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世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第145回 アベノミクスの終わり(週刊実話)
http://www.asyura2.com/15/hasan101/msg/540.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 10 月 15 日 18:48:06: igsppGRN/E9PQ
 

世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第145回 アベノミクスの終わり
http://wjn.jp/article/detail/0706385/
週刊実話 2015年10月22日号


 2015年9月24日、アベノミクスが終わった。

 安倍晋三内閣総理大臣が自民党総裁に再選されたことを受け、「誰もが活躍できる『1億総活躍社会』」という、恐ろしく抽象的というか、何となく鳩山由紀夫元首相の「友愛社会」を思い出してしまうスローガンを掲げ、「新3本の矢」により「GDP600兆円」という新たな目標に取り組むことを表明したのだ。「1億人が全て活躍する」とは、これはまたかなりサプライサイド(供給能力面)に偏った考え方である。

 新たな3本の矢は、
●第1の矢、『希望を生み出す強い経済』
●第2の矢、『夢をつむぐ子育て支援』
●第3の矢、『安心につながる社会保障』
 だそうだ。

 正直、目まいがしてしまった。数字も具体的な手法もなく、「こうなればいい」という願望を並べたにすぎず、かつての社会党や民主党の「政策」そのものだ。

 今にして思えば「旧3本の矢」は、第3の矢である成長戦略はともかく、第1の矢「金融政策」といい、第2の矢「財政政策」といい、何と具体的だったことか。

 旧3本の矢と比較するのも情けなくなる「新3本の矢」を掲げた総理は、
 「投資や人材を日本に呼び込む政策を果断に進めていきたい」
 と、発言した。相変わらずの外国頼みに、嘆かわしい思いを覚えた。

 ところで、新3本目の矢「安心につながる社会保障」については、
 「“介護離職ゼロ”を目指して、介護施設の整備や、介護人材の育成を進め、在宅介護の負担を軽減する。仕事と介護が両立できる社会づくりを、本格的にスタートさせたいと思います」
 とのことである。

 介護離職ゼロという“旗”を掲げるのは大いに結構だが、やるべきことは介護報酬と介護人材の給与引き上げ以外にはあり得ない。何しろ、「介護人材の育成」などしなくても、日本には「潜在的介護福祉従事者」が数十万人規模で存在するのだ。

 日本の介護福祉登録者は120万人規模であるのに対し、介護福祉「従事率」は60%に満たない。つまりは、50万人規模で、「介護福祉登録をしているが、従事していない」人材が存在するのだ。

 なぜ、彼ら、彼女らが介護産業で働いていないのかといえば、単に「給料が安い」ためである。介護従事者の待遇を見ると、男性の「きまって支給する給与」は、産業平均が年収362万3千円であるのに対し、福祉施設職員は同231万4千円。女性は「きまって支給する給与」の産業平均が同249万7千円に対し、福祉施設職員は同211万9千円。ホームヘルパーは、福祉施設職員と比べ、さらに給与が低い。男性で月額10万円の給料の差があるのでは、介護産業に人材が居つかないのも無理もない。

 すなわち、「介護離職者ゼロ」を実現したいならば、最低でも「介護報酬」を引き上げ、潜在的介護福祉従事者を介護産業に誘導する必要があるのだ。政府が介護分野にきちんと「お金を払う」ことで、介護サービスの供給能力が高まり、介護を理由に離職せざるを得ない人たちは激減するだろう。それにもかかわらず、安倍政権が何をやっているかといえば、介護報酬の2.27%引き下げだ。需要が拡大している介護分野で、支出を絞り込んでいるわけである。

 緊縮財政で介護従事者の給料が上がらず、離職が相次いでいる状況で、「介護人材の育成」などと言われると、
 「結局、外国移民を受け入れて、介護従事者の給料を引き上げずに供給能力不足を埋めようとしているのではないか?」
 と、わが国の将来にとって「重大な疑念」を抱かざるを得ないのだ。

 しかも、総理は2017年4月の消費税再増税について、
 「リーマンショックのようなことがない限り、予定通り実施することは今までも言っている。その考えに変わりはない」
 と、明言。

