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中国の成長鈍化、企業の25.4%が業績に「悪影響」
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151020-00010000-teikokubiz-nb
帝国データバンク 2015/10/20 19:49
■日本企業は中国との経済活動で7つのリスクに直面
1.中国の成長鈍化により、企業の25.4%が自社の業績に悪影響を受けると見込む。特に、中国への進出が進む『製造』『卸売』のほか、物流を担う『運輸・倉庫』でも3割台となっている
2.中国の成長鈍化で、企業全体の2割が売り上げの減少、1割で利益の減少に直面すると認識している。悪影響を受けると考える企業でみると、「売り上げが減少」が75.8%、「利益が減少」が42.9%。さらに、「中期的な経営計画の見直し」を考える企業も12.8%に上る
3.中国と経済活動を行うときのリスク、「品質管理が困難」が51.0%でトップ。以下、「安全管理意識の低さ」「反日教育」「対日抗議行動」「不透明な政策運営」が続く。すでに、中国経済とのかかわりがある企業では、「賃金水準の上昇」を大きなリスクと捉えている
4.中国との経済活動で日本企業は次の7つのリスクに直面する可能性。1)対日感情・安全保障リスク、2)恣意的な法律運用リスク、3)コスト上昇リスク、4)契約・商習慣リスク、5)株式・不動産バブルリスク、6)品質・安全管理リスク、7)雇用リスク
中国の成長鈍化による業績への影響
■企業の25.4%が中国の成長鈍化で業績への悪影響を見込む
中国の成長鈍化により、自社の業績にどのような影響があるか尋ねたところ、「影響はない」が5割弱で最も多かった。また、「悪影響がある」と回答した企業は25.4%で、企業の4社に1社が中国の成長鈍化で自社の業績への悪影響を見込んでいることが明らかとなった。他方、「好影響がある」は1.1%にとどまった。
業績に「悪影響がある」企業を規模別にみると、規模が大きいほど業績への悪影響を懸念している様子がうかがえる。業界別では、『製造』『運輸・倉庫』『卸売』などで高く、いずれも3割以上の企業が業績悪化への懸念を持っていた。最も高い『製造』と最も低い『農・林・水産』を比較すると25.5ポイントの差があった。中国に進出している企業は製造業が全体の42.9%を占めるなか、チャイナリスクによる倒産件数のうち卸売業と製造業が86.5%を占めている。また、『運輸・倉庫』では「国内の小規模荷主が中国の債権を回収できないなどの悪影響が懸念される」(港湾運送、愛知県)といった指摘もある。中国の成長鈍化はこれらの業界を中心として企業業績に悪影響を及ぼすと見込まれる。
他方、中国の成長鈍化により「好影響がある」企業からは、「海外資材の入手が容易になる」(木材・竹材卸売、山梨県)や「取引先が中国より国内生産を増加させれば、その分仕事が増える」(労働者派遣、静岡県)といった意見もみられたが、プラス材料と考える企業は全体の1%程度にとどまっている。
具体的影響(複数回答、上位5項目)
■具体的影響、全体の2割「売り上げ減少」、悪影響を見込む企業では7割超にのぼる
中国の成長鈍化により具体的にどのような形で業績に影響を及ぼすか尋ねたところ、企業の2割が「売り上げが減少」を挙げた(複数回答、以下同)。次いで「利益が減少」が約1割となり、中国の成長鈍化により売り上げや利益の減少を見込んでいる様子がうかがえる。
とりわけ、「悪影響がある」と考えている企業2,736社でみると、「売り上げが減少」は75.8%で7割超にのぼるほか、「利益が減少」(42.9%)も4割を上回る。さらに、「仕入れ先の見直し」や「販売先の見直し」も高くなっている。また、「中期的な経営計画の見直し」を行うという企業も1割超となっている。
