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空き家率が高まっても、デベロッパー主導で建設が続くマンション市場
新築が売れない…「初めて住まいを買う人」向けのマンション開発はすでに限界
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20151011/ecn1510110830002-n1.htm
2015.10.11 本当は教えたくないマンション業界の秘密 榊淳司 夕刊フジ
聞こえてくるのは悲観的な声ばかりである。マンション業界の人々の間で、未来への暗い予感が浸透しつつある。
足元は悪くない。2013年からのアベノミクス、14年10月の異次元金融緩和により都市部の新築マンション市場はかなり好調。東京都心部や湾岸エリアでは絶好調といっていい売れ行きだ。
販売現場は目標を達成して凱歌をあげているが、バックヤードである用地仕入れや事業企画部門の面々は憂鬱な表情を隠せない。
というのは、事業企画が極端にやりづらくなっているからだ。販売部隊が売るための物件をつくれないのが現状。土地の価格は、東京の都心を中心に高騰し続けている。この動きが大阪、名古屋、福岡などに及びつつある。土地の所有者は、将来の値上がりを期待して売り惜しみしている。こういった動きが、大都市の郊外や地方にまで及ぶ傾向がみられる。
しかし、実態を見てみると、これはただのムードでしかない。高くなった土地を購入。高止まりした建築費でゼネコンに発注して新築マンションを開発した場合、販売価格も当然高くなる。
都心なら中国人の爆買いや富裕層の相続税対策も期待できるが、郊外や地方にはそういった特殊な需要はない。
逆に、個人所得は長期低落傾向にある。庶民が新築マンションを買いたくても手が届かない。であるのに、郊外や地方で値上がりした新築を販売しても、売れないのは目に見えている。だから、デベロッパーの仕入担当者は怖くて土地が買えない。
こういう流れの中で、新築物件の供給は高値でも売れる都心に集中し、郊外や地方では急減少している。
この国のマンション開発事業はもともと、「初めて住まいを買おうとする人々」への、低廉で上質な住宅の供給を目的に始まった。マンション開発が萌芽した約半世紀前は公団が主体。それが徐々に民間主導に変わって今日に至っている。
その結果、日本国内の住宅は現在、数の上では満ち足りている。それどころか余ってさえいる。この「初めて住まいを買う人々」向けのマンション開発は、もうやめていいはずだ。
首都圏におけるマンション建設コストは、人件費の高騰により1坪当たり100万円が目安になってしまった。20坪で2000万円。諸経費やデベロッパーの利益を乗せれば2600万円。サラリーマン平均年収の6倍を超える。土地がタダでもこの価格だ。
08年にリーマン・ショックが起こるまで、マンション業界の主要ターゲットは、この「初めて買う」層であった。今は彼ら向けの事業開発がほぼ不可能な状態。今後も当面、その傾向は変わらない。
視点を変えてみると、住宅は余っているため、無理に供給する必要はないことになる。
マンション業界は今後、都心の特殊なターゲット層のみを対象とする業態に特化せざるを得ない。郊外や地方の「初めて買う」人々向けの市場からは、きっぱりと撤退すべきだ。
■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。不動産会社の注意情報や物件の価格評価の分析に定評がある(www.sakakiatsushi.com)。著書に「年収200万円からのマイホーム戦略」(WAVE出版)など。
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