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TPP発効後は幅広い食品の関税が撤廃されるが、まだ紆余曲折がありそうだ
TPP合意で心配される“事態” 予算のバラまきになる恐れも
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20151018/dms1510180830003-n1.htm
2015.10.18 大前研一のニュース時評 夕刊フジ
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は5日に閣僚会合が閉幕し、交渉参加12カ国は貿易・投資ルールについて大筋合意した。この大型通商協定提携により、農産物や食品など幅広い品目で関税のほとんどが一定期間内に撤廃される。アジア太平洋地域の貿易や投資が活性化され、世界の国内総生産(GDP)の約4割を占める世界最大の自由貿易圏が誕生する。
関税撤廃で、安くてうまい牛肉やワインを今すぐに堪能できると勘違いしている人もいる。しかし、発効は早くても2017年とされ、関税も段階的に撤廃されるものが多い。
例えば牛肉は、現行38・5%の関税を協定発効時に27・5%とし、16年目(2033年!)以降に9%まで引き下げる。豚肉も10年かけて最も安い部位の肉にかけられている1キロ482円の関税を50円まで下げる。影響が出るのはまだまだ先だ。
もうひとつ、TPPは参加12カ国による署名の後、各国議会での承認、批准を経て発効する。この国内手続きも難関だ。
日本の場合、もともとTPPに賛成していたはずの民主党も、現在では政府をたたく道具のひとつと考えている。特に蓮舫元内閣府特命担当相や枝野幸男元官房長官のキャラクターから考えると、重箱の隅をつつくような反対の仕方をするのではないか。与党内部にも反対は渦巻いているので国会の承認もけっこう大変だと思う。
また、米国では医療や知的財産分野については賛同者が多いものの、大統領選が近づいていることから議会での議論も難航するはずだ。
共和党は当然、反対に回る人が多いだろう。一方、工場労働者の組合を支持基盤にしている民主党の中にも、「自動車は日本に妥協しすぎている」という慎重派もいる。自動車については、米国が設定している2・5%の関税を発効後25年目に撤廃。自動車部品は米国向けの8割以上の部品の関税を即時撤廃する。
米大統領選の民主党有力候補であるヒラリー・クリントン前国務長官も、調子よく「現時点では賛同できない」と不支持を表明した。オバマ政権前半で国務長官をやっていた人が何をいまさら、という感じがしないではないが、今後の米国内での手続きに影響を与えるだろう。
どちらにしろ、米国も日本もオーストラリアもニュージーランドも、そう簡単には国会の承認は得られない可能性もある。今後、数カ月がヤマだろう。
TPPはプラス面が非常に多いのだが、マイナス面が拡大すると泣く人も出てくる。日本は自動車部品などの輸出拡大が期待される一方、農産品市場も一層の自由化が迫られる。そこで政府は、全閣僚によるTPP総合対策本部を設置した。被害を受ける農家に対する駆け込み寺のようなものだ。ここにもやはり、カネがからんでくるだろう。
農業の競争力強化に向けた補助金導入や、安価な輸入品の流入が見込まれる分野での所得補てん制度を盛り込むことも検討されている。かっての自民党のお家芸であった「貿易自由化=予算のバラまき」の繰り返しになる恐れも否定できない。
■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
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