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田原総一朗:労働力不足問題は待ったなし 安倍政権は移民法を整備すべきだ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151015-35858745-collegez-pol
BizCOLLEGE 10月15日(木)9時57分配信
安倍晋三首相は9月29日、ニューヨーク国連総会で一般討論演説に臨み、シリア・イラク難民に対して約8億1000万ドル(約972億円)の経済支援を実施する考えを表明した。演説後の記者会見で難民の受け入れ可能性について聞かれると、「国際社会で連携して取り組まなければならない課題だ」としながらも、「人口問題としては、移民を受け入れるよりも、女性や高齢者の活躍に注力したい」と答え、海外メディアから一斉に批判を浴びた。
●日本はなぜ移民を受け入れないのか
難民に限らず、移民受け入れに対してなぜ消極的なのか。実は安倍内閣に限らず、これまでの内閣でも、移民については全く議論されてこなかった。移民の問題に手を付けると、国民から非常に強い反発を受けるからだ。
一つ目の理由は、犯罪が増えると言われているからだ。だが、それは事実だろうか。在日外国人検挙件数の推移を見ると、犯罪件数は、2004年に4万7128件あったのが、2013年には1万5419件まで減少している。人数でも、2004年は2万1842人だったのが、2013年には9884人となっており、大幅に減少している。在日外国人の数は年々増えているにも関わらず、犯罪件数は減っているのだ。
つまり、「移民を受け入れる=犯罪が増える」というのはイメージだけの話であり、現実は真逆で、犯罪数は減っているということが分かる。
二つ目の理由は、日本国内の雇用が奪われるという心配があるからだ。しかし、今は労働力不足の方が問題になっている。外食産業では、すき家のように人手不足によって閉店せざるを得ない企業も増えている。建設業界でも東京五輪に向けて需要が急増する中で人手不足が生じている。福島の原発事故によるがれき撤去作業や除染作業にも影響が出ている。日本において移民が労働市場の脅威になるとは考えにくい。
三つ目の理由は、テロや暴動などに発展するという懸念だ。だが、イスラム諸国と国境を接している欧州諸国に比べると、その危険性は極めて低いと言えるだろう。
■人口減少が進む日本で1億総活躍社会は実現できるのか
安倍首相は第3次改造内閣の発足にあたって1億総活躍社会を掲げ、希望出生率を現在の1.4から1.8まで高めた上で、「少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も人口1億人を維持する」と表明した。
だが、少子高齢化が進む日本は、年々、人口減少が加速している。厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の調べ「日本の将来推計人口」によると、日本の総人口は2015年の1億2694万人から、2020年には1億1662万人、2048年には1億人を切って9913万人にまで減少するという。数字で見ると驚異的なスピードで人口減少が加速していることが分かる。
たとえ今後出生率が向上しても、2070年までは総人口が減り続けるのだ。安倍首相が言う「50年後に人口1億人を維持する」というのは極めて難しい状況だ。
総務省統計局の発表によると、2015年9月15日の推計で高齢者人口は3384万人と総人口に占める割合が26.7%と過去最高になり、80歳以上の人口が初めて1000万人を超えた。2035年の我が国の人口構造を見ると、80歳以上の人口が14.5%に達し、総人口で大きな割合を占めるようになる。2060年には日本の人口は完全な「逆ミラミッド」になる。
こうした超高齢社会を支える介護職員は全国で160万人いるが、2025年には240万人必要になるという。この数も圧倒的に不足している。
超高齢社会が進むにつれ、社会インフラも大きく変貌しつつある。2000年から2012年までに廃校になった公立高校は5796校。同期間に廃止された鉄道網は35路線、674km。さらには、毎年廃止されているバス路線は2000kmにものぼると国土交通省が発表している。廃止されている路線は過疎化が進む地方に集中している。地方創生には程遠い状況が続いているのだ。
■日本の定住外国人の割合は、世界の中でも低水準
人口減少に伴う労働力不足の問題は待ったなしだ。外食産業や建設業界では、すでに人手不足が深刻な問題となっている。
深夜の外食店やコンビニエンスストアでは外国人が働いている姿をよく目にするようになった。だが日本の定住外国人の割合が非常に低い。定住外国人の数は、2014年末に212万人と人口比で1.7%程度に過ぎず、前年末に比べて5万5386人増と2.7%しか増えていない。
例えば、ドイツは2004年に移民法を制定して、2013年には年間44万人の移民を受け入れた。現在問題となっているシリアなどの難民については80万人を受け入れることを表明している。そのほかにも、ヨーロッパの国々は、どこも移民法をつくって移民を受け入れる体制を整えている。その結果、ドイツもフランスも人口の10%以上が移民で占められている。
韓国でさえ、2007年には外国人施策の基本をまとめた「在韓外国人処遇基本法」、いわゆる移民法を施行した。韓国は、かつて在韓外国人の割合がほぼゼロだったが、今では全人口の3.1%を占める。日本の約2倍の割合だ。
総人口に占める定住外国人の数は世界の中で151番目に位置する、非常に低い水準だ。日本はもっと定住外国人の数を増やしてもいい。
■労働力不足の解消には移民の受け入れが不可欠
人口減少によって日本経済は窮地に立たされる。特に、大変なのは地方だ。地方は都市部以上に人口減少が著しく、人手が足らない。地方を活性化させるためにも、移民を受け入れる必要がある。
ただし、地方は移民に対する抵抗や反発が非常に強い。そこでどうするかは大変難しい問題ではあるが、外国人労働者による人手を確保しなければ、日本の労働力はどんどん不足していく。
シンガポールは、一足先に少子化対策に乗り出している。同国は、日本と同様に出生率が1.2と低い。しかし、移民を積極的に受け入れているから、2030年には人口が30%増えるとの見通しだ。移民の受け入れによって、経済成長を目指している。
日本には、外国人を労働力として受け入れる体制が全く整っていない。例えば、ASEAN諸国から、外国人の技術習得を名目に「技能実習生」として、事実上の労働力として受け入れている。そこで日本語や技術の教育を進めているがこの期限が3年のため、3年後にはみんな本国へ送り返さなければならない。せっかく語学や技術を身につけても、短期で帰らねばならないのが実状だ。
こうしたこともあって、日本で働く外国人の7割以上が労働法規違反だという報告もある。そうなると、犯罪も起きやすくなってしまう。
こうした問題を防ぐためにも、外国人をもっと長期で働ける環境を合法的に作らなくてはならない。そのためには、「移民法」の制定が必要だ。移民を受け入れるための法律を作って、外国人が日本で働きやすい環境作りを行わなければならない。
■安倍内閣では移民法の制定を進めてほしい
ところが、日本では移民問題はタブーとなっている。これまでどの内閣も手を付けていない。それはなぜか。移民問題に言及すると、左派から右派まで国民から猛反発を受けると予想されるからだ。
移民問題を口にすれば選挙に勝てないし、支持率も低下する。
しかし、安倍首相は自民党内に対抗勢力が少なく、野党も脆弱だ。おそらくこのまま長期政権を維持していくだろう。来年夏の参院選が終われば、移民法の整備はやりやすくなるはずだ。おそらくは、参院選後に向けて、すでに水面下で準備を進めているのではないかと思う。
政権が盤石だからこそ、安倍内閣は歴代内閣が手を付けにくかった問題に積極的に取り組むべきだ。それは何も安保法制だけだはないはずだ。安倍内閣には移民法の制定に、ぜひとも力を注いでほしい。
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