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「日本郵政株」は買いか? 〜投資のプロ20人の最終決断を教えます 申し込みリミットは10月23日
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45889
2015年10月19日(月) 週刊現代 :現代ビジネス
NTT株以来、約20年ぶりの超大型上場である。誰もが利用している「郵便局」が民営化され、誰もがその株を買えるようになる。一足早く購入できる申し込みも始まった。今ならまだ、間に合う。
■上場直後は値上がりする
世紀のイベントが目の前に近づいている。
日本郵政とその子会社、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の「郵政3社」が東証に新規上場されるのだ。
想定されている時価総額は、3社合わせて実に13兆円に上る。これは'87年に新規上場したNTT株に次ぐ規模だ。
まもなくマーケットに姿を現す新しいクジラ=巨大新規上場企業に、機関投資家のみならず、多くの個人投資家の注目が集まっている。
普段は株式投資から距離を置いている人たちも、今回の上場に興味は抱いているはずだ。かつてのNTT株の新規上場のように、一般市民を巻き込んだ大相場になるのではないか、と。
もちろん、郵政3社の株価の値上がりは期待できる。識者が口を揃えるのは、少なくとも上場直後は公募価格を上回る可能性が高いという点だ。
投資情報を提供するフィスコの情報配信部長・村瀬智一氏がこう話す。
「公募価格で購入できれば、ほぼ確実に儲けられる銘柄だと思います。国が保有している郵政3社の売却益は東日本大震災の復興財源に充てられるということですから、政府としても公募価格よりも初値が安くなるという事態は避けようとするでしょう。
郵政3社の株はTOPIXなどの株価指数にも組み込まれるので、日本の機関投資家は買わざるをえないことも追い風です。購入することのできた幸運な方は上場直後に1割程度値上がりしたところで売ればいいでしょう」
アナウンサーで、ファイナンシャルプランナーの資格も持つ生島ヒロシ氏は、郵政3社の新規上場株の抽選に申し込むことに決めている。
「以前は値動きの激しい銘柄のほうが好みだったのですが、最近は年齢のせいか、安定志向に変わってきましてね(笑)。その点でも郵政株はマッチしていると思います。
ゆうちょ銀行も、かんぽ生命もこれから大きく成長するわけではないので、株価が跳ね上がることはあまり期待できませんが、一方で配当利回りが4%前後と聞いていますから、大きく値下がりする危険性も低い。
仮に抽選に当たってもすぐに売るのではなく、長期で保有しようと思っています。外資系企業に日本企業が乗っ取られないためにも、日本人がこの会社の株を持つことが大切なのではないかとも、最近思っているんです」
本誌は、経済のプロや有名投資家など、20人に取材を行い、日本郵政株を買うか、買わないか、彼らの「最終決断」を聞いた。
その前に、どのようにしたら日本郵政株を購入できるのか、手続きを説明しよう。解説するのは、SBI証券投資調査部シニアマーケットアナリストの藤本誠之氏だ。
「郵政3社の新規上場株を購入するには、SBI証券やマネックス証券、カブドットコム証券など、引受証券会社(61社)に口座を開設しなければなりません。ネットで申し込むと3営業日くらいかかりますが、すぐに開設したい場合は店頭に行けばいいでしょう。
郵政株の引受証券会社に口座があれば、ブックビルディング(購入申し込み)期間中に抽選の申請ができます。子会社であるゆうちょ銀行とかんぽ生命は10月16日まで。日本郵政の申し込みリミットは10月23日です。
価格の仮条件は日本郵政が1100~1400円、ゆうちょ銀行が1250~1450円、かんぽ生命が1900~2200円と発表されています。最低売買単位は100株。3社すべてに当たった場合、必要資金の総額は50万円程度です。
ブックビルディング期間の申し込みを反映して、最終的な公募価格は日本郵政が10月26日、ゆうちょ銀行とかんぽ生命は10月19日に決定します」
抽選に当たれば、公募価格で購入することができる。郵政3社が上場される11月4日以降は市場で自由に売買可能だ。
■でも不安もある
リスクは低く、一定のリターンは見込めるという理由から、証券アナリストの植木靖男氏や経済ジャーナリストの荻原博子氏、ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏も抽選に申し込むことを決めた。深野氏は、こうコメントする。
「私自身はとりあえず、3社にそれぞれ最低単位の100株ずつブックビルディングに申し込むつもりです。大手証券会社の場合は大口投資家への割り当てがあるので、完全抽選を実施しているネット証券で申し込もうと思っています。
上場後に5%くらい値上がりしたら売るつもりです。ちょっとしたお小遣いになればいいかなと思っています。個人投資家は郵政株について前向き。ただし、株式投資の専門家はあまり前向きではないように感じています」
