2016年卒の新卒採用は8月選考解禁とスケジュールが後ろ倒しになり、暑い中で連日面接に駆け回る同級生を見て、頑張っている姿に気後れしてしまう、あるいはそもそも「働いたら負け」と、社会に出ること自体の動機付けができていない場合もあります。 ?こういった意識を持つ学生に対して周囲ができる支援は、まず「働く」こと自体について自分自身でよく考えてもらうことです。学校でいつも一緒にいるグループが就職活動に対して消極的であったり、一人で活動する事が多く、働くことに対しての情報が少なかったりすると、動機は強まりません。卒業後の進路についてどうしたいのか家庭の中で話し合ったり、キャリアセンターをはじめとした学校の支援部門に相談を進めるなど、まずは一歩を動くキッカケを作ることが重要です。まずは自分自身が就職すると決意するところから就職活動がスタートします。 就職活動をしても書類・面接で落ち続ける ?続いて紹介したいのが、就職活動を行っているものの全く成果が上がらないケースです。数十社を受けても全く内定が得られないという場合には様々な理由が考えられますが、まずはどの段階で不採用となっているのかを観察する必要があります。 ?例えばエントリーシートや書類審査の段階でいつも落ちているのであれば、質問に対しての答えを書けているか、書いている内容があまりに汎用的でないかなど、内容を再考する必要があります。また文章だけではなく、貼りつけている写真の表情が暗すぎるといった場合や、不必要なほどに笑顔など、どこか違和感を覚えるイメージになっていないか、改めて客観的に書類を見てみることも重要です。 ?面接でいつも不採用となる場合、ついつい志望動機や自己PRなどに頭がいきがちですが、果たして原因はそれだけでしょうか。面接は志望動機の発表会ではありません。あくまで志望の動機を簡潔にまとめたものが志望動機であり、入社してからどんな職種に関わっていきたいかやどんな社会人として成長していきたいかなどの問答は常にリアルタイムで進んでいきます。入社したい熱意、覚悟、本気度などはしっかりと伝わっているでしょうか。「伝える」ではなく「伝わる」事が重要です。というように支援をする際には客観的にどこで不採用となるのかを冷静に見る事も大切です。どこに問題があるのかを見極めないままに「自分の全てが悪い」などと本人が思ってしまうと、就職活動をする事が辛くなっていき継続も困難となってしまうでしょう。 ?本来30回、40回と失敗していると、大抵は失敗しなくなるものです。それでも失敗するということは「失敗から学ぼうとしていない」か「失敗した理由から敢えて目を逸らしている」可能性があります。就職活動では負け戦にこそ価値があるケースが少なくありません。成長のポイントが非常に多いからです。 ?同様に、コミュニケーションが苦手という場合も、場数をこなして慣れていきましょう。苦手な事は避けて通りたいものです。しかし、コミュニケーションが苦手といつまでも避けていては、コミュニケーションが取れるようになりません。周囲は、コミュニケーションから遠ざけるのではなく、少しずつでもコミュニケーションに慣れていくように支援しましょう。 ?一人で行う就職活動ほど孤独な作業はありません。2015年1月の産経ニュースによれば、就職活動の失敗によって自ら命を絶っている大学生の数は平成19年から25年までの間で200人を超えるといいます。 ?人生でいう新しいスタートの時期に自らの人生を止めてしまうことのないように願いたいものです。 ?その他には、これまで公務員一本で活動したものの成果がふるわずに民間企業への進路変更をしたケースもあります。そもそも公務員から民間企業へ変更した前向きな理由が見つからず、会社情報の集め方にも戸惑いながら苦戦するようです。 ?また、無意識のうちに民間企業を上から目線で見てしまう人がいるというトンデモな事例は、以前に別の記事で紹介させて頂きました。そちらでどう考えて就職すべきかも紹介していますので、ここでは割愛します(『「民間もいいかな」の一言で不合格に!“役人”気取りな公務員浪人生のトンデモ言動」』)。 内々定があっても就職活動が止められない ?最後に、就職活動で内々定は所持しているものの、なかなか就職活動を終えられないケースです。 ?今年は内定辞退による企業側の困惑もニュースの一つとなっていますが、企業ひとつひとつに特色があります。実際に働いてみないと多くの部分は分からないなかで、当事者の立場では最良の選択をしようとするのも当然頷けます。ただし企業側にも待てる期間の限度というものがあり、最も怖いのは結果としてどの企業からも断られてしまうケースです。 ?会社選びは最終的には本人が決めるべきことですが、決めきれないままに就職活動が続くのは芳しいことではありません。考えた末にどこにも決められず、契約社員や派遣社員として働くのはもったいない話です。 ?ついつい高望みしてしまうのは、家族も巻き込んでも起きがちですが、遅くともいつまでに決断をするのかというリミットを決めておかないと、ズルズルと延びていく可能性があります。 ????????????????*** ?ここまで、様々な理由で内定所持には至ってないケースをいくつかお伝えしてきましたが、大切なのはいずれにしても「人生は続いていく」ということです。 ?市場が売り手・買い手に限らず、まずは自分事の進路としてこの先をどう進んでいくか考えることが重要です。前にも書いた通り就職活動で培った努力や経験は後の社会人生活でも非常に重要な要素となります。 ?そして、もはや大学では当たり前のサービスとなったキャリアセンターや週に一度のキャリアデザイン授業だけでなく、周囲を取り巻く環境こそが就職活動へと向かう大きなスイッチになるはずです。そして私たち大人もその環境の一因であることを忘れず、寄り添っていくのが一番の支援と言えるのではないでしょうか。 (キャリアプロデューサー?櫻井樹吏) http://diamond.jp/articles/-/80279 就職内定状況16 年卒速報151013 http://www.recruitcareer.co.jp/news/2015/10/13/20151013.pdf 「民間もいいかな」の一言で不合格に!“役人”気取りな公務員浪人生のトンデモ言動 http://diamond.jp/articles/-/54385/ 大学生「就活自殺」7年で200人超 思うように内定得られず追い詰められ… 専門家「解決には雇用環境の改善必要」 http://www.sankei.com/west/print/150103/wst1501030060-c.html
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