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雑感。TPP合意は・・・?
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52743626.html
2015年10月09日 在野のアナリスト
内閣改造をうけて、各社の世論調査が出てきましたが、支持率がおよそ5%上昇、不支持率がおよそ5%下降、と判で押したような結果となっています。ご祝儀でも50%台まで切り返せなかった結果は、かなり厳しいでしょう。それこそ一部を除いて『期待しない』が『期待する』を上回った。重要閣僚は留任なので、それこそ現状に不満があれば『期待しない』となるのが必然ですが、TPPでは合意が『良かった』とする意見の方が多い。これは危険なことだと感じます。
農産物に関して、TPPの合意状況の一部が出てきましたが、関税撤廃品目がかなり多い印象です。その中で、メディアの街頭インタビューでは「税金がなくなる、安くなる」と聞き、コメントに「それは良いこと」というニュアンスの答えを引き出す工夫がされています。しかし、これは下手をすると逆の結果を招きかねません。恐らくそれでも国産を買いたい、という一般消費者は多いでしょう。しかし関税が撤廃され、安価な農水産物が入ってくると、真っ先につかうのが加工食品の分野です。原産地表示が不要なので、消費者はそれと気づかずに海外の農水産物を買うことになる。それでも価格が下がれば、それは消費者にも恩恵があるでしょう。
しかし国内の生産者は、加工食品の分野に卸す量が減り、収益が低下して廃業するところが出てくるでしょう。色や形がよいものは一般消費者へ、少し崩れたものを加工食品へ、と回していた後者が消えるわけですから、生産者が減って供給不足から値上げとなるか、収益を維持するために一般消費者へ回す分を高くせざるを得ない。すると、やがて国産品は高級品として贈答用などに、店舗には海外産品が並ぶようになるでしょう。多くの農産物がそうした経路をたどっているので、TPPが発効されれば間違いなく国内の生産者には大打撃となるはずです。
気になるのは生産者が5次産業化をすすめる過程で、厳しい競争に曝される点です。これまでも海外に進出しようと、加工食品にして輸出することを進めてきました。しかし今回の関税撤廃では、その加工食品も含まれる。輸出が上手く拡大すればいいですが、失敗すれば一気に設備投資が負担になる。生産縮小ばかりでなく、その負債が破綻へ向かう原因となりかねません。
現状でさえ、自営業者は毎月10万人以上の廃業を迫られている。農水産業は零細企業も多く、体力もありません。いくら補助金をだしても、それこそ潰れるべきところを存続させていても、赤字を垂れ流すだけとなり、いずれ破綻となることが見えています。TPP推進者は構造変化が必要、と述べますが、構造変化できるだけの体力すらないのが現状です。その構造変化の原資が、税金から出てくるようなら、このTPPにはメリットが少ない、ともなってくるのでしょう。
安くなればいい、誰に聞いてもそう答えるでしょう。しかしその裏で、国内製品が高くなって買えなくなったら? と聞けばどう答えるか。そもそも、安倍政権で目指していた、今ではその成果をやたらと誇る『脱デフレ』の方向性さえ、高くなって良かったですか? と聞けば、その答えも自ずと分かるでしょう。自分ばかりでなく、周りも含めてTPPが与える影響を考えていかないと、良し悪しなど判断できるはずもありません。TPP合意を「良かった」と答えることが、本当に良いことだったのかどうか。世界の動向をみてから判断しても遅くはないのでしょうね。
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