3. 2015年10月12日 21:54:09
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ノーベル経済学賞にディートン氏 消費・貧困・福祉を研究 2015/10/12 20:18 【ロンドン=小滝麻理子】スウェーデンの王立科学アカデミーは12日、2015年のノーベル経済学賞を米プリンストン大学教授のアンガス・ディートン氏(69)に授与すると発表した。同氏は公共経済学の研究で知られる。今回の授与は同氏の消費、貧困、福祉に関する分析を対象とし、同アカデミーは同氏の研究が「ミクロ、マクロ、開発経済の分野の発展を助けた」と評した。 同氏は英国北部のスコットランド生まれ。 授賞式は12月10日にストックホルムで開く。賞金は800万クローナ(約1億2000万円)。 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM12H1N_S5A011C1000000/ ノーベル経済学賞に米研究者 ディートン氏 10月12日 20時18分 ことしのノーベル経済学賞に、個人消費の動向など家計調査のデータの分析を国の貧困対策や福祉政策などに生かしていく研究に取り組んできたアメリカの研究者が選ばれました。 スウェーデンの王立科学アカデミーは日本時間の12日午後8時すぎ、ことしのノーベル経済学賞にアメリカのプリンストン大学のアンガス・ディートン教授を選んだと発表しました。ディートン教授は、消費の変動の幅が所得の変動の幅に比べて小さいとする理論の研究を深めたほか、国民生活の豊かさ、いわゆる「幸福度」を定める要因の分析を進めたことで知られています。 ディートン教授の理論は、家計調査のデータの分析を国の貧困対策や福祉政策などに生かすもので、実際、各国で福祉政策を評価をする際にも使われています。 王立科学アカデミーは選考理由について「ディートン教授の家計調査に注目した経済理論は、実際の経済に基づいた実践的なものであり、発展途上国の経済政策などにも役立てられている」と話しています。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151012/k10010267621000.html ノーベル経済学賞、A・ディートン氏に 消費・貧困・福祉の研究 AFP=時事 10月12日(月)20時13分配信
ノーベル経済学賞、A・ディートン氏に 消費・貧困・福祉の研究 2015年ノーベル経済学賞の受賞が発表されたアンガス・ディートン氏。米プリンストン大学のウェブサイトより(2008年撮影、2015年10月12日提供)。【翻訳編集】 AFPBB News 【AFP=時事】(一部更新、写真追加)スウェーデン王立科学アカデミー(Royal Swedish Academy of Sciences)は12日、2015年のノーベル経済学賞(Nobel Prize in Economics)を「消費、貧困、福祉」に関する研究による業績で、英米両国の国籍を持つ経済学者のアンガス・ディートン(Angus Deaton)氏(69)に授与すると発表した。 ディートン氏は1983年以来、米プリンストン大学(Princeton University)の経済学と国際関係論の教授を務めている。 同委員会はディートン氏の研究が「個人の消費決定と、経済全体に及ぼす結果の関係を強調することで、ミクロ経済学、マクロ経済学、開発経済学の領域を一変させることに寄与した」と評価した。また「福祉を増進し、貧困を減らす経済政策を策定するために、われわれが第一に理解しなければならないことは、個人の消費決定だ。アンガス・ディーコン氏は、他の誰よりもこの理解を深めた」と添えた。 ディートン氏は関連する三つの業績で表彰された。1980年前後に同僚のジョン・ミューエルバウアー(John Muellbauer)氏と開発したさまざまな財に対する需要の試算システム、1990年前後に行った消費と収入の関係に関する研究、さらに後に行った世帯調査を手がかりに発展途上国の生活水準と貧困を評価する研究だ。 ノーベル経済学賞の受賞で、同氏には800万クローナ(約1億1800万円)が贈られる。【翻訳編集】 AFPBB News 【関連記事】 ノーベル経済学賞メダル、4700万円で初落札 仏経済学者ピケティ氏、最高勲章候補を辞退 現政権批判で ピケティ氏とスティグリッツ氏、英労働党コービン新党首の経済顧問に 【特集】あの人の忘れ得ぬ言葉〜山中教授は何と呼ばれていた?