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「空き家」活性化ビジネス続々 リゾート滞在向け賃貸、住宅各社も参入(SankeiBiz)
http://www.asyura2.com/15/hasan101/msg/497.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 10 月 14 日 08:33:35: igsppGRN/E9PQ
 

「空き家」活性化ビジネス続々 リゾート滞在向け賃貸、住宅各社も参入
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151013-00000000-biz_fsi-nb
SankeiBiz 2015/10/14 08:15


 人口減少で急増する“空き家”関連ビジネスが活発化している。大京は沖縄の不動産会社と提携し、同社グループが分譲・管理するマンションを中心とした空室をリゾート滞在向けに貸し出す事業を開始。今後は東京や大阪など都市部でも展開する。住宅メーカー各社は、空き家を維持・管理するサービスに相次ぎ参入。リフォームや売却などの提案につなげる。悩む地方自治体と民間企業が連携して有効活用を模索する計画も出てきた。空き家問題のさらなる深刻化は必至で、今後も同様の動きは加速しそうだ。

 大京グループの大京穴吹不動産が沖縄で始めた長期滞在サービス事業「旅家(たびいえ)」は、北谷(ちゃたん)町などリゾート地や市街地の中心部に建つ分譲マンションをリフォームし、1カ月単位で貸すサービス。7月から4物件で始め、今夏は東京のIT企業に勤める30代の社員らがロングバケーションを楽しんだという。好評のため、対象物件を大幅に拡充している。

 家電など長期滞在に必要な備品をそろえ、リゾートホテルのような仕様に部屋を改修。「高級リゾートホテルよりは下。しかし、ビジネスホテルなどよりは上」(PM事業部の中村宇裕(たかひろ)・バケーションレンタル課長)の高級感に仕上げた。

 利用料も割安。沖縄最大の歓楽街、那覇市の国際通りから徒歩十数分の物件の場合、定員5人(専有面積75平方メートルの2LDK)で月額賃料は約30万円に設定した。1人1日当たり約2000円の計算となる。同社では事業強化に向け今月から専用サイトを開設。また、近畿日本ツーリストグループと共同で、長期滞在のメリットを生かした旅行プランの提唱にも着手した。

 今のところ、滞在期間は1カ月以上に限定。旅館業法の「宿泊」でなく、借地借家法の「賃貸借契約」だからだ。ただ、東京や大阪、京都など国家戦略特区の旅館業法の特例が得られる指定エリアでは、短期の滞在も含めた展開も視野に入れる。大京グループが管理するマンションは全国で52万戸超に達しており、空室の有効活用として所有者に提案していく。

 住宅メーカーの動きも活発だ。積水ハウスは三井住友トラスト不動産、綜合警備保障と連携しながら空き家の相談サービスを昨年から展開。リフォーム受注や流通促進につなげる戦略だ。大和ハウス工業グループは今年5月、空き家の巡回サービス事業に参入。所有者と契約を結び月に1回程度、清掃など定期的な点検を行う。ミサワホームも10月から、定期巡回サービス事業を開始した。空き家の家財整理や賃貸などのサービスを提供している。

 地方自治体にとっても空き家問題は深刻。都市部への人口流出などで「空洞化」が問題となっている郊外型住宅団地を抱える兵庫県三木市は8月、神戸市に隣接するニュータウン「緑が丘地区」の再生に向け、大和ハウスや凸版印刷、関西学院大などと連携し、子育て世代を呼び込む方策を検討する研究会を立ち上げた。

 地区内に高齢者向けの集合住宅を建築することを想定。戸建て住宅団地に住む高齢者の住み替えを促し、空き家は改装して若い子育て世代に安価で販売、賃貸する方針。三木市は一部費用の助成も検討し、2017年度のサービス開始を目指す。政府の「地方創生特区」に申請する方針で、薮本吉秀市長は「(同様の問題を抱える)中小都市を勇気づけられるよう、再生のモデルを切り開きたい」と意気込んでいる。

 野村総合研究所によると23年の空き家数は約1400万戸に達し、住宅総数に占める割合は約2割になる見通し。空き家が増えると景観や生活環境の悪化を招くだけでなく、適切な管理ができなければ倒壊や火災などの危険も増す。「空き家の撤去促進や中古住宅市場の活性化といった対策強化は喫緊の課題」(野村総研)となっている。