企業からは、「中国に進出した顧客の不調は、当社売り上げへの不調とつながる」(産業用機械器具卸売、兵庫県)や「仕入れ価格が低下するという利点はあるが、全体に価格競争が激化すると思われ、利益及び売り上げに関しては低減が予測される」(ガソリンスタンド、山形県)、「販売先の設備投資意欲にブレーキがかかる」(電気機械器具卸売、群馬県)などの声が挙がった。また、株価急落など「8月下旬に起きたことが年内にもう一度起きれば、中期的な経営計画の見直しになる」(一般旅行、東京都)といった意見もみられ、企業が中国の成長鈍化に対して業績面に加えて経営戦略においても懸念を抱いている様子がうかがえる。
■中国との経済関係では品質管理の困難さが1位、企業が直面する7つのリスク
中国と経済活動を行う場合のリスク(複数回答、上位10項目)
中国で経済活動を行うときや中国人を雇い入れるとき、どのようなリスクがあるか尋ねたところ、「品質管理が困難」が5割を超えトップとなった(複数回答、以下同)。次いで、「安全管理意識の低さ」が49.0%、「反日教育」が40.2%と、いずれも4割超で続いた。以下、「対日抗議行動」「不透明な政策運営」「賃金水準の上昇」「わいろの横行」について、企業の3割超がリスクとして捉えていた。
とりわけ、何らかの形で中国経済と関係のある企業では、上位2項目は変わらないものの、「賃金水準の上昇」(41.5%)が3位で続いており、全体を11.1ポイント上回った。すでに中国経済と関係のある企業では、急激に上昇する賃金をリスクとして認識している。
他方、中国経済と関わりのない企業では、「反日教育」が45.7%と全体を5.5ポイント上回っている。企業からも、「取引先の中国進出が鈍化し、現地賃金の上昇、商慣習の違い、反日感情などから撤退を検討しても、労働組合と法体制の違いにより、実際撤退できないケースが多く取引先の大きな経営課題」(信用金庫、東京都)や「全体的に見て、中国人労働者が日本の求める商品・製品・役務の提供などへの品質を維持してくれるかどうかは疑問」(金型・同部分品製造、愛知県)など、中国でビジネスを行っている他社の状況から、中国との取引関係の困難さを指摘する意見もあった。
企業が中国との経済活動を行う際、リスクと考えている要因について因子分析を行ったところ、日中経済の深耕において企業が直面する7つのリスクが浮き上がってきた。1)対日感情・安全保障リスク、2)恣意的な法律運用リスク、3)コスト上昇リスク、4)契約・商習慣リスク、5)株式・不動産バブルリスク、6)品質・安全管理リスク、7)雇用リスク、である。中国経済の先行きに不透明感が増すなか、日本企業は1つ1つリスクをクリアしていくことが重要となろう。
日本企業が直面する7つのリスク
■まとめ
中国経済との相互依存関係が深まるなか、中国の経済成長率に対する先行き不安が高まっている。さらに、国際通貨基金(IMF)が中国に対して経済統計に関する質を高めるよう呼びかけるなど、中国の統計に対する信頼性も揺らいでいる。
本調査によると、中国の成長鈍化により企業の4社に1社が、業績に悪影響が及ぶと見込んでいる。特に、中国への進出が活発な『製造』や『卸売』、さらにこれらの業界の荷動き減少などを通じて『運輸・倉庫』も悪影響に直面すると見込まれる。具体的には、日本全体で2割近くの企業が売り上げの減少に直面するとみられ、悪影響を見込む企業に限ると7割超にのぼる。
中国と経済活動を行う際に生じるリスクとして、特に品質・安全管理を懸念していることも明らかとなった。すでに中国と経済関係を有している企業では賃金水準の上昇を注視する一方、中国経済と関わりのない企業では「反日教育」をリスクと捉える傾向がある。中国との経済活動を進めていくと、日本企業は7つのリスクに直面するとみられる。中国経済の先行きに対する不透明感が増すなか、これらのリスクを地道に解決していけるかが重要である。
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