〜 〔写真特集〕日本のノーベル賞受賞者〜今年も!〜 最終更新:10月12日(月)21時25分 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151012-00000042-jij_afp-bus_all 大脱出 A・ディートン著 健康と経済成長めぐる人類の歴史 2015/1/19 14:00 人類は、病苦と貧困という地獄からどのように抜け出したか。数百年に及ぶ「大脱出」の歴史を、アメリカを代表する経済学者の一人である、プリンストン大学のA・ディートン教授が壮大なスケールで描いたのが本書である。これまで一緒に論じられることが少なかった、健康と成長との二本立て構造になっている。アメリカでも大きな反響を生んだ。
(松本裕訳、みすず書房・3800円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています) 著者は、人類が病苦と貧困からの「脱出」に成功してきた歴史を、大きな進歩として肯定的に評価する。長期統計に基づくその説明ぶりは、経済学者らしく統計の見方に細心の注意を払った行き届いたもので、読者の知的興味を刺激する。 しかし、著者は手放しで喜んでいるわけではない。本書のタイトルは、J・スタージェス監督による1963年のアメリカ映画『大脱走』(原題はともにTHE GREAT ESCAPE)に由来する。この映画では、ドイツ軍の捕虜収容所からの脱走に成功したアメリカ兵はごく少数で、大多数は収容所に残されるか殺害された。本書が注目するのも、「脱出」できなかった多くの人たちの存在である。 成長の恩恵を十分に受けない貧困層が増え、所得格差は国内、国家間でともに拡大しつつある。低所得国では、多くの子供たちが病苦と戦っている。すべての人が病苦と貧困から抜け出せたわけではない。人類の成長の歴史は、格差の歴史でもある。その現実を冷静な筆致で描写していく。これも本書の大きな魅力である。 ただし、正直なところを言わせてもらうと、その格差に私たちがどう向き合うかという問いかけには、本書は明確な回答を提示していない。もちろん、最後の章では低所得国に対する現在の援助のあり方を痛烈に批判し、改革の方針を示している。 しかし、成長や健康に対する重厚な叙述とは対照的に、助けを必要とする者に対する支援のあり方については全体の15%ほどの頁(ページ)数しか割いておらず、しかも海外援助の話に絞っているので、読者はやや物足りなく思うだろう。また、本書の最初の部分では、幸福という主観的な概念をめぐる議論もあって興味深いが、成長や健康、格差との関係についてもう少し掘り下げてほしかった。 本書全体を貫くトーンは楽観的である。私たち人類には「大脱出」に成功した経験がある。だから、いま存在する、そしてこれから生まれる格差も解決できるはずだ――と。映画『大脱走』の主題曲が明るかったことを思い出した。 (一橋大学教授 小塩 隆士) [日本経済新聞朝刊2015年1月18日付] 大脱出――健康、お金、格差の起原 著者:アンガス・ディートン 出版:みすず書房 価格:4,104円(税込み) http://www.nikkei.com/article/DGXKZO82064400X10C15A1MZA001/
アンガス・ディートン「死と貧困からの大脱走」 2014年3月23日 by 227thday leave a comment Angus Deaton “The great escape from death and deprivation” (VOX, 20 March, 2014) 平均寿命と一人当たりGDPで計った場合、1960年以降世界はより健康的でより豊かになってきている。本稿では、アンガス・ディートンが自らの新著を紹介する中で、大きな後退はあるものの世界はかつてよりも実際に良くなっているということとともに、そうした進歩が膨大な格差への道を開いていることを述べる。 40年近く前、人口学者のサミュエル・プレストン(1975)は、世界における平均寿命と所得のパターンの変化について記した。この論文により、世界の保健と世界の富について考えるための議題が設定された。この論文の主要な数値は依然として、保健と富における過去と現在の進展、すなわち私たちが今までどうであったのかということと、これからどうなるのかということを記述するのに有用であるだけでなく、20世紀前半における保健分野での大災厄を見るのにも有用である。 