 一方で観光目的の訪日外国人が急増し、都市部やリゾート地を中心に宿泊需要が急激に増加。「ホテルが足りない」(旅行業界関係者)状態となっている。このためマンションの空き部屋などを宿泊施設として活用する「民泊」の具現化に向けた動きが顕在化。国家戦略特区で旅館業法の規制緩和の議論も進んでいる。大京の取り組みのように、こうしたニーズに空き家や空室を活用する動きは、今後、さらに拡大する見通しだ。

 大京の旅家事業では近所の飲食店との連携も検討。「街をよく知ってもらえることにもつながり、『来年も訪れよう』といった気分にさせる。地域活性化につながる」(大京穴吹不動産の担当者)と事業拡大に意欲を見せる。

 まだまだ緒に就いた空室関連ビジネス。「空室をどのように活用するか」といったハードの整備ばかりに関心が集まりがちだ。これと並行して、住民や地域社会との共生といった観点に基づくソフト戦略をいかに推進できるかが、事業の成否の鍵を握るとみられる。(伊藤俊祐)

 

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コメント
 
1. 2015年10月15日 13:23:34 : OO6Zlan35k
ノルウェー政府年金 日本不動産投資を開始(大前研一)
【TPP】参加12カ国が大筋合意 全31分野、世界GDPの4割占める
 TPP環太平洋経済連携協定交渉に参加する12ヵ国は、5日閣僚会合後に共同記者会見し、大筋合意に達したと発表しました。31分野すべてをカバーする大型の通商協定が締結されたもので、これによりアジア太平洋地域の人や物の移動が活発になり、長期的な地域の成長や安定につながることが期待されます。
 とは言え、日本ではこの後国会で承認されないといけません。もちろんアメリカも同様で議会での承認が必要ですが、共和党は当然反対に回る人が多いと思われます。また、民主党も組合があるので、車の交渉などで日本に妥協しすぎていると考える人もいます。医療や知的所有権などに関してはアメリカでは支援者が多いものの、工場労働者を抱えている民主党の一部からは反対の声が聞かれます。それでヒラリー氏も賛同はできないと言っているわけです。
 いずれにしても、これで自由貿易圏ができると言っていますが、8年後、長ければ10年後にそうなるという話なのです。安くて美味しい豚肉を早く食べたいなどと勘違いしている人が多いのですが、結構な長い時間がかかるのです。
 また、対策室ができ、被害を受ける農家のための駆け込み寺ができています。お金で勝負しようとしているわけです。この後の国会承認も大変な上、もともと賛成だったはずの民主党も政府を叩く一つの道具だとして、重箱の隅をつつくような反対の仕方をすると思います。蓮舫氏や枝野氏などのキャラクターを見ていると、そのような感じになりそうだと思えるのです。
 ですから、アメリカも、日本も、オーストラリアもニュージーランドも、そう簡単には国会での承認が得られない可能性もあるのです。参加国全体のGDPで85%以上占める6ヵ国の国会で承認されないと駄目ということになっているので、ここから先数ヶ月が山ということになります。プラスの面が非常に多いにもかかわらず、それぞれがマイナス面を拡大していて、泣く人が出てくると国民の同情を得やすいこともあり、議員たちもその方向へ行きたがるというわけなのです。
【ノルウェー】政府年金基金 日本で不動産投資を開始
 日経新聞が8日報じたところによると、約100兆円の資産を運用する世界最大の政府系ファンド、ノルウェー政府年金基金が日本で不動産投資を開始する見通しが明らかになりました。政府系ファンドの定義にもよりますが、実は世界最大の政府系ファンドは、230兆円の資産を持つ日本のGPIFなのです。GPIFは新しくできたもので、従来は100兆円のノルウェーのファンドが世界最大の規模だったのです。2位はアブダビ、3位は中国CIC、そして、サウジ、クウェートと続きます。今は圧倒的に日本のGPIFが1位です。

 ノルウェーのこの年金基金はノルゲスバンクが運営しているものですが、素晴らしいパフォーマンスを持っていることから、このファンドの動きが世界的に影響を与えます。今回日本の不動産に投資するというわけですが、3年ほど遅すぎるように感じます。すでにピークは過ぎた感じがしているからです。