そう、実はプロの過半数は、日本郵政株を「買わない」という。多くの人がその理由として挙げたのは、「日本郵政に、会社としての将来性を感じない」というものだ。
神戸大学大学院経営学研究科准教授の保田隆明氏はこう指摘する。
「私自身は面白味のある株だとは思わないので買いません。同社はオーストラリアの物流会社を買収したりしていますが、基本的には国内が基盤の巨大企業です。人口が減少する社会では成長戦略は見えにくいし、民営化路線で新たなことをしようとしても、民業圧迫との批判も出て、思うようにはできないでしょう」
ファイナンシャルプランナーの藤川太氏は、郵政3社の今後の事業展開を見極めてからでも遅くはないと話す。
「最初に株価が跳ね上がるのが新規上場株の面白さでもあるのですが、すでにこれだけの巨大組織ですから、今後、株価が2倍、3倍になるとは思えません。ですので、自分は買わないけど、と一言添えて、あとは相談に来られたお客さんの判断にお任せしています。
ゆうちょ銀行とかんぽ生命は政府によって営業活動が規制されている状態なので、将来的に民間と同じように自由に競争できるようになると化ける可能性はあるかもしれませんね。
たとえば、ゆうちょ銀行での住宅ローンの扱いが全面的に解禁されるとか、かんぽ生命で医療保険が扱えるようになるとか。ただ、郵便事業に関しては化ける可能性は乏しい。これから日本国内で郵便物が増えるとも思えませんしね」
さらに、現在の株式市場の不安定さをリスクと考えているプロもいる。経営コンサルタントの鈴木貴博氏も「今回は買わない」と語る。
「抽選で当たって、すぐに売るとある程度は儲かると思いますよ。ただ、今は株式市場には不安材料がいくつもあります。なかでも一番大きいのが『チャイナショック』。
中国の景気減速が日本へ悪影響を及ぼすと、製造業を中心に日経平均株価が下がっていく。郵政3社の上場が、そうしたタイミングとぶつかれば、上昇は見込めません。
今は、株式投資はリスクだと考えています。私は今年の7月頃にいったん自分の株式をすべて処分して、キャッシュに換えました。株価が下がるというよりも、今後どうなるかがわからないからです。トレンドがはっきりした後で、優良と思う銘柄を買っていくスタンスでいいと思います」
■市場全体が盛り上がる
鈴木氏が言うように、あえて今は日本郵政株を買わず、別の銘柄を狙う考え方もある。「日本一の個人投資家」「和製ウォーレン・バフェット」と呼ばれる竹田和平氏も、日本郵政株には慎重だ。
「週刊現代さんも騒ぐわけだから、日本郵政株の人気は出るはずですね。ただ、人気が出るということは危ない。日本人は、国家というものを信用しすぎるからね。人気があるといっても、国が株価を保証してくれるわけではありませんから。僕は(郵政3社の株を買った人が)痛い目に遭わないように願っていますがね。
いい会社が安くなったら、買いですよ。たとえば今、キヤノンは今期も増配だと言っていて、配当利回りが4%以上ある。いい株で株価が下がっているものはありますよ。
それに比べて日本郵政はまだまだわかりません。国内事業も成長しないでしょう。今は何でもネットになってしまって、みんな手紙もハガキも出さない。株をよく知っている人は、日本郵政株は買わないんじゃないかな」
株式ジャーナリストで個人投資家の天海源一郎氏も日本郵政株以外に目をつける。市場が低迷しているときでもさほど株価が下がっておらず、業績も好調な銘柄で狙い目のものがあるという。
「日本郵政は民営化によって経営が改革されれば、中長期的に株価は上昇するかもしれませんが、そうなったときに買えばいいだけの話です。上場直後に大きく値上がりする可能性は低い。
だったら、たとえばゴム製品を製造している『オカモト』といった好業績企業を狙ったほうがいいでしょう。中国人観光客にコンドームが爆発的に売れています。第一四半期の決算が発表されて以降、それまでまったく人気のなかった同社の株が上昇し始めました」
とはいえ、NTT株以来となる巨大な新規上場がしばらく世間の話題になり続けることは間違いない。日本郵政グループの巨額資金がマーケットに還流することで株価全体を押し上げると予測するのは、経営コンサルタントの加谷珪一氏だ。
「日本郵政株の上場によって、市場の資金が吸い上げられ、相場が冷えることを心配する意見もありますが、それは杞憂でしょう。ゆうちょ銀行とかんぽ生命で合計280兆円もの資金を運用していますが、このうち日本株の割合は3兆~4兆円程度。ところが、上場後はこの割合を徐々に増やし、14兆円を目指すと言われている。
こうした日本郵政グループの運用で相場が押し上げられれば、当然、日本の株式市場も盛り上がっていくでしょう。日本郵政株そのものよりも、成長が期待できる銘柄のほうが値上がり幅は大きくなるはず。こう考えると、郵政3社の株を買うよりもトヨタの株を買うほうが合理的でしょう」
本文で紹介しきれなかった「プロの最終決断」は、下表に掲載した。タイムリミットは10月23日。さあ、買うか、買わないか。
「週刊現代」2015年10月24日号より
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