図1は、1960年と2010年のデータを用いてプレストンの図を改めたものだ。これは私の著書「The Great Escape: health, wealth, and the origins of inequality(邦訳:大脱出――健康、お金、格差の起原)」の第1章からとったものだが、大きな後退はあるものの世界はかつてよりも実際に良くなっている一方、そうした進歩が膨大な格差への道を開いているというこの本の中心的なテーマをよく表している。状況次第で格差は成長をさらに促進したり、成長の息の根を止める場合があり、そして頻繁に深刻な倫理的問題を引き起こす。 図1.世界の保健と富 deaton fig1 19 mar この図は(男女の別なしの)出生時平均寿命と価格調整済み国際ドルでの一人当たりGDPを記したものだ。各丸はそれぞれの国で、その大きさは人口に比例している。薄い色の丸は1960年のもので、濃いほうは2010年のものだ。矢は進歩の方向を示しており、一人当たり所得と平均寿命の両方が時とともに上昇している。2010年の線は1960年の上方に位置していて、これはつまりほとんどの国において平均寿命は1960年の線に沿った動きで予測した場合以上に伸びたということだ。曲線に沿った動きは所得による保健への影響で、線の上方シフトは技術進歩によるものの可能性があることをプレストンは示唆している。 各曲線に沿って移動するにつれ、死は「老化」する。これは疫学上の変化だ。最貧国においては、親たちは依然として自分の子供が肺炎、下痢といったずっと昔に克服された病気や、あるいは麻疹をはじめとするワクチンで防げる病気によって死ぬのを目の当たりにするというつらい苦しみとともに生活している。富裕国においては、病気は子供たちの腸から高齢者の血管へと舞台を移し、死は心臓病や癌などの慢性疾患によって訪れ、そしてその訪問先は若者ではなく老人である。死の高齢化というものは過去に起こった歴史の繰り返しだが、今日の貧しい国は過去の富裕国と比較してずっと低い水準の一人当たり所得で同程度の保健を達成している。1945年に私がエジンバラで生まれた時、スコットランドの平均寿命は今日のインドよりも低かった。1918年に私の父がヨークシャーの炭鉱で生まれた時、イングランドの子供の死亡率は今日のサハラ以南アフリカよりも高かった。 進歩と恐怖 進歩は恐怖によって繰り返し中断させられてきたが、そうした恐怖の全てが過去の遺物と化したわけではない。上の図では1960年から2010年の間で中国における平均寿命が大きく伸びたことを示しているが、そのほとんどは時間とともにゆっくりと起こったものではなく、1960年の後に突如として起こったものだ。実のところ、これは進歩の物語ではなく、中国の大飢饉による災害が縮小したからなのだ。数年以内に富裕国へ追いつき、共産世界による指導力を担い、自国における自らの政治的地位を確保しようとする毛沢東の狂信的な試みは、数百万もの人が死んでいっていることを示す山のような証拠を彼に無視させた。そして最終的に、おそらくは3000万人もの人が死んだYang (2013)。これに限らず、害のある政治が人間へ災厄をもたらしたことは歴史上枚挙にいとまがない。良い政策がもたらす便益を把握することは時折難しくもあるが、大躍進政策は悪い政策と悪い政治が何をもたらしうるかを示す例として注目に値する。 図には2010年の線よりもかなり下に位置している国もいくつかあるが、最も大きな濃い丸は南アフリカのものだ。これはHIV/AIDSが、それが蔓延したアフリカの国において、1950年から1990年にかけて悪戦苦闘の末に手にした平均寿命の伸びを打ち消したのだ。こうした病気による災害は、伝染病の時代が再び訪れることはないと安心して想定することは出来ないということを私たちに思いしらせる。 保健と富の間の関係がこの図の本質的な焦点である一方で、この保健と富という一変量の分布は膨大な世界規模格差も示している。国内の平均寿命は30歳から80歳超まで幅があり、一人当たりGDPは300ドル以下から4万ドル以上までの幅がある。一人当たりGDPと保健の世界的な正の相関のために、所得の格差はそれと同等の保健格差をともなう。所得について外れくじを引いた人は、保健についても外れくじを引くことになるのだ。