 しかし、このファンドが数千億円を投資してくれるとなれば、主に首都圏と福岡まで含めた幾つかの都市にとっては非常にプラスになると思います。このファンドはとても分析が慎重で完璧なところがあります。シンガポールのGICは、東京などでどのような買い方をするのか手口がわかっていますが、ノルゲスはこれまで日本の不動産に参入していなかったので、どういうところに投資するのか非常に興味深いです。全体の5%までとしているので、5兆円くらいまでは投資するということになります。やや時期的には遅い感がありますが、ウエルカムだと思います。
【日本】国民医療費 2013年度に40兆610億円 前年度比2.2%増
 厚生労働省は7日、2013年度の国民医療費が前年度と比べ2.2%増加し、40兆610億円になったと発表しました。医療費に占める患者負担の比率は0.1ポイント低下しています。
 40兆円の中で患者が負担する分が5兆円、公費が15.5兆円、保険の負担が19.5兆円となっています。公費の15.5兆円のうち、約10兆円が国、残りの5兆円が地方ということになっています。 このように90年には20兆円だった医療費が40兆円を超えてきました。その内訳は入院、通院、薬などです。日本の国レベルの歳出を見ると、国債費にどうしても23兆円かかってしまいますが、31.5 兆円が社会保障で、そのうち9.5兆円が医療関係ということです。国の歳出は構造的にずっと伸びてきているので、医療費を抑えるという策を深刻にやる必要があるでしょう。


 これは世界中が遭遇している問題ですが、今のところ良いアイデアは政府筋からは出てきていません。ただこれを抑えてみたところで、年金の方に入ってくるなど他に影響するものなのです。病院に行って時間つぶしをする高齢者もいる中、どこかで構造的に本人負担を含めて半額くらいにするという非常にきつい判断をしないといけないと思います。病気ではないものを定義して、病院に行く症状を制限するということをオーストラリアでもイギリスでもやっています。電話で症状を聞き、それは通院の理由にはなりませんとあっさり断られてしまうのです。
【中国】香港株、年初来高値から3割下落
 日経新聞は5日、「香港株、年初来高値から3割下落」とする記事を掲載しました。香港ハンセン指数が9月下旬に2万500台と2年3ヵ月ぶりの安値をつけたと紹介、今年4月の年初来高値からの下落率は3割近くに達しているということです。
 ただ、ハンセン指数の推移を見ると、まだ高いという印象です。中国の今後の下落を予想すると、香港経済は相当へこむとおもわれるので、この程度の下げはまだ序の口ではないかと思います。
 騰落率を見ると、先週一週間はブラジルなどは上がっていますが、年初来では-5.9%となっています。年初来で10%以上落ち込んでいるのは、台湾が10%、インドネシアは19%、トルコも13%、シンガポールも17%落ちています。タイも10%、ポーランドも12%下落ということで、今週の動きと年初来の動きでは随分違っています。年初来で見ると、大きく落ちているところと、イタリアのように大きく上げているところに分かれています。

 また、国際銀行間通信協会が6日に発表した8月の通貨別決済シェアによると、中国人民元が2.79%と、日本円の2.76%を上回り、ドル、ユーロ、ポンドに次ぐ、第4の国際通貨に躍り出たことがわかりました。
 これは日本の財務省が一番嫌がっていたことです。IMFの決済通貨の中に人民元を入れるかどうかについて、来週、または来月にはIMFが決定します。日本は管理通貨である人民元は入れないほうがいいと反対を主張するつもりでしたが、日本円のほうが管理通貨かと思うほど、日本円がなかなか伸びない状況となっています。
講師紹介

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 学長
大前 研一
10月11日撮影のコンテンツを一部抜粋してご紹介しております。
詳しくはこちら

その他の記事を読む

GPIF 7-9月運用 9.4兆円マイナス見通し(大前研一))

http://www.ohmae.ac.jp/ex/asset/column/backnumber/20151014-2/


2. 2015年10月15日 13:57:19 : OO6Zlan35k
【第6回】 2015年10月15日 沖有人 [スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント]
マンション価格がいよいよ頭打ち!今ここで決めたい自宅の売買

アベノミクス以降続いてきたマンション価格の上げ相場が、いよいよ終焉を迎えそうだ。今このタイミングで、自宅を売買すべきだろうか
?マンション価格の上げ相場は終焉を迎えそうである。中古マンションの成約価格にピーク感がクッキリ見て取れるからだ。東京都心3区の成約単価は、今夏以降に横ばい傾向となる一方、在庫数は昨秋を底に反転急増している。不動産ビッグデータを用いれば、不動産は金融資産のように分析ができる。分析は近未来を予測可能にし、それをいち早く理解した者が市場の勝者となる。不動産価格への影響要因を整理しつつ、短期・中期の不動産相場をビッグデータで占おう。その結果は、あなたの資産形成の一助となるだろう。

