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雑感。日本の経済、金融政策は独自路線?
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2015年10月18日 在野のアナリスト
米経済の見方が微妙です。10月ミシガン大消費者信頼感指数速報値が、92.1と前月の87.2から大きく上昇。ガソリン安の反映とみられますが、個人消費が堅調になるとの期待が膨らみます。9月鉱工業生産指数は0.2%低下。前月が0.4%の低下から、0.1%の低下に上方修正されていますが、製造業は在庫調整の影響もあって鈍い。設備稼働率は前月の77.8%から、77.5%に低下するなど、製造業の弱含みはかなり深刻です。先進国はどこも同様に、中国減速の影響をうけて製造業は弱く、サービス業などの内需に期待するしかないようです。しかしそのケースにしても、日本では臨時所得が下がり、実質賃金が目減りしたように所得が増えない中で、どう消費を回復させるかがカギとなりますが、その一つの手段として株高などの資産効果が考えられます。
今、株式市場では急速に10月末に日銀が追加緩和する、という観測が拡がっている。黒田氏が否定すると、サプライズ効果をだしたいだけでしょ? と見られ、期待値が下がることがありません。郵政関連の上場を控えて相場を上げたい、との思惑と同時に、ふたたびデフレに陥る懸念を抱え、日銀は動かざるを得ない、といった理由が実しやかに語られています。
しかし日銀は物価目標の達成時期を先送りした前科があります。今回も中国など、外部環境の変化を理由とし、達成時期の先送りをする可能性がある。何より、黒田日銀総裁にとって必須は、郵政関連の上場を成功させることではありません。消費税10%を達成することです。10月に追加緩和すれば、年度切り替えまでにはその効果も息切れするでしょう。増税の先送りはない、という確約があれば別ですが、軽減税率を導入すればその制度設計も間に合わなくなりそうなど、増税時期を先送りする懸念は拭えず、ここで最終兵器をつかってしまうかは、依然として微妙です。
さらに公然と「効果はない」と言う人もいるほど、手段が限られる。打つ手を間違えればマイナスにしかなりません。郵政関連の上場が成功するどころか、追加緩和を失敗する可能性も高い。特にこれだけ期待が高まり、市場が織り込んでしまうと、材料出つくしになってしまう。日銀の苦悩はここにあります。黒田氏が盛んに上手くいっている、というのは最早、市場との対話に失敗しつつあり、それでも何とかして効果をだしたい、との思惑から出ているのでしょう。
米国では、年内の利上げ見送りで株式市場も上げています。しかし米国は減速傾向といっても、消費者態度指数が良好など、景気は好調です。それなのにFRB当局者は弱さを協調する。日本の場合、どう見ても景気は低迷、回復の兆しすらないのに、当局は強気の発言をくり返します。それで起きているのが、追加緩和期待と、利上げ見送り。その両面をうけて株式市場は上げている、という何とも奇妙な状況でもあって、10月末までの動きはこの思惑で動くのでしょう。
中国の五中全会で、景気刺激策が打たれるとの期待もあって、上海市場も好調ですが、日本では臨時国会の開催を見送り、補正予算すら検討されない。つくづく、世界と逆行しているのが日本と言えるのでしょう。甘利経再担当相が「7-9のGDPをみてから…」と述べていますが、臨時国会を開かないのですから、見ても対策を打つのは来年、と言っているようなものです。リセッションに陥ってから、対策を打つなどしているので、日本の経済は景気の波を大きくし、その弊害によって縮退してきた、とも言えるのです。政府の経済政策、日銀の金融政策、ともに独自路線をいっているのが、日本の美点ではなく汚点になっている時点で、外国人投資家が一気に逃げ出して行く流れを止めるのが、難しくなっているのが現状なのでしょうね。
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