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研究所再建、特許収入250億円 ノーベル賞・大村教授の経営手腕〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151015-00000009-sasahi-soci
週刊朝日 2015年10月23日号より抜粋
寄生虫による病気の治療薬の開発に貢献したことが評価され、ノーベル賞・医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授(80)の口癖は「研究は経営だ。経営を研究する人は多いが、研究を経営する人はいない」──。いや、いる。大村さん自身がそうなのだ。
1984年に北里研究所(本部・東京都港区)の副所長に就き、財政再建に努め、特許収入で病院も新設した。90年に所長になると、借入金ゼロで運営する仕組みを導入。さらに、研究所のマネジメント体制を一新し、ワクチン製造、病院、研究、東洋医学の全4部門にそれぞれ独立採算制を導入した。四半期ごとに4部門の役職員を一堂に集めた会議を開き、情報共有と効率化を進めた。
そういう経営手腕を培ってきたのが、企業との共同研究だった。70年代には、研究成果を企業に渡し、実用化されたら特許使用料が北里研究所に入ってくる仕組みを確立した。
これまでに研究所にもたらされた特許収入は総額250億円にのぼる。研究所のベテラン職員は言う。
「経営の才能があるというより努力をしてきた人。北里柴三郎の孫で東京海上火災保険(当時)の社長だった故渡辺文夫さんや、日本興業銀行(同)の副総裁を務めた故二宮善基さんらに経営を学んできたんです」
今もフルタイムで仕事に臨む。研究所には、大村さんが指揮する総勢約70人の研究グループがある。
「研究費がなくなったらグループは解散だ」
と発破をかけている。メンバーの砂塚敏明教授は、
「大村先生は一言で言えば、教育者。本当にやりたいのは、若い人の育成でしょう。学生にはやさしく、その分、教員に厳しい」
と苦笑し、こう続けた。
「欠点があるとすれば、せっかちなところかな」
そういえば、受賞決定直後の記者会見場で、安倍晋三首相からお祝いの電話がつながった際には、係員から携帯電話を受け取って耳に当てたものの、首相がなかなか応答しないのにしびれを切らし、「タイム・イズ・マネー」と言って、電話を突き返してしまった。
受賞後に脚光を浴びたのは、山梨県韮崎市の実家のそばにある「韮崎大村美術館」、温泉施設「白山温泉」、そば店「上小路」の3点セットだ。いずれも大村さんが私費を投じてつくった。「気取らず、芸術鑑賞してほしい」との思いから、温泉とそば店を併設したという。
ポリ袋とともに、ふだんから肌身離さず持っているのは、15年前に亡くした妻の文子さんの写真だ。受賞後も、まず文子さんを思い、心の中で「もらいましたよ」と報告したという。
この日のインタビューには丸い容器に入った微生物を持参した。
「(ノーベル賞で)微生物の力が見直されれば」
と、うれしそうに笑っていた。
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