「湾岸の物件が売れない」
マンションブームに変調の兆し

「湾岸タワーマンションを20件も案内しましたよ。みんな決められないですね。ぐったり疲れます」

?ある湾岸物件の仲介営業マンはこう嘆く。

?五輪ブームに沸く東京の湾岸部では、選手村を建設する中央区晴海、勝ちどきなど五輪施設・競技場予定地の周辺で、マンションの建設ブームに火が付いた。冒頭の営業マンのぼやきの背景には、「価格が高い割に売出物件は多く、どれも似たり寄ったりで決められない」という顧客の本音が隠れている。

?マンション価格が上がり始めたのは、2013年のアベノミクス以降だ。理由は日銀によるかつてないほどの金融緩和で、それは今も続いている。ダブついたお金は、不動産融資に向かう。金融機関が借り手から確実な担保を取れるのが不動産だからだ。それは日銀短観(金融機関の不動産業への貸し出し態度)の結果と、住宅価格の傾向が一致することで証明できる(下図参照)。まず第一に、不動産はローンが組みやすいか否かで価格が決まることは覚えておこう。


?値上がり傾向が続いた不動産。不動産への融資は、銀行間の貸し出し競争が起き、ファミリー層にとっては金利低下傾向が止まらない好環境だ。一般の住宅ローンの金利も戦後最低の低水準が常態化し、利払いが少なくなるので融資総額も増やしやすい。都心のマンションでも、建築費や地価の上昇を低金利効果が吸収できるわけだ。銀行にとって、不動産以外の貸出先が少ない状況も変わっていない。

?不動産と融資の関係を理解するためには、バランスシート(B/S)で考えることが重要だ。住宅ローンの指標にもなる長期金利は0.3%とゼロに近い。つまり借り入れに負担感はなくなった。借金はバランスシート上で「負債」だが、金利負担が小さく、借り手優位の際に負債はどんどん増えていく。

?一方、ローンで買った不動産は「資産」であり、負債が増える分だけ(資産と負債はバランスしているので)資産インフレし、含み益が発生しやすく、売却すると利益が出る。つまり、負債(借り入れ)を増やせば資産が膨らむ、資産が膨らむと負債を増やす、という相乗効果で資産インフレは進んでいく。

?不動産の中でも立地がよい場所に立つマンションは、土地や戸建てを尻目に独歩高となっている。国交省の不動産価格指数のグラフ(下記)を見れば、もはや説明不要だろう。個人にとっては資産インフレの利点を享受できる不動産は、土地・戸建てではなくマンションなのだ。


「マンションの時代」を象徴するように、建築費は急騰しても、都心のマンションだけは引っ張りダコだ。それは「アベノミクスが続くと、値上がりしてもっと高く売れる」という思惑があるからだ。こうした事情から、思わぬ高値の売り出し物件が続出し、「今なら高値でも売れる」と欲をかいた価格設定も多く見られるようになった。

新築の割高感で中古にもニーズ
黒田バズーカでマンション在庫が消えた!

?つまり、金融緩和が不動産価格を上げることを理解した人たちが、先陣を切って不動産を買い始めたわけだ。昨秋の日銀の追加金融緩和は、総裁の名を冠して「第二次黒田バズーカ」と呼ばれた。それは10月末の金曜日で、発表後の3連休は新築マンション販売センターは大わらわになった。

?昨春の消費増税による消費不振や不況対策でもあった「第二次バズーカ」が、マンション相場をさらに高くした。「今売っている新築は1〜2年後の竣工時には値上がりしている可能性が非常に高いから」という理由で、高額物件が高倍率で売れた。

?そして新築の割高感が浸透すると、中古マンションに割安感が出た。「新築は高い」と見るや、築後10年以内の築浅の物件がもてはやされた。その結果、中古マンションの在庫は急激に減り、中古の売れ行き好転から、新築の供給も増加傾向となった。中古を高値で売って含み益を出し、それを頭金にして新築に乗り換える賢い住み替え派が注目された。

