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安倍改造内閣と、日銀会合
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52743510.html
2015年10月07日 在野のアナリスト
第3次安倍改造内閣が発足しました。安倍氏曰く『未来へ挑戦する内閣』だそうですが、留任が9人もいるので、今さら挑戦、と言われてもピンと来ません。細田派から4人、腹心の加藤氏を1億総活躍担当に据えるなど、身内優遇が目立ちます。この読み方には二つあって党内の反安倍の動きに対応するためには、身内で固めたいとする内向きか、もう一つはどうせ1年ともたない政権だから忠誠を尽くす人に役をつけておこう、とする温情か。しかし後者と思えないのは、丸川環境相を入閣させたいために細田派を増やしたり、初入閣組には鬼門と言われる経産相に、国家公安委員長を歴任した林氏を充てるなど、醜聞潰しともいえる動きが散見される点です。
そうなると政権しがみつきの思惑が、色濃く滲んだとも云えるのでしょう。麻生氏、岸田氏、石破氏など寝首を掻こうという派閥の領袖は閣内に抱えっ放しにした。二階派や額賀派の要求には最大に配慮した。この組閣は自民党の組織論としては、とても『保守』的に見えます。安倍氏の思惑としては『未来へ挑戦…』ではなく、『長期政権に挑戦したい組閣』とも言えます。
質疑でも3年で憲法改正議論を…と述べているので、参院選を越す気満々。これを参院自民がどう捉えるか? 政局的には自民党内の動きが活発化しそうな気配です。しかしいつのまにか出生率1.8%に『希望』がつき、実績ベースで1.8%にする、という目標から後退させました。子供が欲しい、と答えた人が1.8%になっても、少子高齢化が解消されるわけではなく、目標自体からやる気がみられない。また「TPPをピンチではなくチャンスに…」と述べていますが、チャンスだから合意したのではないのか? これから様々な対策をしないとピンチだ、というなら外交の失敗を内政で挽回しよう、という話に過ぎません。挽回できるかは農政族の重鎮、森山氏に託すということですが、これまでの農政を守ってきた人が、古希をこえて挑戦する気になるか? 甚だ疑問です。
日銀の金融政策決定会合が開かれ、現状維持が決まりました。日経平均は売りとなったものの、恐らく昨日売っていた分を買い戻す、日系の動きで切り替えし、130円以上上げて引けています。内閣改造の日、下落となったら市場期待が低い、とみられるのを回避したかったのでしょう。
しかしここ数日、資源価格や小麦などの食料品価格が切り返してきており、これが楽観ムードをより高めている、とされます。市場に資金がもどりだした、それを好感した動きが株にも入っている。しかし今日の黒田日銀総裁の会見は、そうしたものに冷や水を浴びせる内容です。
日銀展望レポートで、景気や物価見通しを下方修正する方向ですが、デフレマインドが解消傾向にある限り、追加緩和を打つことはない。黒田氏の発言からはそう読み解けます。追加緩和の本命は次の会合となる30日、短観でも展望レポートでも、景気が悪化していく方向であっても、追加緩和はしないのでは? これはもう経済指標から、金融政策の先行きを読むことが難しくなったことを意味し、また元副総裁や政治家の追加緩和を期待させる発言でさえ、信がおけない、ということとなったのです。これは市場が嫌がる不透明感という形となってしまうのでしょう。
安倍政権の経済閣僚も、ほとんど留任で変化が期待できません。黒田氏もいつのまにか、物価目標をなし崩しにして、ただただ消費税10%を前にして、余力を残そうと画策し始めた。安倍政権も、黒田日銀もイイワケのためのアリバイ作りに躍起となっているようにしか見えないのです。『未来から嘲笑される内閣』と、『未来には帳面合わせに苦労しそうな日銀』と、それぞれが一つの転機を迎えた、それが今日だったのかもしれませんね。
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