 今年度におけるわが国の再デフレ化が、現時点では「確定」したといっても構わないだろう。実際、'15年8月の消費者物価指数は、日本銀行のインフレ率の定義であるコアCPI(生鮮食品を除く総合)で▲0.1%と、ついにマイナス圏に突入した。

 ところが、総理は会見でデフレについて、
 「もはや『デフレではない』という状態まで来ました。デフレ脱却は、もう目の前です」
 と語ったのだ。インフレ率がマイナスに落ち込んでいる状況で、「もはや、デフレではない」も何もあったものではない。

 '12年の自民党総裁選挙以降、筆者が自民党や安倍総裁(当時)を支持したのは、
 「金融政策と財政政策の政策パッケージでデフレ脱却を目指す」
 と、これまでの政権とは比較にならないほど「具体的」にデフレ脱却策を明示したためだ。ポイントは「財政政策」の部分になる。デフレ脱却には、財政政策による需要創出が必須だ。
 ところが、安倍政権は'14年4月に消費税を増税し、介護報酬をはじめとする政府支出を削減するという「負の財政政策」にまい進した。直近のインフレ率がマイナスに落ち込んだのは、安倍政権の「政策のミス」によるものなのだ。

 目の前の「数字」から目をそらし、必要な政策(財政政策)にかじを切らず、言葉だけで「デフレではない」と強弁する。揚げ句の果てに、抽象的な「新3本の矢」をスローガンとして掲げる。

 繰り返すが、アベノミクスは2015年9月24日に終わった。

みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。

 

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コメント
 
1. 2015年10月15日 19:17:42 : SrJycAaCtg
消費税増税の再見送りか元の水準までの引き下げ、加えて財政出動をすべきだと総理にしっかりと助言できるスタッフがいないのが悔やまれる。少なくとも消費税を引き上げるという規定路線を進む限り、アベノミクスは失敗するだろう。GDPを引き上げたければ需要の創造しかない。日本で唯一需要の創造ができるのは政府である。緊縮財政も良いが、その前に財政出動して景気を上向かせるべきである。そうすれば、自然と雇用も給与レベルも上がっていく。貴重なお金をただただ外国に貢ぎ、増税でその場しのぎを続けるならば、そのうち増税増税の悪循環に陥り、本当に日本経済は破綻するだろう。

2. 2015年10月15日 19:45:46 : C31aL3EEO2
ペテン政治の第二幕開演です。

これに拍手喝采する観客はいるのだろうか?

こんな政治は、真っ平御免ですな!

改革改革と叫んでいたが、我が暮らし楽にならず、苦しみ大きくなるばかり。

今から思えば、改革は改悪のことでした。

お金だけでなく、今度は命まで差し出せ!と叫んでいる。


3. 2015年10月15日 20:39:49 : nJF6kGWndY

>インフレ率がマイナスに落ち込んでいる状況で、「もはや、デフレではない」も何もあったものではない

エネルギーと帰属家賃の寄与を除けば、+1%近いし

天候要因などもあって生鮮食品は高止まりしているから、

庶民レベルの実感としてはもはやデフレではないだろう

おかげで去年の消費税増税を先延ばしすることも可能になったわけだw


>安倍政権は'14年4月に消費税を増税し、介護報酬をはじめとする政府支出を削減するという「負の財政政策」にまい進した。直近のインフレ率がマイナスに落ち込んだのは、安倍政権の「政策のミス」によるもの