?住宅の価格上昇には、買い手の雇用環境も大切だ。全国の有効求人倍率は1.21(今年7月)と非常に低い水準で、住宅取得には追い風。リーマンショックの頃は、若者が住居費を節約するため、都内の賃貸住宅を引き払って茨城や千葉の実家から通勤する現象が起きた。今はその頃とは正反対の状況になっている。

?つまり、都市圏に勤労層が流入して大都市、特に東京の住宅需要が強くなっている。首都圏の転入超過数の月次推移(住民基本台帳の移動人口)を見ると、11年秋は3万人強の流入超だったが、15年にはその2倍となる7万人弱の水準に達している。四大生の就職内定は、卒業前の2年ほど前に決まる。今の求人倍率は2年後の新卒流入を高水準にするので、少なくともあと2年は東京一極集中が続く。原則として、人口が増えるところの不動産価格は上がる。

?都区部の人口流入が多いのは言うに及ばず、震災で人口が流出した千葉県も流入が回復し、東京への通勤者も持ち直した。ただ、少子化で1世帯あたりの構成人数は減っていくトレンドなので、利便性を求めて都心付近にシフトする動きは根強い。震災で関東を離れた外国人も、登録人口で見ればアベノミクス以降に着実に増えている。新卒採用増や五輪や相続税対策の需要から、賃貸住宅の需要は今後も旺盛で、賃料の上昇要因になっている。

?つまり、新築も中古も賃貸も価格は高騰した。湾岸エリアでは、震災後、津波や液状化の連想から敬遠され在庫はたっぷりあったのに、13年初秋に五輪誘致が決まり、「第2次バズーカ」が放たれ、在庫は急減した。今から1年前には在庫が2012年のピークから半分の水準となり、「よい物件は探してもない」という雰囲気が生まれた。しかし、これも長くは続かない。価格が高騰したので、売り手が増え始めたからだ。

価格高騰が一転、
在庫が急増を始めたカラクリ

?それでは、持ち家の中で勝ち組であるマンションの今後の価格トレンドはどうなのか。下の図は「首都圏中古成約価格インデックスの前年同月比」(日本不動産研究所)だ。こちらをチェックしよう。


?東京の中古マンションの価格動向は、前年同月比で上昇幅を縮めている。つまり伸びが鈍化してきている。これは価格の上昇に一般消費者の需要がついていけていないからだろう。過去の動きからすれば、グラフの前年同月比は山と谷を繰り返している。「山高ければ、谷深し」の動向になる。山を過ぎれば直線的にマイナス圏(不動産価格の下落)に突入するケースが多い。今回の山は高いので、どうなるか注目に値する。

在庫は「予言者」だ
その急増が価格上昇のブレーキに

?相場が一本調子に上がっても、やがて価格調整が待ち構えている。その潮目の変化は、在庫の急増となって現れるものだ。住宅の在庫は、この先の需給関係や価格動向を如実に語る「予言者」にも見立てられる。

?まずは、下の東京都心3区(中央、千代田、港)にある中古マンションの価格と在庫を示すデータを見て(出典・東日本不動産流通機構)、グラフの「交差点」に注目してほしい。そして成約価格のm2単価(万円)と在庫数(戸数)の関係を考えてみよう。


?上の図表を見れば、中古も売れ行き好調で、在庫はほぼ1年前には「品薄」だったのに、以前の価格から2割増しになった頃から在庫が急速に積み上がり、アベノミクス以前の在庫水準に近づいていることがわかる。過去の品薄感から一転して、在庫は急増している。こうした状況下で15年春以降、ここ半年の成約価格の伸びが緩やかになり、最近は横ばいに近づいている。

?在庫増は安く買いたい買い手の立場を強くする。「買いたくても物件があまりない」状況から、「買おうと思えば物件はある」状態になっており、近いうちに立場が逆転しそうな「潮目」に差しかかっているのだ。

?ちなみに新築も、中古と同じように在庫は昨年より増えている。完成在庫ばかりでなく、市況高騰で価格を決められずに売り出せない未発売物件(実質的な在庫)も数多い状況だ。住宅取得については贈与の非課税枠拡大で親の頭金支援が厚くなったし、フルタイムの共稼ぎの世帯総所得も大きいため、すでに高値であっても「先高感」をバックに買い進まれて、強気の市場が形成された。首都圏のマンションの平均価格は5000万円を、都区部は6000万円を大きく突破している。

