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http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/13426223.html
日本は財政破たんをしないのか?
「日本がギリシャのように破綻しない理由」という記事( http://president.jp/articles/-/15909 )がPRESIDENT 2015年8月17日号に載っているそうです。著者はイェール大学名誉教授・内閣官房参与 浜田宏一氏です。オンラインでたった今読んだのですが、これ、実情をあまりに無視していますし、経済学的に言ってもおかしな点が幾つもあると思います。
1.日本の政府や民間企業が持っている海外純資産が366兆円あるから安心だと言うことになっていますが、公的な借金はその3倍程度の1206兆円あるわけで、単純に考えても、日本社会は借金漬けになっていること。日本政府が持っている金融資産574兆円を海外純資産366兆円に足しても、資産は940兆円にしかならず、250兆円以上の公的借金が残ること。
2.日本全体の高齢化、社会保障費の高騰がまったく考慮されていないこと。つまり、「ある人がお金持ちか貧乏かを考えるなら、その人がいくら借金をしているかだけでなく、いくら資産を持っているかも見なくては判断できない」のは当然ですが、同時に、その人がどの程度の生産性があるか、どの程度今後稼ぐことが出来るかが問題になるのです。世界一高齢化が進んでいる日本社会の実態を全く考慮していません。
3.「家計の金融資産も、15年3月末で1700兆円以上」としていますが、これも実態を考慮していません。高齢者に数千万円の預貯金を持つ方が多いのは事実ですが、その実態は決していいものではありません。つまり、その預貯金のほとんどは、高度成長期中やそれ以降に国家から支給された年金を貯めたものであるからです。そして、そういった時期を通じて日本は赤字国債を発行し続けてきていて、基本的に労働の裏付けのない資金であるからです。もしこれが実際に労働を通じて稼がれたものであれば、社会にそれだけの富を生み出す地力があるという意味ですからとても意味のある金融資産ですが、政府が発行した債券を民間金融機関が市民から集めた資金を使って買った結果の年金であったわけで、ある意味、単に銀行の信用創造によって生まれた金融資産にしか過ぎないのです。
4.最もひどい主張が「日本政府の債務は、円建てで発行されている。このため返済を求められれば、日銀でお金を刷ることにより、すぐに返すことができる」です。日銀がお金を刷っても、国債を買い上げることで政府にお金を供給するのですから、結局政府債務は増加するだけです。更に、円建てであると言うことの意味は、例えば、ギリシャであれば、外国に債務免除を頼み込むことが出来、自国民は被害を受けませんが、円建ての場合、債務免除を頼む相手は日本国民となり、自国民が被害を受けることになるのです。日銀が国債を買い取っている現状は円という日本の通貨そのものの価値が希薄化しているという意味です。ギリシャの場合に、ユーロとギリシャの中央銀行の関係でユーロ安をギリシャ単独では仕掛けることができないのでギリシャが困っているとしていますが、ある意味、ユーロを使っているために、ギリシャの国民は自分たちのユーロ建ての資産が一気に価値を失うことがないのです。通貨安とは、海外から見た場合に、その国の価値が下がるという意味であり、エネルギー資源の100%、食料の60%を輸入に頼る日本で円安がある程度以上進行すれば致命的なことになります。
5.日本がまだ財政破たんしていないのは、ごく簡単に言うと二つの理由があり、一つはそれなりにまだ経済力があり、輸出で稼ぐことが出来ることと、もう一つは、アメリカ軍産複合体の都合です。アメリカ軍産複合体の都合とは、いろいろあるのですが、例えば、彼らが日本国内に持っている利権であり、日本に投資してある資金であり、国際的な経済環境に於ける日本の存在感の大きさです。日本はアメリカ軍産複合体にとってガマグチとして利用されて来ていて、まだその機能を続けることが期待されているからです。ただし、現代は急激に国際情勢が変化する時代ですから、いつアメリカ軍産複合体が意向を変えるかは分かりません。もし、次の原発事故が日本で起これば、それはアメリカ軍産複合体が日本の存在を見限ったという意味のはずです。
2015年10月21日01時15分 武田信弘
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