http://www.asyura2.com/15/hasan101/msg/390.html
Tweet |
10月9日、ドル/円が120円を中心とした狭いレンジで小動きを続けている。写真はFX会社の従業員、都内で9月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)
焦点:こう着するドル/円、重要イベントでも動かず市場はため息
http://jp.reuters.com/article/2015/10/09/dollar-yen-forex-idJPKCN0S311R20151009
2015年 10月 9日 19:12 JST
[東京 9日 ロイター] - ドル/円JPY=EBSが120円を中心とした狭いレンジで小動きを続けている。年内の米利上げ観測が後退する一方、日銀の追加緩和期待は根強い。両方向の材料に挟まれ方向感が乏しくなっている。重要イベント後でさえ動意付かないこう着相場に実需筋だけでなく、短期筋や個人投資家もお手上げの状態だ。
<徐々に狭くなるレンジ幅>
「これだけ相場がこう着すると、とてもじゃないが商売にならない」──。国内金融機関の為替ディーラーの間からは、ため息が漏れている。
ドル/円は8月後半の急落以降、1カ月半にわたって概ね118─122円のレンジ相場にはまり込んでいる。とりわけ、直近の数週間は119─121円のコアレンジへと、ますますその範囲が狭まってきている。
この間、重要なイベントは少なくなかった。米利上げ観測が強まった9月17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀追加緩和期待が盛り上がった10月6─7日の日銀決定会合。弱い9月中国製造業PMIや独フォルクスワーゲンの排ガス規制逃れ問題もあった。
しかし、買い材料が出てもドル/円は121円台に入れば失速。一方、9月米雇用統計後に下押した場合も118.68円止まりだった。
<2014年との違い>
ドル/円は、2014年の前半にもレンジ相場が続いた。米国が大規模緩和から金融政策の正常化に向かい、日銀が緩和政策を進める流れにあったが、米長期金利の上昇が鈍かったため方向感が出ず、100円付近でのもみあい相場となった。
だが、当時はドル先高観の強さがあった。米国がテーパリング(緩和縮小)から利上げへと向かうプロセスの中で、市場参加者の多くはドル/円の上昇を予想。夏場以降は100円付近から上昇基調となり、日銀の追加緩和で一段高となると半年間で一気に120円超に上昇した。
現時点では、米利上げが年内に開始されるかどうかも不透明なうえ、利上げ開始後のペースも緩やかになるとの見方が支配的になってきている。9月米連邦公開市場委員会(FOMC)では、利上げ開始を見送った背景の1つとして、新興国経済減速の影響が米経済に及ぶ可能性を見極める意向を挙げた。これによって市場では、短期間のうちに利上げが開始されるとの見方は後退している。
ドル/円上昇を見込む投資家の間では、物価上昇が鈍いとして日銀の追加緩和への期待感がくすぶっている。これによってドル/円が下支えされている面があり「上にも下にも動きにくくなっている」(先の国内金融機関)という。
<蓄積されるエネルギー>
米商品先物取引委員会(CFTC)がまとめたIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(9月29日までの1週間)によると、円の売り越しは2万2052枚。前週は2万3678枚だった。ポジションの傾きが大きくなっていないところにも、相場のこう着感が現れている。「短期筋は、値幅の出ないドル/円に見切りをつけ、マレーシアリンギなどのこれまで売り込まれてきた新興国・資源国通貨に向かっている」(欧州系銀行)との指摘が出ている。
輸入企業や輸出企業といった実需筋は、119─121円のレンジ内では「その多くが必要な売買を済ませており、双方からほとんど注文が出なくなってきている」(国内金融機関)という。
個人投資家も動きが鈍い。「雇用統計が予想を下回ったため、年内利上げは難しいとの見方から盛り上がりに乏しい」(セントラル短資FXの市場部長、伊藤雅博氏)という。
個人投資家は本来、レンジ取引を得意とするが「特にこの数日は材料があっても相場が動かない。個人投資家は119円前後で買ってはみたものの上値も重く、なかなか上手くいっていない」(外為どっとコム総研の調査部長、神田卓也氏)という。
レンジがこう着すればするほど、上方向でも下方向でもレンジを抜ける場合には「エネルギーが溜まっているだけに、相場が走る傾向がある」(邦銀)と、レンジを抜けた後の急動意も警戒されている。
米利上げが見通しにくい中で、日銀の追加緩和にレンジ抜けのきっかけを期待する向きは少なくない。経済・物価情勢の展望(展望レポート)をまとめる10月30日の金融政策決定会合が、追加緩和のタイミングとして有力視されている。
ただ、日銀の黒田東彦総裁は物価の基調改善に自信をもっているとして、追加緩和を急がないとの見方も根強い。
足元のドル/円の水準は「追加緩和の期待を織り込んでプレミアム分を含んでいる可能性がある」(あおぞら銀行の市場商品部部長、諸我晃氏)という。それだけに「実際に追加緩和があった場合のドル/円の上昇リスクより、むしろ追加緩和がなかった場合の下落リスクにも備えが必要だ」(国内証券)との指摘も出ている。
(平田紀之 編集:田巻一彦)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 経世済民101掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。