?しかし、一般の給与水準がほとんど上がらないなか、「先高感」では高額物件を「買えない」人が続出してきた。そうした人たちが買える価格でないと、売れない時代がやってきたのだ。

?確かに、求人倍率など雇用環境はかなりいいのに、勤め人の給与は総じて横ばいだ。過去2年間、物価が多少上昇しても所得はそれほど上がらず、実質賃金は低迷傾向だった。これでは株などの資産価格は上がっても、一般層の消費は拡大せず、景気はさほど良くならない。住宅市況は、金融緩和効果を除くと、所得や税制の動向にも左右されるが、その限界値が近くなったと考えた方がよい。最近は「高くて買いにくい」状況なのだ。

価格変動は先読みできる!
移動平均線の「ご宣託」を読み解く

?次に下記の「都心3区の成約m2単価の推移(移動平均線との比較)」(出典・東日本不動産流通機構)の図表を見てほしい。

?大切なのは過去のトレンドだけではなく、相場がいつの時点で下落に転じるか予測することだ。それは、金融・証券と同様の分析方法である「移動平均線」という補助線を使えば一目瞭然である。

?株価については時々刻々の値動きの激しさに目を奪われがちだが、一定期間のトレンドを予測するために移動平均線を使う。株より値動きは長期的で緩慢な不動産でも、中長期のトレンドを見るには、このように移動平均線でチェックしたい。

?価格の変化を示すグラフの底の部分に沿って、7ヵ月間の価格変化の移動平均線を描いてみる。するとどうなるのか。成約価格はこのところ前月比で下がることもあったが、近年は2ヵ月連続で下げたことはない。しかし、価格の伸びは止まりかけており、半年以内、早ければ年内にも2ヵ月の連続下落が起き、移動平均線の水準を2ヵ月連続で下回りそうだ。これは価格上昇の終焉を意味する可能性が高い。


?過去のケースを見ても、移動平均線を下回る水準まで値下がりした後、価格が頭打ちすることが多い。価格の頭打ちが続くと、次の相場は下落局面に入っていく。ちなみに価格が上昇の場合は、ほぼ反対の現象が起きている。

?ここで今までの話を整理しよう。不動産価格に影響を与えるものには4つの要素がある。それらが今後どのようになるかを占っておこう。

?@資金供給……金融緩和が黒田総裁の任期である2018年まで続きそう

?A需給バランス……都心部での需要は多いが、在庫は急増しており、高水準になりそう

?B建築費……東京オリンピック前の建築ラッシュは当分継続しそう

?C賃料……都市部では反転し始めているが、小幅に留まっている

?これらから言えることは、在庫以外は以前と何も変わっていないということである。つまり、在庫が価格の頭打ちをもたらすものの、下げる要因が存在しないということだ。

マンション価格は頭打ちになる
自宅の売買タイミングはいつ?

?そこで、1年余り先までを見た首都圏の中古マンションの成約価格の予測値をつくってみた。成約価格は2016年の2〜3月の繁忙期にピークとなり、その後は踊り場を迎えるという結果だ。上げ相場は終焉するが、下げ相場にもならない微妙な均衡が続くことになろう。しかし、この状況には数字に現れない注意が必要になる。


?気をつけなければいけないことは、価格が変わらず在庫が増える場合には、物件の販売期間が長引く点である。価格は変わらないが、「売り手市場」ではなく「買い手市場」であることは肝に銘じた方がいい。売りたいときに売れない不動産は、非常に困るケースがある。住み替えを控えているとか、転勤になったとか、離婚して早く売りたいとか、様々な事情があるので、時期をコントロールできないのはリスクである。

?結論を明確にしておこう。今後の展開を慎重に考えるなら、売る事情がある人は早めに売った方がいい。逆に、売る気があまりない人は下手に「高く売れるなら売ってもいい」といった売り出しはやめた方がいい。「売り出して売れなかった物件」というのは、不動産屋の間で「傷もの」扱いになるだけだ。

?その判断をするために、自宅の価格査定はしておいた方がいい。営業されることなく、即座に無料で価格を知るツールはある。スタイルアクトが主宰する「住まいサーフィン」(会員18万人)である。これで物件を検索して、号室を指定するだけだ。そこから、ローンの残額と仲介手数料を差し引いた額が、手元に返ってくることになる。インフレの止まった資産を持つか、現金に換えるか、その選択は今決めることをお勧めする。
http://diamond.jp/articles/print/79958


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