こうした格差がありふれたものだということが、その極悪さを私たちの目に見えなくしてしまう場合がある上、この格差それ自体が過去の進歩の結果だ。1750年以降、イギリスとそれに続いた北西ヨーロッパが一人当たり所得における持続的な経済成長とともに平均寿命の向上を始めた際、これらの国々は世界のそれ以外を突き離し、踏まることのない差を作り出した。保健と富の両方における世界的な格差は、大部分が貧困と早期の死亡からの脱走第一回目の残存余差なのだ。 未来はどうか 今日、技術分野における経済成長の失敗、すなわち国内格差の拡大を伴うとともにそれをさらに加速させる経済の落ち込みについて懸念されている。しかし世界の富裕国においては、成長の下落は死亡率の低下ペースの鈍化をもたらしてはいない。喫煙率がとくに男性において低下したことや、(大部分が予防的な)循環器系疾患処置の進歩によって、死亡率は半世紀にわたって急速に下落してきた。また、新薬や新知識が一つの富裕国から他の国へと急速に広がるということもその一因となっている。死亡率低下のパターンは、過去においては各国ごとに異なっていたが、いまでは一致に近くなっている。たとえば抗高血圧剤などの循環器系疾患の予防の費用はごくわずかであり、すでに感染性の病気が主たる死因ではなくなった中所得国へも拡大する大きな可能性がある。今日においては一部の癌についても着実な進歩がなされており、運が良ければこの先50年で、過去50年で循環器系疾患による死亡率で見られたのと同じ程度の癌死亡率低下が起こるだろう。残念なことに、癌治療は高額で、健康と富の間の難しいトレードオフを生じさせることになる。私たちはより優れた健康とより多くの物質的繁栄のどちらかを選択しなければならないかもしれない。 今日の世界における最も大きな格差であり、また最も倫理的な問題を孕んでいるのは富裕国と貧困国の間の格差だ私たちがこの一世紀の大部分で予防あるいは治療法を確立してきた病気によって、アフリカでは日常的に赤ん坊が死んでいる。そして7.5億人程度のひとが(国際ドル換算で)1日1ドル以下で生活しており、この生活水準それ自体は想像できないほど低いものだ。多くの人たちにとって、こうした格差をなくし、道徳的なコミットメントに対応するための明白な方法は金持ちから貧しい人への国際援助だ。貧しい人たちそれぞれが1日1ドルにどれだけ足りていないのかを計算し、それに貧しい人の数を掛けると、その合計はアメリカの成人一人当たり1日1ドルに満たず、西ヨーロッパも数に入れればその半分になる。この魅力的な計算がなぜ意味のないことなのか、そして大部分国際援助によって政府が資金を得ている国の人々をなぜ援助は害してしまうのか、これらが大脱走における最後の、そしてもっとも紛糾する章なのだ。 参考文献 ●Deaton, Angus (2013), The Great Escape: health, wealth, and the origins of inequality, Princeton, NJ and Oxford, Princeton University Press. ●Preston, Samuel (1975), “The changing relation between mortality and economic development,” Population Studies, 29:2, 231–48. ●Yang Jisheng (2012), Tombstone: the great Chinese famine, 1958–62, Farrar, Straus and Giroux. http://www.voxeu.org/article/great-escape-death-and-deprivation
ノーベル経済学賞、宇沢、青木氏はなぜ受賞できなかったのか (1/2ページ)2015/10/12 20:08日本経済新聞 電子版 今年のノーベル経済学賞の受賞者は米プリンストン大学のアンガス・ディートン氏に決まった。ノーベル賞の中で日本人が唯一、受賞していないのが経済学賞。日本人の候補者として長年、名前が挙がってきた宇沢弘文氏が昨年秋、青木昌彦氏が今夏に死去し、今年は「日本人初の受賞者」への期待はあまり盛り上がっていなかった。宇沢氏と青木氏はなぜ、受賞できなかったのか。2人の研究業績と、ノーベル経済学賞の選考方法とを照らし… http://www.nikkei.com/article/DGXMZO92563500X01C15A0I00000/ |