正しくは、安倍政権は、海外経済、特に中国など新興国の景気失速と資源安が、十分理解できておらず、庶民レベルだったということだな

そして生産性上昇を可能にする改革が進まないから、社会保障コストも高止まりすることになる

結果として言えば、今回の新アベノミクスは、総論改革、各論反対の既得権維持が好きな日本国民レベルに合った、いつもの自民党レベルということだw



4. 2015年10月15日 22:13:30 : yy7D5jhcis
タケナカノミクスというべきだろう。、

5. 増税反対 2015年10月16日 00:02:55 : ehcoR2LmdzYII : h3eHOjiu6Y
いちいち民主党や鳩山さんの批判を入れてるが、

一体それに何の意味があるというのだろうか。この頭でっかちの

嫌味さにはウンザリさせられる。


6. 2015年10月16日 06:53:20 : OkhNUGLXpg
この男はずっと安倍を持ち上げていたよな。やっと目が覚めたか。

7. 2015年10月16日 11:30:23 : OO6Zlan35k
ピーター・タスカ氏、漫画に込めた未来予想図−アベノミクスで現実に 

    (ブルームバーグ):英運用会社アーカス・インベストメントの共同設立者で、日本株ストラテジストの草分け的存在であるピーター・タスカ氏は長期デフレで閉塞感漂う4年前、希望を込め日本の未来予想図を1つの漫画にしたためた。その後誕生した安倍政権が日本銀行と連携しこれまでにない大規模金融緩和を実施、成長戦略などアベノミクスを進めたことで、多くのシナリオが現実化し始めた。
出生率を上げ、訪日外国人を増やし、カジノを合法化し、デフレから脱却する−−。これらは、タスカ氏が2011年に制作した漫画「I am a Digital Cat : A Japanese Future」の中で示した日本変革への処方箋だ。「当時は全くの夢物語のようだったが、今は成し遂げてもらいたいと考えていた多くのことが実際に行われてきている」と、同氏は13日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。
安倍晋三首相は9月24日の自民党総裁再選後の会見で、名目国内総生産(GDP)を600兆円に拡大することを目標に掲げ、強い経済、子育て支援、社会保障を「希望と夢と安心のための新3本の矢」と位置付けて取り組む考えを表明。「もはやデフレではない、という状態まで来た。デフレ脱却はもう目の前だ」と述べた。安倍政権が誕生した12年12月26日から今月15日までにTOPIXは76%上昇している。
タスカ氏は、「ニューノーマルと呼ばれる世界では、デフレが常に関心事としてある。安倍政権が名目GDPに注目した点は非常に面白い」と指摘。仮に、1990年当時からこれまでに2−3%伸びていたならば、「税収は増え、借金は減る。全く違う世界を見ることになっただろう」と言う。
初めての訪日から30年以上が経過するタスカ氏は、常に日本に対し楽観的だったわけではなく、「1980年代から90年代はとても悲観視していた」と振り返る。現状については、「日本人は不平を言うことが好きだが、実際には日本はそれほど悪くない。政策も概して良い」との認識で、銀行融資や預金、所得税の動向などから国内経済は堅調とみている。
デフレ脱却への自信、日本人自身が高めよ
日本株市場について同氏は、企業統治改革の動き、個人投資家による貯蓄から投資への流れが下支えすると分析。バリュエーション面でも、ITバブル期の2000年には企業業績が悪かったにもかかわらず、日経平均株価が2万円を超えた状況と比べても割安感があり、「人々がまだ日本株に対し強気でない証拠だ」と話した。
多くの人はまだ安倍首相が約束を果たさないと疑っている、とタスカ氏。市場は常に急速な変化を求めるが、企業構造や社会の変化には年月がかかるため、「日本人自身がデフレ脱却への自信を高めていくことが大切だ」と指摘する。現状の日本株市場で大きな存在感を見せる海外投資家は、世界で何かが起これば資金を退避させてしまうため、国内の投資家、特に個人が株に資産を費やしていく環境を作るべきで、そのためには「ボラティリティを下げ、企業がより高い配当を出していく必要がある」とした。
アーカスが日本株の割安銘柄を買い、割高銘柄を売る手法で運用する「アーカス・ジャパン・ロング・ショート・ファンド」は、タスカ氏によると、99年4月の運用開始からことし8月までのトータルリターンがプラス343%。同期間のTOPIXは47%だった。アベノミクス以前から同ファンドは好パフォーマンスを上げており、「われわれはファンドの利益を得るために安倍政権が必要なのではない。アベノミクスを支持するのは、それが日本を前に進める唯一の方法だからだ」とタスカ氏は言う。
関連ニュースと情報:日本株NI JPS JBNNI KOBETSU
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 佐野七緒 nsano3@bloomberg.net;東京 Yuji Nakamura ynakamura56@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎
更新日時: 2015/10/16 00:00 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NW952W6JTSEX01.html


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