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大阪ガスの泉北天然ガス発電所。発電した電気の一部を新電力エネットに販売している=大阪府高石市
新電力40社「8兆円市場」争奪戦 家庭向け第1弾、主戦場は首都圏
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20151009-00000000-biz_fsi-nb&ref=rank
SankeiBiz 2015/10/9 08:15
経済産業省は8日、来年4月の電力小売り全面自由化以降に電気を販売できる新規参入事業者の第1弾として新電力最大手のエネットや昭和シェル石油など40社の登録を認めると発表した。各社は来年1月ごろに料金を決め、電力の販売契約の受け付けを始める。8兆円規模とされる家庭向け電力小売市場の争奪戦が本番を迎える。
◆登録に82社申請
登録が決まったエネットは「魅力ある料金メニューやサービスを提供したい」と早速、市場開拓に意気込む。
経産省は今年8月に登録受け付けを始め、今回の40社を含む82社が申請。電力取引監視等委員会が業務の実施体制や暴力団など反社会的勢力とつながりがないかを審査し8日、40社を認可すべきだとの意見書を提出。同省は即日、登録を決めた。
今後、残る申請企業についても順次、審査結果を発表する。大手電力は来年4月1日に自動的に登録が切り替わる。
大手電力は東日本大震災後の原子力発電の稼働停止で火力発電の燃料費負担がかさみ、電気料金を値上げした。経産省は、自由化が料金の低減につながると期待する。
自由化まで半年を切るなか、新電力40社が名実ともに認められたことで、成長余力のある首都圏をめぐるせめぎ合いが本格化する。首都圏は国内電力需要の3割を占める最大消費地。大手電力の地域独占が崩れる全面自由化後に主戦場となるのは必至だ。これまで手が届かなかった東京電力の牙城を切り崩す好機の到来で、新電力だけでなく、地方の人口減に直面する他の大手電力も越境販売に向け足場固めを進める。
富士川に程近い静岡県富士市。中部電力が三菱商事、日本製紙と共同で計画する石炭火力発電所の建設が進む。中部電は富士川以西がサービスエリア内だが、発電所を設置する日本製紙富士工場は富士川を渡った東電管内にある。発電所からは中部電と電気の周波数が違う東電管内にスムーズに電気を送ることができる。運転開始は来年5月で、出力は10万キロワットと小ぶりだが、首都圏攻略に向けた「最前線基地」と位置付ける。
◆東電、異業種と提携
関西電力は東燃ゼネラル石油と組み、原発1基分に相当する出力100万キロワットの石炭火力を千葉県で建設する。中国電力も東京ガス、JFEホールディングスと千葉県で石炭火力の新設を計画する。
東北電力は、東京ガスと新会社「シナジアパワー」を東京都内に今月1日に設立。北関東を中心に来年4月から企業向けに電力を販売する。東北電は全面自由化について「環境の変化は新たな事業機会」と捉えており、「新会社は将来的に首都圏で家庭向け電力小売りに乗り出す布石だ」とみるエネルギー業界の関係者は多い。
こうした動きに対し、危機感を募らせる東電はポイントサービスの運営会社や携帯電話会社など異業種との提携を進める。電気を買えばポイントがたまるようにするほか、ガスや携帯電話の料金とのセット割引を導入する。「他社の力をどんどん取り込み販売力を強化」(東電幹部)し、顧客のつなぎ止めや収益拡大を狙う。
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